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住民税を滞納したらどうなる?差し押さえの流れと対処法

住民税を滞納したらどうなる?差し押さえの流れと対処法
最終更新:2026年5月17日

「住民税の納付書が届いたけど、今月はどうしても払えない…」
「督促状が届いたけど、このまま放置したらどうなるの?」
「差し押さえの通知が来て、どうすればいいのかわからない」

住民税をはじめとする税金は、払えないからといって放置すると延滞金が膨らみ、最終的には預貯金や給与の差し押さえに至る可能性があります。

しかし、早めに行動すれば分割納付や猶予制度を利用でき、差し押さえを回避できるケースがほとんどです。

この手続きガイドでは、住民税を滞納した場合に何が起こるのか、差し押さえまでの流れと具体的な対処法をわかりやすく解説します。

1. 住民税を滞納するとどうなる?督促から差し押さえまでの流れ

住民税を納期限までに納付しないと、以下の順番で滞納処分の手続きが進みます。

  1. 延滞金が発生する
  2. 督促状が届く(納期限から約20日後)
  3. 催告書・電話連絡が届く
  4. 財産調査が行われる
  5. 差し押さえ(滞納処分)が執行される

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

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1-1. 延滞金が発生する

納期限の翌日から、滞納している税額に対して延滞金が加算されます。

2026年(令和8年)の延滞金の利率は以下のとおりです。

期間利率(年率)
納期限後1か月以内2.8%
納期限後1か月超9.1%

たとえば住民税10万円を3か月(90日)滞納した場合、延滞金は以下のようになります。

  • 最初の1か月(30日):
    100,000円 × 2.8% × 30日 ÷ 365日 = 約230円
  • 残り2か月(60日):
    100,000円 × 9.1% × 60日 ÷ 365日 = 約1,496円
  • 合計: 約1,726円

金額自体は大きくありませんが、滞納額が増えたり期間が長引くと負担は大きくなります。

ポイント

後述する「猶予制度」を利用すると、延滞金の利率が年1.3%に軽減されます。
通常の9.1%と比べて約1/7になるため、払えない場合は早めに申請するのが得策です。

1-2. 督促状が届く(納期限から約20日後)

納期限を過ぎると、市区町村から督促状が届きます。

地方税法の規定により、自治体は納期限後20日以内に督促状を発送しなければなりません。

督促状は「この税金がまだ納付されていません。至急お支払いください」という法的な通知です。

注意

督促状を発した日から10日を経過した日までに完納しない場合、法律上は差し押さえが可能になります。
届いたらすぐに対応することが重要です。

1-3. 催告書・電話連絡が届く

督促状を放置すると、さらに強い内容の催告書が届いたり、自治体の徴収担当者から電話がかかってきます。

催告書は「このままでは差し押さえの手続きに入ります」といった警告の意味合いが強い通知です。

この段階で相談すれば、まだ差し押さえを回避できる可能性が高いため、催告書が届いたらすぐに自治体の窓口に相談しましょう。

1-4. 財産調査が行われる

催告にも応じない場合、自治体は財産調査を行います。

具体的には以下のような情報が調査されます。

  • 銀行口座の預貯金残高
  • 勤務先と給与の金額
  • 不動産の所有状況
  • 生命保険の契約内容(解約返戻金)
  • 自動車の登録状況

この調査は法律に基づいて行われるため、金融機関や勤務先は自治体からの照会に回答する義務があります。

1-5. 差し押さえ(滞納処分)が執行される

財産調査の結果をもとに、自治体は差し押さえを執行します。

差し押さえとは、滞納者の財産を強制的に確保し、滞納している税金に充てる処分です。

差し押さえの対象や詳細については、次のセクションで解説します。

2. 差し押さえの対象になるもの

差し押さえの対象となる主な財産を確認しておきましょう。

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2-1. 預貯金口座

最も多いのが預貯金口座の差し押さえです。

口座にある残高が差し押さえられ、そのまま滞納税に充当されます。

差し押さえのタイミングは事前に通知されないことが多く、ある日突然口座から引き落とされるケースもあります。

2-2. 給与

勤務先に対して給与の差し押さえが行われることがあります。

この場合、自治体から勤務先に通知が届くため、会社に税金の滞納を知られてしまうことになります。

ただし、給与全額が差し押さえられるわけではありません。

生活を維持するために、以下の金額は差し押さえが禁止されています。

  • 本人分
    月額10万円
  • 扶養家族
    1人あたり月額4万5千円

たとえば、手取り25万円で扶養家族が1人いる場合、差し押さえ禁止額は10万円 + 4万5千円 = 14万5千円となり、差し押さえ可能な金額は10万5千円です。

ポイント

令和8年度税制改正により、2027年4月以降は差し押さえ禁止額が本人分10万7千円、扶養家族1人あたり4万8千円に引き上げられる予定です。

2-3. その他の財産

預貯金や給与以外にも、以下の財産が差し押さえの対象になります。

  • 不動産
    土地や建物が差し押さえられ、公売(競売)にかけられることがあります。
  • 自動車
    タイヤロックが付けられたり、公売にかけられたりします。
  • 生命保険の解約返戻金
    保険を強制解約し、解約返戻金が差し押さえられます。
  • 売掛金
    自営業・フリーランスの方は、取引先への売掛金が差し押さえの対象になります。

2-4. 差し押さえ禁止財産

一方で、以下のような生活に不可欠な財産は法律で差し押さえが禁止されています。

  • 生活に必要な衣服、寝具、家具
  • 1か月分の食料、燃料
  • 仏壇、位牌など礼拝・祭祀に必要な物
  • 業務に欠かせない器具(農具、工具など)
ポイント

「財産を全部持っていかれる」と心配する方がいますが、生活に最低限必要な財産は法律で守られています。
とはいえ、差し押さえは生活に大きな影響を与えるため、次のセクションで紹介する対処法を早めに実行しましょう。

3. 差し押さえを防ぐための対処法

住民税が払えない場合でも、放置せずに適切な対応を取れば差し押さえを回避できます。

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3-1. まずは市区町村の窓口に相談する

最も重要なのは、滞納に気づいたら(または督促状が届いたら)すぐに自治体の納税課に相談することです。

相談は電話でも窓口訪問でもどちらでも構いません。

「払えない」と正直に伝えれば、多くの場合は分割納付や猶予制度の案内をしてもらえます。

相談時に持っていくもの

  • 納税通知書または督促状
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 収入がわかるもの(給与明細、源泉徴収票など)
  • 月々の支出がわかるもの(家計簿、通帳のコピーなど)
ポイント

「相談に行ったら怒られるのでは」と不安に思う方もいるかもしれませんが、自治体の窓口は納付を支援する場所です。
一括で払えない事情を説明すれば、無理のない支払い計画を一緒に考えてもらえます。

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3-2. 分割納付を交渉する

一括で納付できない場合は、分割払い(分割納付・分納)を依頼しましょう。

分割払いとは、滞納している税金を毎月少しずつ支払う方法です。

月々の金額は、収入や生活状況をもとに相談の上で決まります。

分割納付のポイント

  • 電話でも相談可能
    窓口に行けない場合は電話で分割の依頼ができます。
  • 無理のない金額を設定
    月収や生活費を正直に伝え、継続できる金額にすることが大切です。
  • 約束は必ず守る
    分割の約束をしたのに再び滞納すると、自治体の信頼を失い、差し押さえのリスクが高まります。
注意

分割納付中も延滞金は発生し続けます。
延滞金を軽減したい場合は、次の「猶予制度」の申請を検討してください。

分割納付を断られた場合

自治体によっては、滞納額や過去の納付状況を理由に分割納付を認めてもらえないケースもあります。

その場合は、以下の対応を試してみてください。

  • 収入と支出の明細を書面にまとめ、月々いくらなら支払えるか具体的に示す
  • 日を改めて再度相談する(担当者によって対応が異なる場合があります)
  • 次のセクションで紹介する「猶予制度」の申請を検討する

3-3. 猶予制度を利用する

税金の支払いが困難な場合、法律に基づく猶予制度を申請できます。

猶予制度を利用すると、以下のメリットがあります。

  • 差し押さえや換価(公売)が猶予される
  • 延滞金の利率が年9.1% → 年1.3%に大幅軽減
  • 最長1年間の分割納付が認められる

猶予制度には「換価の猶予」と「徴収猶予」の2種類があります(参考: 東京都主税局「猶予制度」)。

換価の猶予(地方税法第15条の6)

既に滞納がある場合に利用できる制度です。

差し押さえた財産の換価(公売)を猶予し、計画的に分割納付できるようになります。

  • 対象
    税金を一括で納付すると事業の継続や生活の維持が困難になる場合
  • 猶予期間
    原則1年以内(やむを得ない場合はさらに1年延長可能)
  • 延滞金
    猶予期間中は年1.3%に軽減
  • 申請方法
    納期限から6か月以内に「換価の猶予申請書」を市区町村に提出(自治体によって申請期限が異なる場合があるため、お住まいの自治体に確認してください)
ポイント

eLTAX(地方税ポータルシステム)を利用すれば、猶予申請を電子申請で行うことも可能です。
窓口に行く時間が取れない方は活用を検討してください。

必要書類
滞納額必要書類
50万円未満換価の猶予申請書のみ(添付書類不要)
50万円以上100万円未満換価の猶予申請書 + 財産収支状況書
100万円以上換価の猶予申請書 + 財産目録・収支の明細書
ポイント

2016年4月から「申請による換価の猶予」制度が始まり、納税者自身が申請できるようになりました。
以前は自治体の職権でしか認められなかったため、利用しやすくなっています。

徴収猶予(地方税法第15条)

災害や病気などの特別な事情がある場合に利用できる制度です。

差し押さえ自体が猶予されるため、換価の猶予よりもさらに強い保護が受けられます。

  • 対象となるケース
    • 災害(火災、風水害など)で財産に被害を受けた
    • 本人や家族が病気・けがをした
    • 事業の休廃止や著しい損失があった
    • 法定納期限から1年以上遅れて課税された
  • 猶予期間
    原則1年以内(やむを得ない場合はさらに1年延長可能)
  • 延滞金
    猶予期間中は年1.3%に軽減(全額免除される場合もあり)
必要書類
滞納額必要書類
100万円未満徴収猶予申請書 + 財産収支状況書
100万円以上徴収猶予申請書 + 財産目録・収支の明細書
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換価の猶予と徴収猶予の違い

項目換価の猶予徴収猶予
対象一括納付が困難な場合災害・病気・事業損失等
差し押さえ換価(公売)が猶予差し押さえ自体が猶予
延滞金年1.3%に軽減年1.3%に軽減(免除の場合あり)
申請期限納期限から6か月以内要件発生後すみやかに
担保100万円超は原則必要100万円超は原則必要
ポイント

どちらの制度が使えるかわからない場合は、窓口で「猶予制度を使いたい」と伝えれば、適切な制度を案内してもらえます。

3-4. 減免制度を確認する

特別な事情がある場合、住民税そのものが減免(一部免除または全額免除)される場合があります。

  • 生活保護を受けている
  • 災害により著しい損害を受けた
  • 前年と比べて所得が大幅に減少した(失業、休業など)

減免の基準は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村に確認してください。

4. 延滞金の計算方法

延滞金がいくらになるか気になる方のために、計算方法を詳しく説明します。

4-1. 計算式

延滞金は以下の式で計算されます。

延滞金 = 滞納税額 × 延滞日数 × 延滞金の利率 ÷ 365

利率は滞納期間によって変わります。

期間利率(2026年)
納期限後1か月以内年2.8%
納期限後1か月超年9.1%
猶予制度利用中年1.3%

4-2. 延滞金をシミュレーションする

以下のシミュレーターで、おおよその延滞金額を確認できます。

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5. よくある質問(FAQ)

Q. 税金の滞納で信用情報(ブラックリスト)に影響はありますか?

A. 税金の滞納自体は信用情報機関に登録されません。

CICやJICCなどの信用情報機関が扱うのは、クレジットカードやローンの返済情報です。

税金の滞納は直接的には信用情報に影響しません。

ただし、差し押さえにより口座が凍結され、クレジットカードの引き落としができなくなると、その延滞が信用情報に記録される可能性があります。

また、住宅ローンの審査時に納税証明書の提出を求められることがあり、滞納があると審査に不利になります。

Q. 税金の滞納に時効はありますか?

A. 法律上は5年ですが、実務上はほぼ成立しません。

地方税の徴収権は、法定納期限の翌日から5年で時効消滅します(地方税法第18条)。

しかし、督促状の送付や差し押さえがあると時効は中断(更新)されます。

自治体は定期的に督促状や催告書を送付するため、時効が成立することは実務上ほとんどありません。

「放置しておけばそのうち消える」という考えは通用しないため、早めに相談して対処しましょう。

Q. 差し押さえされた口座の残高はどうなりますか?

A. 差し押さえ時点の残高が滞納税に充当されます。

差し押さえの対象は、差し押さえが実行された時点で口座にある残高です。

その後に入金された分は差し押さえの対象外ですが、再度差し押さえが行われる可能性はあります。

なお、残高が滞納額より少ない場合は、残高全額が差し押さえられ、不足分はなお滞納として残ります。

Q. 督促状と催告書の違いは何ですか?

A. 督促状は法律に基づく正式な通知、催告書は行政上の警告です。

  • 督促状
    地方税法に基づき、納期限後20日以内に送付が義務付けられた法的な通知です。
    督促状の送付は差し押さえの法的な前提条件になっています。
  • 催告書
    督促状の後に送られる、より強い内容の警告文書です。
    法的な義務はありませんが、「最終警告」の意味合いで送付されます。

Q. 住民税の滞納で会社にバレますか?

A. 給与差し押さえの場合は会社に通知されます。

通常、住民税の滞納が勤務先に通知されることはありません。

ただし、給与の差し押さえが行われる場合は、勤務先に差し押さえの通知書が届きます。

これにより会社に滞納の事実を知られることになります。

給与差し押さえを避けるためにも、滞納に気づいたら早めに自治体に相談し、分割納付や猶予制度を利用しましょう。

Q. 既に差し押さえされた場合、解除してもらえますか?

A. 滞納税を完納するか、猶予が認められれば差し押さえは解除されます。

差し押さえが執行された後でも、以下のいずれかに該当すれば差し押さえが解除(または換価の猶予)されます。

  • 滞納している税金を全額納付した場合
  • 猶予制度(換価の猶予・徴収猶予)の申請が承認された場合
  • 差し押さえた財産の価値が滞納額を大幅に上回っている場合

まずは自治体の窓口に連絡し、今後の納付計画を相談してください。

Q. 税金滞納の詐欺メールと本物の通知はどう見分けますか?

A. 自治体がメールで督促や差し押さえの通知を送ることはありません。

近年、「住民税滞納のため差し押さえを行います」といった詐欺メール(フィッシングメール)が増えています。

以下のポイントで本物と偽物を見分けましょう。

  • メール・SMSでの督促は行われない
    自治体からの正式な通知は必ず郵送(封書)で届きます。
  • リンクのクリックを求めるものは詐欺
    支払い用URLが記載されたメールは偽物です。
  • 送信元のアドレスを確認
    公式ドメイン以外のアドレスは詐欺の可能性が高いです。
  • 不安な場合は市区町村に直接電話
    メールに記載された電話番号ではなく、公式サイトに掲載されている番号に連絡してください。

まとめ

住民税を滞納すると、督促状→催告書→財産調査→差し押さえという流れで滞納処分が進みます。

しかし、早めに行動すれば差し押さえを回避できます。

以下のチェックリストを参考に、一つずつ対応していきましょう。

  • 督促状・催告書が届いたら、すぐに市区町村の納税課に連絡する
  • 一括で払えない場合は、分割納付を相談する
  • 延滞金を軽減したい場合は、猶予制度(換価の猶予・徴収猶予)を申請する
  • 減免制度の対象になるか確認する
  • 分割の約束をしたら、必ず期日どおりに納付する
  • 不審なメール・SMSは無視し、公式サイトの連絡先に確認する
ポイント

この手続きガイドで紹介した猶予制度や分割納付は、固定資産税や国民健康保険税など住民税以外の地方税にも同様に適用されます。
複数の税金を滞納している場合も、窓口でまとめて相談できます。

最も大切なのは放置しないことです。

「払えない」と思ったら、恥ずかしがらずに相談してください。

自治体の窓口は、納付を支援するための場所です。

早めの相談が、延滞金の負担軽減と差し押さえ回避への第一歩になります。

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