住民票閲覧制限の申請方法 - DV・毒親から住所を隠す手続き
DV、ストーカー、毒親などから逃れて新しい生活を始めたい。
でも「住所を調べられて見つかってしまうのでは…」と不安を感じていませんか?
「住民票閲覧制限」(正式には「DV等支援措置」)を申請すれば、相手があなたの住民票を取得することを制限できます。
配偶者からのDVだけでなく、ストーカー被害者や、毒親から避難したい方も対象になる可能性があります。
この手続ガイドでは、住民票閲覧制限の申請方法、必要書類、デメリットまで詳しく解説します。
一人で悩まず、まずは相談窓口に連絡してみてください。
❗緊急時の連絡先📞
- 警察(緊急時):
110 - DV相談ナビ:
#8008 - DV相談プラス:
0120-279-889(24時間対応)
住民票閲覧制限(DV等支援措置)とは
「住民票閲覧制限」とは、DV、ストーカー、親族からの暴力・虐待(いわゆる『毒親』を含む)などの被害を受けている方を保護するため、加害者(相手方)による住民票や戸籍の附票の閲覧・交付を制限する制度です。
正式名称は「住民基本台帳事務におけるDV等支援措置」といいます。
この制度を利用すると、以下の情報が保護されます。
| 保護される情報 | 説明 |
|---|---|
| 住民票の写し | 現在の住所情報 |
| 住民票の除票 | 転出後も過去の住所を保護 |
| 戸籍の附票の写し | 本籍地での住所履歴 |
| 戸籍の附票の除票 | 過去の住所履歴 |
相手方があなたの住民票を請求しても、市区町村はその請求を拒否します。
また、第三者からの請求についても、なりすまし防止のため本人確認が厳格化され、請求理由についても慎重に審査されます。
住民票閲覧制限の対象者|DV・ストーカー・毒親でも申請できる?
住民票閲覧制限は、以下に該当する方が申請できます。
配偶者からのDV被害者
配偶者暴力防止法に基づき、配偶者からの暴力によって生命や身体に危害を受けるおそれがある方が対象です。
「暴力」には身体的な暴力だけでなく、精神的なDV(モラハラ)も含まれる場合があります。
まずは相談機関に状況を伝えてみてください。
なお、「配偶者」には事実婚(内縁関係)のパートナーや、離婚後も暴力を受け続けている元配偶者も含まれます。
ストーカー被害者
ストーカー規制法に基づき、つきまとい等を繰り返し受けるおそれがある方が対象です。
元交際相手、知人、見知らぬ人など、加害者との関係は問いません。
児童虐待の被害者
児童虐待防止法に基づき、児童虐待を受けた児童(18歳未満)が対象です。
再び虐待を受けるおそれがある場合や、監護を受けることに支障が生じるおそれがある場合に申請できます。
これらに準ずる方(毒親から避難する成人など)
上記の3つに明確に該当しない場合でも、同様の被害を受けるおそれがある方は「これらに準ずる方」として対象となる可能性があります。
成人が毒親から避難する場合もこの枠組みで申請できます。
過去に児童虐待を受けていた場合や、成人後も親からの支配・暴力・精神的虐待が続いている場合は、相談機関に状況を伝えてみてください。
「親だから」「もう大人だから」と我慢する必要はありません。 まずは相談機関に相談してみてください。
住民票閲覧制限の申請方法・やり方
住民票閲覧制限を受けるまでの流れは、大きく3つのステップです。
ステップ1: 相談機関に相談する
まず、以下のいずれかの相談機関に相談します。
相談実績があることで、支援措置の必要性が認められやすくなります。
- 警察
最寄りの警察署や交番で相談できます。
緊急性が高い場合は110番へ。 - 配偶者暴力相談支援センター
各都道府県に設置されている専門の相談窓口です。 - 女性相談支援センター
女性の様々な問題について相談できます。 - 児童相談所
児童虐待に関する相談窓口です。
189(いちはやく)で相談できます。 - 各自治体の相談窓口
市区町村の福祉課などでも相談を受け付けています。
全国共通の相談窓口
| 窓口名 | 電話番号 | 対応時間 |
|---|---|---|
| DV相談ナビ | #8008 | 最寄りの相談窓口に転送 |
| DV相談プラス | 0120-279-889 | 24時間対応 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 平日日中 |
| 児童相談所虐待対応ダイヤル | 189 | 24時間対応 |
お住まいの自治体の相談窓口を以下から調べることもできます。
ステップ2: 市区町村で支援措置を申し出る
相談機関への相談後、以下の窓口で支援措置を申し出ます。
- 住民票のある市区町村
住民課、市民課などの窓口で「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出します。 - 本籍地の市区町村
戸籍の附票も保護したい場合は、本籍地の市区町村にも申し出が必要です。
引っ越しを伴う場合は、転入届と同時に支援措置を申し出ることで、新しい住所が相手に知られるリスクを最小限にできます。
ステップ3: 支援の必要性が確認される
市区町村は、相談機関に意見を照会し、支援の必要性を確認します。
確認方法は以下のいずれかです。
- 警察や配偶者暴力相談支援センターなどへの意見照会
- 保護命令決定書の写し、警告等実施書面の提出
確認が完了すると、申出者に結果が連絡され、その日から支援措置が開始されます。
申請に必要なもの
窓口で支援措置を申し出る際に、以下のものを準備してください。
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 支援措置申出書(窓口で入手できます)
- 相談機関からの書類(ある場合)
- 印鑑(自治体によって必要な場合があります)
住民票閲覧制限(住基ブロック)のデメリット・注意点
住民票閲覧制限(通称「住基ブロック」)は身を守るための大切な制度ですが、いくつかの制限事項があります。
申請前に把握しておきましょう。
コンビニでの証明書発行ができなくなる場合がある
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付(コンビニで住民票などを取得するサービス)が利用できなくなる場合があります。
具体的な取り扱いは自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村窓口にご確認ください。
住民票が必要な場合は、市区町村の窓口で直接取得することになります。
窓口では本人確認が行われるため、より安全に証明書を受け取ることができます。
マイナ保険証の利用が制限される場合がある
支援措置を受けている場合、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」に制限がかかる場合があります。
対応は自治体や保険者によって異なりますので、詳細はお住まいの自治体や加入している健康保険の窓口にご確認ください。
なお、マイナ保険証が利用できない場合でも、保険者から「資格確認書」が発行されますので、医療機関を受診することは可能です。
資格確認書は申請しなくても自動的に送付されます。
毎年の更新手続きが必要
住民票閲覧制限の有効期間は1年間です。
継続して保護を受けるには、期間終了前に延長の申し出が必要です。 自動更新ではないため、忘れずに手続きしましょう。
更新手続きの詳細は、後述の「住民票閲覧制限の更新手続き」で解説しています。
一部の手続きに影響が出る可能性
以下のような場面で、住民票の提出が求められることがあります。
- 各種ローン審査
- 賃貸契約
- 就職時の本人確認
これらの場合でも、市区町村の窓口で住民票を取得すれば対応できます。
コンビニで取れないだけで、住民票自体は取得可能です。
住民票閲覧制限の更新手続き
住民票閲覧制限は1年ごとに更新が必要です。
更新を忘れると保護が終了してしまうため、必ず期限前に手続きしてください。
更新の手順
- 期間終了の1か月前になったら、市区町村の窓口へ
- 延長の申し出を行う
- 支援の必要性が再度確認される
- 延長が認められると、新たに1年間の保護が始まる
毎年の更新は精神的な負担になることもあります。 しかし、あなたの安全を守るための大切な手続きです。
つらいときは、相談機関の担当者に話を聞いてもらうことも検討してください。
関連する手続き
住民票閲覧制限と合わせて検討したい手続きを紹介します。
本人通知制度への登録
住民票閲覧制限が「相手に取得させない」制度であるのに対し、本人通知制度は住民票や戸籍が第三者に取得されたときに、その事実をあなたに知らせる制度です。
万が一、相手方が代理人や第三者を使ってあなたの証明書を取得しようとした場合でも、通知が届くことで早期に気づくことができます。
閲覧制限と合わせて登録しておくと、保護の網を二重にすることができます。
警察への相談(行方不明者届への対応)
相手方が警察に行方不明者届(旧・捜索願)を出す可能性がある場合は、事前に警察に相談しておくことが重要です。
DV・ストーカー被害を警察に相談して状況を把握してもらっていれば、行方不明者届が提出されても居場所が加害者に知られないよう配慮してもらえる場合があります。
支援措置の申請と合わせて、最寄りの警察署に相談しておくことをおすすめします。
郵便物の転送届の注意
郵便局で転送届を出すと、旧住所から新住所へ郵便物が転送されます。
しかし、旧住所に届いた郵便物が転送されることで、間接的に新住所が知られるリスクがあります。
重要な郵便物は、以下の方法を検討してください。
- 差出人に直接新住所を伝える
- 郵便局留めにする
- 信頼できる人の住所を経由する
郵便局留めとは
「郵便局留め」とは、自宅ではなく指定した郵便局の窓口で郵便物を受け取れるサービスです。
事前の利用手続きや手数料は不要で、全国どの郵便局でも利用できます。
利用方法
- 差出人に「〇〇郵便局留」と宛先に書いてもらう
- 郵便局に届いたら、窓口で本人確認書類を提示して受け取る
注意点
- 保管期間は届いた日の翌日から10日間(届かないと差出人に返送されます)
- 郵便局から届いた連絡は届きません。追跡サービスで到着を確認してください
詳しくは日本郵便: 郵便局留をご確認ください。
健康保険の扶養を抜ける場合
DV被害などで配偶者の扶養から抜ける場合は、国民健康保険への加入手続きが必要です。
配偶者の協力が得られない場合でも、DV被害を証明する書類があれば手続きできる場合があります。
市区町村の窓口にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
警察に相談していなくても申請できる?
相談機関への相談は「原則」とされていますが、必須ではない場合もあります。
保護命令の決定書や警告書などの書類がある場合は、それらで支援の必要性を確認することもできます。
まずは市区町村の窓口に相談してみてください。
状況に応じて、どのような手続きが必要か案内してもらえます。
住民票を移す前と後、どちらで申請する?
理想的には、以下のタイミングで手続きするのがおすすめです。
- 現在の住所地(転出元)で相談機関に相談
- 転入届を出すタイミングで、新しい住所地(転入先)に支援措置を申し出る
転入届と同時に支援措置を申し出ることで、新しい住所が相手に知られるリスクを最小限にできます。
転出元への申し出について
転入先で支援措置を申し出ると、市区町村が関係市区町村へ申出書を転送する仕組みがあります。
そのため、被害者自身が転出元に別途申し出る必要は基本的にありません。
転出元の「除票」(過去の住所情報)も保護対象になりますので、転入先の窓口で「転出元の情報も保護してほしい」と伝えておくと安心です。
会社や学校に支援措置のことがバレる?
支援措置を受けていること自体は、第三者に公開されることはありません。
会社や学校から住民票の提出を求められた場合は、市区町村の窓口で取得すれば問題ありません。
住民票には「支援措置中」などの記載はされません。
マイナンバーカードは使える?
マイナンバーカード自体は引き続き使用できます。
本人確認書類としても有効です。
ただし、以下の機能には制限がかかります。
- コンビニ交付
住民票等のコンビニ発行は利用できなくなります。 - マイナ保険証
自治体によって利用が制限される場合があります。
マイナポータルへのログインなど、その他の機能は通常どおり利用できることが多いですが、詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
同居している子供も一緒に保護できる?
はい、可能です。
申出者と同一住所に住んでいる同居者についても、支援措置の対象とすることができます。
お子さんがいる場合は、一緒に申し出ることをおすすめします。
相手に支援措置を受けていることがバレる?
相手方があなたの住民票を請求した場合、「交付できません」という結果になります。
市区町村から相手方に「支援措置中です」と直接伝えられることはありませんが、請求が拒否されることで、相手が何らかの措置が取られていると察する可能性はあります。
相続や年金の手続きはどうなる?
支援措置を受けていても、相続や年金の手続きは通常どおり行えます。
ただし、相続の際に戸籍謄本の取得が必要になる場合などは、窓口での厳格な本人確認が行われます。
手続きに不安がある場合は、事前に市区町村の窓口に相談しておくとスムーズです。
まずは相談窓口に連絡を
住民票閲覧制限は、あなたの安全を守るための大切な制度です。
「自分の状況でも使えるのかな」「どこに相談すればいいのかな」と迷ったら、まずは相談窓口に連絡してみてください。
相談は無料で、秘密は守られます。
あなたは一人ではありません。
相談窓口一覧
| 窓口名 | 電話番号 | 対応時間 |
|---|---|---|
| 警察(緊急時) | 110 | 24時間 |
| DV相談ナビ | #8008 | 最寄りの相談窓口に転送 |
| DV相談プラス | 0120-279-889 | 24時間対応 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 平日日中 |
| 児童相談所虐待対応ダイヤル | 189 | 24時間対応 |
