引っ越しで保険証の住所変更が必要?国保・年金の手続きを解説
引っ越しをしたら、国民健康保険(国保)や後期高齢者医療制度の住所変更手続きが必要です。
国保・後期高齢者医療制度は引っ越しから14日以内が届出の目安です。
国民年金は、マイナンバーと基礎年金番号が連携されていれば届出は原則不要です。
ただし、会社員の方など社会保険に加入している場合は、会社が手続きを行うため、ご自身での手続きは不要です。
この手続ガイドでは、国民健康保険、国民年金、後期高齢者医療制度の住所変更手続きについて、必要書類や期限、手続きの流れをわかりやすく解説します。
1. 引っ越し時に必要な保険・年金の手続き一覧
まず、引っ越し時に保険・年金の住所変更手続きが必要な人と不要な人を確認しましょう。
1-1. 手続きが必要な人・不要な人
| 対象者 | 国民健康保険 | 国民年金 | 後期高齢者医療制度 |
|---|---|---|---|
| 自営業・フリーランス・無職など | ✅ 必要 | 原則不要(※1) | - |
| 会社員・公務員(社会保険加入者) | ❌ 不要 | ❌ 不要 | - |
| 会社員の扶養家族 | ❌ 不要 | ❌ 不要 | - |
| 75歳以上の方 | - | 原則不要(※1) | ✅ 必要 |
マイナンバーと基礎年金番号が連携されていれば、住所変更届の提出は原則不要です。
会社員・公務員の方は
会社の健康保険(社会保険)に加入している方は、勤務先に住所変更を届け出れば、会社が手続きを行います。
この手続ガイドで解説する手続きは不要ですので、勤務先の担当部署に住所変更を連絡してください。
1-2. 手続きの期限
国民健康保険・後期高齢者医療制度の住所変更は、引っ越しから14日以内に行うことが求められています。
期限を過ぎても手続きは可能ですが、保険料が遡って請求されたり、医療費の給付に影響が出る場合があります。
詳しくは「6. 14日を過ぎた場合の対応」で解説します。
1-3. 手続きの全体像
引っ越し時の保険・年金の手続きは、引っ越し先が同じ市区町村内か、別の市区町村かで異なります。
あなたの状況に合わせて確認してください。
2. 国民健康保険の住所変更手続き
国民健康保険は市区町村が運営する保険です。
引っ越し先が同じ市区町村内か、別の市区町村かで手続きが異なります。
2-2. 手続き中の受診について
引っ越しの手続き中は、一時的に資格確認ができない期間が発生することがあります。
マイナ保険証を利用している場合
市区町村での加入手続きが完了すれば、即日〜数日でオンライン資格確認が可能になります。
手続き完了後すぐに受診できるため、資格確認書の到着を待つ必要がありません。
マイナ保険証を利用していない場合
資格確認書が届くまでの間に病院を受診する必要がある場合は、窓口で「被保険者資格を証明する書類を発行できるか」を確認してください。
発行された書類を医療機関に提示すれば、保険診療を受けられます。
「被保険者資格証明書」「資格証明書」など、書類の名称は自治体によって異なります。
やむを得ず10割負担で支払った場合
手続き前に病院を受診し、保険が適用されず10割負担で支払った場合は、後から保険適用分の払い戻しを受けることができます。
払い戻しの手続きについては、「 マイナ保険証がなくて10割負担…医療費の返金手続き(療養費支給申請) 」の手続ガイドをご覧ください。
マイナ保険証を利用していれば、手続き完了後すぐに受診可能です。
詳しくは「5. マイナ保険証と引っ越し」で解説します。
2-3. 保険料について
国民健康保険の保険料は市区町村によって異なります。
同じ年収でも、住む地域によって保険料が大きく変わる場合があるため、引っ越し先の保険料を事前に確認しておくとよいでしょう。
保険料の精算
一般的な目安は以下のとおりです。
- 旧住所:
資格喪失日(転出日)の前月分まで保険料が発生 - 新住所:
資格取得日(転入日)から保険料が発生
実際の請求月や日割・月割の扱いは自治体によって異なる場合があります。届く通知書で確認してください。
3. 国民年金の住所変更手続き
国民年金の住所変更手続きは、多くの場合、ご自身での届出は不要です。
3-1. 届出が不要なケース(ほとんどの方が該当)
マイナンバーと基礎年金番号が連携されている場合は、住民票の異動が自動的に年金機構に反映されるため、届出は不要です。
現在ほとんどの方が連携されているため、転入届を提出するだけで手続き完了となります。
連携されているかの確認方法
以下のいずれかの方法で確認できます。
- ねんきんネットにログインして確認
- 年金事務所に問い合わせる
- マイナポータルで年金情報を確認する
3-2. 届出が必要なケース
以下に該当する場合は、住所変更届の提出が必要です。
| 該当するケース | 届出先 |
|---|---|
| マイナンバーと基礎年金番号が連携されていない | 年金事務所または市区町村窓口 |
| 海外から帰国した場合 | 市区町村窓口 |
| 年金を受給中の方(一部の方) | 年金事務所 |
届出が必要な場合の手続き
必要なもの
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 本人確認書類
届出先
- 第1号被保険者(自営業・学生など):
市区町村の国民年金担当窓口 - 年金受給者:
年金事務所
3-3. 年金手帳・基礎年金番号通知書を紛失した場合
引っ越しの機会に年金手帳や基礎年金番号通知書を探しても見つからない場合があります。
紛失した場合は、基礎年金番号の再通知を受けることができます。
詳しくは「 年金手帳を紛失したら?番号確認と対処法 」をご確認ください。
3-4. 年金受給者の住所変更
年金を受給中の方も、マイナンバーが登録されていれば届出は原則不要です。
ただし、以下の場合は届出が必要な場合があります。
- 年金の通知を住民票とは別の住所に届けてほしい場合
- マイナンバーが登録されていない場合
- 海外へ転出する場合
届出が必要な場合は「年金受給権者住所変更届」を年金事務所に提出します。
4. 後期高齢者医療制度の住所変更手続き
75歳以上の方(または65〜74歳で一定の障害がある方)は、後期高齢者医療制度に加入しています。
引っ越し時は、国民健康保険とは別に手続きが必要です。
後期高齢者医療制度の詳しい仕組みについては、「 75歳で後期高齢者医療制度へ切り替え - 手続き・保険料・負担割合 」の手続ガイドをご覧ください。
4-2. 保険料について
後期高齢者医療制度の保険料は都道府県によって異なります。
保険料の精算
一般的な目安は以下のとおりです。
- 旧住所の都道府県:
資格喪失日(転出日)の前月分まで保険料が発生 - 新住所の都道府県:
資格取得日(転入日)から保険料が発生
実際の請求月や精算方法は広域連合によって異なる場合があります。届く通知書で確認してください。
4-3. 施設入所中の方の特例
介護施設など、住所地と異なる都道府県の施設に入所している場合は、「住所地特例」により、元の都道府県の後期高齢者医療制度に加入し続ける場合があります。
該当する可能性がある方は、事前に市区町村の窓口で確認してください。
5. マイナ保険証と引っ越し
2025年12月2日以降、従来の健康保険証は廃止され、マイナ保険証または資格確認書を使って医療機関を受診する仕組みに移行しています。
マイナ保険証を利用している方は、引っ越し時の手続きがスムーズになります。
5-1. マイナ保険証のメリット
マイナ保険証を利用している場合、以下のメリットがあります。
-
手続き完了後すぐに受診できる
資格確認書は郵送で届くまで1〜2週間かかる場合がありますが、マイナ保険証なら市区町村での加入手続きが完了次第、即日〜数日でオンライン資格確認が可能になります。 -
10割負担のリスクが減る
資格確認書が届く前に受診が必要な場合、被保険者資格を証明する書類を発行してもらう手間がかかりますが、マイナ保険証なら資格確認がオンラインで行われるため、このリスクが大幅に減ります。
5-2. 引っ越し時に必要な手続き
マイナ保険証を利用していても、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入届は必要です。
マイナ保険証は資格確認の手段であり、保険への加入手続き自体は省略できません。
手続きの流れ
- 転入届を提出する
- マイナンバーカードの住所変更をする(継続利用手続き)
- 国民健康保険(または後期高齢者医療制度)の加入届を提出する
- 市区町村側で資格登録が完了すれば、マイナ保険証で受診可能に
マイナンバーカードの住所変更手続きについては、「 マイナンバーカードの住所変更 - 引っ越し時の手続きと注意点 」の手続ガイドをご覧ください。
5-3. 資格確認ができるまでの期間
市区町村での手続き完了後、即日〜数日でオンライン資格確認が可能になります。
急いで受診が必要な場合は、窓口で資格確認がいつ頃できるようになるか確認しておくと安心です。
5-4. マイナ保険証を利用していない場合
マイナ保険証を利用していない場合は、加入手続き後に資格確認書が交付されます。
資格確認書は保険者によって様式が異なりますが、有効期限は最長5年で、従来の健康保険証と同様に医療機関で提示して受診できます。
引っ越しを機にマイナ保険証に登録する方法
マイナンバーカードを持っていれば、引っ越しを機に健康保険証として利用登録することができます。
利用登録は以下の方法で行えます。
- 医療機関・薬局の受付で(顔認証付きカードリーダー)
- マイナポータルから
- セブン銀行ATMで
マイナ保険証の利用登録の詳細は「 保険証廃止後はどうなる?マイナ保険証と資格確認書の違いを解説 」を参照してください
6. 14日を過ぎた場合の対応
引っ越しから14日以内に手続きをするのが原則ですが、期限を過ぎてしまった場合でも手続きは可能です。
6-1. 手続きは受け付けてもらえる
14日を過ぎても、国民健康保険や後期高齢者医療制度への加入手続きは受け付けてもらえます。
「期限を過ぎたから加入できない」ということはありませんので、気づいた時点で早めに手続きを行いましょう。
6-2. 期限を過ぎると起こること
ただし、期限を過ぎると以下の影響がある可能性があります。
保険料の遡り請求
加入届が遅れても、保険料は転入日まで遡って請求されます。
手続きが遅れた期間分の保険料がまとめて請求されるため、一時的に負担が大きくなる場合があります。
医療費の負担
手続き前に病院を受診した場合、保険が適用されず、10割負担になることがあります。
後から保険適用分の払い戻しを受けることができますが、手続きに手間がかかります。
給付金への影響
高額療養費などの給付を受ける際に、手続きの遅れが影響する場合があります。
6-3. 遅れた場合の手続き方法
手続きの方法は、期限内に行う場合と同じです。
以下の書類を持って、市区町村の窓口で手続きを行ってください。
必要なもの
- 転出証明書(マイナンバーカードで転出届を行った場合は不要)
- 本人確認書類
遅延の理由を確認されることがあります。分かる範囲で説明し、追加で必要な書類がないか窓口で確認しましょう。
「忙しくて忘れていた」
「手続きが必要なことを知らなかった」
など、よくある理由であれば通常は問題なく受け付けてもらえることがほとんどです。
7. こんなときどうする?(Q&A)
引っ越し時の保険・年金手続きで、よくある疑問にお答えします。
Q1. 会社員ですが、自分で手続きが必要ですか?
A. 会社の健康保険(社会保険)に加入している方は、ご自身での手続きは不要です。
社会保険(健康保険・厚生年金)の住所変更は勤務先経由で行われます。
勤務先の担当部署に住所変更を届け出れば、会社が手続きを行いますので、自分で届出する必要はありません。
Q2. 引っ越し中に病院を受診する場合はどうすればいいですか?
A. マイナ保険証を利用していれば、加入手続き完了後にオンライン資格確認が可能になり、通常通り受診できます。
マイナ保険証を利用していない場合は、資格確認書が届くまで待つか、窓口で「被保険者資格を証明する書類」を発行してもらって受診できます。
これらの書類もない状態で受診した場合は、一旦10割負担で支払い、後から払い戻しを受けることができます。
Q3. 資格確認書の返却は必要ですか?
A. 別の市区町村に引っ越す場合、旧住所の資格確認書は無効になります。
返却の要否は自治体によって異なりますので、転出届を提出する際に窓口で確認してください。
同じ市区町村内での引っ越しの場合は、返却不要の場合がほとんどです。
Q4. マイナポータルで転出届をしたら、保険の手続きも完了しますか?
A. いいえ、転出届と保険の手続きは別です。
マイナポータルでの転出届は便利ですが、転入届は引っ越し先の窓口に行く必要があります。
国民健康保険の加入届も、転入届と一緒に窓口で行う必要があります。
Q5. 世帯主が変わる場合は特別な手続きが必要ですか?
A. 世帯主が変わる場合は、世帯主変更届と一緒に国民健康保険の届出も行います。
国民健康保険の保険料は世帯主に請求されるため、世帯主の変更がある場合は窓口で申し出てください。
Q6. 家族が別々に引っ越す場合はどうすればいいですか?
A. それぞれの引っ越し先で個別に加入届を提出します。
例えば、大学進学で子供だけが別の市区町村に引っ越す場合は、子供自身が新しい住所で国民健康保険に加入する手続きを行います。
ただし、学生の場合は「マル学」(遠隔地被保険者証)として、元の世帯の保険を利用できる場合もあります。
詳しくは市区町村の窓口でご確認ください。
Q7. 引っ越し先の保険料はいつわかりますか?
A. 加入届を提出した後、通常1〜2ヶ月程度で保険料の通知書が届きます。
事前に概算を知りたい場合は、引っ越し先の市区町村のホームページで保険料率を確認するか、窓口で試算を依頼できる場合があります。
お住まいの自治体の窓口を調べる
引っ越し先の国民健康保険の手続き窓口は、自治体によって異なります。
以下のウィジェットで、お住まいの自治体の窓口情報を調べることができます。
まとめ
引っ越し時の国民健康保険・国民年金・後期高齢者医療制度の住所変更手続きについて解説しました。
ポイントをおさらい
- 手続き期限は引っ越しから14日以内
- 会社員・公務員の方は自分での手続きは不要(会社に届出)
- 国民年金はマイナンバー連携済みなら届出不要
- マイナ保険証を利用していれば、保険証の切り替え期間もスムーズに受診可能
- 期限を過ぎても手続きは可能だが、早めの対応がおすすめ
引っ越し時のチェックリスト
- 転入届の提出
- マイナンバーカードの住所変更
- 国民健康保険の加入届(自営業・無職の方)
- 後期高齢者医療制度の手続き(75歳以上の方)
引っ越しは何かと忙しいですが、保険・年金の手続きを忘れると、医療費の負担が増えてしまうことがあります。
転入届と一緒に、まとめて手続きを済ませておくと安心です。
