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住宅ローン借り換えの手続き完全ガイド〜流れ・費用・必要書類

住宅ローン借り換えの手続き完全ガイド〜流れ・費用・必要書類
最終更新:2026年4月30日

「変動金利が上がってきたけど、このまま返し続けて大丈夫?」
「借り換えした方がいいのはわかるけど、手続きが面倒そう…」
「諸費用が何十万もかかるって聞いて、踏み出せない」
——そんな不安を抱えていませんか?

2024年10月以降、変動金利の引き上げが本格化し、返済額の増加に直面する方が急増しています。

借り換えは正しく判断すれば数十万〜数百万円の返済総額を減らせる有効な手段ですが、審査・契約・費用と確認すべき点が多く、全体像が見えないと動きづらいものです。

この手続きガイドでは、借り換えのメリット判断から7つの手続きステップ、必要書類、費用の内訳、住宅ローン控除への影響まで、すべてまとめて解説します。

1. 住宅ローンの借り換えとは?今なぜ注目されるのか

1-1. 借り換えの基本的なしくみ

住宅ローンの借り換えとは、別の金融機関で新しいローンを組み、その資金で今のローンを一括返済することです。

現在のローンを「完済」して新しいローンに切り替えるため、金利・返済期間・団体信用生命保険(団信)の条件をすべてリセットできます。

1-2. 2026年の金利動向

2024年10月に日銀の利上げを受けて変動金利の引き上げが始まり、2026年2月時点で以下の水準になっています。

金利タイプ2026年2月時点の目安参考(2023年以前)
変動金利(優遇後)0.8〜1.1%台0.3〜0.5%台
10年固定2.7〜3.5%1.0〜1.5%
フラット35(21〜35年)2.26%1.5〜1.8%

住宅ローン利用者の約7割が変動金利を選んでおり、金利上昇の影響を直接受けています。

「もっと良い条件に借り換えたい」「固定に切り替えて安心したい」というニーズが急増しているのが現在の状況です。

2. 借り換えでメリットが出る人・出ない人

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2-1. メリットが出やすい3つの条件

以下の条件に1つでも当てはまる場合は、借り換えで総返済額を減らせる可能性が高いです。

条件目安
現在の金利との差0.3%以上
ローン残高1,000万円以上
残りの返済期間10年以上

かつては「金利差1%以上・残高1,000万以上・残期間10年以上」の3つすべてが必要と言われていましたが、現在はネット銀行の事務手数料型ローンの普及で諸費用が抑えられるため、金利差0.3%程度でもメリットが出るケースがあります。

2-2. メリットが出にくいケース

  • 残高500万円以下
    諸費用を差し引くと、金利差があっても削減額がわずか
  • 残りの返済期間が5年以下
    利息の削減効果が小さく、諸費用を回収しきれない
  • 現在の金利と新しい金利がほぼ同じ
    諸費用分だけ損になる

2-3. まずは「今の銀行に交渉」も検討

借り換えを検討していることを今の銀行に伝えると、金利の引き下げ(条件変更)に応じてもらえるケースがあります。

この場合、抵当権の再設定や諸費用が不要なため、実質的に借り換えと同じ効果をゼロコストで得られます。

他行の仮審査で提示された金利を「交渉材料」として持参するのが効果的です。

3. 借り換えシミュレーション - 具体的な削減額の目安

実際にどれくらいメリットが出るのか、具体的な数字で確認してみましょう。

3-1. 計算例: 残高2,000万円・残期間20年の場合

条件現在借り換え後
借入残高2,000万円2,000万円
金利1.2%0.7%
残り返済期間20年20年
毎月の返済額約93,800円約90,200円
総返済額約2,252万円約2,165万円

総返済額の差: 約87万円

ここから諸費用(約50〜70万円)を差し引いても、実質17〜37万円の削減になります。

3-2. メリットが大きくなるケース

金利差が大きい・残高が多い・残期間が長いほど、削減額は大きくなります。

条件金利差0.5%金利差1.0%
残高1,500万円・残期間15年約50万円約100万円
残高2,500万円・残期間25年約160万円約320万円
残高3,000万円・残期間30年約240万円約490万円

※ いずれも諸費用差し引き前の金利差による削減額の概算

ポイント

借り換え先の金融機関のWebサイトで「借り換えシミュレーション」を提供している場合がほとんどです。
正確な削減額を把握するには、実際の残高・金利・残期間を入力して試算しましょう。

4. 借り換え手続きの流れ - 7ステップで完了

借り換えの手続きは、申し込みから融資実行まで約1か月〜1か月半で完了します。

以下の7ステップで進めます。

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ステップ1. 借り換え先を選ぶ

複数の金融機関の金利・事務手数料・団信の保障内容を比較します。

確認すべきポイントは以下の3つです。

  • 適用金利
    表面金利だけでなく、優遇幅(引き下げ幅)の条件を確認
  • 事務手数料の体系
    定率型(借入額×2.2%)か定額型(数万円)か
  • 団信の保障内容
    がん50%保障、全疾病保障など、金利上乗せなしで付帯する保障
ポイント

仮審査は複数行に同時に申し込めます。
2〜3行に申し込んで条件を比較し、最終的に1行を選ぶのが一般的です。

ステップ2. 仮審査(事前審査)の申し込み

ネット銀行ではWebから即日申し込みが可能です。

結果は最短即日〜1週間程度で届きます。

仮審査で確認されるのは主に以下の項目です。

  • 年収に対する返済負担率
  • 勤務先・勤続年数
  • 他の借入状況(車ローン、カードローンなど)
  • 物件の担保評価

ステップ3. 本審査の申し込み

仮審査に通過したら、正式な本審査へ進みます。

本審査では物件の登記事項や売買契約書、健康告知(団信)などをもとに最終判定が行われ、2〜3週間程度で結果が出ます。

ステップ4. 現在の銀行に全額繰上げ返済を申し出る

本審査に通過してから、今借りている銀行に「全額繰上げ返済したい」と連絡します。

注意

多くの銀行では繰上げ返済の1か月前までに申し出が必要です。
本審査の結果が出たらすぐに連絡しましょう。

ステップ5. 新しい金融機関と契約(金銭消費貸借契約)

新しいローンの契約を結びます。

契約時に確定する項目は以下のとおりです。

  • 借入金額(旧ローン残高+諸費用の場合も)
  • 適用金利・金利タイプ
  • 返済期間
  • 返済方法(元利均等 or 元金均等)
  • 団信の保障内容

ステップ6. 司法書士に抵当権の設定を依頼

新しい金融機関が指定する司法書士が、以下の登記手続きを行います。

  • 旧ローンの抵当権抹消
    今の銀行に設定されていた抵当権を外す
  • 新ローンの抵当権設定
    新しい銀行の抵当権を設定する

自分で司法書士を選ぶことはできず、金融機関側が手配するのが一般的です。

ステップ7. 融資実行・旧ローン一括返済

新しい金融機関から融資が実行され、そのまま旧銀行へ一括返済されます。

これで借り換え完了です。

翌月(または翌々月)から新しいローンの返済が始まります。

5. 借り換えに必要な書類チェックリスト

5-1. 仮審査時に必要な書類

書類入手先
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)手元
収入証明(源泉徴収票・確定申告書)勤務先・税務署
現在のローンの返済予定表今の銀行
物件情報(住所・面積・築年数)登記事項証明書 or 売買契約書

5-2. 本審査時に追加で必要な書類

書類入手先
住民票市区町村の窓口・コンビニ交付
印鑑証明書市区町村の窓口・コンビニ交付
登記事項証明書(建物・土地)法務局
売買契約書・重要事項説明書手元(購入時に受け取ったもの)
団信の告知書(健康状態)金融機関から送付
注意

売買契約書や重要事項説明書を紛失した場合は、購入時の不動産会社に再発行を依頼できます。
見つからない場合は、借り換え先の金融機関に相談してください。

6. 借り換えにかかる費用の内訳と目安

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6-1. 費用一覧

費用項目目安備考
事務手数料(新銀行)借入額×2.2% or 3〜5万円ネット銀行は定率型が多い
保証料0〜数十万円ネット銀行は無料が多い
印紙税2〜6万円借入額による
登録免許税(抵当権設定)借入額×0.4%軽減措置あり(×0.1%)
登録免許税(抵当権抹消)不動産1筆あたり1,000円土地+建物で2,000円
司法書士報酬5〜10万円設定+抹消の合計
繰上げ返済手数料(旧銀行)0〜3万円銀行による
合計30〜80万円借入額2,500万円の場合: 約70万円

6-2. 費用を抑えるポイント

  • ネット銀行を選ぶ
    保証料無料・繰上げ返済手数料無料が多い
  • 諸費用をローンに含める
    手持ち資金を使わずに借り換え可能(ただし借入額が増える)
  • 登録免許税の軽減措置を利用
    2029年3月31日(令和11年3月31日)まで、住宅用家屋の抵当権設定は税率0.1%に軽減(令和8年度税制改正で3年延長)
  • 電子契約(オンライン契約)を利用する
    電子契約の場合は印紙税が不要。ネット銀行の多くは電子契約に対応しており、2〜6万円の印紙税を節約できる
注意

諸費用をローンに含めると借入額が増え、住宅ローン控除の計算にも影響します。
詳しくは「7. 住宅ローン控除(減税)への影響と注意点」を確認してください。

7. 住宅ローン控除(減税)への影響と注意点

7-1. 借り換え後も控除は継続できる

住宅ローン控除は、借り換え後も以下の条件を満たせば引き続き受けられます。

  • 借り換え後のローンが住宅の取得のための借入金であること
  • 借り換え後の返済期間が10年以上であること

7-2. 控除期間は「入居時」から計算

借り換えをしても、控除期間がリセットされることはありません。

控除期間は入居した年から通算で計算され、借り換え時にリセットされることはありません。

住宅の種類控除期間
新築住宅・買取再販住宅入居から13年間
中古住宅(既存住宅)入居から10年間

たとえば2022年に新築住宅に入居し、2026年に借り換えた場合、控除を受けられるのは残り9年間です。

中古住宅の場合は入居から10年間のため、同じ条件なら残り6年間となります。

7-3. 諸費用込みで借り入れた場合の按分計算

借り換え時に諸費用をローンに含めて借入額が旧ローン残高を超えた場合、控除対象は以下の計算式で按分されます。

控除対象の借入残高 = 借り換え後のローン残高 × (借り換え前の残高 ÷ 借り換え後の借入額)

たとえば、旧ローン残高2,000万円に対して諸費用70万円を含めた2,070万円で借り換えた場合、控除対象は残高の約96.6%に縮小します。

ポイント

按分計算の影響は軽微なケースが多いですが、確定申告時に計算が必要になるため、借り換え前後の残高・借入額を記録しておきましょう。

8. 団体信用生命保険(団信)の注意点

8-1. 借り換え時に新たに団信加入が必要

借り換えは新規のローン契約のため、団信にも新たに加入する必要があります。

旧ローンの団信は一括返済と同時に終了し、新しい団信に切り替わります。

8-2. 健康状態によっては加入できないリスク

住宅を購入した当時は健康だった方でも、年月の経過で持病が見つかるケースがあります。

団信の審査に通らないと、原則として借り換えができません。

注意

団信に加入できない場合の対処法は「9. 借り換えできないケースと対処法」で解説しています。

8-3. 団信の見直しがメリットになるケースも

近年の団信は保障が大幅に充実しており、金利上乗せなしで以下の保障が付帯する商品もあります。

  • がん診断で残高50%保障
  • 全疾病(すべての病気・ケガ)で就業不能時に残高保障
  • ペアローン団信(夫婦どちらかに万一の場合、両方の残高が保障)

借り換えに伴い団信を見直すことで、保障の手厚い団信に切り替えられるのもメリットの一つです。

9. 借り換えできないケースと対処法

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9-1. 団信の審査に通らない

健康上の理由で通常の団信に加入できない場合は、以下の選択肢があります。

  • ワイド団信
    引受条件が緩和された団信(金利+0.2〜0.3%上乗せ)
  • フラット35
    団信への加入が任意のため、団信なしでも借り入れ可能

9-2. 他の借入が多い

車のローンやカードローンなどがあると、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が基準を超え、審査に通らないことがあります。

  • 対処法
    他の借入を先に完済してから借り換えを申し込む

9-3. 収入が減少した

転職・育休・時短勤務などで収入が減少していると、借り換え審査に通りにくくなります。

  • 対処法
    借り換えではなく、今の銀行に「条件変更」(金利タイプの変更や返済期間の延長)を相談する

9-4. 物件の担保評価が下がっている

築年数が経過し物件の担保評価が下がっていると、希望額を借りられない場合があります。

  • 対処法
    複数の金融機関に審査を申し込み、担保評価が出る銀行を探す

よくある質問(FAQ)

Q. 借り換えにどれくらいの期間がかかりますか?

A. 申し込みから融資実行まで約1か月〜1か月半が目安です。

仮審査(即日〜1週間)→ 本審査(2〜3週間)→ 契約・融資実行(1〜2週間)という流れです。

旧銀行への繰上げ返済申し出に1か月かかる場合は、全体で2か月ほどになることもあります。

Q. 今の銀行に借り換えを伝えるタイミングは?

A. 新しい銀行の本審査に通過してから伝えましょう。

仮審査の段階で伝えると、本審査で否決された場合に気まずい状況になります。

本審査の承認が確定してから、旧銀行に全額繰上げ返済の連絡をするのが安全です。

Q. 変動金利と固定金利、どちらに借り換えるべき?

A. 正解は一つではありませんが、判断基準は「今後の金利上昇リスクをどこまで許容できるか」です。

変動金利は現時点では固定より低金利ですが、今後さらに上昇するリスクがあります。

「返済額が上がっても家計に余裕がある」「繰上げ返済で早期完済を目指す」方は変動金利、「毎月の返済額を確定させたい」「残り返済期間が長い」方は固定金利が向いています。

Q. 借り換えの審査は新規のときより厳しいですか?

A. 審査基準は新規とほぼ同じですが、年齢・健康状態・他の借入状況が変わっていると結果が変わる可能性があります。

住宅ローンを組んだ時点から年月が経っているため、健康状態の変化(団信)や他の借入増加(返済負担率)が審査に影響することがあります。

逆に、勤続年数が伸びている・年収が上がっている場合はプラスに働きます。

Q. 借り換えのベストタイミングはいつですか?

A. 以下のタイミングで借り換えを検討するのが効果的です。

  • 固定金利の固定期間が終了するとき
    10年固定などの優遇期間が終わると金利が大幅に上がるため、終了前に借り換え先を確定しておく
  • 変動金利の見直し時期(4月・10月)
    多くの銀行は年2回金利を見直します。引き上げが予告されたら、固定金利への借り換えを検討
  • 転職を考える前
    多くの金融機関は「勤続年数1年以上(できれば3年以上)」を審査条件にしています。転職後は審査が不利になるため、転職前に動くのが有利
ポイント

金利の上昇局面では「もう少し待てば下がるかも」と考えがちですが、固定金利は先に上昇する傾向があります。
迷っている間に条件が悪くなるリスクもあるため、仮審査だけでも早めに動くことをおすすめします。

まとめ

住宅ローンの借り換えは、金利上昇時代に返済総額を減らす有効な手段です。

手続きの全体像を整理すると、以下のとおりです。

  • 判断基準
    金利差0.3%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上のいずれかに該当すれば検討の価値あり
  • 手続き期間
    7ステップ、約1か月〜1か月半で完了
  • 費用
    30〜80万円(借入額2,500万円で約70万円)
  • 住宅ローン控除
    借り換え後も継続可能(返済期間10年以上が条件)
  • 注意点
    団信の再加入が必要、健康状態によっては借り換え不可

まずは2〜3行の金融機関で仮審査を受け、具体的な条件を確認するところから始めましょう。

今の銀行に交渉することで、借り換えなしで金利を下げられるケースもあります。

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