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遺族年金の申請手続き - いくらもらえる?条件・必要書類も解説

遺族年金の申請手続き - いくらもらえる?条件・必要書類も解説
最終更新:2025年12月19日

大切な家族を亡くされた悲しみの中、年金の手続きをしなければならない状況は本当につらいものです。

「遺族年金はもらえるの?」
「いくらもらえる?」
「どこで手続きすればいい?」
など、わからないことだらけで不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この手続ガイドでは、遺族年金の受給条件・金額・申請手続きについて、できるだけわかりやすく解説します。

重要

遺族年金の申請には5年の時効があります。
期限を過ぎると請求権が消滅してしまうため、早めに手続きを進めましょう。

1. 遺族年金とは?基礎知識を押さえよう

遺族年金とは、年金に加入していた方が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていた遺族が受け取れる年金です。

遺族年金には大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。

1-1. 遺族年金の種類と違い

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遺族基礎年金とは

遺族基礎年金は、国民年金(基礎年金)から支給される年金です。

  • 対象者:
    「子のある配偶者」または「子」
  • ポイント:
    18歳未満(または障害のある20歳未満)の子がいないと受給できない
  • 金額:
    定額(2025年度は831,700円/年)+子の加算

つまり、子どもがいない配偶者は遺族基礎年金を受け取れません

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金は、厚生年金から支給される年金です。

  • 対象者:
    配偶者、子、父母、孫、祖父母(優先順位あり)
  • ポイント:
    子どもがいなくても配偶者が受給できる
  • 金額:
    亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)の3/4

会社員や公務員だった方が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる可能性があります。

1-2. 亡くなった方の職業別で見る遺族年金

亡くなった方の職業によって、受け取れる遺族年金の種類が異なります。

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2. 遺族年金の受給条件

遺族年金を受け取るためには、「遺族」と「亡くなった方」の両方が条件を満たす必要があります。

2-1. 遺族年金を受け取れる人

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遺族基礎年金を受け取れる人

  • 子のある配偶者
    18歳到達年度末(3月31日)までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子と生計を同じくしている配偶者

  • 18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子

※「子」には養子も含まれます。

遺族厚生年金を受け取れる人

優先順位の高い順に以下の通りです。

  1. 配偶者・子

    • 妻は年齢制限なし
    • 夫は死亡時に55歳以上(支給開始は60歳から)
    • 子は18歳到達年度末まで(障害のある場合は20歳未満)
  2. 父母
    死亡時に55歳以上(支給開始は60歳から)


  3. 18歳到達年度末まで(障害のある場合は20歳未満)

  4. 祖父母
    死亡時に55歳以上(支給開始は60歳から)

2-2. 亡くなった方の年金加入要件

亡くなった方が以下のいずれかに該当する必要があります。

  1. 国民年金・厚生年金の被保険者である間に死亡した
    在職中や加入中に亡くなった場合

  2. 被保険者期間中に初診日がある傷病により、初診日から5年以内に死亡した
    病気やケガで退職後、5年以内に亡くなった場合

  3. 老齢基礎年金の受給権者、または受給資格期間(25年以上)を満たした人が死亡した
    年金を受給中、または受給資格を満たしていた場合

2-3. 保険料納付要件

亡くなった方の保険料納付状況について、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 被保険者期間の3分の2以上が保険料納付済み期間または保険料免除期間
  • または、直近1年間に保険料の未納がないこと(令和8年3月31日までの特例)

※老齢基礎年金の受給権者や受給資格期間を満たしている場合は、この要件は問われません。

2-4. 年収制限(850万円の壁)

遺族年金を受け取る遺族について、以下の収入要件があります。

  • 年収850万円未満(または所得655.5万円未満)であること
  • 将来的に年収850万円未満になると見込まれる場合も可

共働きの場合でも、この年収制限内であれば遺族年金を受給できます。

「生計維持関係」とは?

遺族年金を受給するには、亡くなった方との間に「生計維持関係」があったことが認められる必要があります。

生計維持関係とは、生計同一要件収入要件の両方を満たす状態を指します。

生計同一とみなされるケース:

状況判定
同居していた生計同一と認定
住民票上の住所が同じ生計同一と認定
二世帯住宅で同じ建物に居住生計同一と認定

別居でも認められるケース:

別居の理由必要な条件
単身赴任仕事の都合でやむを得ず別居。定期的な帰省や連絡がある
療養・介護のため病院や介護施設に入所している
子の就学のため進学で親元を離れた
その他やむを得ない事情経済的援助(仕送り)や定期的な音信・訪問がある
ポイント

別居していても「別居に至った事情がやむを得ないものであること」「仕送りや連絡があること」が認められれば、生計維持関係が成立します。

2-5. 複数の遺族がいる場合のルール

遺族年金は優先順位の異なる遺族が同時に受給することはできません

ただし、同じ順位の遺族が複数いる場合は、分割して受給します。

配偶者と子がいる場合

  • 配偶者が優先して遺族年金を受給します
  • 子への遺族年金は支給停止となります(受給権自体は発生)
  • 配偶者が再婚などで失権すると、子が受給できるようになります

子が複数いる場合(配偶者なし)

配偶者がいない、または配偶者が失権した場合は、子ども全員で年金額を分割して受給します。

この場合、子ども全員が同時に遺族年金を受け取ることになります。

計算例: 子ども3人で遺族厚生年金150万円/年の場合

150万円 ÷ 3人 = 各50万円/年

子どもの1人が18歳到達年度末を迎えて受給資格を失うと、残りの子で再分割されます。

転給制度(遺族厚生年金のみ)

遺族厚生年金には「転給」という制度があります。

  • 先順位者(配偶者など)が失権(再婚、死亡など)した場合
  • 次の順位の遺族(父母、祖父母など)に受給権が移ります
注意

遺族基礎年金には転給制度はありません。

3. 遺族年金はいくらもらえる?金額と計算方法

遺族年金の金額は、年金の種類や家族構成によって異なります。

3-1. 遺族基礎年金の金額(2025年度)

遺族基礎年金は、定額の基本額に子の加算がプラスされます。

2025年度(令和7年度)は、前年度から1.9%の引上げが行われています。

項目金額(年額)金額(月額換算)
基本額831,700円約69,300円
子の加算(第1子)239,300円約19,900円
子の加算(第2子)239,300円約19,900円
子の加算(第3子以降)各79,800円約6,650円

計算例

配偶者+子ども1人の場合

831,700円(基本額) + 239,300円(子の加算) = 1,071,000円/年(約89,300円/月)

配偶者+子ども2人の場合

831,700円 + 239,300円 × 2 = 1,310,300円/年(約109,200円/月)

配偶者+子ども3人の場合

831,700円 + 239,300円 × 2 + 79,800円 = 1,390,100円/年(約115,800円/月)

3-2. 遺族厚生年金の計算方法

遺族厚生年金の金額は、亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)の3/4(75%)です。

計算式

遺族厚生年金 = 亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分) × 3/4

最低保障(短期要件)

亡くなった方の厚生年金加入期間が300月(25年)未満の場合でも、300月として計算されます。

これにより、若くして亡くなった場合でも一定額が保障されます。

計算例

例1: 亡くなった方の老齢厚生年金が月額10万円だった場合

10万円 × 3/4 = 7.5万円/月(90万円/年)

例2: 亡くなった方の老齢厚生年金が月額15万円だった場合

15万円 × 3/4 = 11.25万円/月(135万円/年)

※実際の金額は、日本年金機構の「ねんきんネット」やねんきん定期便で確認できます。

3-3. 中高齢寡婦加算

遺族厚生年金を受給する妻で、以下の条件に該当する場合は、中高齢寡婦加算が加算されます。

対象者

  • 40歳以上65歳未満の妻で、以下のいずれかに該当する方
    • 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給していた妻が、子が18歳到達年度末に達し遺族基礎年金を受給できなくなったとき
    • 夫の死亡時に40歳以上で、子がいない妻

金額

623,600円/年(約52,000円/月)

経過的寡婦加算

65歳になると中高齢寡婦加算は終了し、自身の老齢基礎年金が支給されます。

ただし、昭和31年4月1日以前生まれの妻には「経過的寡婦加算」が加算される場合があります。

経過的寡婦加算とは

昭和61年の年金制度改正前は、専業主婦の国民年金加入は任意でした。

そのため、改正前の期間に加入していなかった方は老齢基礎年金が満額もらえません。

この不利を補うために設けられた経過措置が「経過的寡婦加算」です。

対象者
  • 昭和31年(1956年)4月1日以前生まれの妻
  • 遺族厚生年金を受給している方
  • 65歳以上の方
金額の目安(2025年度)

生年月日が若いほど金額は少なくなります。

2025年度(令和7年度)は、前年度から1.9%の引上げが行われています。

生年月日年額(概算)
昭和2年4月1日以前約20.4万円
昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日約15.3万円
昭和25年4月2日〜昭和26年4月1日約9.7万円
昭和30年4月2日〜昭和31年4月1日約2万円

※中高齢寡婦加算から経過的寡婦加算への切り替えは自動的に行われるため、手続きは不要です。

中高齢寡婦加算の受給条件や2028年からの段階的廃止について、さらに詳しく知りたい方は以下の手続きガイドもあわせてご覧ください。

3-4. 遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給する場合

会社員や公務員だった方が亡くなり、18歳未満の子どもがいる場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れます。

計算例

夫(会社員)が死亡、妻と子ども2人の場合

  • 遺族基礎年金: 831,700円 + 239,300円 × 2 = 1,310,300円/年
  • 遺族厚生年金(報酬比例部分の3/4): 仮に90万円/年

合計: 約2,210,300円/年(約184,200円/月)

4. 遺族年金の申請手続きと必要書類

遺族年金は申請しないともらえません

ここでは、申請の流れと必要書類について詳しく解説します。

4-1. 申請場所

遺族年金の種類や亡くなった方の職業によって、申請場所が異なります。

年金の種類申請場所
遺族基礎年金のみ市区町村役場の国民年金窓口
遺族厚生年金(遺族基礎年金含む)年金事務所または街角の年金相談センター
共済年金(公務員)各共済組合

年金事務所は予約がおすすめ

年金事務所での手続きは、事前予約がおすすめです。

予約なしで訪問すると、長時間待たされる場合があります。

予約方法

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4-2. 必要書類チェックリスト

年金事務所や市区町村役場に持参する書類は以下の通りです。

すべての方に必要な書類

  • 年金請求書
    様式第105号(国民年金・厚生年金保険遺族給付)または様式第106号
年金請求書の入手方法

記入方法がわからない場合は、年金事務所の窓口で相談しながら記入することもできます。
書類を持参して窓口で一緒に確認してもらうのがおすすめです。

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  • 亡くなった方の年金手帳または基礎年金番号通知書
    見つからない場合は年金事務所で相談
  • 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
    亡くなった方の死亡日以降のもの、請求者との続柄がわかるもの
  • 世帯全員の住民票
    亡くなった方と請求者の住民票(マイナンバーを届け出ている場合は省略可能)
  • 死亡診断書のコピー
    または死亡届の記載事項証明書
  • 請求者の収入を証明する書類
    所得証明書、課税(非課税)証明書など
  • 振込先金融機関の通帳のコピー
    口座番号がわかるページ
  • 請求者のマイナンバーカード
    または通知カード+本人確認書類

状況により必要な書類

  • 年金証書(亡くなった方が年金受給中だった場合)
  • 雇用保険被保険者証(在職中の死亡の場合)
  • 死亡の原因が第三者行為の場合の届出書類(交通事故など)

4-3. 代理人による手続き

高齢のお母様の代わりに手続きを行うなど、代理人による申請も可能です。

必要なもの

  • 委任状
    委任者(本人)の署名・押印、受任者(代理人)の氏名・住所を記載
  • 代理人の本人確認書類
    運転免許証、マイナンバーカードなど
  • 委任者(本人)のマイナンバーがわかるもの

委任状の書き方

委任状には以下の内容を記載します。

  1. 委任者(本人)の情報
    氏名、住所、生年月日、基礎年金番号
  2. 受任者(代理人)の情報
    氏名、住所、生年月日、本人との関係
  3. 委任する内容
    「遺族年金の請求手続きに関する一切の権限を委任します」など
  4. 委任者(本人)の署名・押印
  5. 作成日

4-4. 申請期限(時効)

重要

遺族年金の請求権には5年の時効があります。

  • 亡くなった日の翌日から5年を過ぎると、請求権が消滅します
  • 時効を過ぎても、過去5年分は請求可能です(5年以上前の分は時効消滅)

悲しみの中で手続きを進めるのは大変ですが、できるだけ早めに手続きを行いましょう。

5. 遺族年金はいつからもらえる?受給期間について

5-1. 受給権の発生と実際の振込時期

受給権が発生するタイミング

遺族年金の受給権は、亡くなった日の翌日から発生します。

実際に振り込まれるまでの期間

申請してから実際に年金が振り込まれるまでには、3〜5ヶ月程度かかります。

手続きの流れ期間の目安
書類提出〜審査完了約2〜4ヶ月
年金証書・決定通知書の送付審査完了後1〜2週間
初回振込証書送付後1〜2ヶ月

※書類の不備があると、さらに時間がかかる場合があります。

初回の振込金額

初回の振込では、亡くなった翌月分からの遡及分がまとめて支給されます。

その後は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、前月分・前々月分の2ヶ月分ずつ振り込まれます。

5-2. 遺族基礎年金の受給期間

遺族基礎年金は、子が18歳に達する年度末(3月31日)まで支給されます。

  • 障害のある子の場合は、20歳に達するまで
  • 子がいなくなると(18歳到達、結婚など)、遺族基礎年金は終了

5-3. 遺族厚生年金の受給期間

遺族厚生年金の受給期間は、受給者によって異なります。

受給者受給期間
30歳以上の妻終身(生涯)
30歳未満の子のない妻5年間のみ
子のある妻終身(生涯)
55歳以上で受給開始した夫終身(生涯)

注意点

30歳未満の妻で、子がいない場合は5年間の有期給付となります。

これは、若い方は再就職や再婚の可能性が高いと考えられているためです。

6. 遺族年金をもらえなくなるケース(失権条件)

遺族年金の受給権は、以下の場合に失われます(失権)。

6-1. 全員に共通する失権条件

  • 死亡したとき
  • 婚姻したとき(事実婚を含む)
  • 直系血族・直系姻族以外の者の養子になったとき
  • 離縁により親族関係が終了したとき

6-2. 子どもに関する失権条件

遺族基礎年金を受給している「子」については、以下の場合も失権します。

  • 18歳に達した年度末(3月31日)を迎えたとき(障害のない子)
  • 20歳に達したとき(障害のある子)
  • 障害の状態がなくなったとき(18歳年度末以降20歳未満で)

6-3. よくある質問: 再婚したらどうなる?

再婚した場合

遺族年金は打ち切りになります。

事実婚(内縁関係)の場合も同様です。

ただし、再婚相手と離婚しても、一度失権した遺族年金は復活しません

交際相手ができた場合

交際しているだけでは失権しません

同居していても、生計を共にしていなければ「事実婚」とは認められないケースが多いです。

ただし、年金事務所の調査で「事実婚」と判断されると失権する可能性があるため、注意が必要です。

7. 65歳以降の年金との関係(併給調整)

7-1. 65歳からは自分の年金も受給開始

65歳になると、自分の老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給できるようになります。

このとき、遺族厚生年金との関係が問題になります。

7-2. 併給の仕組み

65歳以降は、以下のルールで年金が支給されます。

老齢基礎年金

全額支給されます。

遺族基礎年金との併給はできません(どちらかを選択することになります)。

遺族厚生年金と老齢厚生年金

両方を全額受け取ることはできません。

以下の方法で調整されます。

  1. まず、自分の老齢厚生年金を全額受給
  2. 遺族厚生年金が老齢厚生年金より多い場合は、差額を遺族厚生年金として受給

計算例

例: 自分の老齢厚生年金が5万円、遺族厚生年金が8万円の場合

  • 老齢厚生年金: 5万円(全額支給)
  • 遺族厚生年金: 8万円 − 5万円 = 3万円(差額のみ支給)
  • 合計: 8万円

このように、高い方の金額が保障される仕組みになっています。

また、亡くなった方が老齢厚生年金を受給中だった場合、配偶者に「加給年金」が加算されていた可能性があります。加給年金は受給権者の死亡により終了しますが、遺族年金とは別の制度ですので、併せて確認しておきましょう。

8. 遺族年金以外の支援制度

遺族年金と合わせて、以下の制度も確認しておきましょう。

8-1. 死亡一時金

概要

国民年金の保険料を36月(3年)以上納付した方が、年金を受けずに亡くなった場合に支給される一時金です。

金額

保険料納付期間に応じて12万円〜32万円

注意点

  • 遺族基礎年金を受給できる場合は支給されない
  • 寡婦年金とは選択

8-2. 寡婦年金

概要

国民年金の第1号被保険者として10年以上保険料を納付した夫が亡くなった場合、妻が60歳から65歳まで受給できる年金です。

金額

夫が受け取れるはずだった老齢基礎年金の3/4

要件

  • 夫の国民年金保険料納付期間が10年以上
  • 婚姻期間が10年以上継続
  • 妻が65歳未満
  • 妻が老齢基礎年金を繰上げ受給していない

8-3. 健康保険からの埋葬料・葬祭費

亡くなった方が加入していた健康保険から、埋葬料(葬祭費)が支給されます。

健康保険の種類名称金額
健康保険(協会けんぽ等)埋葬料5万円
国民健康保険葬祭費1〜7万円(自治体による)
後期高齢者医療葬祭費3〜7万円(自治体による)

9. よくある質問(Q&A)

Q. 遺族年金と失業保険(雇用保険)は同時にもらえますか?

A. はい、両方受け取れます。

遺族年金と失業保険(基本手当)は制度が異なるため、併給調整はありません。 亡くなった配偶者の遺族年金を受け取りながら、自分の失業保険を受給することができます。

Q. パートで働いても遺族年金はもらえますか?

A. はい、もらえます。

遺族年金を受給するための収入要件は「年収850万円未満」です。 パートやアルバイトで働いていても、この基準を超えなければ遺族年金を受け取れます。

働いて収入が増えても、年収850万円を超えない限り遺族年金が減額されることはありません。

Q. 離婚した元配偶者が亡くなった場合、遺族年金はもらえますか?

A. 原則もらえませんが、子どもは受給できる可能性があります。

離婚した時点で「配偶者」ではなくなるため、元配偶者の遺族年金を受け取ることはできません。

ただし、亡くなった方と子どもの間に生計維持関係があれば、子ども自身が遺族年金を受給できる可能性があります。

この場合、子どもを養育している親が「子の遺族年金」を管理します。

Q. 未届けの夫(内縁の夫)が亡くなった場合は?

A. 事実婚と認められれば、遺族年金を受給できます。

戸籍上の婚姻関係がなくても、事実婚(内縁関係)と認められれば遺族年金を受給できます。 ただし、以下の書類で「事実婚」を証明する必要があります。

  • 住民票(同一世帯になっている、または「未届の妻」と記載されている)
  • 健康保険の被扶養者証
  • 生計同一であることを示す書類

Q. 遺族年金をもらいながら扶養に入れますか?

A. 収入要件を満たせば入れます。ただし、遺族年金は「収入」に含まれます。

遺族年金は所得税・住民税が非課税ですが、健康保険の被扶養者認定においては収入に含まれます

つまり、健康保険の扶養要件を判断する際の「年間収入130万円未満」には、遺族年金も含めて計算する必要があります。

判定の例:

  • パート収入80万円 + 遺族年金60万円 = 140万円:
    扶養に入れない
  • パート収入50万円 + 遺族年金70万円 = 120万円:
    扶養に入れる

なお、健康保険組合によって具体的な取り扱いが異なる場合があるため、事前に加入先の健康保険組合へ確認することをおすすめします。

Q. 遺族年金は家族全員がもらえますか?

A. いいえ、受給できるのは優先順位の最も高い遺族のみです。

遺族年金は複数の遺族が同時に全額を受け取ることはできません。

  • 配偶者と子がいる場合:
    → 配偶者が受給(子は支給停止)
  • 子が複数いる場合(配偶者なし):
    → 子ども全員で年金額を分割
  • 配偶者が失権した場合:
    → 子や次順位の遺族に権利が移る(転給)

例えば、妻と子ども2人がいる場合、遺族年金は妻が受給します。

妻が再婚して失権すると、子ども2人で分割して受給することになります。

まとめ

遺族年金の申請で大切なポイントをおさらいします。

受給の条件

  • 遺族基礎年金:
    18歳未満(障害がある場合は20歳未満)の子がいる配偶者または子
  • 遺族厚生年金:
    配偶者、子、父母、孫、祖父母(優先順位あり)
  • 収入要件:
    年収850万円未満

申請のポイント

  • 申請場所:
    遺族基礎年金のみは市区町村役場、遺族厚生年金は年金事務所
  • 期限:
    5年以内(時効があるため早めに手続き)
  • 必要書類:
    戸籍謄本、住民票、死亡診断書、収入証明など

注意すべきこと

  • 遺族年金は自分で申請しないともらえない
  • 2028年度から制度改正があり、40歳未満は5年間の有期給付に変更
  • 再婚すると失権する(事実婚も同様)

悲しみの中での手続きは本当に大変ですが、遺族年金は大切な生活の支えになります。

わからないことがあれば、年金事務所の窓口やねんきんダイヤル(0570-05-1165)に相談してみてください。

APPENDIX: 2028年度からの制度改正

注記

このセクションでは、将来の制度改正について解説しています。
現在すぐに遺族年金を請求される方は、まず本編の内容を参照してください。

A-1. 2028年4月からの大きな変更点

2023年12月に閣議決定された年金制度改正により、2028年4月から遺族厚生年金が大きく変わります

現行制度と改正後の比較

項目現行制度2028年4月〜
対象配偶者全般40歳未満の配偶者
受給期間終身給付5年間の有期給付
中高齢寡婦加算40歳以上65歳未満の妻に加算段階的に廃止

A-2. 改正のポイント

5年有期給付への変更

2028年4月以降に亡くなった方の遺族で、以下に該当する場合は5年間の有期給付になります。

  • 40歳未満の配偶者(妻または夫)
  • 子がいない場合

経過措置

  • 2028年3月31日以前に亡くなった方の遺族は、現行制度が適用されます
  • 2028年4月以降に亡くなった方の遺族から、新制度が適用されます
  • 中高齢寡婦加算は段階的に減額され、最終的に廃止されます

改正の背景

この改正は、男女平等の観点や働く女性の増加を踏まえたものです。 ただし、実際に制度を利用する方々からは不安の声も上がっています。

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