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名前のフリガナ変更手続き〜戸籍の届出と家裁許可

名前のフリガナ変更手続き〜戸籍の届出と家裁許可
最終更新:2026年6月14日

2025年5月に戸籍へ氏名のフリガナを記載する制度が始まり、本籍地から「通知書」が届いた方も多いはずです。

「通知に書かれた読み方が間違っている」
「この機会に読み方を変えたい」
——そう考えても、希望する読み方への届出ができる経過措置の期間は、2026年5月25日で終了しました。

では今からフリガナを変えるにはどうすればよいのでしょうか。

この手続きガイドでは、市区町村への届出で変更できるケースと、家庭裁判所の許可が必要なケースを整理し、必要書類や費用、変更後に発生するパスポート・年金・銀行口座の手続きまでをわかりやすく解説します。

なお、ここで扱うのは「読み方(フリガナ)」の変更で、漢字そのものを変える改名とは手続きが異なります。

1. 名前のフリガナ変更とは?2025年に始まった戸籍記載制度

まず、なぜ今「フリガナの変更」が話題になっているのか、制度の背景を押さえておきましょう。

1-1. 令和7年5月26日に戸籍へフリガナが記載されるようになった

これまで戸籍には氏名の「漢字」だけが記載され、フリガナ(読み方)は記録されていませんでした。

2025年(令和7年)5月26日に改正戸籍法が施行され、戸籍の記載事項に新たに氏名のフリガナが追加されました(法務省「フリガナが記載されるまで」)。

行政手続きのデジタル化を進めるうえで、氏名の読み方を公的に確定させる必要があったことが背景にあります。

1-2. 通知書→届出→職権記載という流れ

戸籍にフリガナが記載されるまでは、次の流れで進みました。

  1. 本籍地の市区町村長から通知書が届く
    住民票上の住所宛てに、戸籍に記載される予定のフリガナが通知されました。
  2. 施行から1年以内に届出(任意)
    通知のフリガナが違う場合や希望の読みがある場合に、2026年5月25日までフリガナの届出ができました。
  3. 届出がなければ市区町村長が職権で記載
    届出をしなかった人については、2026年5月26日以降、通知どおりのフリガナが戸籍に順次記載されます。
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この手続きガイドの前提

希望する読み方を自由に選べた「届出期間」は2026年5月25日で終了しています。
そのため、ここからは届出期間が終わったあとに変更する方法を中心に解説します。

1-3. 「フリガナの変更」と「改名(漢字の変更)」は別物

混同しやすいのですが、次の2つは手続きが異なります。

  • フリガナ(読み方)の変更
    漢字はそのままで、読み方だけを変える手続き。
    この手続きガイドで解説する内容です。
  • 改名(漢字の名前そのものの変更)
    「太郎」を別の名前に変えるなど、漢字を変更する手続き。
    原則として家庭裁判所で「名の変更許可」を得る必要があり、フリガナ変更とは別の手続きになります。

なお、フリガナの変更でも、これまで戸籍にどう記載されたか(自分で届け出たか、職権で記載されたか)によって、市区町村への届出で済むか家庭裁判所の許可が必要かが変わります。

その判定基準は次のセクション以降で詳しく見ていきましょう。

2. 【最重要】今からフリガナを変更する2つのルート

届出期間が終わった現在、フリガナを変更する方法は大きく2つに分かれます。

自分がどちらに当たるかで、手間も費用も大きく変わります。

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2-1. ルートは「家裁の許可が要るかどうか」で分かれる

ルート対象になる人手続き先家裁の許可
ルートA届出をせず、市区町村長に職権で記載されたフリガナを変えたい人市区町村の窓口不要(1回限り)
ルートB自分で届出したフリガナを変えたい人/すでに1回変更した人家庭裁判所→市区町村必要

ポイントは、届出をしないまま職権で記載されたフリガナは、一度に限り家庭裁判所の許可を得ずに変更の届出ができるという点です。

一方で、自分で届出をして記載されたフリガナを変える場合や、すでに無許可での変更を1回使った場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。

ポイント

「通知書をもらったけれど何もしなかった」という多くの方は、職権記載にあたるため、まずはルートA(家裁の許可が不要な届出)を検討できます。

2-2. まずは自分の戸籍のフリガナを確認する

どちらのルートでも、出発点は「今、戸籍にどのフリガナが記載(予定)されているか」の確認です。

  • 届いた通知書を確認する
    通知書に記載されたフリガナが、職権で記載される読み方です。
  • 本籍地の市区町村に問い合わせる
    通知書をなくした場合や記載状況が不明な場合は、本籍地の市区町村に確認します。
  • 戸籍証明書(戸籍謄本など)を取得する
    記載済みかどうかは、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)で確認できます。
注意

職権記載は2026年5月26日以降に順次進められます。
記載のタイミングは自治体によって異なるため、変更を急ぐ場合は本籍地の市区町村に進み具合を確認しておくと安心です。

3. ルートA: 市区町村への届出で変更する(家裁の許可が不要なケース)

届出をしないまま市区町村長に職権でフリガナを記載された場合は、家庭裁判所の許可なしに、一度だけ変更の届出ができます。

最も手間が少ないルートなので、対象になる方はまずこちらを検討しましょう。

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3-1. このルートの対象になる人

次のすべてに当てはまる人が対象です。

  • 経過措置の届出期間(〜2026年5月25日)にフリガナの届出をしなかった
  • 市区町村長によって職権でフリガナが戸籍に記載された(または記載される予定)
  • まだ家庭裁判所の許可なしの変更届を使っていない
1回限りである点に注意

家庭裁判所の許可なしで変更できるのは一度だけです。
この届出を一度行った後にさらに変更したい場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。

3-2. 届出ができる人(氏と名で異なる)

フリガナの届出は「氏(みょうじ)のフリガナ」と「名(なまえ)のフリガナ」で届出人が異なります。

  • 氏のフリガナの届出
    原則として戸籍の筆頭者が単独で届け出ます。
    筆頭者が除籍されている場合は配偶者が、配偶者も除籍されている場合はその子が届出人になります。
  • 名のフリガナの届出
    戸籍に記載されている本人それぞれが届出人になります。

氏のフリガナは戸籍全体で共通するため、自分の名のフリガナだけを変えたい場合と、家族全員に関わる氏のフリガナを変えたい場合とで扱いが変わる点に注意してください。

3-3. 届出の方法(マイナポータル・窓口・郵送)

届出は次のいずれかの方法で行えます。

  • マイナポータル(オンライン)
    マイナポータルから、市区町村の窓口に行かずに手続きできます。
    マイナンバーカードと対応スマートフォンなどが必要です。
  • 市区町村の窓口
    本籍地または住所地の市区町村で届け出ます。
  • 郵送
    郵送に対応しているかは自治体によって異なるため、事前に確認してください。

3-4. 戸籍に使えるフリガナと「一般的な読み方」のルール

フリガナとして自由な読みを何でも登録できるわけではありません。

戸籍に記載するフリガナは「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」に限られます。

使える文字はカタカナで、清音・濁音・半濁音・拗音(ャュョ)・促音(ッ)・長音記号(ー)などが認められています。

  • 認められやすい例
    漢字の音読み・訓読みなど、一般的に通用している読み方。
  • 認められにくい例
    漢字の意味や読みとかけ離れた、いわゆるキラキラネーム的な読み方。

3-5. 一般的でない読みを使いたい場合

これまで一般的でない読み方を実際に使ってきた場合は、その読み方が通用していることを証明する書面を添えれば届け出られる扱いがあります。

通用を証する書面としては、次のようなものが想定されています。

  • パスポート(旅券)
  • 預貯金通帳
  • そのほか、その読み方を継続的に使ってきたことがわかる書類

お住まいの市区町村の戸籍窓口は、次から検索できます。

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4. ルートB: 家庭裁判所の許可を得て変更する

自分で届出をして記載されたフリガナを変えたい場合や、すでに無許可の変更を1回使ってしまった場合は、家庭裁判所の許可が必要です。

「名のフリガナ」と「氏のフリガナ」で、求められる事情の重さが異なります。

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4-1. 名のフリガナの変更許可(正当な事由)

名(下の名前)のフリガナを変更するには、家庭裁判所に「名の振り仮名の変更許可」を申し立て、許可を得る必要があります(裁判所「名の振り仮名の変更許可」)。

許可されるには「正当な事由」が必要です。

  • 正当な事由とは
    変更しないと社会生活上の支障が生じる場合を指します。
  • 認められにくいケース
    単なる個人的な趣味・感情・信仰上の希望だけでは足りないとされています。

4-2. 氏のフリガナの変更許可(やむを得ない事由)

氏(みょうじ)のフリガナを変更する場合は、家庭裁判所に「氏の振り仮名の変更許可」を申し立てます(裁判所「氏の振り仮名の変更許可」)。

氏の変更は戸籍全体・同じ氏を名乗る家族に影響するため、名よりも厳しい「やむを得ない事由」が求められます。

申立人は、戸籍の筆頭者およびその配偶者です。

4-3. 申立先・費用・必要書類

名のフリガナの変更許可を申し立てる場合の基本は次のとおりです。

項目内容
申立先申立人の住所地を管轄する家庭裁判所
申立人変更しようとする本人(15歳未満は法定代理人が代理)
費用収入印紙800円分+連絡用の郵便切手
必要書類申立書、申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)、変更理由を証する資料

氏の振り仮名の変更許可も、費用や必要書類はおおむね共通です。

ただし申立人は戸籍の筆頭者およびその配偶者となる点が異なります。

申立書の書式と記載例は、裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。

申立てに必要な戸籍謄本の取り方は、次の手続きガイドで詳しく解説しています。

変更後の読み方を長年使ってきた場合

変更後の読み方を永年使用してきたことを理由にする場合は、申立て時ではなく、後日の事情聴取などで資料の提示を求められることがあります。
通帳・郵便物・各種会員証など、その読み方を使ってきたことがわかる資料を準備しておくとスムーズです。

4-4. 許可が出たら市区町村へ届出

家庭裁判所の許可が出ても、それだけで戸籍が書き換わるわけではありません。

許可の審判書(謄本)を添えて、市区町村に変更の届出をすることで、はじめて戸籍のフリガナが変更されます。

お住まいの地域の家庭裁判所や手続きの進め方は、次から調べられます。

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5. 戸籍のフリガナを変更したら必要になる各種手続き

戸籍のフリガナを変えると、これまで使ってきた各種書類のフリガナと食い違いが生じることがあります。

放っておくと本人確認や手続きでトラブルになることがあるため、変更後は次の手続きもあわせて確認しましょう。

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5-1. パスポート(旅券)

パスポートのローマ字氏名は、戸籍に記載されたフリガナをもとに決まります。

フリガナを変えてローマ字表記が変わる場合は、有効期間が残っていても記載事項変更の旅券申請や新規申請が必要になることがあります(外務省「戸籍の氏名のフリガナ記載開始に伴う注意事項」)。

パスポートの申請・更新の流れは、次の手続きガイドで確認できます。

5-2. 年金(日本年金機構)

戸籍のフリガナが年金記録のフリガナと異なると、手続きが必要になる場合があります。

手続きが必要な場合は、日本年金機構から「氏名変更のお知らせ」などの案内が届くことがあるため、内容を確認して対応しましょう。

5-3. 銀行口座・各種契約

銀行口座の名義はフリガナで管理されているため、戸籍のフリガナと食い違うと、振込や本人確認で支障が出ることがあります。

次のような契約は、フリガナの変更が必要かどうかを確認しておくと安心です。

  • 銀行・ゆうちょ・ネット銀行などの口座名義
  • クレジットカード
  • 携帯電話・各種サブスクリプション
  • 勤務先(給与振込・社会保険)
  • 各種会員サービス
変更前に各種書類のフリガナを確認

戸籍のフリガナを変える前に、年金・パスポート・銀行口座などで今どのフリガナを使っているかを確認しておきましょう。
戸籍と各種書類のフリガナをそろえておくと、後の手続きがスムーズです。

6. こんなときどうする?ケース別の対処

6-1. 通知書が届かない・なくした

通知書は住民票上の住所に送られます。

本籍地と住所地が離れていても、住民票の住所に届く点に注意してください。

届かない・なくした場合は、本籍地の市区町村に問い合わせて、記載予定のフリガナや今後の手続きを確認しましょう。

6-2. 海外在住で通知が来ない

海外に転居している場合は通知を送付できないため、在外公館(大使館・総領事館)などでの届出が必要になります。

最寄りの在外公館に手続き方法を確認してください。

6-3. 同じ戸籍の家族と別の氏のフリガナにしたい

氏のフリガナは戸籍ごとに共通で、原則として筆頭者が届け出ます。

同じ戸籍にいる家族と異なる氏のフリガナにしたい場合は、分籍(別の戸籍をつくる)などを経たうえで手続きを検討することになり、扱いが複雑です。

具体的な進め方は、本籍地の市区町村や家庭裁判所に相談しましょう。

6-4. 子ども(15歳未満)のフリガナを変えたい

家庭裁判所への申立てが必要な変更で、対象者が15歳未満の場合は、法定代理人(親権者)が代理して申し立てます。

共同親権の場合は、原則として父母が共同で申し立てる必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 漢字はそのままで、読み方だけを大きく変えたいのですが家庭裁判所が必要ですか?

A. 変更の内容と経緯によります。

職権で記載されたフリガナを初めて変える場合は、一度に限り家庭裁判所の許可なしに届出できます。

ただし、自分で届出をして記載されたフリガナを変える場合や、一般的な読み方の範囲を超える変更は、家庭裁判所の許可が必要になります。

Q. 一文字だけ変えたいのですが、簡単にできますか?

A. 一般的な読み方の範囲かどうかが分かれ目です。

一文字を変える・削る程度でも、それが氏名の読み方として一般に認められる範囲なら届出で対応できる可能性があります。

判断に迷う場合は、本籍地の市区町村に確認するのが確実です。

Q. 届出や申立てにお金はかかりますか?

A. ルートによって異なります。

市区町村への届出(ルートA)は手数料がかからないのが一般的です。

家庭裁判所への申立て(ルートB)は、収入印紙800円分と連絡用の郵便切手が必要です。

このほか、添付する戸籍謄本などの取得費用が別途かかります。

Q. フリガナを変えると、銀行やパスポートも全部やり直しになりますか?

A. 食い違いが生じるものは手続きが必要になることがあります。

戸籍のフリガナと、銀行口座・パスポート・年金などで使っているフリガナが一致しなくなる場合は、それぞれの変更手続きが必要になることがあります。

変更前に各種書類のフリガナを確認し、どこに影響するかを把握しておきましょう。

Q. 通知のフリガナが正しい場合は、何もしなくてよいですか?

A. 届出は不要です。

通知のフリガナが正しければ、届出をしなくても職権で戸籍に記載されます。

変更したい場合のみ、この手続きガイドのルートA・ルートBを確認してください。

まとめ

名前のフリガナ変更は、2025年5月に始まった戸籍へのフリガナ記載制度を前提とした手続きです。

希望する読み方を自由に届け出られた経過措置の期間(〜2026年5月25日)は終了しているため、今からの変更は次の2つのルートに分かれます。

  • ルートA: 市区町村への届出(家裁の許可が不要)
    届出をせず職権で記載されたフリガナは、一度に限り家庭裁判所の許可なしに変更の届出ができます。
  • ルートB: 家庭裁判所の許可を得て変更
    自分で届出したフリガナの変更や、すでに1回変更した場合などは、名は「正当な事由」、氏は「やむを得ない事由」が必要です。

まずは戸籍に記載(予定)のフリガナを確認し、自分がどちらのルートに当たるかを見極めることが第一歩です。

変更後は、パスポート・年金・銀行口座など各種書類のフリガナとの食い違いにも忘れずに対応しましょう。

判断に迷うときは、本籍地の市区町村や住所地の家庭裁判所に早めに相談することをおすすめします。

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