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除籍謄本の取り方〜相続に必要な故人の戸籍の集め方

除籍謄本の取り方〜相続に必要な故人の戸籍の集め方
最終更新:2026年7月3日

「銀行で『亡くなった方の除籍謄本を出してください』と言われた」
「戸籍謄本と何が違うの?どこで取れるの?」
——身近な家族を亡くし、相続の手続きでこんな戸惑いを感じていませんか?

除籍謄本は、亡くなった方の相続手続きで、必ずといっていいほど求められる書類です。

この手続きガイドでは、除籍謄本・除籍抄本とは何かという基本から、戸籍謄本との違い、2024年3月に始まった広域交付を使った取り方、費用や日数、相続に必要な戸籍を集めるコツまでをまとめて解説します。

除籍謄本・除籍抄本とは?戸籍謄本との違い

「除籍謄本(じょせきとうほん)」とは、戸籍に記載されていた人が結婚・離婚・転籍・死亡などによって全員いなくなり、閉鎖された戸籍の写しのことです。

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戸籍は、夫婦と未婚の子どもを1つの単位として作られます。

子どもが結婚して新しい戸籍を作ったり、戸籍にいた全員が亡くなったりして誰もいなくなると、その戸籍は閉鎖されます。

この閉鎖された戸籍(除籍簿)の全員分を写したものが「除籍謄本」です。

除籍謄本と除籍抄本の違い

除籍謄本と似た言葉に「除籍抄本(じょせきしょうほん)」があります。

2つの違いは、写す範囲です。

  • 除籍謄本(除籍全部事項証明書)
    その戸籍にいた全員分が記載されたもの。
  • 除籍抄本(除籍個人事項証明書)
    そのうち特定の人だけが記載されたもの。
相続では「謄本」を請求する

相続手続きでは、原則として全員分が載った「除籍謄本(全部事項証明書)」が必要です。
抄本(一部の人だけ)では、ほかに相続人がいないことを証明できず、銀行や法務局で受け付けてもらえないことがあります。

戸籍謄本・改製原戸籍との違い

相続では、現在の戸籍だけでなく、過去の「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本(かいせいげんこせきとうほん)」もセットで集めることになります。

3つの書類の違いを整理すると、次のとおりです。

書類どんな状態の戸籍か相続での役割
戸籍謄本今も誰かが在籍している現役の戸籍相続人が現在も生きているかの確認
除籍謄本全員が抜けて閉鎖された戸籍亡くなった事実や過去の家族関係の証明
改製原戸籍謄本法改正で新しくなる前の古い様式の戸籍様式変更で書き写されなかった情報の確認

「改製」とは法改正で戸籍の様式が新しくなることを指し、「除籍」とは戸籍から全員が抜けて閉鎖されることを指します。

「除籍謄本」と「除籍全部事項証明書」は同じ?

戸籍がコンピュータ化された自治体では、除籍謄本のことを「除籍全部事項証明書」と呼びます。

紙で管理されている除籍簿の写しが「除籍謄本」、電子化された除籍簿の写しが「除籍全部事項証明書」で、名称は違っても記載内容は基本的に同じです。

どちらも相続手続きにそのまま使えるので、呼び方の違いを気にする必要はありません。

相続で除籍謄本が必要になる場面と理由

相続では、亡くなった方(被相続人)の戸籍を「生まれてから亡くなるまで」連続してさかのぼり、法定相続人が誰かを確定する必要があります。

現在の戸籍だけでは、過去の結婚・離婚・養子縁組などで判明していない相続人(前の結婚での子どもや養子など)を見落とすおそれがあるためです。

そこで、現在の戸籍謄本に加えて除籍謄本や改製原戸籍謄本を取得し、戸籍を途切れなくつなげて相続人を確認します。

提出先別・除籍謄本が必要になる主な場面

除籍謄本(や連続した戸籍一式)は、次のような相続手続きで提出を求められます。

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手続き主な提出先目的
相続放棄・限定承認、遺言書の検認家庭裁判所相続人であることの証明
相続登記(不動産の名義変更)法務局相続人の確定
法定相続情報一覧図の申請法務局戸籍一式の内容を1枚に証明
預貯金の払戻し・名義変更金融機関口座凍結の解除・相続人の確認
株式の名義変更証券会社相続人の確認
生命保険金の受け取り保険会社死亡の事実の確認
相続税の申告税務署正当な相続人の証明

相続手続きの全体像や、何をいつまでに進めるかは、次の手続きガイドもあわせて確認してください。

除籍謄本は誰が取れる?家族・兄弟姉妹の扱い

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除籍謄本を取得できるのは、原則として次の人です。

  • 本人
    除籍謄本に記載されている本人。
  • 配偶者・直系親族
    記載されている本人の配偶者、父母・祖父母(直系尊属)、子・孫(直系卑属)。
  • 委任された代理人
    上記の人から委任状を受けた人(弁護士・司法書士などの専門家を含む)。

兄弟姉妹・甥姪・第三者が取りたいとき

兄弟姉妹は直系親族ではないため、原則としてほかの人の除籍謄本を取れません。

ただし、兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合や、遺言で財産を受け取る受遺者などは、「正当な理由」を示すことで取得できます。

注意

兄弟姉妹などが取得する場合は、相続人であることを示す資料(自分の戸籍謄本など)の提示を求められます。
また、後述する広域交付やオンライン申請は兄弟姉妹・代理人が利用できず、本籍地の窓口か郵送での請求になります。

申請方法ごとに、誰が使えるかをまとめると次のとおりです。

申請方法本人・配偶者・直系親族兄弟姉妹(相続人)・代理人
本籍地の窓口
広域交付(最寄りの窓口)
郵送
オンライン

戸籍謄本を本人以外が取得する方法や委任状の書き方は、次の手続きガイドでくわしく解説しています。

除籍謄本の取り方4つ(窓口・広域交付・郵送・オンライン)

除籍謄本は、亡くなった方の本籍地の市区町村役場で管理されています。

取得する方法は、大きく次の4つです。

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本籍地の窓口で取る

本籍地の市区町村役場の窓口で申請する方法です。

その場で受け取れるため、最も早く確実に取得できます。

本人・配偶者・直系親族のほか、相続人となる兄弟姉妹や委任を受けた代理人も利用できます。

広域交付で最寄りの窓口で取る(2024年3月〜)

2024年(令和6年)3月1日に施行された戸籍法改正で始まった「広域交付」を使うと、本籍地が遠くても、住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口で除籍謄本を取得できます。

全国どこの本籍でも1か所の窓口でまとめて請求できるのが、大きなメリットです。

くわしくは法務省の「戸籍法の一部を改正する法律について」で確認できます。

ただし、広域交付にはいくつかの制限があります。

広域交付で取れないケース

次の場合は広域交付を使えず、本籍地の役場への請求が必要です。

  • 除籍抄本・戸籍抄本(一部の人だけの証明書)
  • 戸籍の附票
  • コンピュータ化されていない古い戸籍・除籍
  • 兄弟姉妹や代理人による請求(郵送・代理での請求も不可)
重要

広域交付は、本人・配偶者・直系親族が窓口へ直接出向く必要があります。
本人確認のため、運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど顔写真付きの身分証明書が必要です。

郵送で取り寄せる

本籍地が遠く窓口へ行けない場合は、本籍地の役場へ郵送で請求できます。

一般的に必要なものは次のとおりです。

  • 申請書
    各自治体のホームページからダウンロードできます。
  • 本人確認書類のコピー
    運転免許証やマイナンバーカードなど。
  • 手数料(定額小為替)
    除籍謄本1通につき750円分。
    郵便局で購入します。
  • 返信用封筒
    自分の宛名を書き、切手を貼ったもの。
  • 関係がわかる資料
    亡くなった方と本籍が別の場合は、続柄がわかる自分の戸籍謄本など。

申請書の様式や送付先は自治体によって異なります。

お住まいの地域から、亡くなった方の本籍地の請求先を調べるには、次の検索を活用してください。

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オンラインで申請する(マイナンバーカード)

マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、オンラインで申請できる自治体もあります。

申請すると、住民登録している住所へ除籍謄本が郵送されます。

定額小為替や返信用封筒が不要で、手数料をクレジットカードなどで支払える点が便利です。

ただし、利用できるのは本人・配偶者・直系親族のみで、対応していない自治体もあります。

取得方法の比較

4つの取得方法を比べると、次のとおりです。

取得方法使える人受け取り目安の期間
本籍地の窓口全員(代理人を含む)その場即日
広域交付本人・配偶者・直系親族その場即日〜1週間前後
郵送全員(代理人を含む)郵送10日〜2週間前後
オンライン本人・配偶者・直系親族郵送申請から10日前後

除籍謄本はコンビニで取れる?

「マイナンバーカードでコンビニ交付できないか」と考える方も多いですが、除籍謄本は原則としてコンビニでは取得できません。

コンビニ交付の対象は、多くの自治体で現在の戸籍(戸籍全部事項証明書など)に限られており、閉鎖された除籍や改製原戸籍は対象外とされているためです。

除籍謄本が必要なときは、窓口・郵送・オンラインのいずれかで請求してください。

ヒント

お住まいや本籍地の自治体によっては、コンビニ交付で除籍を扱う場合もまれにあります。
コンビニ交付を利用したいときは、事前に本籍地の自治体の対応状況を確認しましょう。

除籍謄本の取得にかかる費用

手数料は全国共通で、1通あたり次のとおりです。

書類手数料(1通)
戸籍謄本(現在の戸籍)450円
除籍謄本750円
改製原戸籍謄本750円

郵送で請求する場合は、この手数料を「定額小為替」で納めます。

定額小為替は郵便局で購入でき、1枚あたり200円の発行手数料がかかります。

このほか、往復の郵便代(切手)も必要です。

ポイント

相続では除籍謄本を何通も集めることになり、費用がかさみがちです。
集めた戸籍一式を法務局に提出して「法定相続情報一覧図」を作っておくと、その後の手続きは無料の一覧図の写しで代用でき、戸籍を何度も取り直す手間と費用を抑えられます。

取得にかかる日数と「取れないタイミング」

先ほどの比較表のとおり、窓口なら即日、郵送やオンラインなら1〜2週間程度が目安です。

注意したいのは、亡くなった直後は除籍謄本を取得できないことです。

亡くなった直後は取得できない

亡くなった方が戸籍から除かれるには、死亡届の提出が必要です。
死亡届が戸籍に反映されるまで1〜2週間ほどかかるため、その間は除籍謄本を取得できません。
相続放棄(相続の開始を知った日から3か月以内)など期限のある手続きは、早めに準備しましょう。

相続放棄の期限や進め方は、次の手続きガイドで確認できます。

出生から死亡までの戸籍を集めるコツ

相続で最も大変なのが、亡くなった方の戸籍を出生まで途切れなくさかのぼる作業です。

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役所での頼み方

窓口や申請書では、専門用語を使わなくても大丈夫です。

「相続で使うので、この人の出生から死亡まで連続した戸籍(戸籍・除籍・改製原戸籍)を、そろえられるだけください」と伝えれば、その役場にあるぶんを一式そろえてもらえます。

一つ前の戸籍をたどる

1つの役場で出生までさかのぼれないときは、その戸籍がどこから移ってきたかを確認し、前の本籍地の役場へ請求します。

除籍謄本の「従前戸籍」「改製日」「消除日」などの欄を見ると、一つ前の本籍地がわかります。

兄弟姉妹が相続人のときは集める戸籍が増える

兄弟姉妹が相続人になる場合(亡くなった方に子も親もいないとき)は、亡くなった方本人の戸籍だけでは足りません。

その父母それぞれについても、出生から死亡までの戸籍が必要になります。

ほかに兄弟姉妹がいないことや、親がすでに亡くなっていることを確認するためで、集める戸籍が大幅に増えます。

ポイント

亡くなった方の本籍がわからないときは、本籍地の記載がある住民票の除票を取ると確認できます。
まず本籍を確認してから除籍謄本を請求すると、スムーズに進みます。

古い戸籍が見つからない・廃棄されていたときは

除籍謄本や改製原戸籍の保存期間は、現在150年と定められています。

2010年(平成22年)の改正前は80年だったため、それ以前に保存期間が過ぎた古い戸籍は、すでに廃棄されている場合があります。

戸籍が廃棄されていて取得できない場合は、役場で「廃棄済証明書(告知書)」を発行してもらい、その証明書を相続手続きに使います。

ヒント

昭和初期以前の古い戸籍は手書き・旧字体で書かれており、内容を読み解くのが難しいことがあります。
連続性の確認に不安があるときや相続関係が複雑なときは、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に取得を依頼するのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q. 除籍謄本と戸籍謄本、どちらを頼めばいいですか?

A. 相続では「出生から死亡までの連続した戸籍」を一式そろえるのが基本です。

窓口で「相続で使うので、亡くなった人の戸籍を出生から死亡まで連続してほしい」と伝えれば、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍を必要なぶんそろえてもらえます。

書類名を細かく指定するより、まず目的を伝えるのがスムーズです。

Q. 広域交付を使えば、除籍謄本を全部そろえられますか?

A. そろわないこともあります。

広域交付は便利ですが、除籍抄本やコンピュータ化されていない古い戸籍は対象外です。

古い戸籍が必要な相続では、結局その戸籍がある本籍地の役場へ請求することになるケースもあります。

Q. 本籍地が遠方です。近くの役所で取れますか?

A. 2024年3月から始まった広域交付なら、最寄りの役所で取得できます。

本人・配偶者・直系親族が顔写真付きの身分証明書を持って窓口に行けば、全国の本籍の戸籍・除籍をまとめて請求できます。

ただし、兄弟姉妹や代理人は広域交付を使えないため、郵送などで請求します。

Q. 亡くなってすぐに除籍謄本は取れますか?

A. すぐには取れません。

死亡届が戸籍に反映されるまで1〜2週間ほどかかり、その間は除籍(死亡の記載)を確認できません。

期限のある手続きは、時間に余裕をもって準備しましょう。

Q. 除籍謄本は何通くらい必要ですか?

A. 提出先の数だけ必要になることがあります。

金融機関や法務局など複数の窓口に同時に提出する場合は、その数だけ原本が要ることがあります。

法定相続情報一覧図を作っておくと、一覧図の写しで代用でき、除籍謄本を何通も取り直さずに済みます。

また、多くの金融機関や法務局では、除籍謄本のコピーを添えて申し出れば、確認後に原本を返してもらえます(原本還付)。

1通を複数の手続きで使い回せるため、法定相続情報一覧図とあわせて活用すると、取り直しの手間と費用を抑えられます。

Q. 除籍謄本に有効期限はありますか?

A. 亡くなった方の除籍謄本に有効期限はありません。

死亡の事実は変わらないため、古いものでもそのまま相続手続きに使えます。

ただし、相続人自身の現在の戸籍謄本は、提出先によって「亡くなったあとに取得したもの」を求められることがあります。

まとめ

除籍謄本は、亡くなった方の相続手続きに欠かせない書類です。

最後に、要点を整理します。

  • 除籍謄本は閉鎖された戸籍の写し
    相続では全員分が載った「謄本」を、出生から死亡まで連続してそろえる。
  • 取り方は4つ、コンビニは不可
    本籍地の窓口・広域交付・郵送・オンライン。
    除籍謄本はコンビニ交付では原則取れない。
  • 広域交付は2024年3月開始
    本人・配偶者・直系親族なら最寄りの窓口で取得可。
    抄本・古い戸籍・兄弟姉妹・代理は対象外。
  • 費用は1通750円
    郵送では定額小為替と切手が必要。
  • 死亡直後は取得できない
    死亡届の反映まで1〜2週間かかるため、期限のある手続きは早めに準備する。

戸籍を集めたら、法務局で法定相続情報一覧図を作っておくと、その後の相続手続きがぐっと楽になります。

亡くなったあとに必要な手続きの全体像は、次の手続きガイドもあわせて確認してください。

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