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退職後の住民税の払い方ガイド〜減免・分割・一括徴収まで解説

退職後の住民税の払い方ガイド〜減免・分割・一括徴収まで解説
最終更新:2026年4月14日

「退職したら住民税の請求書が届いて、金額に驚いた」
「収入がなくなったのに、なぜこんなに払わないといけないの?」
そんな声をよく耳にします。

会社員の住民税は毎月の給与から天引き(特別徴収)されているため、ふだんは金額を意識しにくいものです。

しかし退職すると、自分で直接納付する「普通徴収」に切り替わり、まとまった金額の納付書が届きます。

この手続きガイドでは、退職後の住民税の仕組みと払い方を、退職月ごとのパターン別にわかりやすく解説します。

「払えない場合の分割相談」「減免制度」「滞納のリスク」まで網羅していますので、ぜひ最後まで確認してください。

退職後の住民税はなぜ高い?仕組みを理解しよう

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退職後に届く住民税の金額に驚く方が多いのは、住民税が「後払い」の税金だからです。

まずはこの仕組みを理解しておきましょう。

住民税は「前年の所得」に対して課税される

住民税は、前年1月1日〜12月31日の所得をもとに税額が計算され、翌年6月〜翌々年5月にかけて納付する仕組みです。

たとえば、2025年中に得た所得に対する住民税は、2026年6月〜2027年5月に支払います。

そのため、2026年に退職して収入がゼロになっても、2025年分の所得に対する住民税はそのまま請求されます。

ポイント

在職中は会社が毎月の給与から天引き(特別徴収)しているため金額を意識しにくいですが、退職すると自分で全額を払うことになるので「急に高くなった」と感じやすいのです。

年収別の住民税の目安

住民税は一般的に「所得の約10%」が目安です。

以下の表は、年収(額面)に対するおおよその住民税額です(扶養なし・各種控除は基礎控除のみの概算)。

前年の年収(額面)住民税の年額(概算)月あたり
300万円約12万円約1万円
400万円約18万円約1.5万円
500万円約25万円約2.1万円
600万円約33万円約2.8万円
注意

上記はあくまで概算です。
扶養家族の有無、各種控除(生命保険料控除、医療費控除など)によって実際の金額は変わります。
正確な金額は、直近の住民税の決定通知書(毎年6月に届く)や給与明細の住民税欄で確認できます。

退職後の住民税を計算してみましょう

前年の年収(額面)をもとに、退職後に支払う住民税のおおよその金額をシミュレーションできます。

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退職月で変わる住民税の納付方法

退職後の住民税の扱いは、退職した月によって大きく変わります。

あなたの退職時期に合ったパターンを確認しましょう。

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普通徴収の納付書はいつ届く?届いたらどうする?

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退職して普通徴収に切り替わると、市区町村から自宅に納付書が届きます。

「届かない」「いつ届くかわからない」という不安の声も多いので、ここで確認しておきましょう。

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退職後の手続きの流れ

退職後の住民税の手続きは、主に会社側が行います

退職者本人が市区町村の窓口で手続きする必要は原則ありません。

  1. 会社が「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を市区町村に提出(退職日の翌月10日まで)
  2. 市区町村が届出を受理し、普通徴収用の納付書を作成
  3. 自宅に納付書が郵送される

納付書が届く時期の目安

ケース届く時期の目安
6月〜12月に退職(当年度の残り分)退職から1〜2ヶ月後
翌年度分(前年の所得に対する新しい住民税)毎年6月上旬〜中旬に一斉発送
ポイント

会社が異動届出書を提出するタイミングによって、納付書の到着時期は前後します。
退職から2ヶ月経っても届かない場合は、1月1日時点で住民票があった市区町村の住民税担当課に問い合わせましょう。

問い合わせ先は「1月1日時点の住所地」の市区町村

住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある市区町村に納めます。

たとえば、2025年1月1日にA市に住んでいて、3月にB市へ引っ越してから退職した場合でも、2025年度の住民税はA市に納付します。

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住民税の具体的な納付方法

普通徴収の納付書が届いたら、以下のいずれかの方法で納付します。

納付スケジュール

普通徴収の住民税は、年4回に分けて納付するのが基本です(一括納付も可能)。

納付月
第1期6月
第2期8月
第3期10月
第4期翌年1月

納付書には各期の納付書と、全期分の一括用納付書が同封されています。

利用できる納付方法

納付方法特徴
金融機関の窓口納付書を持参して現金で支払い
コンビニエンスストアバーコード付き納付書で支払い(1枚30万円以下)
口座振替自動引き落とし。手続きは市区町村の窓口か金融機関で
スマホ決済アプリeL-QR(地方税統一QRコード)を読み取って支払い
クレジットカード自治体の対応サービスから支払い(決済手数料あり)
eLTAX(地方税ポータル)インターネットバンキングやダイレクト納付

お得な納付方法はスマホ決済

2023年から住民税の納付書にeL-QR(地方税統一QRコード)が印刷されるようになり、スマホ決済アプリで手軽に支払えるようになりました。

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スマホ決済は手数料無料で、自宅から24時間いつでも納付できます。

決済自体にポイント還元はつきませんが、クレジットカードや電子マネーを経由してチャージすることで、チャージ分のポイント還元を受けられます。

アプリチャージルート経由の還元率(目安)備考
楽天ペイ最大約1.6%楽天Edy経由のチャージで還元。地方税では最もお得な選択肢
au PAY最大約1.5%対応クレジットカードからのチャージで還元
ファミペイ最大約1.0%JCBカードからのチャージで還元
PayPayなし地方税はポイント還元の対象外
注意

スマホ決済やコンビニ払いは、1枚あたり30万円以下の納付書のみ対応です。
30万円を超える場合は、金融機関の窓口または口座振替を利用してください。
また、利用できるアプリは自治体によって異なります。
還元率はチャージに使うクレジットカードや経由する電子マネーによって変わります。
詳しくは各アプリの公式サイトで最新情報をご確認ください。

住民税が払えないときの3つの対処法

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退職後に収入がなくなり「住民税が払えない」という状況は珍しくありません。

しかし、放置は絶対にNGです。

滞納すると延滞金が発生し、最終的には差し押さえの対象になります。

払えないと感じたら、納期限を過ぎる前に市区町村の窓口に相談してください。

主に以下の3つの対処法があります。

分割納付(分納)を相談する

住民税の普通徴収は年4回に分かれていますが、1回あたりの金額が大きくて支払えない場合は、さらに細かく分割してもらえる可能性があります。

相談の方法

  • 窓口
    市区町村役場の納税課(収納課)に直接行く
  • 電話
    同じ窓口に電話相談も可能

窓口の方が、収入状況や家計の詳細を伝えやすく、柔軟な対応が得られやすい傾向があります。

相談時に持参するもの

  • 納付書または納税通知書
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 収入の状況がわかるもの(離職票、給与明細、預金通帳など)
ポイント

分割相談は「払う意思がある」ことを示す手段です。
相談しておけば、すぐに差し押さえなどの処分に進むことは通常ありません。
「払いたいけど今は厳しい」という状況なら、恥ずかしがらずに早めに相談しましょう。

徴収猶予制度を利用する(地方税法第15条)

災害、病気、失業など特別な事情があり、住民税を一時に納付することが困難な場合は、徴収猶予を申請できます。

徴収猶予の条件

以下のいずれかに該当し、住民税を一時に納付することが困難と認められる場合:

  • 財産が災害や盗難にあった
  • 本人や生計を一にする親族が病気やケガをした
  • 事業を廃止または休止した
  • 事業に著しい損失を受けた

徴収猶予の効果

  • 原則として1年以内(最大2年)の分割納付が認められる
  • 猶予期間中は新たな督促や差し押さえが停止される
  • 延滞金の一部が免除される場合がある

申請に必要なもの

  • 徴収猶予申請書(市区町村の窓口またはWebサイトで入手)
  • 財産収支状況書(財産の一覧と収支の明細)
  • 猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は担保の提供が必要な場合あり
ポイント

自治体によってはeLTAX(地方税ポータルシステム)から電子申請できる場合もあります。
詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください。

住民税の減免制度を利用する

住民税には、国民健康保険料や国民年金のような全国一律の減免・免除制度はありません。

しかし、自治体が独自に設けている減免制度がある場合があります。

原則: 退職を理由とした減免は難しい

住民税は前年の所得に基づいて確定した税額であるため、退職して収入がなくなったことだけを理由に減免されるのは原則として困難です。

自己都合退職・定年退職の場合は、ほとんどの自治体で減免の対象外です。

ただし自治体独自の減免が使える場合がある

自治体によっては以下のようなケースで減免が認められることがあります。

  • 会社都合による失業(倒産、解雇、雇い止めなど)で、一定期間以上失業している場合
  • 当年の所得が前年の半分以下に減少する見込みの場合
  • 災害や病気で生活が著しく困難になった場合
  • 生活保護を受けている場合

自治体による減免条件の違い(例)

自治体減免される主な条件
大津市3ヶ月以上失業 + 前年所得300万円以下 + 雇用保険の受給資格者。自己都合・定年退職は対象外
神戸市当年の所得が前年の半分以下に減少 + 前年所得400万円以下
注意

減免の申請は納期限前に行う必要があります。
納期限を過ぎた税額は原則として減免の対象になりません。
また、申請しても必ず認められるわけではなく、審査があります。

お住まいの地域の減免制度を調べる

住民税の減免制度は自治体ごとに条件が大きく異なります。

以下からお住まいの地域の制度を調べてみましょう。

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滞納するとどうなる?延滞金と差し押さえのリスク

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「忙しくて忘れていた」「お金がなくて放置してしまった」という場合でも、住民税の滞納には厳しいペナルティがあります。

滞納から差し押さえまでの流れ

  1. 納期限を過ぎる
    住民税の納期限(6月、8月、10月、翌年1月の各末日)を過ぎると「滞納」状態になります。

  2. 延滞金が発生する
    納期限の翌日から延滞金が発生します。
    延滞金の利率は年によって異なりますが、2026年(令和8年)中は納期限後1ヶ月以内が年2.8%、1ヶ月を超えると年9.1%です。

  3. 督促状が届く
    地方税の場合、滞納から20日以内に督促状が送付されます。

  4. 催告(電話・文書)
    督促状の後も納付がない場合、電話や文書で催告が行われます。

  5. 財産調査
    それでも納付がない場合、給与の支払元(勤務先)や金融機関に対して財産調査が行われます。
    預金口座の残高、給与の支払状況などが調査対象になります。

  6. 差し押さえ
    督促状の送付から10日を経過しても納付がない場合、法律上は差し押さえが可能になります。
    対象は預金口座、給与(手取りの一定額)、不動産などです。

注意

「少額だから大丈夫」「しばらく放置しても平気」ということはありません。
滞納が長引くほど延滞金が膨らみ、対応が難しくなります。
払えない場合は、前のセクション「住民税が払えないときの3つの対処法」を参考に、必ず納期限前に相談してください

退職前に準備しておくこと

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退職後に住民税で困らないために、退職前から以下の準備をしておきましょう。

退職後の住民税額を確認する

毎月の給与明細に記載されている「住民税」の金額を確認してください。

残りの月数を掛ければ、退職後に支払うおおよその金額がわかります。

  • 給与明細の「住民税」欄 × 残り月数(退職月の翌月〜翌年5月) = おおよその残額

退職後の3大支出を見積もる

退職後は住民税だけでなく、国民健康保険料国民年金保険料の支払いも始まります。

この「3大支出」をあらかじめ見積もりましょう。

費目月額の目安
住民税(普通徴収)前年の所得の約10% ÷ 12ヶ月
国民健康保険料月2〜5万円(前年の所得・自治体による)
国民年金保険料月17,920円(2026年度)
ポイント

退職前に「生活費の3ヶ月分 + 税金・保険料の見積額」を貯蓄しておくのが理想です。
年収400万円の方なら、住民税だけで約18万円、国保・年金を合わせると年間50〜80万円の支出になります。
なお、会社都合退職(倒産・解雇・雇い止め等)の場合は、国民健康保険料の算定で前年の給与所得を30/100に軽減する制度があります。
該当する方は市区町村の国保窓口で「非自発的失業者の軽減」を申請しましょう。

会社に確認しておくこと

  • 住民税の一括徴収を希望するか
    6〜12月退職の場合、一括徴収を選ぶかどうかを会社に伝える
  • 転職先への特別徴収の引き継ぎ
    転職先が決まっている場合、早めに双方の会社に申し出る
  • 「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の提出の確認
    会社が市区町村に届出を出さないと、普通徴収への切り替えが遅れる場合がある

国民健康保険への切り替え手続きについては、こちらの手続きガイドで詳しく解説しています。

失業保険の手続きについてはこちらをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 退職後の住民税はいくらくらいかかりますか?

A. 前年の年収(額面)のおよそ10%が住民税の年額の目安です。

たとえば前年の年収が400万円なら住民税は年間約18万円、500万円なら約25万円です。

ただし、扶養家族の有無や各種控除によって実際の金額は変わります。

正確な金額は、毎年6月に届く「住民税の決定通知書」や、給与明細の住民税欄で確認できます。

Q. 納付書が届かない場合はどうすればいいですか?

A. 1月1日時点で住民票のあった市区町村の住民税担当課に問い合わせてください。

退職後の納付書は、会社が「異動届出書」を提出した後に作成・送付されます。

会社の手続きが遅れていると、納付書の到着も遅れます。

退職から2ヶ月以上経っても届かない場合は、市区町村の住民税課(または課税課)に電話で確認しましょう。

Q. 転職先が決まっている場合、自分で住民税を払う必要はありますか?

A. 特別徴収の継続手続きをすれば、転職先の給与から天引きされます。

退職前に、退職する会社と転職先の両方に「特別徴収の継続を希望する」と伝えましょう。

会社間で必要書類のやり取りが行われ、スムーズに引き継がれれば、自分で納付書を使って支払う必要はありません。

ただし、転職までに期間が空く場合は、その間は普通徴収になります。

Q. 住民税と確定申告の関係を教えてください。

A. 年の途中で退職し再就職しなかった場合は、確定申告をすることで住民税が安くなる可能性があります。

在職中は会社が年末調整を行い、各種控除が適用されます。

しかし、退職後に再就職しなかった場合は年末調整が行われないため、自分で確定申告することで払いすぎた所得税の還付を受けられます。

確定申告の結果は翌年度の住民税にも反映されるため、各種控除(社会保険料、医療費など)を申告すれば住民税額が下がる可能性があります。

年末調整の詳しい書き方はこちらをご覧ください。

Q. 退職金にも住民税はかかりますか?

A. 退職金には住民税がかかりますが、通常は支払い時に源泉徴収(天引き)されるため、自分で別途納付する必要はありません。

退職金は「退職所得」として扱われ、勤続年数に応じた退職所得控除の適用を受けた上で、所得税と住民税が源泉徴収されます。

「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、適切な金額が天引きされます。

提出していない場合は、退職金の総額に対して一律20.42%の所得税が徴収されるため、確定申告をすれば還付を受けられる可能性があります。

まとめ

退職後の住民税について、主なポイントを振り返ります。

  • 住民税は「後払い」の税金
    前年の所得に対して課税されるため、退職して収入がなくなっても支払い義務が残ります。

  • 退職月で納付方法が変わる
    1〜5月退職は最後の給与から一括徴収(義務)。
    6〜12月退職は普通徴収か一括徴収を選択できます。

  • 普通徴収は年4回
    6月・8月・10月・翌年1月に納付書で支払います。
    スマホ決済(楽天ペイ、au PAYなど)を使えばポイント還元も受けられます。

  • 払えない場合は放置しない
    分割納付の相談、徴収猶予制度、自治体独自の減免制度など、活用できる仕組みがあります。
    納期限前に市区町村の窓口に相談することが大切です。

  • 滞納すると延滞金や差し押さえのリスクがある
    督促状の送付から10日で差し押さえの権利が発生します。
    困ったときは早めの相談が最善策です。

  • 退職前の準備が肝心
    住民税の残額を確認し、国保・年金と合わせた退職後の支出を見積もって、十分な貯蓄を確保しましょう。

退職届の書き方から退職後の手続き全体の流れについては、こちらの手続きガイドで詳しく解説しています。

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