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本人通知制度とは?住民票・戸籍の不正取得を防ぐ手続き

本人通知制度とは?住民票・戸籍の不正取得を防ぐ手続き
最終更新:2026年6月9日

「自分の住民票や戸籍が、知らないうちに他人に取られていたら…」

そんな不安を感じたことはありませんか?

実は、住民票の写しや戸籍謄本は、一定の条件を満たせば本人以外の第三者でも取得できます。

そして不正な取得の多くは、悪用されたあとになって初めて発覚するのが現実です。

そこで役立つのが「本人通知制度」です。

事前に登録しておけば、あなたの証明書が第三者に交付されたときに郵送でお知らせが届きます。

登録は無料で、窓口で簡単に手続きできます。

この手続きガイドでは、本人通知制度の仕組みから登録方法、通知が届いたときの対応まで、わかりやすく解説します。

1. 本人通知制度とは?知らないうちの取得を「お知らせ」する制度

本人通知制度とは、事前に登録しておくことで、あなたの住民票の写しや戸籍の証明書が代理人・第三者に交付された際に、その事実を郵送で通知する制度です。

たとえば、あなたの戸籍謄本が誰かに取得されると、後日「証明書を交付しました」というお知らせが自治体から届きます。

これにより、不正な取得をいち早く察知できます。

委任状を偽造して本人になりすました請求や、使用目的を偽った不正取得などを抑止し、個人の権利の侵害を防ぐことを目的とした制度です。

登録は無料で、運転免許証などの本人確認書類を持って窓口に行くだけで手続きが完了します。

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ポイント

本人通知制度は「事前登録型」が主流です。
登録した人だけが通知の対象になるため、まず自分で登録手続きをする必要があります。
なお、一部の自治体では、不正取得が判明したときに登録の有無を問わず本人へ知らせる「登録不要型」を併せて運用している場合もあります。

重要

本人通知制度は、法律で全国一律に定められた制度ではありません。
各市区町村が独自の要綱(ルール)にもとづいて運用している制度です。
そのため、制度の有無・対象範囲・通知方法・登録期間などは自治体によって異なります。
詳しくは「9. お住まいの自治体の制度を調べる」で確認方法を紹介します。

2. なぜ必要?住民票・戸籍は第三者でも取得できる

住民票の写しや戸籍謄本は、自分や家族だけのものと思われがちですが、法律上の要件を満たせば第三者でも取得できます。

問題は、不正に取得された場合です。

住民票や戸籍を不正に取得することは犯罪ですが、その多くは証明書が悪用されたあとになって発覚します。

ストーカーが相手の住所を突き止めたり、身元調査や差別的な調査に使われたりといった被害につながることもあります。

本人通知制度に登録しておけば、取得された事実をいち早く知ることができ、万が一不正取得があった場合でも、警察などへ速やかに相談して被害を未然に防ぎやすくなります。

注意

本人通知制度は、第三者による取得そのものを止める制度ではありません。
あくまで「取得された事実を事後に知らせる」制度です。
取得自体をさせたくない場合は、別制度のDV等支援措置(住民票閲覧制限)を検討します。
詳しくは「8. 本人通知制度とDV等支援措置の違い」で解説します。

不正取得には罰則がある

戸籍法・住民基本台帳法では、偽りやその他不正の手段によって戸籍謄本や住民票の写しなどの交付を受けた者には、30万円以下の罰金が科されると定められています。

平成20年(2008年)5月の法改正で、証明書を請求する際の窓口での本人確認が義務化され、不正取得に対する罰則も従来の過料(行政罰)から罰金(刑罰)へと引き上げられました。

詳しくは法務省「戸籍の窓口での『本人確認』が法律上のルールになりました」で確認できます。

3. 誰が住民票・戸籍を取得できるのか(請求の種類)

本人通知制度を理解するには、まず「誰が住民票や戸籍を取得できるのか」を知っておくと役立ちます。

証明書の請求は、大きく次のように分けられます。

請求の種類請求できる人通知の対象
本人等請求本人・同一世帯の人(住民票)、本人・配偶者・直系尊属/卑属(戸籍)対象外
代理人請求委任状などで代理権を持つ人対象
第三者請求上記以外で、正当な理由がある人・法人対象
職務上請求8士業(弁護士・司法書士など)が職務上必要な場合対象
公用請求国・地方公共団体が公文書で請求する場合対象外

本人通知制度に登録すると、原則として代理人請求・第三者請求・職務上請求で証明書が交付された場合に通知が届きます。

一方、本人や同一世帯の人による「本人等請求」、国や自治体による「公用請求」は通知の対象外です。

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「第三者」とは具体的に誰か

第三者請求ができるのは、自分の権利を行使したり義務を果たしたりするために証明書が必要な人や法人です。

たとえば次のようなケースがあります。

  • 相続手続きのための請求
    亡くなった人の相続人が、関係者の戸籍を取得する場合。
  • 債権回収のための請求
    貸したお金の返済を求めるために、相手の住所を確認する場合。
  • 契約上の権利行使のための請求
    契約の相手方の所在を確認する必要がある場合。

職務上請求とは

弁護士・司法書士・行政書士・税理士・社会保険労務士・弁理士・土地家屋調査士・海事代理士の8士業は、依頼を受けた業務に必要な場合、専用の様式で住民票や戸籍を請求できます。

これを「職務上請求」といい、本人通知制度では通知の対象になります。

重要

「第三者」に家族や親族が含まれるかどうかは、自治体によって扱いが異なります。
多くの自治体では、同一世帯の人や配偶者・直系親族(親・子など)は「第三者」に含まれず、通知の対象外です。
一方で、家族の請求でも通知が届く運用の自治体もあります。
気になる場合はお住まいの自治体に確認してください。

住民票や戸籍を本人以外が取得する具体的な方法については、こちらの手続きガイドもあわせてご覧ください。

4. 本人通知制度でできること・できないこと

本人通知制度に期待しすぎて、あとから「思っていたのと違った」とならないよう、できることとできないことを整理しておきましょう。

できること

  • 自分の住民票・戸籍が第三者に取得された「事実」を知ることができる
  • 不正取得が疑われる場合に、早期に警察や自治体へ相談するきっかけになる
  • 「通知が届く」こと自体が、不正取得を思いとどまらせる抑止力になる

できないこと

  • 第三者による取得そのものを止めることはできない
  • 通知だけでは「誰が」「何の目的で」取得したかまではわからない

通知に記載されるのは、次の内容です。

通知される内容通知されない内容
証明書の交付年月日請求者の氏名
交付した証明書の種別請求者の住所
交付した証明書の通数請求の具体的な目的
請求者の種別(第三者・代理人・職務上請求)
注意

通知書には、請求した人の氏名や住所、具体的な目的は記載されません。
これは、請求者側の個人情報も保護の対象となるためです。
「誰が取得したのか」を確認したい場合の方法は「7. 通知が届いたときの対応」で解説します。

5. 本人通知制度のメリット・デメリット

登録するかどうか迷っている方のために、メリットと注意点を整理します。

メリット

  • 無料で登録できる
    費用はかからず、本人確認書類があれば手続きできます。
  • 不正取得を早期に発見できる
    悪用される前に気づき、被害を最小限にとどめやすくなります。
  • 抑止力になる
    通知される仕組みがあること自体が、不正請求の抑止につながります。
  • 安心して過ごせる
    一度登録すれば、自分の証明書が取得されたときに気づける安心感があります。

デメリット・注意点

  • 登録しないと通知されない
    事前登録型のため、登録していなければ取得されても通知は届きません。
  • 家族の正当な請求でも通知が来ることがある
    自治体の運用によっては、親族の請求で通知が届き、驚く場合があります。
  • 取得を防げるわけではない
    あくまで事後の通知であり、取得そのものは止められません。
  • 更新が必要な自治体もある
    登録期間が無期限の自治体もあれば、数年ごとに更新が必要な自治体もあります。

6. 本人通知制度の登録手続きの方法

ここからは、実際の登録手続きを解説します。

なお、細かい運用は自治体によって異なるため、最終的にはお住まいの自治体の案内を確認してください。

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6-1. 登録できる人

一般的に、次のいずれかに当てはまる人が登録できます。

  • その市区町村の住民基本台帳・戸籍の附票に記録されている人(過去に記録されていた人を含む)
  • その市区町村が編製した戸籍に記載されている人(除かれた戸籍に記載されていた人を含む)

つまり、現在その自治体に住んでいる人だけでなく、過去に住んでいた人や本籍を置いていた人も対象になります。

なお、大阪市のように、現在国内に住んでいない人は登録できないとする自治体もあります。

6-2. 登録に必要なもの

窓口で登録する場合に必要なものは、おおむね次のとおりです。

  • 本人通知制度の登録申請書(窓口に設置、または自治体サイトからダウンロード)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、健康保険の資格確認書、在留カードなど)
  • (法定代理人が申請する場合)資格を証明する書類(戸籍全部事項証明書など)
  • (任意代理人が申請する場合)委任状
重要

必要書類や申請書の様式は自治体によって異なります。
とくに代理人が申請する場合の必要書類は自治体ごとに違うため、事前に窓口や自治体サイトで確認しておくと安心です。

6-3. 申請方法と申請先

申請方法は、主に次の2つです。

  1. 窓口での申請
    住民登録地または本籍地の市区町村の担当窓口(市民課・区役所の窓口サービス担当課など)で申請します。
  2. 郵送での申請
    多くの自治体で郵送申請も受け付けています。
    この場合、本人確認書類は写しを同封するのが一般的です。

本人だけでなく、法定代理人や任意代理人による申請が認められている自治体もあります。

6-4. 費用

登録は無料です。

手数料はかかりません。

6-5. 登録開始日

登録の効力がいつから始まるかも確認しておきましょう。

多くの自治体では、登録申請を行った日の翌開庁日が登録開始日となり、その日以降の交付請求が通知の対象になります。

注意

年末年始や連休をはさむと、登録開始日が先延ばしになることがあります。
たとえば申請日が12月28日で、その後役所が休みの場合、登録開始日は翌年の開庁日になります。
登録前に取得された分は通知の対象にならない点に注意してください。

6-6. 登録期間と更新

登録期間は自治体によって異なります。

  • 無期限の自治体
    一度登録すれば、廃止の届出をするまで有効です。
  • 有期の自治体
    3年や5年など期限を区切り、継続したい場合は再度登録手続きが必要です。

また、大阪市のように、除かれた戸籍に関する証明書については登録開始日から5年とするなど、証明書の種類によって期間が異なる場合もあります。

6-7. 登録内容の変更・廃止

引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わったときや、登録をやめたいときは、変更・廃止の届出が必要です。

専用の申請書(本人通知制度登録事項変更兼廃止申請書など)を窓口に提出します。

ポイント

他の市区町村へ引っ越す場合、転居先の自治体に本人通知制度があるとは限りません。
あったとしても、登録は自動では引き継がれず、改めて登録手続きが必要になるのが一般的です。
引っ越し後は、新しい住所地の自治体で制度の有無と登録方法を確認しましょう。

7. 通知が届いたときの対応

実際に「あなたの証明書を第三者に交付しました」という通知が届くと、不安になるかもしれません。

落ち着いて、次の順番で確認しましょう。

7-1. まず通知の内容を確認する

通知書には、交付した年月日・証明書の種別・通数・請求者の種別(第三者・代理人・職務上請求)が記載されています。

どの証明書が、いつ、どの立場の人に交付されたのかを確認します。

7-2. 心当たりがないか考える

正当な理由で取得されているケースも少なくありません。

  • 相続が発生した
    疎遠だった親族が亡くなり、その相続人があなたの戸籍を取得した。
  • 過去の契約や債権に関するもの
    以前の契約相手や債権者が、権利行使のために住所を確認した。

とくに「相続」は、自分が把握していない遠い親族の死亡をきっかけに第三者請求が行われる代表的なケースです。

7-3. 取得者を確認したい場合

通知書だけでは請求者の氏名まではわかりません。

請求者を知りたい場合は、お住まいの自治体に対して個人情報の開示請求を行うことで、申請者や目的を確認できる場合があります。

ただし、請求者側の個人情報も保護されるため、氏名などが黒塗り(非開示)となり、すべてが明らかにならないこともあります。

7-4. 不正取得が疑われる場合

身に覚えがなく、不正取得が疑われる場合は、早めに相談しましょう。

  • 証明書を発行した市区町村の窓口
  • 警察(被害や危険を感じる場合)
  • 弁護士などの専門家
注意

ストーカーやDVなど身の危険を感じる場合は、ためらわずに警察(緊急時は110番)に相談してください。
住所を知られたくない事情があるときは、本人通知制度とは別に、次に紹介するDV等支援措置の利用も検討しましょう。

8. 本人通知制度とDV等支援措置の違い

「住所を知られたくない」という目的では、本人通知制度とよく似た制度に「DV等支援措置(住民票閲覧制限)」があります。

ただし、2つは目的も仕組みもまったく異なります。

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項目本人通知制度DV等支援措置(住民票閲覧制限)
目的取得された事実を知るそもそも取得・閲覧をさせない
タイミング取得後に通知(事後)取得・閲覧を事前にブロック
主な対象者不正取得が心配な人全般DV・ストーカー・虐待などの被害者
効果早期発見・抑止加害者からの追跡を防ぐ

つまり、不正取得を「知りたい」なら本人通知制度、加害者などに住所を「知られたくない」ならDV等支援措置、という使い分けになります。

DVやストーカー被害などで相手に住所を知られたくない場合は、こちらの手続きガイドを確認してください。

9. お住まいの自治体の制度を調べる

本人通知制度は全国一律の制度ではなく、市区町村ごとに運用が異なります。

導入していない自治体もあれば、登録方法・必要書類・登録期間が違う自治体もあります。

そのため、登録を考えている場合は、必ずお住まい(または本籍地)の自治体の制度を確認してください。

以下から、自分の市区町村の本人通知制度の登録方法を調べられます。

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10. よくある質問(FAQ)

Q. 登録に費用はかかりますか?

A. 無料です。

本人通知制度の登録に手数料はかかりません。

本人確認書類を持って窓口で申請するだけで手続きできます。

Q. 家族が私の戸籍を取ったら通知は届きますか?

A. 自治体の運用によって異なります。

多くの自治体では、同一世帯の人や配偶者・直系親族(親・子など)による請求は「第三者」に含まれず、通知の対象外とされています。

一方で、家族の請求でも通知が届く運用の自治体もあります。

気になる場合は、お住まいの自治体に確認してください。

Q. 通知書には、誰が取得したのか書かれていますか?

A. 請求者の氏名や住所は書かれていません。

通知書に記載されるのは、交付年月日・証明書の種別・通数・請求者の種別(第三者・代理人・職務上請求)です。

請求者の氏名や具体的な目的を知りたい場合は、自治体への個人情報開示請求が必要になりますが、請求者の個人情報保護のため一部が黒塗りになることもあります。

Q. 引っ越したら登録はどうなりますか?

A. 自動では引き継がれません。

本人通知制度は各市区町村が独自に運用しているため、引っ越し先の自治体で改めて登録手続きをする必要があります。

そもそも引っ越し先に制度がない場合もあるため、転居後に新しい住所地の自治体で確認しましょう。

Q. DVで相手に住所を知られたくない場合も、この制度で対応できますか?

A. その場合はDV等支援措置(住民票閲覧制限)が適しています。

本人通知制度は、取得された「あと」に通知が届く制度で、取得そのものは止められません。

加害者などに住所を知られたくない場合は、取得・閲覧自体をブロックするDV等支援措置を検討してください。

詳しくは「8. 本人通知制度とDV等支援措置の違い」を参照してください。

Q. 全国どこの市区町村でも登録できますか?

A. 導入していない自治体もあります。

本人通知制度は法律で定められた全国一律の制度ではなく、各市区町村が任意で運用しています。

導入している自治体が大半ですが、未導入の自治体もあるため、まずはお住まいの自治体に制度があるか確認してください。

11. まとめ

本人通知制度は、あなたの住民票や戸籍が第三者に取得された事実を、郵送でお知らせしてくれる制度です。

最後に、要点を整理します。

  • 事前登録型が主流
    登録した人だけが通知の対象になるため、まず自分で登録手続きが必要です。
  • 登録は無料・窓口や郵送で手続き可能
    本人確認書類を用意すれば、簡単に登録できます。
  • 取得を止める制度ではない
    あくまで事後の通知であり、取得そのものは防げません。
  • 通知に請求者の氏名は載らない
    誰が取得したか知りたい場合は、自治体への個人情報開示請求を検討します。
  • 自治体ごとに運用が異なる
    制度の有無・必要書類・登録期間は、お住まいの自治体で確認しましょう。

住民票や戸籍の不正取得は、悪用されてから気づくケースが少なくありません。

「自分の個人情報を守りたい」と感じたら、まずはお住まいの自治体に本人通知制度があるかを確認し、早めに登録しておくと安心です。

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