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身近な人が亡くなったら…死亡届の提出から相続、葬儀までの手続き

身近な人が亡くなったら…死亡届の提出から相続、葬儀までの手続き
最終更新:2026年4月17日

親や家族など身近な方が亡くなられた直後は、深い悲しみの中で、何をすればよいのか分からなくなってしまうかもしれません。

しかし、残念ながら、故人を偲ぶ間もなく様々な手続きを進めなければならないのが現実です。

「悲しむ暇もなく手続きに追われた」「何から手をつければいいか分からなかった」という声は、実際にご家族を亡くされた方からよく聞かれます。

この手続きガイドでは、親が亡くなったらやることを中心に、ご遺族の方が少しでも落ち着いて対応できるよう、逝去直後から葬儀の手配、相続完了までに必要となる手続きを時系列に沿って、分かりやすく解説します。

全体像を把握し、一つずつ着実に進めていきましょう。

【手続きのタイムライン】いつまでに何をすべきか一目でわかるチェックリスト

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特に重要な、期限が定められた手続きのタイムラインです。まずは全体像を把握しましょう。

  • 【7日以内】
    • 死亡診断書(死体検案書)の受取
    • 死亡届の提出
    • 火葬許可証の受取
    • 葬儀の手配と実施
  • 【10日・14日以内】
    • 年金受給停止の手続き
    • 健康保険・介護保険の資格喪失届
    • 世帯主の変更届
    • 葬祭費・埋葬料の申請
    • 未支給年金の請求
  • 【49日頃】
    • 四十九日法要
    • 香典返しの発送
    • 納骨(行う場合)
  • 【3ヶ月以内】
    • 相続放棄・限定承認の検討・申述
  • 【4ヶ月以内】
    • 故人の所得税の申告(準確定申告)
  • 【10ヶ月以内】
    • 相続税の申告・納付

それぞれの手続きの期限を確認しましょう

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STEP1: 逝去後すぐに行う手続き(7日〜14日以内)

まずは、法的に定められた期限が短く、葬儀にも関わる重要な手続きです。

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1-1. 死亡診断書(死体検案書)の受け取り

故人が亡くなられた後、まず最初に医師から「死亡診断書」を受け取ります。

事故死などの場合は、警察の検視後に「死体検案書」が発行されます。

この書類は、死亡届の提出や保険金の請求など、今後の多くの手続きで必要となる基本の書類です。

死亡届と死亡診断書の用紙について

死亡届と死亡診断書(死体検案書)は、A3サイズ1枚の用紙で一体になっています。

  • 右側: 死亡診断書(死体検案書)欄
    医師が記入
  • 左側: 死亡届欄
    届出人(遺族など)が記入
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病院や診療所で医師に右側の死亡診断書を記入してもらい、その用紙を受け取った後、左側の死亡届欄を届出人が記入して役所に提出する流れとなります。

ポイント

死亡診断書(死体検案書)は5〜10枚コピーを取っておきましょう。
保険金請求、年金手続き、銀行口座の相続手続きなど、様々な場面で提出を求められます。
原本は役所に提出すると返却されませんので、提出前に必ずコピーを取ってください
コピーの枚数が足りずに後から困るケースが非常に多いため、多めに用意しておくのが安心です。

1-2. 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り(死亡の事実を知った日から7日以内)

死亡診断書(死体検案書)が発行されたら、用紙の左側にある死亡届欄を記入し、市区町村役場に提出します。

多くの場合、葬儀社が代行してくれます。

  • 提出期限
    死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡した場合は3ヶ月以内)
  • 提出先
    故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地の市区町村役場
ポイント

届出人の所在地には、一時的な滞在地の役場も含まれます。
そのため、例えば離れて暮らすご家族が亡くなられた場合でも、届出人ご自身の住民票がある市区町村の役所で死亡届を提出することが可能です。
故人の本籍地や死亡地が遠方であっても、ご自身の生活圏内で手続きを行えます。

  • 届出人になれる人
    同居の親族、その他の同居人、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、後見人など
  • 届出に必要なもの
    死亡届・死亡診断書(死体検案書)の用紙(医師記入済みのもの)

死亡届が受理されると、「火葬許可証」が発行されます。

これがないと火葬ができませんので、非常に重要な手続きです。

1-3. 葬儀の手配と実施

火葬許可証を受け取ったら、葬儀社と打ち合わせを行い、通夜や告別式の日程を決め、葬儀を執り行います。

多くの手続きを葬儀社がサポートしてくれますので、分からないことは相談しながら進めましょう。

葬儀の種類と費用の目安

近年は葬儀の形式も多様化しています。

ご家族の状況や故人の意向に合わせて選びましょう。

葬儀の種類費用の目安特徴
一般葬150万〜200万円親族・友人・会社関係など広くお別れ
家族葬80万〜120万円家族・親族中心でゆっくりお別れ
一日葬40万〜80万円通夜なし、時間的負担を軽減
直葬・火葬式20万〜40万円儀式なし、費用を最小限に

葬儀の種類選びや費用、当日の流れなど詳細については以下の手続きガイドで解説しています。

STEP2: 葬儀後、速やかに行う手続き

葬儀を終え、少し落ち着いたら、年金や健康保険など、故人の社会保障に関する手続きを進めます。

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2-1. 年金受給停止の手続き(10日または14日以内)

故人が年金を受給していた場合、速やかに「年金受給者死亡届」を提出し、受給を停止する必要があります。

手続きが遅れて年金を受け取りすぎると、後で返還を求められます。

マイナンバーが登録されている場合

日本年金機構に故人のマイナンバー(個人番号)が登録されている場合は、原則として年金受給権者死亡届の提出を省略できます。

ただし、以下の場合は届出が必要です。

  • 未支給年金がある場合
    亡くなった月分までの未受給の年金を遺族が受け取るには、「年金受給権者死亡届 兼 未支給年金請求書」の提出が必要です。 未支給年金には5年の時効がありますので、忘れずに請求しましょう。
  • 遺族年金を請求する場合
    別途、遺族年金の請求手続きが必要です。
    遺族年金の申請については以下の手続きガイドで解説しています。
ポイント

マイナンバーが登録されているかどうか不明な場合は、ねんきんダイヤルまたは最寄りの年金事務所にお問い合わせください。

届出が必要な場合

  • 提出先
    年金事務所または年金相談センター
  • 提出期限
    厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内
  • 主な必要書類
    • 年金受給者死亡届(様式は年金事務所の窓口または日本年金機構のサイトにあります)
    • 故人の年金証書
    • 死亡の事実が確認できる書類(戸籍抄本や死亡診断書のコピーなど)
    • (未支給年金がある場合)未支給年金・未支払給付金請求書

2-2. 健康保険・介護保険の資格喪失届(14日以内)

故人が加入していた健康保険の種類によって、手続きの窓口や内容が異なります。
いずれの場合も、保険証の返却が必要です。

国民健康保険・後期高齢者医療制度の場合

自営業の方や75歳以上の方などが加入しています。

  • 手続きの場所
    故人の住所地の市区町村役場
  • 手続きの内容
    資格喪失届を提出し、保険証を返却します。
    保険料の再計算が行われ、不足または還付がある場合は後日通知されます。
ポイント

葬儀を行った方(喪主)は、葬祭費(自治体により3〜7万円程度)が支給される場合があります。
自治体の窓口(市役所や町役場など)で手続きすることで給付を受けることができます。
資格喪失届と同時に申請できますので、以下のものを持参するとスムーズです。

  • 葬儀の領収書など、喪主であることがわかるもの
  • 喪主名義の預金通帳
  • 印鑑

葬祭費の申請の詳細については以下の手続きガイドをご覧ください。

会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保など)の場合

会社員やその扶養家族が加入しています。

  • 手続きの場所
    故人が勤務していた会社、または扶養者が勤務する会社
  • 手続きの内容
    会社経由で「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」が提出されます。
    遺族は会社に連絡し、保険証を返却します。
ポイント

故人によって生計を維持されていた遺族は、埋葬料(費)が支給される場合があります。
これも会社経由で申請することが多いです。

2-3. 世帯主の変更届(14日以内)

故人が世帯主で、その世帯に2人以上の世帯員が残る場合は、新しい世帯主を定める「世帯主変更届」を市区町村役場に提出します。

  • 手続きの場所
    住所地の市区町村役場
  • 主な必要書類
    • 届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
    • 届出人の印鑑
    • (該当する場合)国民健康保険証など、世帯主名が記載されているもの

2-4. 申請しないともらえないお金を確認する

故人の死亡に伴い、申請すれば受け取れるお金がいくつかあります。

いずれも自分から申請しなければ支給されないため、忘れずに手続きしましょう。

給付金対象金額の目安申請期限申請先
葬祭費国民健康保険・後期高齢者医療加入者の遺族3〜7万円(自治体により異なる)2年以内市区町村役場
埋葬料(費)会社の健康保険加入者の遺族5万円2年以内協会けんぽ・健保組合
未支給年金故人と生計を同じくしていた遺族死亡月分までの未受給分5年以内年金事務所
高額療養費故人が医療費の自己負担限度額を超えていた場合超過分2年以内保険者(市区町村・健保組合等)
遺族年金故人に生計を維持されていた配偶者や子年額約58万〜120万円程度5年以内年金事務所
ポイント

特に高額療養費は見落としやすい給付金です。
故人が入院していた場合や、生前に高額な医療費を支払っていた場合は、相続人が代わりに請求できます。
診療を受けた月の翌月1日から2年以内に申請が必要です。

葬祭費の申請についてはSTEP2-2で、遺族年金については以下の手続きガイドで詳しく解説しています。

2-5. 遺言書の有無を確認する

相続手続きを始める前に、故人が遺言書を遺していないかを確認します。

自宅や貸金庫などを探し、公正証書遺言の場合は公証役場で検索することも可能です。

自筆証書遺言を見つけた場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になるため、勝手に開封しないようにしましょう。

STEP3: 四十九日法要と香典返しの準備

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葬儀を終え、一息つく間もなく四十九日法要の準備が始まります。

「葬儀から四十九日まであっという間だった」
「法要の準備と香典返し・喪中はがきが同時進行で混乱した」
という声も多く聞かれます。

忌明けまでにやるべきことを整理しておきましょう。

3-1. 四十九日法要とは

四十九日法要(49日法要)とは、故人が亡くなってかど49日目に行う追善供養のことです。

仏教では、故人の魂は49日間この世とあの世の間をさまよい、49日目に最後の審判を受けて極楽浄土に行けるかが決まるとされています。

この法要をもって「忌明け(きあけ)」となり、遺族は日常生活に戻っていきます。

49日目の数え方

亡くなった日を「1日目」として数えます。

計算例:
1月1日に亡くなった場合 → 2月18日が49日目

日程の決め方

  • 命日ちょうどに行うのが理想ですが、参列者の都合を考慮して前倒しにするのが一般的
  • 命日が平日の場合、直前の土曜日または日曜日に行うことが多い
  • 命日を過ぎてから行うのは避けるのがマナー

3-2. 四十九日法要の準備スケジュール

四十九日法要に向けて、以下の準備を進めます。

【1ヶ月前〜3週間前】

  • 49日目の日付を計算する
  • 法要の日程を決定する
  • 参列者のリストアップ
  • 寺院・僧侶への連絡と依頼
  • 会場の手配(自宅、寺院、斎場など)

【2週間前】

  • 参列者への案内状送付または連絡
  • 会食(お斎)の手配
  • 本位牌の準備(仏壇店で注文)
  • お布施の準備

【1週間前】

  • 香典返しの品物・発送手配
  • 当日の流れの確認

四十九日法要の詳細な準備方法、お布施の相場、当日の流れについては以下の手続きガイドで解説しています。

3-3. 香典返しの準備

香典返しとは、葬儀や法要の際にいただいた香典に対して、お礼の気持ちを形にして贈る返礼品のことです。

香典返しの時期

  • 一般的なタイミング:
    四十九日法要後、1ヶ月以内を目安
  • 即日返し(当日返し):
    葬儀当日に一律の品物をお渡しする方法もあります

香典返しの相場

  • 半返し:
    いただいた香典の半額程度の品物を贈る
  • 3分の1返し:
    高額の香典をいただいた場合は3分の1程度でも失礼にならない

人気の品物

  • 消えもの(お茶、コーヒー、お菓子、海苔など)
  • タオル・寝具類
  • カタログギフト

香典返しの詳しいマナーや品物選び、挨拶状の書き方については以下の手続きガイドで解説しています。

3-4. 納骨とお墓の準備

納骨とは、火葬後のご遺骨をお墓や納骨堂に納めることです。

納骨のタイミング

納骨は四十九日法要に合わせて行うことが多いですが、必ずしも四十九日に行う必要はありません

  • 四十九日法要と同日
  • 一周忌
  • 三回忌
  • お墓の準備が整ってから
ポイント

お墓がまだない場合は、手元供養や納骨堂への一時安置も選択肢です。
焦らずに準備を進めましょう。

お墓の種類

お墓には様々な種類があり、近年は継承者がいない方向けの選択肢も増えています。

種類費用の目安特徴
一般墓(継承墓)150万〜250万円代々受け継ぐ伝統的なお墓
永代供養墓10万〜150万円霊園や寺院が永代にわたり供養
樹木葬30万〜70万円樹木を墓標とする自然葬
納骨堂50万〜150万円室内施設に遺骨を安置

お墓の種類・費用・選び方の詳細については以下の手続きガイドで解説しています。

STEP4: 相続の準備と手続き(3ヶ月〜4ヶ月以内)

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ここからは本格的な相続手続きに入ります。

期限が重要な手続きが多いので注意が必要です。

相続税の計算方法や生前贈与、遺産分割の全体像については、以下の手続きガイドで体系的にまとめています。

4-1. 相続人を確定させる

故人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取り寄せ、法的に誰が相続人になるのかを確定させます。

ポイント

戸籍謄本の収集は相続手続きで最も大変な作業の一つです。
故人が本籍地を複数回変更している場合、それぞれの市区町村から取り寄せる必要があります。

戸籍謄本の広域交付制度を活用しよう

2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を取得できる「広域交付制度」が始まりました。

これにより、本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村役場の窓口で出生から死亡までの戸籍謄本をまとめて請求できるようになり、相続手続きの負担が大幅に軽減されています。

ただし、以下の点にご注意ください。

  • 本人が窓口で請求する必要があります(郵送や代理人による請求はできません)
  • 古い戸籍の読み取りに時間がかかる場合があるため、時間に余裕を持って訪問しましょう
  • マイナンバーカードや運転免許証など、本人確認書類が必要です

参考: 法務省 戸籍法の一部を改正する法律について

4-2. 財産と債務を調査する(財産目録の作成)

相続手続きを進める上で、故人の財産をすべて正確に把握し、「財産目録」という一覧表にまとめる作業が不可欠です。

これは後の遺産分割協議や相続税の申告の基礎となる、非常に重要な書類です。

財産目録には、プラスの財産もマイナスの財産もすべて記載します。

プラスの財産(資産)の例

  • 不動産
    土地、建物(家、マンション)、農地など
  • 金融資産
    預貯金、株式、投資信託、国債など
  • 動産
    自動車、貴金属、骨董品、家財など
  • その他
    生命保険金、貸付金、ゴルフ会員権など

故人がどの金融機関・証券会社に口座を持っていたか分からない場合は、以下の制度で調べることができます。

マイナスの財産(負債)の例

  • 借金
    住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど
  • 未払金
    未払いの税金、家賃、医療費、公共料金など
  • その他
    保証債務(他人の借金の保証人になっている場合)など
ポイント

財産目録に決まった形式はありませんが、誰が見ても分かるように、不動産なら所在や面積、預貯金なら金融機関名・口座番号・残高などを詳しく記載しましょう。
この目録を元に、相続放棄を検討したり、遺産分割の方法を話し合ったりします。

4-3. 相続放棄・限定承認の検討(相続の開始を知った時から3ヶ月以内)

調査の結果、明らかに債務の方が多い場合などは、「相続放棄」を検討します。

また、プラスの財産の範囲内でのみ債務を返済する「限定承認」という方法もあります。

これらは家庭裁判所での手続きが必要で、3ヶ月という短い期限内に決断しなければなりません。

3ヶ月以内に決められない場合は「期間伸長の申立て」を

「財産や債務の全貌がつかめず、3ヶ月以内に判断できない」という場合は、3ヶ月の期限が切れる前に家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。

  • 申立先
    被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 費用
    収入印紙800円分 + 郵便切手
  • 注意
    必ず3ヶ月の期限が切れる前に申し立てる必要があります。 期限を過ぎてしまうと、原則として単純承認(すべてを相続)したものとみなされます。

相続放棄については以下の手続きガイドでも詳細を解説しています。

4-4. 故人の所得税の申告・納付(準確定申告)(相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内)

「準確定申告」とは、故人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得を計算し、相続人が代わって所得税の申告と納税を行う手続きです。

申告が必要なケース

故人が以下のいずれかに当てはまる場合、準確定申告が必要になる可能性が高いです。

  • 個人事業主や不動産収入があった場合
  • 給与所得者で、給与収入が2,000万円を超えていた場合
  • 給与を1か所から受けていて、給与以外の所得(年金収入、配当所得など)の合計が20万円を超えていた場合
  • 2か所以上から給与を受けていた場合

特に年金収入については、以下の点を考慮します。

  • 公的年金等(国民年金、厚生年金など)の収入金額が年間400万円を超えていた場合
  • 公的年金等の収入が400万円以下でも、それ以外の所得(個人年金、給与など)が20万円を超えていた場合

上記に当てはまらなくても、故人が生前に多額の医療費を支払っていた場合や、生命保険料などを支払っていた場合には、準確定申告をすることで所得税が還付される可能性があります。

手続きの概要

  • 申告・納税の期限
    相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内
  • 申告する人
    相続人全員(またはその代表者)が連名で署名します。
  • 申告先
    故人の死亡当時の住所地を管轄する税務署
  • 主な必要書類
    • 確定申告書
    • 死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(各相続人の氏名や相続分などを記載)
    • 故人の源泉徴収票や支払調書など、所得を証明する書類
    • 医療費や社会保険料、生命保険料などの控除証明書

準確定申告の詳しい手続き方法や必要書類については以下の手続きガイドで解説しています。

STEP5: 遺産分割と相続税の手続き(10ヶ月以内)

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相続手続きの最終段階です。

5-1. 遺産分割協議と協議書の作成

相続人全員で、誰がどの財産をどのくらいの割合で相続するのかを話し合います。

この話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。

協議がまとまったら、その内容を証明するために「遺産分割協議書」を作成します。

これは、後の不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約手続きなどで必須となる重要な書類です。

遺産分割協議書に記載する主な内容

  • 被相続人の情報
    氏名、最後の住所、本籍、死亡日を正確に記載し、誰の遺産についての協議か明確にします。
  • 相続人全員の合意
    相続人全員で協議し、合意した旨を記載します。
  • 財産の具体的な内容と相続人
    「誰が」「どの財産を」相続するのかを、財産ごとに具体的に記載します。
    • 預貯金・有価証券
      金融機関名、支店名、預金種別、口座番号、残高のほか、株式や投資信託などの有価証券についても、証券会社名、銘柄、数量などを具体的に記載します。
    • 不動産
      登記簿謄本(登記事項証明書)の通りに、所在、地番、地目、地積などを正確に記載します。
  • 後日判明した財産の扱い
    将来、記載以外の財産が見つかった場合にどうするかを記載しておくと、再度の協議を防げます。
  • 作成日と相続人全員の署名・押印
    協議書を作成した日付を記載し、相続人全員が自署し、実印で押印します。
ポイント

遺産分割協議書には、相続人全員の印鑑証明書を添付するのが一般的です。
金融機関や法務局での手続きがスムーズに進みます。

5-2. 不動産や預貯金などの名義変更

遺産分割協議書が作成できたら、それに基づいて各財産の名義変更手続きを進めます。

ここでは代表的な不動産と預貯金について解説します。

不動産の名義変更(相続登記)

故人名義の不動産を、相続する方の名義に変更する手続きです。

相続登記の義務化について

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

  • 申請期限:
    相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内
  • 過去の相続も対象:
    2024年4月1日より前に相続した不動産も義務化の対象です。 この場合の期限は2027年(令和9年)3月31日です。
  • 罰則:
    正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります
ポイント

相続登記をしないまま放置すると、次の世代の相続時にさらに手続きが複雑になります。
早めの対応をおすすめします。

相続人申告登記について

遺産分割がまとまらないなどの理由で、すぐに正式な相続登記ができない場合は、「相続人申告登記」を利用する方法もあります。

  • 相続人が単独で申請できます(相続人全員の協力は不要)
  • 期限内に利用すれば、相続登記の申請義務を果たしたとみなされます
  • ただし、遺産分割が成立した場合は、その後3年以内に正式な相続登記が必要です

参考: 法務省 相続登記の申請義務化について

手続きの概要
  • 手続きの場所
    不動産の所在地を管轄する法務局
  • 主な必要書類
    • 登記申請書
    • 遺産分割協議書(相続人全員の印鑑証明書付き)
    • 被相続人(故人)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本等
    • 被相続人の住民票の除票
    • 相続人全員の現在の戸籍謄本
    • 不動産を相続する相続人の住民票
    • 固定資産評価証明書
注意

必要書類が非常に多く、手続きも複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。

法定相続情報証明制度の活用

戸籍謄本の収集が大変な場合は、「法定相続情報証明制度」の利用がおすすめです。

法務局に一度戸籍謄本等を提出し、認証を受けた「法定相続情報一覧図」を取得すると、以後の金融機関や法務局での手続きで戸籍謄本の束の代わりに使用できます。

なお、戸籍謄本の収集にはSTEP4-1で紹介した広域交付制度を活用すると、最寄りの窓口でまとめて取得できます。

預貯金・有価証券の解約・名義変更

金融機関は、口座名義人の死亡を知った時点で口座を凍結します。

預貯金の引き出しや、株式・投資信託などの売却・移管には、正式な相続手続きが必要です。

  • 手続きの場所
    故人が口座を持っていた銀行、証券会社などの金融機関の窓口
  • 主な必要書類
    • 金融機関所定の相続手続依頼書
    • 遺産分割協議書
    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
    • 相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書
    • 故人の預金通帳、キャッシュカード、証券口座の取引報告書など
    • 手続きを行う相続人の実印と本人確認書類
注意

金融機関ごとに必要書類や書式が若干異なるため、事前に電話などで確認するとスムーズです。
特に証券会社の場合は、相続する株式等をどの口座に移管するのか(相続人名義の証券口座を開設する必要があるかなど)も確認しておきましょう。

5-3. 相続税の申告と納付(相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)

相続した財産の総額が一定額を超える場合にのみ、相続税の申告と納付が必要です。

申告が必要かどうかの判断基準(基礎控除額)

相続税には「基礎控除」があり、遺産の総額がこの金額以下であれば、申告も納税も不要です。

  • 基礎控除額の計算式
    3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

  • 相続人が配偶者と子供2人(計3人)の場合、3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円
    遺産総額が4,800万円以下なら相続税はかかりません。

手続きの概要

  • 申告・納税の期限
    相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内
  • 申告する人
    財産を相続した人それぞれ
  • 申告先
    被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する税務署
  • 納付方法
    期限までに現金で一括納付するのが原則です。
ポイント

配偶者が遺産を相続する場合には「配偶者の税額軽減」という大きな控除があり、多くのケースで相続税がかからなくなります。
ただし、この特例を受けるためにも、相続税の申告自体は必要です。
相続税の計算は非常に複雑なため、申告が必要な場合は税理士に相談することを強くお勧めします。

STEP6: その他の名義変更・解約手続きリスト

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上記以外にも、生活に密着した様々な契約の変更手続きが必要です。

故人の契約状況に合わせて、リストを活用し、漏れなく対応しましょう。

金融・保険関連

  • 生命保険(※)・損害保険(火災保険など)の請求・解約
  • クレジットカード、カードローンの解約
  • (故人が事業主の場合)リース契約などの確認・解約

※故人が契約していた生命保険がわからない場合は生命保険契約照会制度を利用できます。
詳細は以下の手続きガイドで解説しています。

身分証・届出関連

  • 故人のマイナンバーカードの返納・保管
  • 運転免許証、パスポートの返納
  • (配偶者の場合)復氏届(旧姓に戻す場合)や姻族関係終了届の検討

故人のマイナンバーカードの取り扱いについては以下の手続きガイドで解説しています。

配偶者が旧姓に戻したい場合は復氏届を、義理の親族との法的関係を終了したい場合は姻族関係終了届を提出できます。

インフラ・通信

  • 公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更・解約
  • 電話(固定・携帯)、インターネット回線の解約・名義変更
  • NHK放送受信契約の名義変更・解約

故人の携帯電話の解約や名義変更の手続きについては以下の手続きガイドで解説しています。

住まい・乗り物

  • (賃貸の場合)賃貸借契約の解約(※)
  • 自動車の移転登録(名義変更)または抹消登録(廃車)

(※) 故人が賃貸住まいだった場合については以下の手続きガイドで解約手続きの詳細を解説しています。

デジタル遺品・会員サービス

  • 各種Webサイト・サービスのサブスクリプション解約(動画配信、音楽配信など)
  • SNSアカウントの閉鎖・追悼アカウントへの移行
  • ネット銀行・ネット証券の口座確認・解約
  • その他会員サービス(ジム、習い事、ファンクラブなど)の解約

デジタル遺品の整理について

近年、スマートフォンやPCに保存されたデータ、ネット銀行、SNSアカウントなど、物理的な形のない「デジタル遺品」が増えています。

これらを放置すると、不正利用のリスクや、遺族が資産に気づけないといった問題が生じる可能性があります。

主なデジタル遺品の種類

種類具体例
PC・スマホ内のデータ写真、連絡先、ドキュメント、メールなど
オンライン金融サービスネット銀行、ネット証券、仮想通貨、電子マネーなど
SNSアカウントFacebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなど
サブスクリプション動画配信、音楽配信、クラウドストレージ、ソフトウェアなど
通販サイトAmazon、楽天、各種ECサイトのアカウントなど

対応のポイント

1. パスワードの確認

故人がスマートフォンやPCにロックをかけている場合、中のデータにアクセスすることが困難になります。

  • 生前に「エンディングノート」などにパスワードをまとめておくと、遺族の負担が大幅に軽減されます
  • ロック解除ができない場合は、専門業者に依頼する方法もありますが、費用がかかります

エンディングノートの書き方、入手方法などの詳細は以下の手続きガイドで解説しています。

2. 各サービスへの連絡
  • 多くのサービスでは、死亡証明書などを提出することでアカウントの解約や情報開示に対応しています
  • SNSでは「追悼アカウント」への移行や、アカウント削除の手続きが用意されていることがあります

故人のSNSアカウントの追悼設定や削除手続きの詳細は以下の手続きガイドで解説しています。

故人の携帯電話やスマホの解約手続きについては以下の手続きガイドで解説しています。

3. 注意点
  • むやみにログインを試みると、利用規約違反となる可能性があります
  • 故人のプライバシーにも配慮しましょう
  • 不審な請求やサブスクリプションの引き落としがないか、クレジットカードの明細を確認しましょう

手続きが難しいと感じたら…専門家への相談を

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身近な方を亡くした後の手続きは、精神的にも時間的にも大きな負担になります。

「書類集めが大変」
「何から手をつければいいか分からない」
「相続人同士で意見がまとまらない」
など、困ったときは専門家の力を借りることも検討しましょう。

自治体の「おくやみコーナー(おくやみ窓口)」を活用しよう

近年、多くの自治体で、死亡後に必要な役所の手続きをまとめて案内してくれる「おくやみコーナー」(おくやみ窓口)が設置されています。

  • 事前予約をすると、必要な手続きを洗い出し、申請書類もまとめて準備してもらえる自治体もあります
  • 保険、年金、税金など、複数の課にまたがる手続きをワンストップで案内してくれます
  • 利用は無料です

お住まいの自治体に「おくやみコーナー」があるか、確認してみましょう。

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相談先の選び方

相談内容相談先
相続登記(不動産の名義変更)司法書士
相続税の申告税理士
遺産分割で揉めている弁護士
年金・健康保険の手続き年金事務所、市区町村役場
何から始めればいいか分からない市区町村の無料相談窓口
ポイント

多くの自治体では、弁護士や司法書士による無料相談会を開催しています。
まずはお住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。

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よくある質問 Q&A

Q. 借金も相続しなければならない?

A. はい、相続はプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐのが原則です。

ただし、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で「相続放棄」の手続きをすれば、借金を返済する義務はなくなります。

Q. 葬儀費用は誰が負担する?

A. 法律で明確な決まりはありませんが、一般的には喪主が負担し、後に相続財産から支払うケースが多いです。

誰がいくら負担するのか、相続人同士でよく話し合うことが大切です。

Q. 手続きを専門家に依頼することはできる?

A. はい、可能です。相続手続きは複雑で、法律の知識が必要な場面も多々あります。

司法書士(相続登記など)、税理士(相続税申告など)、弁護士(遺産分割協議など)といった専門家に相談・依頼することで、ご遺族の負担を大幅に軽減できます。

Q. 四十九日法要までに納骨しなければならない?

A. いいえ、必ずしも四十九日に納骨する必要はありません。

一周忌や三回忌など、ご遺族の準備が整ってから納骨される方も多くいらっしゃいます。

お墓がまだない場合は、手元供養や納骨堂への一時安置も選択肢です。

Q. 戸籍謄本の収集が大変だと聞いたが、簡略化できる方法は?

A. 「法定相続情報証明制度」の利用がおすすめです。

法務局に一度戸籍謄本等を提出し、認証を受けた「法定相続情報一覧図」を取得すると、以後の金融機関や法務局での手続きで戸籍謄本の束の代わりに使用できます。

また、2024年3月から始まった「広域交付制度」を利用すれば、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村役場の窓口で戸籍謄本をまとめて取得できるようになりました。

Q. 相続放棄の3ヶ月の期限に間に合わない場合はどうすればいい?

A. 3ヶ月の期限が切れる前に、家庭裁判所に「期間伸長の申立て」をすることで延長できます。

財産や債務の全貌が把握しきれないなど、やむを得ない事情がある場合に認められます。

期限を過ぎてしまうと原則として延長できませんので、判断が難しい場合は早めに家庭裁判所または弁護士に相談しましょう。

Q. 自治体の「おくやみコーナー」とは何ですか?

A. 死亡後に必要な役所の手続きをまとめて案内してくれる窓口サービスです。

事前予約をすると、必要な手続きの一覧を準備してもらえ、申請書の作成もサポートしてもらえる自治体もあります。

すべての自治体にあるわけではありませんが、500以上の自治体で導入が進んでいます。 お住まいの市区町村のサイトで確認してみましょう。

まとめ:慌てず、一つずつ着実に。困ったときは専門家へ相談を

身近な方を亡くされた後の手続きは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。

しかし、一つひとつ期限内に着実に進めていくことが、故人のためにも、ご自身の未来のためにも重要です。

この手続きガイドのタイムラインやチェックリストをご活用いただき、もし手続きが難しいと感じたり、不安なことがあれば、決して一人で抱え込まず、専門家の力も借りながら進めていきましょう。

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