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家を売却する手続きの流れと費用・税金の完全ガイド

家を売却する手続きの流れと費用・税金の完全ガイド
最終更新:2026年5月19日

住み替え、相続、転勤など、さまざまな理由で家の売却を検討している方は多いのではないでしょうか。

しかし、初めての不動産売却では
「何から手をつければいいのか」
「費用はどれくらいかかるのか」
「税金が高額になるのでは」
といった不安がつきものです。

この手続きガイドでは、家の売却の流れから必要な費用、税金、よくある失敗例まで、網羅的に解説します。

信頼できる不動産会社の選び方や、3,000万円特別控除などの節税方法についても詳しく紹介するので、最後まで読めば安心して売却手続きを進められるはずです。

1. 家を売却する前に知っておくべき基礎知識

不動産売却には大きく分けて2つの方法があります。

また、マンションと一戸建てでは一部異なる点もあるため、まずはこれらの基本を押さえておきましょう。

1-1. 不動産売却の2つの方法

家を売却する方法には、「仲介」と「買取」の2つがあります。

それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選びましょう。

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仲介による売却

不動産会社に仲介を依頼し、買主を探してもらう方法です。

メリット

  • 市場価格に近い価格で売却できる
  • 多くの買主候補にアプローチできる
  • 不動産会社のサポートを受けられる

デメリット

  • 売却までに時間がかかる(平均3〜6ヶ月)
  • 内覧対応などの手間がかかる
  • 売却できる保証はない

こんな人におすすめ

  • 時間に余裕があり、できるだけ高く売りたい人
  • 築浅物件や人気エリアの物件を所有している人
  • 引っ越し時期に融通が利く人

買取による売却

不動産会社が直接買い取る方法です。

メリット

  • 即金化できる(最短数日〜1ヶ月)
  • 仲介手数料が不要
  • 内覧対応が不要
  • 確実に売却できる

デメリット

  • 市場価格の7〜8割程度になる
  • 買取を行っている不動産会社が限られる

こんな人におすすめ

  • すぐに現金が必要な人
  • 築古物件や訳あり物件を所有している人
  • 売却を周囲に知られたくない人

1-2. マンションと一戸建ての違い

家を売却する基本的な流れは、マンションでも一戸建てでも同じです。

ただし、以下のような違いがあります。

共通する点

  • 売却の流れ(査定→契約→引き渡し)は同じ
  • 必要書類もほぼ共通
  • 仲介手数料などの費用体系も同じ

違いがある主なポイント

査定の評価基準

マンションの場合:

  • 立地条件(駅からの距離など)
  • 階数・方角
  • 管理状態(管理組合の運営状況)
  • 修繕積立金の積立状況
  • 共用施設の充実度

一戸建ての場合:

  • 土地の価値(立地、面積、形状)
  • 建物の築年数・状態
  • 接道状況(前面道路の幅員)
  • 日当たり・風通し
  • 庭や駐車場の有無

買主層の違い

マンションを好む層:

  • 単身者やDINKs
  • 駅近など利便性を重視するファミリー
  • 管理の手間を省きたい人

一戸建てを好む層:

  • 子育て中のファミリー
  • 庭や駐車場を重視する人
  • ペットを飼いたい人

売却時の手続きの違い

マンションの場合:

  • 管理費・修繕積立金の清算が必要
  • 管理規約や議事録の提供が必要
  • 駐車場・駐輪場の解約手続き

一戸建ての場合:

  • 境界確定測量が必要な場合がある
  • 古家がある場合、解体の判断が必要
  • 浄化槽などの設備の引き継ぎ

2. 不動産売却の流れ【7つのステップ】

家の売却は、準備から引き渡しまで7つのステップに分かれます。

それぞれのステップで何をすべきか、どれくらい時間がかかるのかを見ていきましょう。

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ステップ1: 準備・情報収集(1〜2週間)

売却を決めたら、まずは準備と情報収集から始めます。

やるべきこと

【1】売却の目的と希望条件を明確にする

なぜ売却するのか、いつまでに売りたいのか、希望価格はいくらなのかを整理しましょう。

  • 住み替えの場合: 購入物件の目処はついているか
  • 相続の場合: 相続人全員の同意は得られているか
  • 転勤の場合: 転勤時期から逆算したスケジュール

【2】住宅ローン残債を確認する

ローンが残っている場合、残債額を確認します。

金融機関に問い合わせれば、残高証明書を発行してもらえます。

売却価格 > ローン残債であれば売却可能です。

売却価格 < ローン残債の場合は、不足分を自己資金で補填する必要があります。

【3】必要書類を準備する

以下の書類を探して準備しておきましょう。

すべての物件で必要な書類

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 購入時の売買契約書
  • 購入時の重要事項説明書
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 実印・印鑑証明書

マンションの場合に追加で必要

  • 管理規約
  • 使用細則
  • 総会議事録
  • 管理費・修繕積立金の額がわかる書類

一戸建ての場合に追加で必要

  • 測量図
  • 建築確認済証
  • 検査済証
  • 建物の図面

書類が見つからない場合の対処法

権利証(登記済証)を紛失した場合
司法書士による本人確認情報の作成、または法務局の事前通知制度を利用できます。
詳しくは「6. こんな場合はどうする?Q&A」で解説します。

購入時の売買契約書を紛失した場合
不動産会社や住宅ローンを借りた金融機関に問い合わせると、コピーが残っている場合があります。

測量図がない場合(一戸建て)
法務局で「地積測量図」を取得できます。
ただし、古い物件では保管されていない場合もあります。
その場合、売却前に測量を行う必要があるかもしれません。

ホームインスペクション(建物状況調査)を検討する

専門家が建物の劣化状況や欠陥の有無を調査するサービスです。

売却前に実施することで、買主に安心感を与え、トラブルを未然に防ぐことができます。

インスペクションとは

国が定めた講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁、屋根、雨漏り、給排水管などの状態を客観的に診断します。

実施するメリット

  • 売主: 建物の状態を事前に把握でき、契約不適合責任のリスクを低減できる
  • 売主: 買主への説明責任を果たせる
  • 買主: 安心して購入できる
  • 買主: 既存住宅売買瑕疵保険への加入が可能になる場合がある

費用と実施タイミング

  • 費用: 5〜10万円程度
  • 実施時期: 査定依頼前、または売却活動開始前
  • 所要時間: 2〜3時間程度

インスペクション済み物件の価値

買主が安心して購入できるため、売却期間が短くなる傾向があります。

また、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる場合があり、売却価格にプラスの影響を与えることもあります。

詳しくは国土交通省の既存住宅インスペクション・ガイドライン(PDF)をご参照ください。

ステップ2: 査定依頼(1〜2週間)

必要書類が揃ったら、複数の不動産会社に査定を依頼します。

複数社に査定依頼する理由

1社だけでは、その査定額が適正なのか判断できません。3〜5社に依頼し、査定価格の平均値や根拠を比較することが重要です。

査定額が異なる理由

  • 不動産会社によって得意エリアが異なる
  • 査定の基準や計算方法が異なる
  • 過去の成約事例の持ち方が異なる
  • 売却に対する意欲が異なる

査定の種類

机上査定(簡易査定)

物件の基本情報(所在地、面積、築年数など)をもとに、過去の取引事例や相場データから算出します。

  • 所要時間: 数時間〜1日
  • メリット: 手軽に大まかな相場がわかる
  • デメリット: 実際の物件状態を見ていないため精度は低い

訪問査定(詳細査定)

不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、室内の状態、日当たり、周辺環境などを確認して査定します。

  • 所要時間: 3日〜1週間
  • メリット: 精度の高い査定額がわかる
  • デメリット: 担当者の訪問に立ち会う必要がある

おすすめの進め方
まず机上査定で3~5社に依頼し、その中から2~3社に絞って訪問査定を依頼するのが効率的です。

査定時のチェックポイント

査定を依頼する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 査定価格の根拠を説明してもらう
  • 類似物件の成約事例を見せてもらう
  • 売却スケジュールの提案を聞く
  • 担当者の対応や知識を確認する
  • 会社の実績や評判を調べる
注意

査定額が高すぎる会社には要注意です。
契約を取りたいがために、相場より高い査定額を提示する会社もあります。
「売れる価格」と「売りたい価格」は別物と心得ましょう。

ステップ3: 媒介契約の締結(1週間)

査定結果を比較検討し、信頼できる不動産会社を選んだら、媒介契約を締結します。

媒介契約の3種類

媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

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種類複数社との契約自己発見取引レインズ登録報告義務契約期間
専属専任媒介✗できない✗できない5営業日以内週1回以上3ヶ月
専任媒介✗できない○できる7営業日以内2週に1回以上3ヶ月
一般媒介○できる○できる任意なし制限なし

専属専任媒介契約

1社の不動産会社のみと契約し、自分で買主を見つけた場合でもその会社を通す必要があります。

  • メリット:
    不動産会社が積極的に販売活動を行う、報告が頻繁
  • デメリット:
    他社に依頼できない、囲い込みのリスク
  • おすすめ:
    早期に確実に売却したい人

専任媒介契約

1社の不動産会社のみと契約しますが、自分で買主を見つけた場合は直接取引できます。

  • メリット:
    不動産会社が積極的に販売活動を行う、バランスが良い
  • デメリット:
    他社に依頼できない
  • おすすめ:
    多くの人に選ばれている

一般媒介契約

複数の不動産会社と同時に契約できます。

  • メリット:
    広く買主を探せる、囲い込みの心配がない
  • デメリット:
    不動産会社の販売意欲が下がる可能性、報告義務がない
  • おすすめ:
    人気エリアの物件、既に買主候補がいる場合
レインズとは

不動産流通標準情報システム(Real Estate Information Network System)の略で、全国の不動産情報を共有するネットワークです。
レインズに登録されると、他の不動産会社の顧客にも物件情報が届きます。

不動産会社選びのポイント

良い不動産会社を選ぶことが、売却成功の鍵です。以下のポイントをチェックしましょう。

【1】地域密着型か大手か

地域密着型のメリット:

  • 地元の情報に詳しい
  • 地域の買主候補を多く持っている
  • きめ細かい対応

大手のメリット:

  • 全国ネットワークで広く買主を探せる
  • ブランド力がある
  • 転勤者など遠方からの買主にも強い

【2】担当者の対応・知識

  • 質問に的確に答えてくれるか
  • 売却の戦略を明確に説明してくれるか
  • レスポンスが早いか
  • 専門知識が豊富か

【3】過去の成約実績

  • 同じエリアでの成約実績
  • 同じ価格帯の物件の成約実績
  • 平均売却期間

【4】口コミ・評判

  • インターネットでの評判
  • 知人の紹介や口コミ

ステップ4: 売却活動(2〜6ヶ月)

媒介契約を締結したら、いよいよ売却活動が始まります。

不動産会社が行う活動

【1】レインズへの登録

専属専任媒介・専任媒介の場合、不動産会社は指定期間内にレインズに物件情報を登録します。
これにより、全国の不動産会社が物件情報を閲覧できるようになります。

【2】ポータルサイトへの掲載

SUUMO、HOME'S、athomeなどの不動産ポータルサイトに物件情報を掲載します。
多くの買主候補がこれらのサイトで物件を探しています。

【3】チラシ配布・新聞広告

物件周辺にチラシを配布したり、新聞の折込広告を出したりします。
地域で物件を探している人にアプローチできます。

【4】オープンハウスの開催

週末などに予約なしで物件を見学できるイベントを開催する場合があります。
多くの人に物件を見てもらえるメリットがあります。

売主が準備すべきこと

内覧対応の準備

買主候補が物件を見学する「内覧」に備えて、以下の準備をしましょう。

  • 室内の整理整頓
    不要なものは処分するか、押し入れに片付けます。
    生活感を抑えて、すっきりとした印象を与えることが大切です。
  • 清掃
    特に水回り(キッチン、浴室、トイレ)は念入りに掃除しましょう。
    カビや水垢があると印象が悪くなります。
  • 明るく清潔な印象を保つ
    内覧時は照明をすべてつけ、カーテンを開けて明るくします。
    換気も忘れずに。
  • リフォームは基本的に不要
    大掛かりなリフォームは費用の回収が難しいため、基本的には不要です。
    ハウスクリーニングで十分です。

内覧時の対応ポイント

  • できるだけ在宅して質問に答える
    不動産会社の担当者だけでなく、売主も立ち会うと、生活の様子や周辺環境について直接伝えられます。
  • 物件の良い点をアピール
    日当たり、静かさ、買い物の便利さなど、住んでいるからこそわかる良い点を伝えましょう。
  • 正直に不具合があれば伝える
    隠し事をすると後でトラブルになります。
    不具合は正直に伝え、どう対処してきたかを説明しましょう。

売却活動が長引いた場合の対応

3ヶ月経っても売れない場合は、以下の対応を検討しましょう。

【1】価格の見直し

相場より高すぎる価格設定になっていないか確認し、必要に応じて値下げを検討します。

【2】広告方法の変更

ポータルサイトの写真を変える、物件紹介文を見直すなど、広告方法を改善します。

【3】不動産会社の変更

媒介契約は3ヶ月で更新できるため、別の不動産会社に切り替えることも選択肢の一つです。

ステップ5: 売買契約(1日)

買主が見つかり、価格や条件が合意できたら、売買契約を締結します。

契約の流れ

【1】買主と条件交渉

買主から購入の申し込みがあると、以下の条件について交渉します。

  • 売買価格
  • 引き渡し時期
  • 手付金の額
  • 契約不適合責任の範囲
  • 付帯設備の扱い

【2】重要事項説明

契約前に、不動産会社の宅地建物取引士が買主に対して「重要事項説明」を行います。
物件の詳細、権利関係、法令上の制限などを説明します。

売主も同席することが多いですが、説明を受けるのは買主です。

【3】売買契約書の締結

重要事項説明の後、売買契約書に署名・押印します。

売買契約書には以下の内容が記載されます:

  • 売買価格
  • 手付金の額
  • 残代金の支払い時期・方法
  • 引き渡し時期
  • 契約不適合責任の範囲
  • 手付解除の条件
  • 特約事項

【4】手付金の受領

契約と同時に、買主から手付金を受け取ります。
手付金は売買価格の5〜10%が一般的です。

例: 3,000万円の物件なら150〜300万円

契約時に必要なもの

売主が用意するもの:

  • 実印
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 登記済証または登記識別情報
  • 印紙代(売買契約書に貼付)

注意点

契約内容を十分に確認

契約書にサインする前に、内容をよく確認しましょう。わからない点は不動産会社に質問し、納得してから署名します。

契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の範囲を確認

売却後に不具合が見つかった場合、売主が責任を負う範囲と期間を明確にします。
個人間売買の場合、引き渡し後3ヶ月程度が一般的です。

手付解除の条件を確認

一定期間内であれば、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できます(手付解除)。
この期限を確認しておきましょう。

ステップ6: 引き渡し準備(1〜2ヶ月)

売買契約から引き渡しまでの間に、以下の準備を進めます。

やるべきこと

【1】住宅ローンの完済手続き

ローンが残っている場合、決済日に完済する必要があります。

手順:

  1. 売買契約後すぐに、借り入れ先の金融機関に連絡
  2. ローン残高と完済に必要な金額を確認
  3. 完済日(決済日)を伝える
  4. 完済証明書と抵当権抹消書類を準備してもらう
注意

金融機関への連絡は早めに行いましょう。
完済手続きには通常1〜2週間かかります。
余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

【2】抵当権抹消の準備

ローンを完済すると、不動産に設定されていた抵当権を抹消する必要があります。

通常は司法書士に依頼します:

  • 司法書士報酬: 1〜3万円
  • 登録免許税: 不動産1個につき1,000円
  • 合計: 2〜5万円程度

【3】転居先の確保

引き渡し日までに新居への引っ越しを完了させる必要があります。

  • 新居の契約・購入手続き
  • 引っ越し業者の手配
  • 住所変更の手続き(郵便局、役所、銀行など)

【4】公共料金の解約・清算

  • 電気・ガス・水道の解約または名義変更
  • インターネット・電話の解約
  • NHK受信料の手続き

【5】マンションの場合: 管理費等の清算

  • 管理費・修繕積立金の日割り清算
  • 駐車場・駐輪場の解約
  • 管理組合への届出

ステップ7: 決済・引き渡し(1日)

いよいよ最終段階です。

残代金を受け取り、物件を引き渡します。

当日の流れ

決済は通常、買主が住宅ローンを借りる銀行で行われます。

売主、買主、不動産会社の担当者、司法書士が集まります。

【1】書類の確認

全員が揃ったら、まず必要書類が揃っているか確認します。

【2】残代金の受領

買主から残代金(売買価格 - 手付金)を受け取ります。
現金ではなく、銀行振込で行われるのが一般的です。

【3】ローンの完済

売主のローンが残っている場合、受け取った代金で即座に完済します。

【4】所有権移転登記

司法書士が法務局で所有権移転登記の手続きを行います。
同時に、売主のローンの抵当権抹消登記も行います。

登記が完了すると、物件の所有者が買主に変わります。

【5】鍵の引き渡し

登記が完了したら、物件の鍵をすべて買主に引き渡します。

  • 玄関の鍵
  • 各部屋の鍵
  • ポストの鍵
  • マンションの場合: エントランスや宅配ボックスの鍵

【6】関係書類の引き渡し

以下の書類も買主に引き渡します:

  • 設備の説明書・保証書
  • マンションの場合: 管理規約、使用細則
  • 一戸建ての場合: 建築確認済証、検査済証
  • 付帯設備の保証書(給湯器、エアコンなど)

決済時に必要なもの

  • 実印
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 本人確認書類
  • 登記済証または登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書
  • 鍵一式
  • 設備の説明書・保証書

引き渡し後の手続き

確定申告の準備

不動産を売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告を行います。

売却益が出た場合はもちろん、3,000万円特別控除を受ける場合も確定申告が必要です。

詳しくは「4. 不動産売却にかかる税金」で解説します。

3. 不動産売却にかかる費用

家を売却する際には、さまざまな費用がかかります。事前に把握しておくことで、手取り額を正確にシミュレーションできます。

3-1. 必ずかかる費用

【1】仲介手数料

不動産会社に支払う手数料で、売却にかかる費用の中で最も高額です。

上限額の計算方法

法律で上限額が定められています:

  • 売却価格が200万円以下
    売却価格 × 5% + 消費税
  • 売却価格が200万円超〜400万円以下
    売却価格 × 4% + 2万円 + 消費税
  • 売却価格が400万円超
    売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税

計算例

3,000万円で売却した場合:

3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
96万円 × 1.10(消費税) = 105.6万円

5,000万円で売却した場合:

5,000万円 × 3% + 6万円 = 156万円
156万円 × 1.10(消費税) = 171.6万円
ポイント
  • これはあくまで「上限額」なので、交渉次第で安くなる場合もあります
  • 成功報酬なので、売却が成立しなければ支払い不要です
  • 支払いは決済時(物件引き渡し時)が一般的です

【2】印紙税

売買契約書に貼付する収入印紙の代金です。

印紙税額(軽減措置適用後)

売却価格印紙税額
500万円超〜1,000万円以下5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下10,000円
5,000万円超〜1億円以下30,000円
1億円超〜5億円以下60,000円

※2027年3月31日まで軽減措置が適用されています

注意

売買契約書は売主・買主が各1通ずつ保管するため、それぞれが印紙代を負担します。

3-2. 場合によってかかる費用

【3】抵当権抹消費用

住宅ローンを完済した際に、抵当権を抹消する費用です。

  • 登録免許税: 不動産1個につき1,000円
    (マンションは敷地権と建物で2,000円、一戸建ては土地と建物で2,000円〜)
  • 司法書士報酬: 1〜3万円

合計: 2〜5万円程度

【4】譲渡所得税・住民税

売却益(譲渡所得)が出た場合に課税されます。

詳しくは次章で解説します。

【5】その他の費用と目安

ハウスクリーニング: 5〜15万円

内覧前や引き渡し前に、専門業者にクリーニングを依頼する場合があります。

  • ワンルーム・1K: 3〜5万円
  • 1LDK・2DK: 5〜8万円
  • 2LDK・3DK: 7〜10万円
  • 3LDK・4DK: 9〜15万円

測量費用(一戸建て): 50〜100万円

境界が不明確な場合、測量が必要になることがあります。

  • 確定測量: 50〜100万円
  • 現況測量: 30〜50万円

建物解体費用(古家付き土地): 100〜300万円

古い家屋を解体して更地で売却する場合の費用です。

  • 木造: 3〜5万円/坪
  • 鉄骨造: 5〜7万円/坪
  • RC造: 7〜10万円/坪

引っ越し費用: 10〜30万円

時期や距離、荷物の量によって大きく変わります。

3-3. 売却にかかる総費用の目安

具体的な事例で、総費用を計算してみましょう。

事例: 3,000万円で売却した場合(ローン残債なし、マンション)

項目金額
仲介手数料105.6万円
印紙税1万円
抵当権抹消費用3万円
ハウスクリーニング10万円
引っ越し費用20万円
合計139.6万円

手取り額

3,000万円 - 139.6万円 = 約2,860万円

売却価格の約95%が手取り額になります。

事例: 5,000万円で売却した場合(ローン残債2,000万円、一戸建て)

項目金額
仲介手数料171.6万円
印紙税3万円
抵当権抹消費用3万円
測量費用80万円
ハウスクリーニング15万円
引っ越し費用30万円
ローン完済2,000万円
合計2,302.6万円

手取り額

5,000万円 - 2,302.6万円 = 約2,697万円

ローン残債がある場合、手取り額は大きく減ります。

4. 不動産売却にかかる税金

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、税金がかかります。

ただし、マイホームの売却には大きな特例があります。

4-1. 譲渡所得税の基本

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譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 譲渡収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除

【1】譲渡収入金額

売却価格のことです。

例: 3,000万円で売却した場合 → 譲渡収入金額は3,000万円

【2】取得費

物件を取得(購入)したときにかかった費用です。

含まれるもの

  • 購入時の価格
  • 購入時の仲介手数料
  • 購入時の登記費用
  • 購入時の印紙税
  • 購入時の不動産取得税
  • リフォーム費用

建物の減価償却

建物部分は、経年劣化を考慮して「減価償却」を行います。

減価償却費 = 建物購入価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

償却率(非事業用):

  • 木造: 0.031
  • 鉄骨造(骨格材3mm以下): 0.036
  • 鉄骨造(骨格材3mm超4mm以下): 0.025
  • RC造(鉄筋コンクリート造): 0.015

取得費 = 土地購入価格 + (建物購入価格 - 減価償却費)

取得費が不明な場合

購入時の契約書を紛失して取得費がわからない場合、「譲渡収入金額の5%」を取得費とすることができます。

例: 3,000万円で売却した場合 → 取得費は150万円

【3】譲渡費用

売却のためにかかった費用です。

含まれるもの

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費用
  • 建物解体費用
  • 売却のための広告費(自分で支払った場合)

含まれないもの

  • ハウスクリーニング費用
  • 引っ越し費用
  • 抵当権抹消費用

4-2. 税率

譲渡所得税・住民税の税率は、所有期間によって大きく変わります。

短期譲渡所得(所有期間5年以下)

税の種類税率
所得税30.63%
住民税9%
合計39.63%

※所得税には復興特別所得税(2.1%)が含まれます

長期譲渡所得(所有期間5年超)

税の種類税率
所得税15.315%
住民税5%
合計20.315%

※所得税には復興特別所得税(2.1%)が含まれます

重要

所有期間の起算日は「売却した年の1月1日時点」で判定します。
購入日から数えるわけではないので注意してください。

具体例

  • 2019年12月に購入、2024年12月に売却: 短期譲渡(5年以下)
  • 2019年1月に購入、2024年12月に売却: 長期譲渡(5年超)

4-3. 3,000万円特別控除(マイホーム特例)

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。

適用条件

  • 自分が住んでいた家を売却すること
  • 売却した年の前年および前々年にこの特例を受けていないこと
  • 売却先が配偶者や親族などの特別な関係者でないこと
  • 住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売却すること

メリット

譲渡所得が3,000万円以下なら、税金はゼロになります。

計算例1: 税金がゼロになるケース

  • 売却価格: 4,000万円
  • 取得費: 2,500万円(土地1,500万円 + 建物1,000万円)
  • 譲渡費用: 130万円(仲介手数料など)
譲渡所得 = 4,000万円 - 2,500万円 - 130万円 = 1,370万円
1,370万円 - 3,000万円(特別控除) = -1,630万円

→ 譲渡所得がマイナスになるため、税金は0円

計算例2: 税金がかかるケース

  • 売却価格: 8,000万円
  • 取得費: 3,000万円
  • 譲渡費用: 260万円
譲渡所得 = 8,000万円 - 3,000万円 - 260万円 = 4,740万円
課税対象 = 4,740万円 - 3,000万円(特別控除) = 1,740万円
税額 = 1,740万円 × 20.315%(長期譲渡) = 約353万円

確定申告が必要

3,000万円特別控除を受けるには、売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必須です。

税金がゼロになる場合でも、必ず申告してください。

4-4. その他の税制優遇措置

【1】軽減税率の特例(所有期間10年超)

マイホームを売却し、所有期間が10年を超えている場合、3,000万円特別控除との併用が可能です。

税率

課税譲渡所得税率
6,000万円以下の部分14.21%
6,000万円超の部分20.315%

3,000万円特別控除後の譲渡所得が6,000万円以下なら、通常の長期譲渡(20.315%)より税率が低くなります。

【2】買い換え特例

マイホームを売却して新しいマイホームに買い換える場合、一定の要件を満たせば譲渡益への課税を将来に繰り延べることができます。

正式には「特定の居住用財産の買換えの特例」といいます。

「課税の繰延べ」とは

税金が免除されるわけではなく、売却時の税金支払いを「先送り」する制度です。

具体例で理解する

  • 旧自宅の購入価格: 1,000万円
  • 旧自宅の売却価格: 5,000万円
  • 新自宅の購入価格: 7,000万円

通常の場合:

譲渡益 = 5,000万円 - 1,000万円 = 4,000万円
税額 = 4,000万円 × 20.315% = 約813万円(売却時に課税)

買い換え特例を利用した場合:

売却時: 税金ゼロ(課税が繰り延べられる)
将来、新自宅を8,000万円で売却したとき:
譲渡益 = 8,000万円 - 1,000万円(旧自宅の購入価格) = 7,000万円
税額 = 7,000万円 × 20.315% = 約1,422万円

つまり、旧自宅の4,000万円の譲渡益は、新自宅を売却するまで課税されません。

主な適用要件

  • 令和9年(2027年)12月31日までに売却すること
  • 売却した家の所有期間が10年超であること
  • 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年超であること
  • 居住期間が10年以上であること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 買い換える家の床面積が50㎡以上であること
  • 買い換える土地の面積が500㎡以下であること
  • 売却の前年〜翌年の3年間に買い換えること
  • 中古住宅の場合、築25年以内または耐震基準適合物件であること

3,000万円特別控除との選択

3,000万円特別控除とは併用できません。どちらが有利かは状況次第です。

3,000万円特別控除が有利なケース

  • 譲渡益が3,000万円以下
  • 新居を将来売却する予定がない
  • 当面税金を支払いたくない

買い換え特例が有利なケース

  • 譲渡益が3,000万円を大きく超える
  • 買い換えた家も将来売却する可能性がある
  • 現金に余裕があり、将来の税負担を分散したい

詳しくは国税庁のNo.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例をご参照ください。

【3】譲渡損失の損益通算・繰越控除

マイホームを売却して損失が出た場合、給与所得などから控除できる制度です。

2つのパターン

  • 買い換えを伴う場合の特例
  • 買い換えを伴わない場合の特例(ローン残債がある場合)

いずれも、譲渡損失を最長4年間繰り越すことができます。

【4】空き家売却の特例(相続した実家など)

相続した実家などの空き家を売却する場合、通常のマイホーム特例とは別の3,000万円特別控除が適用できる場合があります。

これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。

適用できる主な要件

  • 相続または遺贈により取得した家屋および敷地であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物(マンション)でないこと
  • 相続開始直前に被相続人が一人で住んでいたこと
  • 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続後から売却まで、事業・賃貸・居住に使用していないこと

売却方法による違い

パターン1: 家屋を耐震リフォームして売却

一定の耐震基準を満たすようにリフォームしてから売却する場合。

パターン2: 家屋を取り壊して更地で売却

相続後に家屋を取り壊し、更地にしてから売却する場合。

パターン3: 売却後に耐震リフォームまたは取り壊し

令和6年1月1日以降の譲渡に限り、売却後に買主が耐震リフォームまたは取り壊しを行う場合も適用可能。

注意
  • 令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円までに制限されます
  • 市区町村長が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です
  • 通常のマイホーム3,000万円特別控除とは併用できません
  • 特例の適用期限は令和9年12月31日までです

被相続人が老人ホームに入所していた場合

相続開始直前に被相続人が老人ホームなどに入所していた場合でも、一定の要件を満たせば適用できます。

詳しくは国税庁のNo.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例をご参照ください。

4-5. 確定申告の方法

いつ申告する?

売却した年の翌年2月16日〜3月15日に申告します。

  • 2024年12月に売却 → 2025年2月16日〜3月15日に申告

必要書類

確定申告に必要な主な書類です:

売却に関する書類

  • 売買契約書のコピー
  • 仲介手数料の領収書
  • その他の譲渡費用の領収書

取得に関する書類

  • 購入時の売買契約書のコピー
  • 購入時の仲介手数料の領収書
  • 登記事項証明書

特例を受ける場合

  • 住民票の除票(マイホーム特例)
  • 戸籍の附票(住所の移転履歴がわかるもの)

申告方法

【1】税務署の窓口で申告

管轄の税務署で直接申告書を提出します。わからないことがあれば、その場で相談できます。

【2】e-Tax(電子申告)

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から、オンラインで申告できます。

国税庁 確定申告書等作成コーナー

マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、自宅から申告可能です。

【3】郵送で申告

申告書を作成して、管轄の税務署に郵送します。消印の日付が提出日になります。

税理士への依頼も検討

譲渡所得の計算は複雑で、特例の適用判断も難しい場合があります。

費用は3〜10万円程度かかりますが、以下の場合は税理士への依頼を検討しましょう:

  • 高額な譲渡所得が発生する場合
  • 複数の特例を検討する必要がある場合
  • 取得費が不明で計算が複雑な場合
  • 確定申告に不慣れで不安がある場合

5. よくある失敗例と対策

家の売却で後悔しないために、よくある失敗パターンと対策を知っておきましょう。

失敗例1: 売り急いで相場より安く売却してしまった

状況

「転勤まで1ヶ月しかない」「引っ越し先の購入費用が必要」など、時間的な余裕がないため、最初に来た購入希望者と契約してしまった。

後から調べると、相場より500万円以上安かったことが判明。

原因

  • 売却スケジュールに余裕がなかった
  • 相場を十分に把握していなかった
  • 1社の査定だけで判断してしまった

対策

  • 余裕を持ったスケジュールを組む
    売却活動には最低3〜6ヶ月の期間を見込む
  • 複数社に査定を依頼する
    最低3〜5社の査定を比較して相場を把握する
  • 焦らずに売却活動を進める
    買い急ぐ必要がある場合は、その旨を不動産会社に相談し、現実的な価格設定を行う

失敗例2: 不動産会社選びを間違えた

状況

「大手だから安心」と思って契約したが、担当者が多忙で対応が遅く、売却活動も消極的。

結局、6ヶ月経っても売れず、価格を大幅に下げることに。

原因

  • 会社名だけで判断してしまった
  • 担当者の実力や相性を確認しなかった
  • 契約形態(専属専任・専任・一般)を検討しなかった

対策

  • 担当者の質を見極める
    • 査定理由の説明が具体的か
    • レスポンスは早いか
    • 売却戦略を明確に示してくれるか
    • 地域の相場に精通しているか
  • 複数社と面談する
    最低3社の担当者と会って比較する
  • 売却実績を確認する
    その地域での売却実績や、同じマンションでの実績を聞く
  • 契約形態を慎重に選ぶ
    専属専任媒介契約は、その会社しか仲介できないため、会社選びが特に重要

失敗例3: 確定申告を忘れて特例を受けられなかった

状況

マイホームを売却して、3,000万円特別控除で税金はゼロになる計算だったが、確定申告を忘れてしまった。

税務署から連絡があり、特例が受けられず、本来不要だった税金約400万円を支払うことに。

原因

  • 「税金がゼロなら申告不要」と勘違いしていた
  • 確定申告の期限を把握していなかった
  • 不動産会社からの説明を聞き逃していた

対策

  • 売却したら確定申告は必須と覚える
    税金がゼロになる場合でも、特例を受けるには確定申告が必要
  • 申告期限をカレンダーに登録する
    売却した年の翌年2月16日〜3月15日
  • 早めに必要書類を準備する
    売買契約書、購入時の契約書、領収書などを整理しておく
  • 税理士への依頼も検討する
    費用はかかるが、確実に申告でき、節税アドバイスも受けられる

失敗例4: 隠れた瑕疵(欠陥)を伝えずに売却した

状況

雨漏りがあることを知っていたが、「黙っていればわからない」と思い、そのまま売却。

引き渡し後に買主が雨漏りに気づき、損害賠償を請求された。修繕費用200万円と慰謝料を支払うことに。

原因

  • 瑕疵(欠陥)を告知する義務を知らなかった
  • 「バレなければいい」という安易な考え
  • 契約不適合責任について理解していなかった

対策

  • 知っている欠陥は必ず告知する
    雨漏り、シロアリ被害、水漏れ、騒音問題など、知っている問題は必ず伝える
  • インスペクション(建物調査)を実施する
    専門家に調査してもらい、客観的な状態を把握する
  • 契約書に明記する
    告知した内容は、契約書の「物件状況報告書」に必ず記載する
  • 瑕疵保険への加入を検討する
    売却後に瑕疵が見つかった場合に備えて、既存住宅売買瑕疵保険に加入する選択肢もある

失敗例5: 住宅ローンの残債を把握していなかった

状況

売却価格3,000万円で契約したが、ローン残債が3,200万円あることが判明。

売却代金だけではローンを完済できず、自己資金200万円を追加で用意する必要が発生。

原因

  • 売却前にローン残債を確認していなかった
  • 諸費用を考慮せずに計画を立てていた
  • 金融機関への事前相談をしていなかった

対策

  • 売却前に必ずローン残債を確認する
    金融機関に連絡して、正確な残債額を把握する
  • 手取り額をシミュレーションする
    売却価格 - ローン残債 - 諸費用(仲介手数料など) = 手取り額
  • オーバーローンの場合は早めに対策する
    • 自己資金で補填できるか検討
    • 住み替えローンの利用を検討
    • 価格を上げられないか不動産会社に相談
  • 任意売却も選択肢として検討
    ローンを完済できない場合、金融機関と交渉して任意売却を行う方法もある

6. よくある質問(Q&A)

家の売却に関してよくある疑問にお答えします。

Q1. 売却にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. 平均3〜6ヶ月が目安です。

一般的なスケジュール:

  • 準備・査定: 2週間~1ヶ月
  • 媒介契約~売却活動: 1~3ヶ月
  • 売買契約~引き渡し: 1~2ヶ月

合計: 3~6ヶ月

ただし、以下の要因で変動します:

早く売れるケース(1~2ヶ月)

  • 人気エリアの物件
  • 適正価格で売り出した
  • 内覧対応が良好
  • 春や秋の繁忙期

時間がかかるケース(6ヶ月~1年以上)

  • 郊外や不便な立地
  • 価格設定が高すぎる
  • 物件の状態が悪い
  • 冬場など閑散期

余裕を持って最低6ヶ月のスケジュールを見込むことをおすすめします。

Q2. 売却中に住み続けることはできますか?

A. はい、住みながら売却活動を行うのが一般的です。

メリット

  • 引っ越し費用を二重に払わなくて済む
  • 売却代金を次の住居費用に充てられる
  • 空き家にならないため、防犯上も安心

デメリット

  • 内覧のたびに掃除や片付けが必要
  • 生活感があると、買主の印象が悪くなる可能性
  • プライバシーが制限される

内覧時のポイント

  • 事前に掃除・整理整頓を徹底する
  • 生活用品はできるだけ隠す
  • 明るく清潔な印象を心がける
  • 内覧中は外出するのがベター(買主が自由に見られる)

Q3. リフォームしてから売却した方がいいですか?

A. 基本的には不要です。大規模リフォームは避けましょう。

リフォームしない方が良い理由

  • リフォーム費用を回収できないことが多い
  • 買主が自分好みにリフォームしたい場合がある
  • 「リフォーム済み」でも、買主の好みに合わないと意味がない

例外: やった方が良い場合

最低限のメンテナンスは効果的です:

  • ハウスクリーニング(5〜15万円)
    プロの清掃で第一印象が大きく改善
  • 壁紙の張り替え(目立つ汚れや破れがある場合)
    部分的な補修で十分
  • 水回りの簡単な修繕(蛇口の水漏れ、換気扇の異音など)
    小さな不具合は直しておく

やらない方が良いリフォーム

  • キッチン・バスの入れ替え(数百万円)
  • 間取り変更
  • 全面リフォーム

迷ったら、不動産会社に相談してください。

Q4. 住宅ローンが残っていても売却できますか?

A. はい、可能です。ただし、売却代金でローンを完済できることが条件です。

ケース1: 売却代金 > ローン残債(アンダーローン)

問題なく売却できます。

例:

  • 売却価格: 3,000万円
  • ローン残債: 2,000万円
  • 諸費用: 150万円
  • 手取り額: 850万円

ケース2: 売却代金 < ローン残債(オーバーローン)

不足分を自己資金で補う必要があります。

例:

  • 売却価格: 2,500万円
  • ローン残債: 3,000万円
  • 諸費用: 100万円
  • 不足額: 600万円 → 自己資金で用意が必要

オーバーローンの対策

  • 自己資金で補填する
  • 住み替えローンを利用する(新居の購入とセットで借り入れ)
  • 任意売却を検討する(金融機関と交渉)

まずは、現在のローン残債を確認することから始めましょう。

Q5. 近所に知られずに売却することはできますか?

A. 可能ですが、売却期間が長くなる可能性があります。

近所に知られずに売却する方法を「非公開売却」といいます。

方法1: 一般媒介契約で限定的に公開

  • 大手ポータルサイトには掲載しない
  • 不動産会社の自社サイトのみに掲載
  • 顧客リストから購入希望者を探してもらう

方法2: 買取業者に売却

不動産会社が直接買い取るため、広告活動が不要です。

ただし、市場価格の70〜80%程度になります。

注意
  • 非公開にすると、買主候補が限られる
  • 売却期間が長くなる可能性
  • 売却価格が下がる可能性

プライバシーと売却価格・期間のバランスを考えて判断しましょう。

Q6. 売却のタイミングはいつが良いですか?

A. 1~3月と9~11月が狙い目です。

売却に適した時期

【1~3月】新年度前の繁忙期

  • 転勤、入学、就職に伴う引っ越し需要が高い
  • 購入希望者が多く、早く売れやすい
  • 価格交渉で有利になる

【9~11月】秋の繁忙期

  • 転勤の多い時期
  • 年内の引っ越しを希望する人が多い

売却に不利な時期

【4~8月】春~夏

  • 新年度の落ち着く時期
  • 暑さで内覧希望者が減る

【12月】年末

  • 引っ越しを年明けに先送りする人が多い

その他の判断基準

税制優遇を受けられるタイミング

  • 所有期間が5年を超えると、税率が約20%下がる(長期譲渡)
  • 所有期間が10年を超えると、さらに軽減税率が適用される

市場動向

  • 不動産価格が高騰している時期
  • 金利が低い時期(買主が購入しやすい)

焦らず、ベストなタイミングを見極めましょう。

7. まとめ

家の売却は人生で何度も経験することではないため、不安や疑問を抱えるのは当然です。

しかし、この手続きガイドで解説した流れと注意点を押さえれば、安心して売却を進められます。

成功のためのチェックリスト

売却を始める前に、以下を確認しましょう:

事前準備

  • 売却理由と希望時期を明確にする
  • 住宅ローン残債を確認する
  • 必要書類を揃える(購入時の契約書、登記済証など)
  • 家の相場を調べる

不動産会社選び

  • 最低3〜5社に査定を依頼する
  • 査定理由の説明が具体的な会社を選ぶ
  • 担当者の対応やレスポンスを確認する
  • 媒介契約の種類を検討する

売却活動

  • 内覧前に掃除・整理整頓を徹底する
  • 内覧時は買主が自由に見られるよう配慮する
  • 定期的に不動産会社から状況報告を受ける
  • 売れない場合は価格見直しも検討する

契約・引き渡し

  • 売買契約書の内容を十分に確認する
  • 不明点は必ず質問する
  • ローンの完済手続きを金融機関と調整する
  • 引っ越しと引き渡しのスケジュールを調整する

税金対策

  • 譲渡所得を計算する
  • 3,000万円特別控除が適用できるか確認する
  • 確定申告の期限を確認する(翌年2月16日〜3月15日)
  • 必要に応じて税理士に相談する

困ったときの相談先

不動産売却の相談

まずは不動産屋に相談してみましょう。

税金の相談

不明点があれば、管轄の税務署に相談できます。

データを読み込み中...

また、確定申告の時期(2〜3月)には、税務署や自治体で無料相談会が開催されます。

法律問題の相談

契約トラブルや隣地との境界問題など、法律的な相談は弁護士に。

各都道府県の弁護士会で無料法律相談を実施しています。

最後に

家の売却は、適切な準備と信頼できるパートナー選びが成功の鍵です。

焦らず、じっくりと進めることで、納得のいく売却を実現できます。

この手続きガイドが、あなたの家の売却をスムーズに進める助けになれば幸いです。

不安なことがあれば、まずは複数の不動産会社に相談してみましょう。査定は無料ですし、専門家の意見を聞くことで、具体的な売却プランが見えてきます。

あなたの家の売却が成功することを願っています!

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