退職後の社保から国保・国民年金への切り替え手続きガイド
会社を退職すると、これまで加入していた社会保険(健康保険・厚生年金)の資格を失います。
日本では「国民皆保険・皆年金」制度のため、すべての国民がいずれかの健康保険と年金に加入しなければなりません。
「退職後の健康保険と年金、どうすればいいの?」
「手続きが複雑そう...」
と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
退職後に多くの人が直面するのが、この健康保険と年金の切り替え手続きです。
実は、国民健康保険と国民年金への切り替えは、市区町村役場で同時に手続きができます。
この手続きガイドでは、退職後の健康保険と年金の選択肢から、国民健康保険・国民年金への切り替え手続き、保険料の軽減・免除制度までを、専門用語を避けながら分かりやすく解説します。
1. 退職後に必要な2つの切り替え手続き
退職後は、健康保険と年金の2つの切り替えが必要です。
どちらも複数の選択肢があり、選ぶ内容によって手続き場所や期限が異なります。
1.1. 健康保険の選択肢
退職後の健康保険には、主に3つの選択肢があります。
| 選択肢 | 概要 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 市区町村が運営する健康保険 | 前年の所得が低い方、軽減制度を使いたい方 |
| 任意継続 | 退職前の健康保険を最長2年継続 | 扶養家族が多い方、保険料を比較して安い方 |
| 家族の扶養 | 家族の健康保険の被扶養者になる | 収入が130万円未満の方 |
1.2. 年金の選択肢
退職後の年金には、主に2つの選択肢があります。
| 選択肢 | 対象者 | 保険料 |
|---|---|---|
| 国民年金第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の方 | 月額17,510円(令和7年度) |
| 国民年金第3号被保険者 | 配偶者の扶養に入る方 | 自己負担なし |
1.3. 健康保険と年金の組み合わせ
退職後は、健康保険と年金の選択を組み合わせて手続きします。
よくある組み合わせと手続き場所:
| 組み合わせ | 手続き場所 | 手続き期限 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 + 国民年金第1号 | 市区町村役場(同時に手続き可能) | 退職日の翌日から14日以内 |
| 任意継続 + 国民年金第1号 | 任意継続:健保組合/協会けんぽ、年金:市区町村役場 | 任意継続:20日以内、年金:14日以内 |
| 家族の扶養(健康保険・年金とも) | 扶養者の勤務先 | 勤務先に確認 |
この手続きガイドでは、最も多くの方が選択する国民健康保険 + 国民年金第1号への切り替え手続きを中心に解説します。
2. 退職後の健康保険の選択肢【詳細解説】
ご自身の状況に合った健康保険を選ぶため、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
2.1. 国民健康保険に加入する
お住まいの市区町村が運営する健康保険(国保)です。
退職して求職中の方、自営業者、フリーランス、年金受給者など、職場の健康保険(社会保険)に加入していない人が対象となります。
- メリット
前年の所得が低い場合など、状況によっては保険料が安くなることがあります。
また、倒産や解雇といった非自発的な理由で離職した方向けの軽減制度もあります。 - デメリット
社会保険にあった「扶養」の概念がありません。
そのため、家族がいる場合は、加入する家族一人ひとりについて保険料がかかります。
2.2. 健康保険を任意継続する
退職前に加入していた会社の健康保険を、一定期間継続できる制度です。
- メリット
在職中とほぼ同じ保険給付を受けられます。
また、これまで通り家族を扶養に入れることができるため、扶養家族が多い場合は国民健康保険より保険料が安くなる可能性があります。 - デメリット
保険料は、これまで会社が負担してくれていた分も含めて全額自己負担となるため、在職中の約2倍になります。
また、原則として2年間しか継続できません。
2022年1月からの制度改正ポイント
従来、任意継続は2年間継続が原則でしたが、2022年1月の改正により、任意継続の途中で資格を喪失し、国民健康保険に切り替えることが可能になりました。
これにより、1年目は任意継続を選び、2年目以降は前年の所得が下がったタイミングで国保に切り替える、といった柔軟な選択ができるようになっています。
途中脱退の手続き方法
任意継続を途中でやめる場合は、以下の手続きが必要です。
- 「任意継続被保険者資格喪失申出書」を提出
加入している健康保険組合または協会けんぽに提出します。 - 資格喪失日
申出が受理された日の翌月1日に資格を喪失します。
(例: 3月15日に申出 → 4月1日に資格喪失) - 保険証等の返却
資格喪失日以降に、資格確認書などを返却します。
資格喪失日以降は保険がなくなるため、国民健康保険への加入手続きを忘れずに行いましょう。
任意継続の申請期限
任意継続を希望する場合は、退職日の翌日から20日以内に申請する必要があります。
この期限を過ぎると任意継続はできなくなるため、検討中の方は早めに保険料を確認しましょう。
2.3. 家族の扶養に入る
配偶者や親族が加入している健康保険の被扶養者になる方法です。
- メリット
ご自身で保険料を支払う必要がなくなります。 - デメリット
被扶養者になるためには、年収が130万円未満(60歳以上や障害者の場合は180万円未満)であることなど、一定の収入条件を満たす必要があります。
家族の扶養に入る手続きの詳細については、以下の手続きガイドもご覧ください。
3. 退職後の年金の選択肢【詳細解説】
健康保険と同様に、年金についても退職後の選択肢を確認しましょう。
3.1. 国民年金第1号被保険者になる
20歳以上60歳未満の方で、厚生年金に加入しなくなった場合は、国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。
対象となる方
- しばらく転職活動をする方
- 自営業やフリーランスになる方
- 無職になる方
- 個人事業主として独立する方
国民年金保険料(令和7年度)
月額 17,510円
保険料は毎年改定されます。
令和8年度は17,920円の予定です。
3.2. 国民年金第3号被保険者になる
配偶者が会社員や公務員(厚生年金加入者)で、その扶養に入る場合は、国民年金第3号被保険者になります。
- メリット
自分で保険料を納める必要がありません。
扶養される期間も年金額に反映されます。 - 条件
年収130万円未満であることなど、被扶養者の条件を満たす必要があります。
手続き場所:
配偶者の勤務先で手続きします(市区町村役場ではありません)。
3.3. 配偶者も手続きが必要な場合
あなたが退職して厚生年金を抜けると、これまでの扶養に入っていた配偶者(第3号被保険者)も資格を失います。
配偶者が第3号被保険者だった場合は、配偶者も国民年金第1号被保険者への切り替え手続きが必要になります。
忘れがちなポイントなので注意しましょう。
4. 国民健康保険・国民年金への切り替え手続き
ここでは、最も一般的な選択肢である国民健康保険と国民年金への切り替え手続きについて詳しく見ていきましょう。
両方の手続きは市区町村役場で同時にできます。
4.1. 手続き期限
退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。
ただし、14日を過ぎても手続きは可能です。
遅れた場合でも加入手続きはできますが、保険料は退職日の翌日まで遡って支払う必要があります。
手続き期限の日付を確認しましょう
4.2. 手続き場所
お住まいの市区町村役場で手続きします。
窓口の名称は自治体によって異なりますが、「保険年金課」「国民健康保険課」「国民年金課」などの名称が一般的です。
国民健康保険と国民年金は窓口が別の場合もありますが、同日に続けて手続きできます。
4.3. 必要書類
国民健康保険と国民年金の切り替えには、共通で使える書類が多くあります。
共通で必要なもの
- 健康保険資格喪失証明書
退職した会社から発行されます。
原則として必要ですが、自治体によっては離職票や退職証明書など、退職日が確認できる書類で代替可能な場合もあります。
事前にお住まいの自治体に確認しましょう。 - 本人確認書類
マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど - マイナンバーがわかるもの
マイナンバーカードまたは通知カード
国民年金の切り替えに追加で必要なもの
- 基礎年金番号がわかるもの
基礎年金番号通知書、年金手帳など
家族も一緒に切り替える場合
扶養していた配偶者や子どもも一緒に手続きする場合は、全員分のマイナンバーがわかるものを持参してください。
4.4. 資格喪失証明書がもらえない場合の対処法
国民健康保険・国民年金への加入手続きには「健康保険資格喪失証明書」が必要ですが、退職後に会社から発行してもらえない、または発行が遅れるケースがあります。
会社に発行を依頼する
まずは、退職した会社の人事部や総務部に連絡し、資格喪失証明書の発行を依頼しましょう。
通常、退職後1〜2週間程度で発行されます。
会社が対応してくれない場合
会社に依頼しても対応してもらえない場合は、加入していた健康保険の種類によって申請先が異なります。
- 協会けんぽ(全国健康保険協会)加入者の場合
お住まいの地域を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認請求書」を提出して発行を申請できます。 - 健康保険組合加入者の場合
各健康保険組合に直接お問い合わせください。
以下では、協会けんぽ加入者の場合の申請方法を説明します。
申請方法(協会けんぽの場合)
- 管轄の年金事務所を確認
お住まいの地域を管轄する年金事務所を調べます。
日本年金機構の公式サイトで検索できます。 - 必要書類を準備
- 健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認請求書(年金事務所で入手)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 退職を証明できる書類(退職辞令、離職票など、あれば)
- 年金事務所に提出
窓口で申請するか、郵送でも可能です。 - 資格喪失証明書を受け取る
申請から1〜2週間程度で発行されます。
年金事務所への申請時の注意点
- 会社が手続きを放置している場合、年金事務所から会社に連絡が入ることがあります
- 発行までに時間がかかるため、早めに行動しましょう
- この間も保険料は発生しているため、手続きが遅れると遡及して支払う必要があります
4.5. 切り替え手続きの流れ
- 「健康保険資格喪失証明書」を受け取る
退職後、速やかに会社に発行を依頼しましょう。 - 市区町村役場の窓口へ行く
国民健康保険の担当窓口(「保険年金課」などの名称)と国民年金の担当窓口で手続きをします。 - 必要書類を提出し、加入手続きを行う
「国民健康保険と国民年金に加入したい」と伝え、持参した書類を提出します。 - マイナ保険証または資格確認書で受診可能に
2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新規発行されなくなりました。
手続きが完了すると、以下のいずれかで医療機関を受診できるようになります。- マイナ保険証がある方:
手続き完了後、数日程度でマイナンバーカードによる資格確認が可能になります - マイナ保険証がない方:
「資格確認書」が後日郵送されます(1〜2週間程度)
- マイナ保険証がある方:
- 国民年金の納付書が届く
手続き完了後、1〜2ヶ月程度で国民年金保険料の納付書が届きます。
手続き完了までの期間と注意点
- マイナ保険証への反映:
手続き完了後、マイナンバーカードによる資格確認が可能になります。
反映までの日数は自治体により異なりますが、最短で2〜3営業日、通常は5〜10日程度かかります。 - 資格確認書の発送:
マイナ保険証を利用登録していない方には、資格確認書が郵送されます。
発送までの期間は自治体により異なるため、窓口で目安を確認しましょう。 - その間の医療費:
手続き完了前に医療機関を受診した場合は、一旦全額自己負担となります。 - 療養費の申請:
後日、資格確認書(またはマイナ保険証)と領収書を持参して市区町村役場の窓口で申請すれば、自己負担分を除いた金額が払い戻されます(支払いから2年以内に申請が必要)
詳細については以下の手続きガイドで解説しています。
マイナ保険証があればスムーズ
マイナンバーカードを健康保険証として利用登録(マイナ保険証)している場合、国民健康保険への切り替え手続きが完了すれば、医療機関でマイナンバーカードを使って資格確認ができるようになります。
資格確認書の郵送を待つ必要がなく、手続き完了後すぐに3割負担で受診できるのがメリットです。
マイナ保険証の申請などの詳細については以下の手続きガイドで解説しています。
4.6. オンライン手続きも可能
一部の自治体では、マイナンバーカードを使ってオンラインで手続きができます。
国民年金はマイナポータルで電子申請が可能です。
国民健康保険のオンライン手続きは自治体により対応状況が異なるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。
オンライン手続きのメリット
- 役所の窓口に行く必要がない
- 24時間いつでも手続き可能
- 待ち時間がない
オンライン手続きの方法
- お住まいの自治体が対応しているか確認
市区町村の公式ホームページで「国民健康保険 オンライン手続き」「マイナポータル」などで検索します。 - マイナンバーカードを準備
マイナンバーカードと、カードを読み取れるスマートフォンまたはICカードリーダーが必要です。 - マイナポータルにアクセス
マイナポータルから国民健康保険・国民年金の加入手続きを選択します。 - 必要情報を入力
資格喪失証明書の情報や本人情報を入力して申請します。
国民年金のオンライン手続き
マイナポータルでは、以下の国民年金関連の手続きがオンラインで可能です。
- 国民年金第1号被保険者への切り替え
- 保険料免除・納付猶予の申請
- 学生納付特例の申請
詳しくは日本年金機構の電子申請(マイナポータル)ページをご確認ください。
オンライン手続きの注意点
- 手続き完了までマイナ保険証に反映されない
申請から1週間程度は、マイナンバーカードを保険証として使用できません。 - 資格喪失証明書の情報が必要
オンライン手続きでも、資格喪失証明書に記載されている情報(資格喪失日など)の入力が必要です。 - 対応していない自治体もある
すべての自治体がオンライン手続きに対応しているわけではありません。
4.7. 郵送での手続きも可能
多くの自治体では、窓口に行けない場合は郵送での加入手続きも受け付けています。
年末年始など窓口が休業している期間に退職した場合や、平日に窓口へ行くのが難しい場合は、郵送手続きを検討しましょう。
郵送手続きの方法や必要書類は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村のホームページで確認するか、電話でお問い合わせください。
5. 国民健康保険料と軽減制度
気になるのが保険料です。
国民健康保険料は、前年の所得や世帯の加入者数、年齢などによって決まり、市区町村ごとに計算方法が異なります。
5.1. 保険料の計算方法
保険料は、主に以下の合計で決まります。
- 所得割額
前年の所得に応じて計算されます。 - 均等割額
世帯の加入者数に応じて計算されます。 - 平等割額
一世帯あたりで計算されます。(※採用していない自治体もあります)
正確な保険料を知りたい場合は、お住まいの市区町村役場の窓口で試算してもらうのが確実です。
5.2. 保険料の軽減・減免制度
国民健康保険には、所得が低い世帯や、特別な事情がある方向けの軽減・減免制度があります。
非自発的失業者向けの軽減制度(重要)
会社の倒産・解雇や、正当な理由のある自己都合退職(雇い止めなど)で離職した方は、申請により保険料が大幅に軽減される場合があります。
- 軽減の内容:
前年の給与所得を100分の30(30%)とみなして保険料を計算します。
たとえば、前年の給与所得が300万円の方なら、90万円として計算されるため、保険料が大きく下がります。 - 軽減期間:
離職日の翌日から翌年度末まで(最長2年間) - 対象となる方:
雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する方が対象です。
ハローワークで発行される「雇用保険受給資格者証」や「離職票」の離職理由コードで判定されます。 - 対象となる離職理由コードの例:
- 11、12(解雇)
- 21、22(雇い止め)
- 23、31、32、33、34(正当な理由のある自己都合退職)
- 申請に必要なもの:
- 雇用保険受給資格者証または雇用保険被保険者離職票
- 国民健康保険証(資格確認書)
- 本人確認書類
対象となる方は、加入手続きと同時に必ず申請しましょう。
申請しないと通常の保険料が請求されてしまいます。
低所得世帯向けの軽減制度
所得が一定基準以下の世帯は、その水準に応じて保険料の均等割額・平等割額が7割、5割、2割のいずれかで軽減されます。
この軽減は申請不要で、所得に応じて自動的に適用されます。
6. 国民年金保険料と免除制度
国民年金についても、保険料と免除制度を確認しましょう。
6.1. 国民年金保険料
令和7年度(2025年度)の国民年金保険料:
月額 17,510円
保険料は毎年改定されます。
参考までに、今後の保険料は以下の通りです。
| 年度 | 月額保険料 |
|---|---|
| 令和7年度(2025年度) | 17,510円 |
| 令和8年度(2026年度) | 17,920円 |
| 令和9年度(2027年度) | 18,290円 |
6.2. 保険料の支払い方法
国民年金保険料は、以下の方法で支払うことができます。
- 納付書(金融機関、コンビニエンスストア)
- 口座振替
- クレジットカード
- スマホ決済
前納で保険料がお得に
1年分または2年分をまとめて前納すると、保険料が割引になります。
| 前納期間 | 割引額(口座振替の場合) |
|---|---|
| 6ヶ月前納 | 1,190円 |
| 1年前納 | 4,400円 |
| 2年前納 | 17,010円 |
前納の申込みには期限があります。
2年前納・1年前納は毎年2月末までに手続きが必要です。
6.3. 失業等による特例免除制度(重要)
退職(失業)した場合、前年所得にかかわらず保険料の免除・猶予を受けられる特例があります。
「失業等による特例免除」は、退職した方にとって非常に重要な制度です。
保険料を納めることが経済的に難しい場合は、必ず申請しましょう。
免除の種類と年金額への影響
免除には4種類あり、それぞれ将来受け取れる年金額への影響が異なります。
| 免除の種類 | 納付額(令和7年度) | 年金額への反映 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 0円 | 全額納付の2分の1 |
| 4分の3免除 | 4,380円 | 全額納付の8分の5 |
| 半額免除 | 8,760円 | 全額納付の8分の6 |
| 4分の1免除 | 13,130円 | 全額納付の8分の7 |
| 納付猶予 | 0円 | 年金額には反映されない |
- 全額免除でも、年金額の2分の1は保障されます(税金分)
- 手続きをせず未納のままにすると、この2分の1も受け取れません
- 障害年金・遺族年金の受給資格期間にもカウントされます
特例免除に必要な書類
失業等による特例免除を申請する場合は、以下の書類が必要です。
- 基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書、年金手帳など)
- 雇用保険被保険者離職票のコピー
または - 雇用保険受給資格者証のコピー
申請場所
- 住所地の市区町村役場の国民年金担当窓口
- お近くの年金事務所
- マイナポータル(オンライン申請)
国民健康保険と国民年金の加入手続きと同時に、免除申請も行うことをおすすめします。
追納制度
免除・猶予を受けた期間は、10年以内であれば追納(後から納付)することで、老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることができます。
経済的に余裕ができたら追納を検討しましょう。
6.4. 低所得世帯向けの免除制度
失業していない場合でも、所得が一定基準以下であれば保険料の免除・猶予を受けることができます。
審査対象:
- 本人
- 配偶者
- 世帯主
の前年所得を審査して、免除の可否が決定されます。
6.5. 未納のまま放置するとどうなる?
国民年金保険料を未納のまま放置すると、以下のデメリットがあります。
- 老齢基礎年金を受け取れない、または減額される可能性
- 障害年金・遺族年金を受け取れない可能性
- 財産の差し押さえ(悪質な場合)
保険料を納めることが難しい場合は、必ず免除・猶予の申請を行ってください。
免除を受けていれば、未納とは異なり、年金額の一部が保障されます。
7. 14日を過ぎた場合の対応
「手続きを忘れていて14日を過ぎてしまった...」という方もご安心ください。
7.1. 14日を過ぎても手続きは可能
国民健康保険も国民年金も、14日を過ぎても加入手続きはできます。
罰則もありません。
7.2. 注意点
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 保険料は遡って請求される
手続きが遅れても、保険料は退職日の翌日から発生しています。
遡った分の保険料を支払う必要があります。 - 届出が遅れると給付開始日に影響する場合がある
自治体によっては、届出日より前に受診した医療費について給付が受けられない場合があります。 - 手続き完了までは資格確認ができない
国民健康保険の手続きが完了するまで、医療費は全額自己負担になります。 - 障害年金・遺族年金に影響する可能性
手続きが遅れた期間に万が一のことがあった場合、年金を受け取れない可能性があります。
できるだけ早く手続きすることをおすすめします。
8. よくある質問
Q1. 国民健康保険と国民年金の手続きは同時にできますか?
A. はい、市区町村役場で同日に手続きできます。
窓口は別の場合もありますが、同じ役所内にあるため、続けて手続きすることが可能です。
資格喪失証明書など、共通で使える書類も多いので、一度の来所で済ませることをおすすめします。
Q2. 手続きが14日を過ぎてしまったらどうなる?
A. 遅れても加入手続きはできますが、保険料は退職日の翌日まで遡って支払う必要があります。
また、手続きが完了するまでの間は資格確認ができないため、医療費が全額自己負担になるので注意が必要です。
罰則はありませんが、早めに手続きすることをおすすめします。
Q3. 資格確認ができるようになる前に病院にかかりたい場合は?
A. やむを得ず手続き完了前に医療機関を受診した場合は、一度医療費を全額自己負担で支払います。
後日、マイナ保険証または資格確認書と領収書を持参して役所の窓口で申請すれば、自己負担分を除いた金額が払い戻されます(療養費の支給)。
ただし、支払いから2年以内に申請する必要があります。
払い戻しの詳細については以下の手続きガイドで説明しています。
Q4. 任意継続と国民健康保険、どちらがお得?
A. これは個人の状況によって大きく異なります。
扶養家族の有無や前年の所得によって、どちらの保険料が安くなるかが変わるためです。
任意継続の保険料は退職前に会社に確認し、国民健康保険の保険料はお住まいの市区町村役場に問い合わせて試算してもらい、比較検討することをおすすめします。
Q5. 会社から資格喪失証明書をもらえない場合は?
A. 会社に発行を依頼しても対応してもらえない場合は、ご自身で管轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認請求書」を提出して発行を申請できます。
必要書類は年金事務所にお問い合わせください。
通常、申請から1〜2週間程度で発行されます。
詳しくは「4.4. 資格喪失証明書がもらえない場合の対処法」をご覧ください。
Q6. オンラインで手続きできますか?
A. はい、一部の自治体ではマイナンバーカードを使ってオンラインで手続きができます。
国民健康保険も国民年金も、マイナポータルからオンライン申請が可能です。
ただし、手続き完了までマイナ保険証に反映されないため、その間の医療機関受診には注意が必要です。
詳しくは「4.6. オンライン手続きも可能」をご覧ください。
Q7. 扶養していた家族がいる場合、手続きはどうなる?
A. 社会保険で扶養していた配偶者や子どもがいる場合は、その家族も一緒に国民健康保険に加入する手続きが必要です。
資格喪失証明書に扶養家族全員の氏名と生年月日が記載されていることを確認してください。
また、配偶者が国民年金第3号被保険者だった場合は、配偶者も国民年金第1号への切り替えが必要です。
国民健康保険には「扶養」の概念がないため、家族一人ひとりについて保険料が発生します。
そのため、扶養家族が多い場合は、任意継続のほうが保険料が安くなる可能性があります。
Q8. 国民年金の保険料が払えない場合はどうすればいい?
A. 退職(失業)した方は「失業等による特例免除」を申請できます。
この特例では、前年所得にかかわらず保険料の免除・猶予を受けることができます。
離職票や雇用保険受給資格者証を持って、市区町村役場の国民年金窓口で申請してください。
免除を受けた期間も、年金額の一部(全額免除なら2分の1)は保障されます。
詳しくは「6.3. 失業等による特例免除制度(重要)」をご覧ください。
Q9. マイナ保険証を持っていれば資格確認書が届く前でも受診できる?
A. はい、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録している場合(マイナ保険証)、国民健康保険への切り替え手続きが完了すれば、マイナンバーカードで資格確認ができます。
2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新規発行されなくなり、マイナ保険証が基本となりました。
マイナ保険証を持っていない方には「資格確認書」が交付されますが、マイナ保険証なら資格確認書の郵送を待つ必要がありません。
ただし、手続き完了から反映までに数日のタイムラグがあるため、急ぎの受診が必要な場合は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。
まとめ
退職後の健康保険と年金の切り替えは、少し面倒に感じるかもしれませんが、とても大切な手続きです。
国民健康保険と国民年金への切り替えは、市区町村役場で同時に手続きできます。
ご自身の状況に合わせて最適な選択をし、必要書類を準備して、期限内に忘れずに手続きを進めましょう。
手続きのポイント
- 退職日の翌日から14日以内に手続き(遅れても可能ですが早めがおすすめ)
- 国民健康保険と国民年金は市区町村役場で同時に手続きできる
- 資格喪失証明書がもらえない場合は年金事務所に相談
- 一部の自治体ではオンライン手続きや郵送手続きも可能
- 手続き中に医療機関を受診した場合は療養費の申請を忘れずに
- マイナ保険証なら手続き完了後すぐに資格確認が可能
保険料を抑えるために
- 非自発的失業者(解雇・雇い止め等)は国民健康保険料の軽減制度を必ず申請
- 国民年金の「失業等による特例免除」も忘れずに申請
- 扶養家族がいる場合は任意継続と国保の保険料を比較
- 任意継続は2022年の改正で途中脱退が可能に
