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戸籍謄本は本人以外でも取れる?代理・委任状・第三者請求を解説

戸籍謄本は本人以外でも取れる?代理・委任状・第三者請求を解説
最終更新:2026年5月31日

「兄弟の戸籍謄本を取りたいけど、本人じゃないとダメ?」
「親の代わりに取りに行きたいけど、委任状は必要?」
「相続手続きで親族全員の戸籍を集めなきゃいけない…」
こうした疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

戸籍謄本は、本人以外でも取得できる場合があります。

ただし、請求者と対象者の関係によって、必要な書類や手続きが異なります。

この手続きガイドでは、「委任状なしで取得できるケース」「委任状を使う代理取得」「第三者請求」の3つのパターンに分けて、戸籍謄本を本人以外が取得する方法をわかりやすく解説します。

戸籍謄本を請求できる人の全体像

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戸籍謄本を誰が請求できるかは、戸籍法第10条および第10条の2で定められています。

以下の表で、請求者ごとに必要な書類と利用できる制度を整理します。

請求者委任状広域交付根拠条文
本人不要利用可戸籍法第10条
配偶者不要利用可戸籍法第10条
直系尊属(父母・祖父母)不要利用可戸籍法第10条
直系卑属(子・孫)不要利用可戸籍法第10条
兄弟姉妹必要 or 第三者請求利用不可戸籍法第10条の2
義理の親族(配偶者の父母・子の配偶者等)必要 or 第三者請求利用不可戸籍法第10条の2
その他の第三者正当な理由が必要利用不可戸籍法第10条の2
士業(弁護士・司法書士等)職務上請求可利用不可戸籍法第10条の2第3項

戸籍謄本を本人以外が取得するときは、「直系親族として取る」「委任状で代理取得する」「兄弟などが第三者請求する」の3通りです。

「直系」と「傍系」の違いを押さえよう

直系とは、親子関係で直接つながる縦のライン(親→子→孫)のことです。
傍系とは、兄弟姉妹やおじ・おばなど、共通の祖先から分かれた横のラインです。
戸籍謄本を委任状なしで取得できるのは「直系」の親族のみで、兄弟姉妹(傍系)は原則として委任状または第三者請求が必要です。

委任状なしで取得できるケース(直系親族・配偶者)

以下の関係にある人は、委任状なしで戸籍謄本を請求できます。

  • 配偶者
    夫が妻の戸籍、妻が夫の戸籍を請求可能です。
  • 直系尊属(父母・祖父母)
    子の戸籍を親が取得する、孫の戸籍を祖父母が取得する場合です。
  • 直系卑属(子・孫)
    親の戸籍を子が取得する、祖父母の戸籍を孫が取得する場合です。

窓口で必要なもの

  1. 戸籍証明書交付請求書(窓口に備え付け)
  2. 請求者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  3. 請求者と対象者の関係を確認できる戸籍(同一市区町村に本籍がある場合は不要)
同一戸籍に入っている場合はさらに簡単

同じ戸籍に記載されている人(例: 婚姻後も同じ戸籍にいる夫婦)は、「自分の戸籍謄本を請求する」だけで家族全員分が記載された戸籍謄本が取得できます。

郵送で取得する場合

本籍地の市区町村役場へ郵送請求も可能です。

以下を同封してください。

  1. 戸籍証明書交付請求書(各自治体のWebサイトからダウンロード可能)
  2. 本人確認書類のコピー
  3. 手数料分の定額小為替(戸籍謄本1通450円)
  4. 返信用封筒(切手貼付)
  5. 請求者と対象者の関係がわかる書類のコピー(必要な場合)

委任状を使って代理人が取得する方法

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兄弟姉妹・義理の親族・友人など、直系親族や配偶者以外の人が戸籍謄本を取得するには、原則として委任状が必要です。

委任状が必要な関係の例

  • 兄弟姉妹(婚姻などで別戸籍になっている場合)
  • 義父母(配偶者の親)
  • 嫁・婿
  • 友人・知人
  • 同棲パートナー

委任状に記載する内容

委任状には以下の項目を記載します。

  1. タイトル
    「委任状」と記載
  2. 委任者(本人)の情報
    住所・氏名・生年月日・押印
  3. 受任者(代理人)の情報
    住所・氏名
  4. 委任事項
    「戸籍謄本の交付請求及び受領に関する一切の権限」など
  5. 対象者の本籍・筆頭者
    取得したい戸籍の本籍地と筆頭者の氏名
  6. 作成日
    委任状を作成した年月日
委任状の注意点

委任状は委任者本人の自署が求められることが多く、押印の要否や様式の可否は自治体ごとに異なります。
パソコンで作成する場合でも、少なくとも氏名欄は手書きで記入するのが確実です。
必ず本籍地自治体の案内を確認してください。

代理人が窓口で必要なもの

  1. 委任状(委任者の自署・押印あり)
  2. 代理人(受任者)の本人確認書類
  3. 戸籍証明書交付請求書
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第三者請求で取得する方法(正当な理由がある場合)

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戸籍法第10条の2に基づき、本人や直系親族でなくても正当な理由があれば、委任状なしで戸籍謄本を取得できます。

これを「第三者請求」と呼びます。

第三者請求が認められる3つの条件

  1. 自己の権利行使または義務履行に必要な場合
    例: 相続人として遺産分割に必要、債権回収のために相手の所在確認が必要
  2. 国または地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
    例: 裁判所への提出、税務署への相続税申告
  3. その他、正当な理由がある場合
    例: 死亡保険金の受取人確認、未支給年金の請求

よくある第三者請求の具体例

場面請求の理由必要な疎明資料
兄弟の相続手続き被相続人の相続人を特定するため被相続人との関係がわかる戸籍
死亡保険金の請求受取人であることを証明するため保険証書の写し
年金分割(離婚後)元配偶者の生存確認のため年金事務所からの案内書類
未支給年金の請求死亡者との関係を証明するため年金証書・関係を示す戸籍
債権回収死亡した債務者の相続人を特定するため契約書の写し
相続で兄弟の戸籍が必要な場合は第三者請求が使える

相続手続きでは、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍をすべて集める必要があります。
兄弟姉妹が相続人になる場合は、「相続人を特定するため」という正当な理由で第三者請求が可能です。
この場合、委任状は不要ですが、被相続人との関係がわかる戸籍などの疎明資料が必要です。

第三者請求に必要な書類

  1. 戸籍証明書交付請求書(請求理由を具体的に記載)
  2. 請求者の本人確認書類
  3. 疎明資料(正当な理由を裏付ける書類)
  4. 請求者と対象者の関係を示す書類(ある場合)
請求理由は具体的に書く

「相続のため」だけでは不十分です。
「令和○年○月○日に死亡した○○の相続人として、遺産分割協議のために○○の戸籍謄本を○○家庭裁判所に提出する必要がある」のように、具体的な事実と提出先を記載してください。

弁護士・司法書士に依頼する方法(職務上請求)

自分で手続きする時間がない場合や、複雑な相続で大量の戸籍を集める必要がある場合は、士業(弁護士・司法書士・行政書士など)に依頼する方法もあります。

職務上請求とは

一定の国家資格を持つ専門家は、業務上必要な場合に限り、委任状なしで他人の戸籍を請求できます。

これを「職務上請求」と呼びます。

職務上請求ができる8つの資格

  1. 弁護士
  2. 司法書士
  3. 行政書士
  4. 税理士
  5. 弁理士
  6. 社会保険労務士
  7. 土地家屋調査士
  8. 海事代理士

依頼する場合の費用目安

専門家への依頼費用は、戸籍収集のみの場合で3万〜5万円程度が相場です。

ただし、相続登記や遺産分割協議書の作成など、他の業務と一括で依頼する場合は、戸籍収集の費用が含まれることもあります。

相続で大量の戸籍が必要なら専門家への依頼も検討

相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要です。
転籍や改製があると複数の自治体に請求が必要となり、10通以上になることも珍しくありません。
時間や手間を考えると、司法書士や行政書士に一括で依頼したほうが効率的なケースもあります。

広域交付制度を活用する(令和6年3月〜)

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2024年(令和6年)3月1日から、戸籍法の改正により広域交付制度がスタートしました。

本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村の窓口で戸籍謄本を取得できるようになっています。

広域交付制度のポイント

  • どこでも
    本籍地以外の最寄りの市区町村窓口で請求可能
  • まとめて
    本籍地が全国各地にあっても1か所の窓口でまとめて請求可能
  • 請求可能な人
    本人・配偶者・直系尊属・直系卑属のみ

なお、広域交付とコンビニ交付(マルチコピー機)は別の制度です。

コンビニ交付はマイナンバーカードを使って本人が自分を含む同一戸籍の証明書を取得できる仕組みで、代理取得や第三者の利用はできません。

広域交付制度の制限事項

以下のケースでは広域交付制度を利用できません。

  • 代理人による請求(委任状があっても不可)
  • 第三者請求
  • 郵送での請求
  • 士業の職務上請求
  • 戸籍抄本(個人事項証明書)の請求
  • コンピュータ化されていない一部の戸籍
広域交付では顔写真付き身分証明書が必須

広域交付を利用する場合、本人確認のために以下の顔写真付きの身分証明書の提示が必要です。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート

健康保険証などの顔写真なしの書類では手続きできません。

広域交付の対象外になる人の代替手段

兄弟姉妹の戸籍など、広域交付の対象外となる場合は以下の方法で取得します。

  • 本籍地の市区町村へ郵送請求
    委任状を同封して本籍地の役場に郵送で請求します。
  • 第三者請求(窓口または郵送)
    正当な理由がある場合は、本籍地の窓口または郵送で第三者請求が可能です。
  • 士業に依頼
    司法書士等が職務上請求で本籍地に請求してくれます。

よくある質問(FAQ)

Q. コンビニで本人以外の戸籍謄本を取得できますか?

A. 代理人や第三者による取得はできません。

コンビニ交付(マルチコピー機での取得)は、マイナンバーカードを持っている本人が、自分を含む同一戸籍の証明書を取得する仕組みです。

他人の代理としてコンビニで戸籍を取得することはできないため、代理取得が必要な場合は市区町村の窓口に行く必要があります。

Q. 兄弟の戸籍謄本を取得するにはどうすればいいですか?

A. 委任状を使った代理請求か、正当な理由がある場合は第三者請求で取得できます。

兄弟姉妹は「傍系」にあたるため、直接請求する権利がありません。

相続手続きなど正当な理由がある場合は、疎明資料を添えて第三者請求を行います。

正当な理由がない場合は、兄弟本人に委任状を書いてもらい、代理人として窓口で請求してください。

Q. 離婚した元配偶者の戸籍は取得できますか?

A. 離婚後は第三者扱いになりますが、正当な理由があれば取得可能です。

婚姻中は配偶者として委任状なしで請求できますが、離婚後は第三者となります。

年金分割の手続きや、子の監護に関する裁判書類の提出など、正当な理由がある場合は第三者請求が利用できます。

Q. 第三者に戸籍謄本を取得されたら通知は来ますか?

A. 「本人通知制度」に事前登録していれば通知が届きます。

本人通知制度とは、第三者や代理人によって戸籍謄本等が取得された場合に、本人に通知する仕組みです。

ただし、すべての自治体で実施されているわけではなく、事前に登録が必要です。

不正取得の早期発見を目的とした制度で、お住まいの自治体の窓口で登録を申し込めます。

Q. 戸籍謄本と戸籍抄本の違いは何ですか?

A. 戸籍謄本は戸籍に記載されている全員分、戸籍抄本は指定した一部の人の情報が記載されたものです。

正式名称は、戸籍謄本が「戸籍全部事項証明書」、戸籍抄本が「戸籍個人事項証明書」です。

相続手続きでは全員分が必要なため戸籍謄本を取得するのが一般的です。

なお、広域交付制度では戸籍謄本(全部事項証明書)のみが対象で、戸籍抄本は請求できません。

まとめ

戸籍謄本を本人以外が取得する方法は、大きく3つのパターンに分かれます。

  • 配偶者・直系親族なら委任状不要
    父母・祖父母・子・孫は、身分証明書だけで請求できます。
  • 兄弟姉妹・義理の親族は委任状が必要
    本人に委任状を書いてもらい、代理人として窓口で請求します。
  • 正当な理由があれば第三者請求が可能
    相続・保険金請求・年金分割などの場合、疎明資料を添えて請求できます。

2024年3月からの広域交付制度により、本人・配偶者・直系親族は本籍地以外の窓口でも取得しやすくなりました。

ただし、広域交付は代理人や第三者請求には対応していないため、兄弟の戸籍などは従来通り本籍地への請求が必要です。

相続手続きで大量の戸籍を集める必要がある場合は、司法書士や行政書士に依頼することも検討してみてください。

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