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DV保護命令・接近禁止命令の申立て方法〜条件・費用もわかりやすく解説

DV保護命令・接近禁止命令の申立て方法〜条件・費用もわかりやすく解説
最終更新:2026年3月15日

配偶者やパートナーから暴力や脅迫を受け、「離れたいのに怖くて動けない」「別居したのにつきまとわれている」と不安を抱えていませんか。

DV防止法(配偶者暴力防止法)に基づく保護命令を裁判所に申し立てれば、相手に対して接近やつきまとい、連絡を法的に禁止でき、違反すると刑事罰(2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)が科されます。

2024年4月の法改正により、身体的な暴力だけでなく精神的DV(モラハラ)や経済的DVも保護命令の対象となり、接近禁止の期間も6か月から1年に延長されました。

この手続きガイドでは、保護命令の種類・申立てに必要な条件・手続きの流れ・費用まで、一つずつわかりやすく解説します。

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1. 保護命令とは

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保護命令とは、DV防止法(正式名称: 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)に基づき、裁判所が加害者に対して発する命令です。

被害者が地方裁判所に申し立てることで、加害者に対して「被害者に近づいてはならない」「電話やSNSで連絡してはならない」といった行為を法的に禁止できます。

保護命令に違反した場合は刑事罰の対象となるため、単なる「お願い」ではなく、法的な強制力をもった制度です。

保護命令の対象となる「配偶者」の範囲

保護命令は夫婦間だけの制度ではありません。

以下の関係にある相手からの暴力等に対して申し立てることができます。

  • 法律婚の配偶者(夫・妻)
  • 事実婚の相手方(婚姻届を出していない内縁関係)
  • 生活の本拠を共にする交際相手(同棲しているパートナー)
  • 離婚後・交際解消後の元配偶者・元パートナー
  • 離婚や交際解消の前に暴力等を受けており、その後も引き続き暴力等を受けている場合

なお、内閣府によれば、同性カップル間の暴力についても保護命令の対象となった例があります。

2. 保護命令の6つの種類

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保護命令には以下の6つの類型があります。

#保護命令の種類期間単独で申立て
1被害者への接近禁止命令1年
2被害者への電話等禁止命令接近禁止命令の期間中×
3子への接近禁止命令接近禁止命令の期間中×
4子への電話等禁止命令接近禁止命令の期間中×
5親族等への接近禁止命令接近禁止命令の期間中×
6退去等命令2か月(※)

※被害者の名義で持ち家や賃貸契約をしている場合は6か月

(2)〜(5)の命令は、(1)の接近禁止命令の実効性を確保するための付随的な制度です。

(1)の命令と同時に、または(1)がすでに発令されている場合にのみ申立てることができます。

2-1. 被害者への接近禁止命令

加害者が被害者の身辺につきまといをしたり、被害者の住居・勤務先など通常いる場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。

期間は命令の効力が生じた日から1年間です。

2-2. 被害者への電話等禁止命令

接近禁止命令と合わせて、加害者が被害者に対して以下の行為をすることを禁止します。

  • 面会の要求
  • 行動を監視していると思わせる言動
  • 著しく粗野・乱暴な言動
  • 無言電話、連続した電話・メール・SNSメッセージの送信
  • 深夜早朝(午後10時〜午前6時)の電話・メール・SNS送信
  • 汚物や動物の死体等の送付
  • 名誉を傷つける内容の告知
  • 性的羞恥心を害する内容の告知・画像の送信
  • GPSによる位置情報の取得
  • 無断でのGPS装置の取り付け

2-3. 子への接近禁止命令

加害者が被害者の同居している未成年の子の身辺につきまといをしたり、子の住居や学校の付近をはいかいすることを禁止する命令です。

子供が15歳以上の場合は、子供本人の同意が必要です。

加害者が子供を連れ戻そうとする疑いがある場合など、被害者が子供に関して加害者と面会せざるを得ない事態を防止するために発令されます。

2-4. 子への電話等禁止命令

子への接近禁止命令と合わせて、加害者が子に対して電話・メール・SNS等による連絡を禁止する命令です。

2024年4月の改正DV防止法で新たに設けられました。

子供が15歳以上の場合は、子供本人の同意が必要です。

2-5. 親族等への接近禁止命令

加害者が被害者の親族(成年の子を含む)や社会生活において密接な関係にある人の身辺につきまといをしたり、その住居・勤務先の付近をはいかいすることを禁止する命令です。

親族等への接近禁止命令を申し立てるには、その親族等の同意が必要です。

加害者が親族の住居に押し掛けるなどの行為により、被害者がその親族に関して加害者と面会せざるを得なくなる事態を防ぐために発令されます。

2-6. 退去等命令

被害者と共に住んでいる住居から加害者を退去させ、その住居の付近をはいかいしてはならないことを命じる命令です。

期間は原則2か月間です。

ただし、その住居が被害者の名義(持ち家の所有者や賃貸契約の名義人が被害者だけ)の場合は、申し立てにより6か月間に延長されます。

退去等命令は、被害者と加害者が同一の住居で生活している場合に限り申し立てることができます。

3. 改正DV防止法(2024年4月施行)の変更点

2024年(令和6年)4月1日に改正DV防止法が施行され、保護命令制度が大きく見直されました。

主な変更点を整理します。

3-1. 精神的DV・経済的DVも保護命令の対象に

改正前は、保護命令を申し立てられるのは「身体に対する暴力」または「生命・身体に対する脅迫」を受けた場合に限られていました。

改正後は、「自由、名誉、財産」に対する脅迫を受けた場合も対象に加わりました。

これにより、たとえば次のようなケースでも保護命令の申立てが可能になっています。

  • 「外に出るな」「実家に帰るな」などの行動制限の脅迫(自由への脅迫)
  • 「おまえの恥をみんなにバラす」などの名誉への脅迫
  • クレジットカードの取り上げや生活費を渡さないなどの経済的DV(財産への脅迫)

また、発令の要件も「生命又は身体に重大な危害」から「生命又は心身に重大な危害」に拡大されました。

うつ病やPTSDなどの精神的な被害も「心身への重大な危害」に含まれます。

3-2. 接近禁止命令の期間が1年に延長

項目改正前改正後
接近禁止命令の期間6か月1年

3-3. 電話等禁止命令の対象行為を拡充

改正前は対象外だった以下の行為が、新たに禁止対象に追加されました。

  • SNSメッセージの送信(LINEなど)
  • SNSの投稿への「いいね」やコメント
  • SNSへのフォロー申請
  • ブログやホームページへの書き込み
  • GPSによる位置情報の取得
  • 無断でのGPS装置の取り付け

3-4. 罰則の強化

項目改正前改正後
保護命令違反の罰則1年以下の懲役 または 100万円以下の罰金2年以下の拘禁刑 または 200万円以下の罰金

3-5. その他の変更

  • 子への電話等禁止命令が新設(2-4で解説)
  • 退去等命令に期間の特例を新設(被害者名義の住居の場合は6か月に延長)

4. 保護命令を申し立てられる条件

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接近禁止命令等の条件

接近禁止命令((1)〜(5)の命令)を申し立てるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 配偶者等から身体に対する暴力、または生命・身体・自由・名誉・財産に対する脅迫を受けたこと
  • 配偶者等からの更なる暴力等により、生命又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きいこと

つまり、「過去に暴力や脅迫があった事実」と「今後も危害を受ける可能性が高い」の両方が必要です。

※「配偶者等」には、法律婚の配偶者だけでなく、事実婚の相手方・同棲している交際相手・離婚後や交際解消後の元パートナーも含まれます(保護命令の対象となる「配偶者」の範囲で解説しています)。

退去等命令の条件

退去等命令は、接近禁止命令よりも要件が厳しく設定されています。

  • 配偶者等から身体に対する暴力、または生命・身体に対する脅迫を受けたこと
  • 配偶者等からの更なる身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと

退去等命令は、加害者の住居に関する権利にも影響するため、「自由・名誉・財産への脅迫」や「心身への危害」だけでは申し立てることができません。

保護命令が認められないケース

保護命令の申立ては、必ず認められるとは限りません。

裁判所の統計によれば、2020年に終局した保護命令事件1,855件のうち、発令されたのは1,465件で、約2割は認められていません(取下げ等を含む)。

以下のようなケースでは却下される可能性があります。

  • 暴力や脅迫の客観的な証拠が不十分な場合
  • 最後に暴力を受けた時期が古く、現在の危険性を裏付けられない場合
  • 精神的DVの場合に、うつ病やPTSD等の通院加療を要する程度の被害が認められない場合
  • 必要書類が揃っていないなど形式的な要件を満たしていない場合

却下のリスクを減らすために、できるだけ早い段階から証拠を集め、支援センターや弁護士に相談しながら準備を進めることが重要です。

5. 申立てから発令までの流れ

保護命令の申立てから発令までの手続きを、ステップごとに解説します。

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ステップ1. 配偶者暴力相談支援センターまたは警察に事前相談する

保護命令を申し立てる前に、配偶者暴力相談支援センター(以下、支援センター)または警察署に相談しておく必要があります。

これは法律上の要件です。

事前相談の記録が、保護命令の申立てを裏付ける資料となります。

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事前相談では、以下の内容を伝えてください。

  • 加害者からどのような暴力・脅迫を受けたか
  • いつ、どこで被害を受けたか
  • 子供や親族への接近禁止も必要かどうか

事前相談をしていない場合

支援センターや警察に相談していない場合は、代わりに公証人役場で宣誓供述書を作成し、申立書に添付する必要があります。

宣誓供述書の認証手数料は11,000円です。

事前相談は無料ですので、まだ相談していない場合は先に相談されることをおすすめします。

ステップ2. 証拠と書類を準備する

必要書類

  • 保護命令申立書(裁判所用・相手方送付用の計2部)
    裁判所のウェブサイトから書式をダウンロードできます。
  • 戸籍謄本(または住民票で婚姻関係が確認できればOK)
  • 住民票

あると有力な証拠

保護命令の申立てでは、暴力や脅迫の事実を証明する証拠が重要です。

できる範囲で以下のようなものを集めておきましょう。

  • 医師の診断書(ケガや精神的な被害の記録)
  • 写真(ケガの様子、壊された物など)
  • LINEやメールのスクリーンショット(脅迫的な内容のやり取り)
  • 録音データ(暴言・脅迫の音声)
  • 日記やメモ(暴力を受けた日時・内容の記録)
  • 警察への相談記録・被害届の控え

すべてが揃っていなくても申し立ては可能です。

支援センターや弁護士に相談しながら、どのような証拠が有効か確認することをおすすめします。

証拠の保管方法

集めた証拠や相談記録は、保護命令だけでなく、住民票閲覧制限や離婚調停、面会交流の調整などでも役立つことがあります。

相手に見つからないよう、クラウドストレージへのバックアップや信頼できる第三者への預け先も含めて、安全な管理方法を考えておきましょう。

ステップ3. 地方裁判所に申立書を提出する

申立書と添付書類を、管轄する地方裁判所に提出します。

管轄する裁判所

以下のいずれかの地方裁判所(またはその支部)に提出できます。

  • 相手方の住所地を管轄する地方裁判所
  • 申立人(被害者)の住所・居所を管轄する地方裁判所
  • 暴力等が行われた場合を管轄する地方裁判所

現在の居場所から離れた裁判所に提出することもできるため、相手方の近くに行く必要はありません。

申立書に避難先の住所を書かないでください

保護命令の申立書は、相手方(加害者)にもコピーが送付されます。

避難先の住所を申立書に記載してしまうと、相手に現在の居場所を知られてしまいます。

住所欄には、以前相手と同居していた住所住民票上の住所を記載してください。

裁判所に対しては、申立書とは別の書面で本当の住所を届け出ます。

この書面は相手方に送付されることはありません。

また、提出する証拠書類(診断書や通院記録など)にも現在の住所が含まれていないか確認し、含まれている場合は黒塗りにして提出しましょう。

なお、申立先の裁判所がどこかによって、避難先の地域を推測されてしまう場合があります。

住所を秘匿している場合は、申立先の裁判所選びにも注意が必要です。

弁護士や支援センターに相談して、どの裁判所に申し立てるのが安全か検討してください。

ステップ4. 裁判所での面接

申立書を受理した後、当日または速やかに裁判所で面接が行われます。

面接では、申立書に記載した内容について、裁判官が具体的に事情を聞き取ります。

暴力の内容、頻度、現在の状況、なぜ保護命令が必要かなどを詳しく伝えてください。

ステップ5. 口頭弁論(審尋)

面接の後、約1週間後に口頭弁論または審尋の期日が設けられます。

審尋では、相手方(加害者)にも裁判所に出席する機会が与えられます。

ただし、被害者と加害者が直接対面する場面は避けるよう、裁判所が配慮してくれます。

緊急の場合

相手方の審尋を待っていると被害者に重大な危害が及ぶおそれがある緊急事態では、審尋を経ずに保護命令が発令されることがあります。

ステップ6. 保護命令の発令

審理の結果、保護命令の要件を満たしていると判断された場合、裁判所が速やかに保護命令を発令します。

保護命令は、相手方に決定書が送達されるか、期日で裁判官が直接命令を告げた時点で効力が生じます。

6. 必要な費用

自分で申し立てる場合

費目金額
収入印紙(申立手数料)1,000円
郵便切手約2,000〜3,000円(裁判所により異なる)
合計約3,000〜5,000円

郵便切手の金額は裁判所ごとに異なります。

事前に申立先の裁判所に確認するか、裁判所のウェブサイトで確認してください。

弁護士に依頼する場合

弁護士に保護命令の申立てを依頼する場合は、弁護士報酬が別途かかります。

  • 着手金
    10万〜20万円程度
  • 成功報酬
    10万〜20万円程度

事務所によって費用は大きく異なりますので、複数の弁護士に相談して比較することをおすすめします。

弁護士費用が心配な場合は法テラスへ

経済的に余裕がない場合は、法テラス(日本司法支援センター)で弁護士費用の立替制度を利用できます。

法テラスに審査を申し込み、収入要件を満たせば、弁護士費用の立替払いが受けられます。

立替された費用は、月額5,000〜10,000円程度の分割払いで返済します。

DV事件は法テラスでも対応件数が多い分野です。

まずは法テラスに相談してみてください。

7. 保護命令が発令された後

相手が保護命令に違反したら

保護命令に違反した場合、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科されます。

相手が接近禁止命令に反してつきまとってきた場合、連絡禁止命令に反して電話やSNSで連絡してきた場合など、違反行為を確認したらすぐに110番通報してください。

警察に「保護命令が出ています」と伝えれば、保護命令違反として対応してもらえます。

保護命令が出ても油断しないでください

保護命令は法的な強制力を持ちますが、物理的に相手の接近を阻止する仕組みではありません。

加害者が罰則をおそれず命令に違反する可能性はゼロではないため、保護命令の発令後も、以下の安全対策を意識してください。

  • 相手の行動範囲に近づかない
  • 外出時の経路やスケジュールをパターン化しない
  • 相手と連絡がつく知人との接触に注意する
  • 身の危険を感じたらすぐに110番通報する
  • 保護命令の決定書のコピーを常に携帯しておく

保護命令が発令されると、裁判所から管轄の警察に通知されます。

警察によるパトロールや見回りなどの支援を受けられる場合がありますので、所轄の警察署にも相談しておくと安心です。

保護命令の期間が終わったら

接近禁止命令の期間は1年間です。

期間が終了した後も、再び暴力等を受けるおそれがある場合は、改めて保護命令を申し立てることができます。

期間終了前に、支援センターや弁護士と相談して、延長(再度の申立て)が必要かどうかを検討しておくと安心です。

住民票閲覧制限との併用

保護命令とは別に、住民票閲覧制限(DV等支援措置)を申請することで、加害者があなたの住民票や戸籍の附票を閲覧できなくなります。

保護命令だけでは住所の秘匿はできませんので、別居後に住所を知られたくない場合は、住民票閲覧制限もあわせて手続きしてください。

DV被害の相談から避難までの全体像

保護命令は、DV被害から身を守るための手段の一つです。

相談先の探し方、シェルターへの避難方法、避難後の生活再建まで知りたい方は、以下の手続きガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 精神的なDV(モラハラ)だけでも保護命令を申し立てられますか?

A. 2024年4月の法改正により、精神的DV(モラハラ)も保護命令の対象になりました。

ただし、保護命令が発令されるには、「自由、名誉、財産に対する脅迫」があり、かつ「今後、心身に重大な危害を受けるおそれが大きい」と裁判所に認められる必要があります。

「重大な危害」とは、少なくとも通院加療を要する程度とされており、うつ病やPTSDの発症が一つの目安です。

精神的な被害がある場合は、心療内科や精神科を受診して診断書を取得しておくことが有力な証拠になります。

Q. 弁護士なしで自分で申し立てることはできますか?

A. はい、弁護士なしで自分で申し立てることができます。

保護命令の申立てに弁護士は必須ではありません。

裁判所のウェブサイトから申立書の書式をダウンロードできますし、支援センターでは申立書の記入方法についてもアドバイスしてもらえます。

自分で手続きすれば、費用は収入印紙1,000円と郵便切手(約2,000〜3,000円)の合計約3,000〜5,000円です。

ただし、「証拠をどのように整理すべきか」「自分のケースで保護命令が認められるか」など判断に迷う場合は、法テラスの無料相談を利用して弁護士にアドバイスをもらうことをおすすめします。

Q. 申立てから発令までどのくらいの期間がかかりますか?

A. おおむね1〜2週間程度です。

申立書を受理した後、当日から速やかに裁判所での面接が行われ、その後約1週間で口頭弁論(審尋)期日が設けられます。

審理の結果、要件を満たしていれば速やかに発令されます。

緊急性が高い場合は、相手方の審尋を経ずに保護命令が発令されることもあります。

Q. 保護命令の期間が終わったら延長はできますか?

A. 正式な「延長」制度はありませんが、再度申し立てることで保護を継続できます。

接近禁止命令の期間は1年間です。

期間が終了した後も、再び暴力等を受けるおそれがある場合は、改めて保護命令を申し立てることができます。

再度の申立てが認められるかどうかは、期間中の相手方の行動や継続的な脅威の有無などを踏まえて裁判所が判断します。

期間終了が近づいたら、早めに支援センターや弁護士に相談してください。

Q. 同棲している彼氏(婚姻関係なし)からのDVでも対象になりますか?

A. 「生活の本拠を共にする交際相手」に該当する場合は対象になります。

婚姻関係がなくても、同棲して共同生活を送っている交際相手からのDVであれば、保護命令の対象です。

ただし、この「共同生活」は婚姻関係における共同生活に類するものに限られます。

単なる友人としてのルームシェアや、一時的な宿泊は対象外です。

Q. 子供への接近禁止命令も出してもらえますか?

A. はい、同居している未成年の子に対する接近禁止命令を申し立てることができます。

加害者が子供を連れ戻すおそれがある場合など、被害者が子供に関して加害者と面会せざるを得ない事態を防止する必要があると認められれば、被害者への接近禁止命令と同時に(または発令後に)子への接近禁止命令が発令されます。

2024年4月の改正で、子への接近禁止に加えて電話等禁止命令も新設されました。

子供が15歳以上の場合は、子供本人の同意が必要です。

Q. 接近禁止命令の期間中に相手と偶然会ってしまったらどうなりますか?

A. 偶然の遭遇だけでは保護命令違反にはなりません。

接近禁止命令は、相手が意図的につきまといや接近をした場合に違反となります。

街中で偶然すれ違っただけであれば、相手が故意に近づいたわけではないため、保護命令違反にはあたりません。

ただし、偶然会ったことをきっかけに声をかけられたり、後をつけられたりした場合は違反に該当する可能性があります。

そのような場合はすぐにその場を離れて、警察に連絡してください。

まとめ

保護命令は、DV被害者が法的に自分と家族の安全を守るための重要な制度です。

最後にポイントを整理します。

  • 保護命令には6つの種類があり、接近禁止命令(1年間)を中心に、電話等禁止や子・親族への接近禁止なども申し立てられる
  • 2024年4月の改正DV防止法で、精神的DV(モラハラ)も保護命令の対象になった
  • 申立ては地方裁判所に対して行い、自分で手続きすれば費用は約3,000〜5,000円
  • 申立ての前に、配偶者暴力相談支援センターまたは警察への事前相談が必要
  • 保護命令に違反した場合は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
  • 申立てから発令までおおむね1〜2週間

一人で抱え込まず、まずは相談窓口に連絡してください。

DV相談窓口一覧

相談先連絡先備考
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警察110番緊急時
法テラス0570-078374弁護士費用の立替

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