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住宅ローン金利上昇の対策〜借り換え・繰り上げ返済・条件変更

住宅ローン金利上昇の対策〜借り換え・繰り上げ返済・条件変更
最終更新:2026年5月27日

「変動金利がまた上がったけど、うちのローンは大丈夫?」
「返済額が増える前に何か手を打つべき?」
「借り換え? 繰り上げ返済? どっちが得なの?」
——金利上昇のニュースを見て、こうした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

2024年のマイナス金利解除から始まった利上げにより、住宅ローンの変動金利は着実に上昇しています。

この手続きガイドでは、変動金利が上がったときに取れる3つの対策(借り換え・繰り上げ返済・条件変更)の手続き方法と、自分に合った選択肢を判断するためのチェックリストを解説します。

変動金利が上がる仕組み - いつ・いくら返済額が増える?

まずは「変動金利がどのように決まり、返済額にいつ反映されるのか」を正確に理解しておきましょう。

変動金利と政策金利の関係

変動金利は、多くの金融機関で短期プライムレートを基準に決められています。

短期プライムレートは日銀の政策金利に連動して変動するため、日銀が利上げを行うと、変動金利の基準金利も上昇します。

2024年以降の政策金利と短期プライムレートの推移は以下のとおりです。

時期政策金利短期プライムレート(主要行)
2024年3月マイナス金利解除1.475%
2024年7月0.25%1.475%→1.625%(9月〜)
2025年1月0.5%1.625%→1.875%(3月〜)
2025年12月0.75%1.875%→2.125%(2026年2月〜)

金利見直しと返済額への反映タイミング

変動金利の見直しは、一般的に毎年4月と10月の年2回行われます。

ただし、見直された金利がすぐに返済額に反映されるわけではありません。

5年ルール

元利均等返済方式の場合、多くの金融機関では5年ルールが適用されます。

金利が上がっても、次の返済額見直し(5年ごと)まで毎月の返済額は変わりません。

ただし、返済額の内訳(元金と利息の割合)は変わります。

金利上昇分だけ利息が増え、元金の返済が遅れていく点に注意が必要です。

125%ルール

5年ごとの返済額見直しの際も、新しい返済額は従来の返済額の125%を上限とします。

急激な返済額の増加を防ぐ措置ですが、上限を超えた分は免除されるわけではなく、未払利息として蓄積されます。

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注意

5年ルール・125%ルールはすべての金融機関で適用されるわけではありません
以下のケースでは金利上昇が返済額にすぐ反映されます。

  • 元金均等返済方式で借り入れている場合
  • 5年ルール・125%ルールを採用していない金融機関で借り入れている場合(一部のネット銀行など)
  • 当初固定金利タイプの固定期間終了後

自分の返済方式とルールの適用有無を、契約書や返済予定表で確認してください。

金利が1%上がったらいくら増える? 返済額シミュレーション

金利が1%上昇した場合の返済額への影響を試算すると、以下のようになります。

※以下は元利均等返済、現在の適用金利1.0%から2.0%に上昇した場合の概算です。

借入残高残返済期間月々の返済増加額年間の負担増
2,000万円25年約+9,000円約+10.8万円
3,000万円30年約+1.4万円約+16.5万円
5,000万円30年約+2.4万円約+28.8万円
7,500万円30年約+3.7万円約+44.4万円

残高が大きいほど影響も大きくなります。

「月1〜2万円増ならなんとか…」と思うかもしれませんが、30年間の総額では数百万円の差になることもあります。

金利上昇時の3つの対策と判断チェックリスト

変動金利が上昇したとき(または上昇が見込まれるとき)に取れる対策は、大きく3つあります。

対策概要向いている人
①借り換え他の金融機関で新しいローンを組み直す金利差が大きい・残高が多い・残期間が長い
②繰り上げ返済元金を一部まとめて返済する手元資金に余裕がある・ローン控除期間が終わった
③条件変更同じ金融機関で金利タイプや期間を変更する借り換えコストを抑えたい・手続きを簡単にしたい
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自分に合った対策を選ぶチェックリスト

  • 現在の金利と他行の金利を比較して1%以上の差がある
    → ①借り換えを検討
  • ローン残高が1,000万円以上かつ残期間が10年以上ある
    → ①借り換えを検討
  • まとまった貯蓄(100万円以上)があり、生活防衛費を確保できる
    → ②繰り上げ返済を検討
  • 住宅ローン控除の適用期間がすでに終了している
    → ②繰り上げ返済を検討
  • 借り換え費用(30〜100万円)を用意するのが難しい
    → ③条件変更を検討
  • 手続きの手間を最小限にしたい
    → ③条件変更を検討
ポイント

3つの対策は排他的ではありません。
たとえば「まず繰り上げ返済で残高を減らしてから借り換える」「条件変更で固定金利に切り替えつつ、余裕資金で繰り上げ返済する」など、組み合わせも可能です。

対策① 住宅ローンの借り換え手続き

借り換えとは、現在の住宅ローンを別の金融機関の住宅ローンで一括返済し、新しい条件でローンを組み直すことです。

変動金利から固定金利への切り替えや、より低金利の変動金利への乗り換えが可能です。

借り換えの判断基準

一般的に、以下の3つの条件をすべて満たす場合、借り換えメリットが出やすいとされています。

  1. 現在の金利と借り換え先の金利差が1%以上
  2. ローン残高が1,000万円以上
  3. 残返済期間が10年以上

ただし、これはあくまで目安です。

実際のメリットは諸費用を含めたシミュレーションで確認してください。

借り換えの手続きの流れ

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  1. 借り換え先の金融機関を選び、事前審査(仮審査)を申し込む
  2. 事前審査通過後、必要書類を揃えて本審査を申し込む
  3. 本審査承認後、新しいローンの契約(金銭消費貸借契約)を締結する
  4. 融資実行日に新しい金融機関から融資を受け、既存ローンを一括返済する
  5. 抵当権の変更登記を行う(司法書士が代行)

事前審査から融資実行まで、一般的に1〜2か月程度かかります。

借り換えにかかる費用

借り換えには30〜100万円程度の諸費用がかかります。

費用項目目安
事務手数料(新規金融機関)借入額の2.2%、または定額3〜5万円
保証料0円〜借入額の2%程度(金融機関による)
抵当権設定の登録免許税借入額の0.4%
司法書士報酬5〜10万円程度
印紙税2〜6万円(借入額による)
既存ローンの繰上返済手数料0〜3万円程度
注意

借り換え時は団体信用生命保険(団信)に再加入する必要があります。
健康状態によっては加入できず、借り換えができない場合もあります。
持病がある方は早めに確認しましょう。

借り換え時の住宅ローン控除の注意点

借り換え後も住宅ローン控除を継続するには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 借り換えたローンが、もとのローンの返済のためであることが明らか
  • 借り換え後の返済期間が10年以上あること

控除期間の残りがある方は、返済期間の設定に注意してください。

借り換え手続きの詳しい手順・必要書類については、以下の手続きガイドで解説しています。

子育て世帯の方は、2026年3月から借換融資にも拡大された「フラット35子育てプラス」も選択肢になります。

対策② 繰り上げ返済の手続きと効果

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、まとまった金額を元金に充てる返済方法です。

元金が減ることで、その後の利息負担を軽減できます。

金利上昇局面では、元金を減らしておくことが最も確実な利息対策です。

2つの方式: 期間短縮型と返済額軽減型

繰り上げ返済には2つの方式があり、目的に応じて選択します。

比較項目期間短縮型返済額軽減型
仕組み毎月の返済額は変えず、返済期間を短くする返済期間は変えず、毎月の返済額を減らす
利息軽減効果大きいやや小さい
向いている場面総返済額を減らしたい月々の負担を今すぐ軽くしたい
金利上昇対策としての有効性◎ 長期的に効果大○ 直近の家計負担を即解消
ポイント

金利上昇で「今月の返済がきつい」と感じている場合は返済額軽減型が即効性があります。
余裕があるうちに将来の負担を減らしたい場合は期間短縮型が有利です。

繰り上げ返済の手続き方法

繰り上げ返済の手続きは、多くの金融機関でネットバンキングから手軽に行えます。

ネットバンキングで手続きする場合

  1. 金融機関のネットバンキング(またはアプリ)にログイン
  2. 住宅ローンメニューから「繰上返済」を選択
  3. 繰上返済金額と方式(期間短縮型/返済額軽減型)を選択
  4. 内容を確認して実行

最短で申込当日〜翌営業日に反映されます。

窓口・電話で手続きする場合

  1. 金融機関に電話または来店で繰り上げ返済を申し出る
  2. 必要書類(返済予定表・本人確認書類等)を用意
  3. 指定日に繰り上げ返済を実行

窓口での手続きは1〜2週間前に申し込みが必要な金融機関が多いです。

繰り上げ返済の手数料比較

金融機関ネットバンキング窓口・電話
三菱UFJ銀行無料電話5,500円/窓口16,500円
みずほ銀行無料33,000円
三井住友銀行無料5,500〜22,000円
りそな銀行無料変動金利5,500円/固定金利33,000円
auじぶん銀行無料(一部)
住信SBIネット銀行無料

ネットバンキングならほとんどの金融機関で手数料無料です。

繰り上げ返済の注意点

住宅ローン控除期間中の繰り上げ返済

住宅ローン控除は、年末時点のローン残高に対して控除額が計算されます。

繰り上げ返済で残高を減らすと控除額も減るため、控除期間中は慎重に判断してください。

重要

住宅ローン控除の適用期間中は、繰り上げ返済による利息軽減額と控除減少額を比較してから判断しましょう。
金利が0.7%以下の場合、控除期間中は繰り上げ返済せず控除期間終了後に一括で繰り上げ返済する方がお得なケースが多いです。

手元資金の確保

繰り上げ返済に回しすぎて手元資金がなくなると、突発的な出費に対応できなくなります。

生活費の6か月分程度は手元に残したうえで、余裕資金で行いましょう。

繰り上げ返済とNISA運用の判断

「繰り上げ返済に充てるべきか、NISAで運用すべきか」は悩む方が多いテーマです。

判断の目安として:

  • ローン金利が1%以上
    → 繰り上げ返済の確実な効果が大きい
  • ローン金利が0.5%以下
    → 長期投資のリターンが上回る可能性あり(ただし不確実)
  • リスク許容度が低い
    → 繰り上げ返済で確実に利息を減らす
  • 投資経験があり長期保有できる
    → NISA運用も選択肢

どちらが正解ということはなく、「確実に利息を減らすか」「不確実だがリターンを狙うか」のリスク判断です。

対策③ 返済条件変更の申請方法

条件変更とは、現在借り入れている金融機関に申し出て、金利タイプや返済期間などの条件を変更してもらうことです。

借り換えと違い、同じ金融機関内で手続きが完結するため、費用や手間を抑えられます。

金利タイプの変更(変動→固定)

多くの金融機関では、変動金利から固定金利への切り替えに対応しています。

手続きの流れ

  1. ネットバンキングまたは窓口で金利タイプ変更を申し込む
  2. 変更後の金利・返済額を確認する
  3. 切り替え日を決定し、変更を確定する

ネットバンキングで手続きできる金融機関なら、最短で翌月の返済から新しい金利タイプが適用されます。

注意点

  • 変動→固定への変更時の金利は、新規借入時より高く設定されている場合があります
  • 固定期間中は変動金利への再変更ができないケースが多いです
  • 金利タイプ変更手数料がかかる場合があります(目安: 無料〜11,000円程度)

返済期間の延長

返済額の負担が大きくなった場合、返済期間を延長して月々の返済額を減らす方法もあります。

手続きの流れ

  1. 金融機関の窓口に相談する(電話可のケースもあり)
  2. 収入や家計状況を説明し、条件変更を申し出る
  3. 金融機関の審査を受ける
  4. 承認後、新しい返済計画に変更される

注意点

  • 返済期間が延びる分、総返済額は増加します
  • すべての金融機関で対応しているわけではなく、審査がある場合もあります
  • 完済時年齢の上限(多くは80歳)を超える延長はできません
注意

返済期間の延長は、あくまで「今の負担を軽くする」ための措置です。
長期的には総返済額が増えるため、家計に余裕が出たら繰り上げ返済で期間を短縮することをおすすめします。

条件変更のメリット・デメリットまとめ

メリットデメリット
借り換えに比べて費用が少ない新規借入より不利な金利条件になることがある
同じ金融機関なので手続きが簡単返済期間延長は総返済額が増加する
審査が借り換えより緩やかなケースが多い金融機関によっては対応していない条件変更がある

金利上昇にそなえて今すぐやるべきこと

「まだ返済額は変わっていないけど、将来に備えたい」という方に向けて、今すぐ取り組める準備をまとめます。

ステップ1: 自分のローン内容を正確に把握する

以下の情報を返済予定表やネットバンキングで確認しましょう。

  • 現在の適用金利(基準金利と優遇幅)
  • ローン残高
  • 残返済期間
  • 返済方式(元利均等 or 元金均等)
  • 5年ルール・125%ルールの適用有無
  • 次回の金利見直し時期

ステップ2: 金利上昇シミュレーションを行う

金利が0.5%、1%、1.5%上がった場合の返済額を試算し、家計への影響を事前に把握しておきましょう。

各金融機関のWebサイトや、住宅金融支援機構のシミュレーションツールが便利です。

ステップ3: 繰り上げ返済用の貯蓄を始める

金利上昇に備え、毎月少額でも繰り上げ返済用の貯蓄を積み立てておきましょう。

「金利が上がったら繰り上げ返済に充てる」「許容できる範囲なら投資に回す」と決めておけば、慌てずに対応できます。

ステップ4: 借り換えの選択肢を把握しておく

実際に借り換えるかどうかは別として、他行の金利水準を把握しておくことで、判断のスピードが上がります。

事前審査は信用情報に影響しないため、気になる金融機関があれば事前審査だけ通しておくのも一つの手です。

よくある質問(FAQ)

Q. 5年ルールがあるから金利が上がっても大丈夫?

A. 大丈夫ではありません。

5年ルールは「返済額がすぐに上がらない」だけで、金利上昇分の利息は免除されるわけではありません。

返済額が据え置かれている間も、返済に占める利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります。

5年後の返済額見直し時に大幅に上がったり、最終的に未払利息の一括返済が必要になる可能性もあります。

Q. 変動金利から固定金利に切り替えるベストタイミングは?

A. 「金利が上がりきる前」が理想ですが、正確な予測は困難です。

固定金利は変動金利よりも先に上昇する傾向があります(長期金利に連動するため)。

「変動金利が上がってから固定に切り替えよう」と待っていると、切り替え時点の固定金利はすでに上がっている可能性があります。

確実に返済計画を安定させたいなら、「これ以上の金利上昇を許容できない」と感じた時点で切り替えるのが現実的な判断です。

Q. 繰り上げ返済と借り換え、どちらを先にすべき?

A. 一般的には借り換えを先に検討してください。

借り換えで金利を下げれば、その後のすべての返済に対して利息軽減効果があります。

繰り上げ返済は借り換え後に行えば、より低い金利での残高に対して効果を発揮します。

ただし、借り換え費用(30〜100万円)をまかなえない場合は、まず繰り上げ返済で残高を減らし、家計に余裕ができてから借り換えを検討する順番もあります。

Q. 住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済してもいい?

A. 金利の水準によって判断が分かれます。

住宅ローン控除は年末残高の0.7%が所得税から控除される制度です。

現在の借入金利が0.7%以下であれば、控除期間中は繰り上げ返済せずに控除のメリットを最大限受けた方がお得になるケースが多いです。

逆に金利が0.7%を超えている場合は、繰り上げ返済の利息軽減効果が控除額の減少を上回る可能性があるため、シミュレーションで比較してください。

まとめ

住宅ローンの変動金利が上昇した場合の対策を3つ紹介しました。

  • 借り換え
    — 金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上なら大きなメリットが期待できる
  • 繰り上げ返済
    — 手元資金に余裕があれば最も手軽で確実な対策。ネットバンキングなら手数料無料
  • 条件変更
    — 費用を抑えたい・手続きを簡単にしたい場合に有効。ただし条件面で不利になることも

金利上昇は今後も続く可能性があります。

「まだ返済額は変わっていないから大丈夫」ではなく、5年ルールの間に対策を打つことで、将来の負担増を最小限に抑えられます。

まずは自分のローン内容を確認し、シミュレーションで影響を把握するところから始めてみてください。

判断に迷ったら、金融機関の住宅ローン相談窓口や、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談も活用しましょう。

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