ワーキングホリデービザ申請方法 - 豪・加・英の条件と手順比較
「海外で働きながら暮らしてみたい」
「ワーホリに興味があるけど、ビザの申請方法がよくわからない」
「オーストラリア・カナダ・イギリス…どの国が自分に合っているの?」
——ワーキングホリデー(ワーホリ)は18〜30歳の若者に与えられた貴重なチャンスですが、国によって申請方法や条件がまったく異なります。
この手続きガイドでは、人気の3か国(オーストラリア・カナダ・イギリス)のビザ申請手順を比較しながら、出発前に必要な日本側の手続きまでまとめて解説します。
ワーキングホリデー制度の基本
ワーキングホリデー制度とは、二国間の協定に基づき、相手国の青少年に対して休暇目的の入国と、滞在資金を補うための就労を認める制度です。
外務省によると、日本は2026年4月現在、32か国・地域とワーキングホリデー協定を締結しています。
制度の主な特徴
- 対象年齢
18歳以上30歳以下(申請時点) - 滞在期間
おおむね1年間(国により最大2〜3年) - 就労
滞在資金を補うための付随的な就労が可能 - 学習
語学学校への通学も可能(国により制限あり) - 参加回数
原則1回(一部の国では2回参加が可能に)
ワーキングホリデービザは「休暇が主目的」の制度です。
就労はあくまで旅行・滞在資金を補うためのもので、フルタイムの就職目的では利用できません。
オーストラリア・カナダ・イギリスの条件比較
3か国のワーキングホリデービザの基本条件を比較します。
| 項目 | オーストラリア | カナダ | イギリス(YMS) |
|---|---|---|---|
| 年齢制限 | 18〜30歳 | 18〜30歳 | 18〜30歳 |
| 滞在期間 | 最大1年(最長3年まで延長可) | 最大1年(2回参加で合計2年) | 最大2年 |
| 年間定員 | なし(無制限) | 6,283名 | 6,000名 |
| 申請方法 | オンライン(ImmiAccount) | オンライン(IEC・抽選制) | オンライン(GOV.UK・先着順) |
| 申請料金 | 670豪ドル(約7万円) | 約370カナダドル(約4万円) | 340ポンド+IHS 1,552ポンド(計約40万円) |
| 就労制限 | 同一雇用主・同一勤務地で最長6ヶ月 | 特になし | 特になし |
| 語学学校 | 最長17週間 | 最長6ヶ月 | 制限なし |
それぞれの特徴
- オーストラリア
定員なしで申請しやすく、セカンド・サードビザで最長3年間滞在可能。
農場(ファーム)での仕事が豊富で、高時給の求人も多い。 - カナダ
抽選制のため必ず行けるとは限らないが、英語圏で治安が良く生活しやすい。
2025年4月以降、日本国籍者は一生涯2回参加が可能に。 - イギリス(YMS)
2024年から定員6,000名に増枠し先着順で申請可能に。
最大2年間滞在でき、就労制限がほぼないのが大きなメリット。
オーストラリアのワーホリビザ申請手順
オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)は、ImmiAccountというオンラインシステムで申請します。
定員がなく、年間を通じていつでも申請可能です。
申請の前に用意するもの
- 有効なパスポート(滞在予定期間をカバーする残存期間)
- クレジットカード(Visa/MasterCard/AMEX/JCB/Diners Club・本人名義でなくてもOK)
- 英文の資金証明書(AUD 5,000以上+帰国航空券代AUD 2,000=合計AUD 7,000以上)
資金証明書は金融機関で「英文・オーストラリアドル建て」で発行を依頼してください。
発行から1ヶ月以内のものが必要です。
申請ステップ
-
ImmiAccountを作成する
オーストラリア内務省の公式サイトにアクセスし、「Create ImmiAccount」からアカウントを作成します。 メールアドレス・パスワードを登録するだけで完了します。 -
ビザ申請を開始する
ImmiAccountにログイン後、「New application」→「Work & Holiday」→「Working Holiday visa (417)」を選択します。 -
申請フォームに入力する
氏名・生年月日・パスポート情報・渡航歴・健康状態・犯罪歴などを入力します。 すべて英語での入力が必要です。 -
必要書類をアップロードする
パスポートのスキャン画像や資金証明書をアップロードします。 -
申請料金を支払う
670豪ドル(約7万円)をクレジットカードで決済します。 -
健康診断を受ける(必要な場合)
申請後、移民局から健康診断の指示がある場合があります。 指定医療機関で受診してください。 -
審査結果を待つ
審査完了後、eVisa(電子ビザ)としてビザが発給されます。 VGN(Visa Grant Notification)がメールで届きます。
多くの場合、数日〜数週間で審査が完了します。
ただし、健康診断や追加書類を求められた場合はさらに時間がかかります。
余裕をもって出発の2〜3ヶ月前に申請しましょう。
セカンド・サードビザについて
オーストラリアでは、地方地域で季節労働に一定期間従事すると、2回目・3回目のワーホリビザを申請できます。
- セカンドビザ
1回目のビザで3ヶ月以上の季節労働を行った場合に申請可能 - サードビザ
セカンドビザで6ヶ月以上の特定労働を行った場合に申請可能
合計で最大3年間のオーストラリア滞在が実現できます。
カナダのワーホリビザ申請手順
カナダのワーキングホリデーはIEC(International Experience Canada)プログラムの一環として運営されています。
最大の特徴は抽選制であること。
まずIECプールに登録し、抽選で選ばれた人だけが本申請に進めます。
申請の前に用意するもの
- 有効なパスポート(滞在期間+1日以上の残存期間)
- クレジットカード(申請料金の決済用)
- 資金証明書(CAD 2,500以上)
- 犯罪経歴証明書(無犯罪証明書・必要な場合)
- 海外旅行保険の加入証明書
申請ステップ
-
IRCC(カナダ移民局)のアカウントを作成する
IRCCの公式サイトでGCKeyアカウントを作成します。 -
IECプールに登録する(抽選エントリー)
IECプロフィールを作成し、ワーキングホリデーカテゴリーを選択して登録します。 この段階では書類提出や支払いは不要です。 -
抽選結果を待つ
定員に達するまで毎週抽選が実施されます。 当選するとITA(Invitation to Apply/招待状)がアカウントに届きます。 -
ITAを承認し本申請を開始する
ITAを受け取ったら10日以内に承認し、本申請を開始します。 承認後20日以内にすべての書類を提出する必要があります。 -
必要書類を提出する
パスポートのコピー、資金証明、海外旅行保険の証明書、デジタル写真などをアップロードします。 -
申請料金を支払う
IEC参加費(CAD $184.75)+ワークパーミット発行料(CAD $100)+バイオメトリクス費(CAD $85)を支払います。 -
バイオメトリクス(生体認証)を登録する
指紋と顔写真の登録が必要です。 日本国内では東京(カナダビザ申請センター)と大阪(VFS Global)の2箇所で対応しています。 支払い後30日以内に登録を完了させてください。 -
POE(入国許可)レターを受け取る
審査完了後、POEレターがアカウントに届きます。 カナダ入国時にこのレターを提示し、ワークパーミットを受け取ります。
カナダのワーホリビザは抽選制のため、登録しても必ず当選するとは限りません。
例年、募集開始から数ヶ月で定員に達します。
できるだけ早くIECプールに登録しておきましょう。
2025年4月1日以降、日本国籍者はカナダのワーキングホリデーに一生涯2回参加できるようになりました。
2回目の申請時も30歳以下である必要があります。
イギリスのワーホリ(YMS)ビザ申請手順
イギリスのワーキングホリデーは正式にはYouth Mobility Scheme(YMS)と呼ばれます。
2024年から日本人の定員が6,000名に増枠され、抽選が廃止されました。現在は先着順で年中いつでも申請可能です。
申請の前に用意するもの
- 有効なパスポート
- クレジットカードまたはデビットカード
- 残高証明書(£2,530以上の資金)+過去28日間の取引明細書
申請ステップ
-
GOV.UKでオンライン申請を開始する
英国政府の公式サイトから「Apply now」をクリックし、申請フォームに進みます。 -
申請フォームに入力する
氏名・パスポート情報・滞在予定・入国予定日などを入力します。
入国予定日の6ヶ月前から申請可能です。 -
申請料金を支払う
ビザ申請料340ポンド+IHS(Immigration Health Surcharge/健康保険料)£776×2年分=1,552ポンドを支払います。
合計で約40万円かかります。 -
VACで書類提出・バイオメトリクス登録
東京のビザ申請センター(VFS Global)で、指紋・顔写真の登録と書類の提出を行います。
オンライン申請完了後に予約を取ります。 -
審査結果を待つ
通常3週間以内に審査が完了します。
eVisa(電子ビザ)の通知がメールで届きます。
イギリスのワーホリでは、申請料とは別にNHS(国民保健サービス)利用のためのIHS(Immigration Health Surcharge)£776/年×2年分=£1,552が必要です。
これにより、滞在中はイギリスの公的医療サービスを利用できます。
イギリスYMSの特徴
- 最大2年間滞在可能(他国より長い)
- 就労制限がほぼない(フルタイムで働ける)
- 先着順のため、定員に達する前に早めの申請がおすすめ
- 代理申請は不可(本人が直接申請する必要あり)
出発前に日本で済ませる手続き
ビザを取得したら、出発前に以下の日本側の手続きを済ませましょう。
パスポートの確認・更新
渡航先の入国要件を満たす残存期間があるか確認してください。
オーストラリアは滞在予定期間をカバーする残存期間、カナダはワーホリ期間+1日以上、イギリスは申請時点で有効であれば可、とそれぞれ異なります。
残存期間が不足する場合は、早めにパスポートの更新手続きを行いましょう。
海外転出届の提出
1年以上海外に滞在する場合は、出発前に市区町村の窓口で海外転出届を提出します。
届出により、国民健康保険料や住民税の支払いが不要になります。
出発の14日前から届出が可能です。
マイナンバーカードの国外利用手続き
2024年5月以降、国外転出後もマイナンバーカードの継続利用が可能になりました。
海外転出届を出す際に、窓口で「国外転出者向けマイナンバーカード」の手続きを行ってください。
帰国後の手続きがスムーズになります。
国民健康保険・国民年金の手続き
海外転出届を提出すると、国民健康保険は自動的に資格喪失となります。
国民年金は任意加入を選ぶこともできます。
帰国後に未加入期間が生じるのが心配な方は、任意加入の手続きをしておくと将来の年金額に影響しません。
海外旅行保険(ワーホリ保険)の加入
ワーキングホリデーでは、渡航先で有効な海外旅行保険への加入が事実上必須です。
- オーストラリア
ビザの条件として加入義務はないが、医療費が非常に高額なため加入を強く推奨 - カナダ
ワーホリビザ申請時に保険加入証明の提出が必要 - イギリス
IHS(健康保険料)を支払うためNHSが利用可能だが、追加の民間保険加入も検討を
保険の補償期間は滞在全期間をカバーしている必要があります。
ワーホリ専用の保険プランを提供している保険会社もあるので、複数社を比較して選びましょう。
国際運転免許証の取得
現地でレンタカーを運転する予定がある方は、出発前に国際運転免許証を取得しておきましょう。
運転免許試験場(免許センター)で申請すれば、即日発行が可能です。
有効期間は発行日から1年間です。
在留届の提出
海外に3ヶ月以上滞在する日本人は、ORRnet(オンライン在留届)で在留届を提出する義務があります。
緊急時の安否確認や、現地での事件・災害情報の提供を受けるために重要です。
渡航後、現地の住所が決まったら速やかに届け出てください。
ビザ申請でよくある失敗と対処法
資金証明書の不備
- 英文で発行されていない
→ 金融機関の窓口で「英文の残高証明書」を指定して依頼 - 金額が不足している → 各国の最低金額を確認(オーストラリア:AUD 7,000、カナダ:CAD 2,500、イギリス:£2,530)
- 発行日が古い
→ オーストラリアは発行1ヶ月以内、イギリスは28日以内の取引明細が必要
パスポートの有効期間不足
パスポートの残存期間が不足しているとビザ申請が却下されます。
更新には1〜2週間かかるため、ビザ申請前に必ず確認してください。
申請フォームの記入ミス
- 姓と名を逆に入力
→ 修正が難しいため、入力時にパスポートと照合して確認 - 名前が小文字になっている
→ パスポート記載どおりの大文字で入力 - スペルミス
→ 提出前に必ず見直し
オーストラリアの場合、ビザ申請後に記入ミスが判明したら、eVisa.WHM.Helpdesk@immi.gov.au に英語でメールしてください。
名前・生年月日・パスポート番号・TRN番号を明記し、修正内容を簡潔に伝えます。
カナダの抽選に落ちた場合
- IECプールへの登録はシーズン中何度でも可能(定員に達するまで)
- 登録を維持しておけば、毎週行われる抽選の対象になり続けます
- 定員が埋まってしまった場合は翌年度の募集開始を待ちましょう
健康診断のタイミング(オーストラリア)
オーストラリアは申請後に健康診断の指示が出ることがあります。
指定医療機関は限られているため、事前に最寄りの指定医療機関を確認しておくとスムーズです。
よくある質問(FAQ)
Q. 30歳を超えたらワーホリビザは申請できませんか?
A. 申請時点で30歳以下であれば、31歳での入国は可能です。
3か国とも「申請日に18歳以上31歳になっていないこと」が条件です。
つまり、30歳のうちにビザ申請が完了していれば、31歳になってから渡航しても問題ありません。
Q. 代行業者を使わず自分で申請できますか?
A. はい、すべてオンラインで自分で申請できます。
3か国ともオンライン申請が基本で、代行業者を使わなくても申請可能です。
外務省も「申請書類の準備・作成は業者に任せきりにせず、必ず自身で確認するよう」注意喚起しています。
公式サイトの案内に沿って進めれば、英語が苦手な方でも問題なく完了できます。
Q. 2回目のワーキングホリデーは可能ですか?
A. 一部の国では可能です。
- オーストラリア
地方地域での季節労働を一定期間行えば、セカンド・サードビザを申請可能(最大3年間) - カナダ
2025年4月以降、日本国籍者は一生涯2回の参加が可能に - イギリス
同一国での2回目は不可。ただし別の協定国でのワーホリは可能
Q. 申請からビザ発給までどのくらいかかりますか?
A. 国によって異なりますが、早めの申請をおすすめします。
- オーストラリア
通常数日〜数週間(健康診断が必要な場合はさらに延長) - カナダ
IECプール登録から本申請完了まで含めると数週間〜数ヶ月(抽選待ちの期間を含む) - イギリス
通常3週間以内
出発の2〜3ヶ月前には申請を開始するのが安心です。
Q. 英語力はビザ申請に必要ですか?
A. 3か国とも、ビザ申請に英語力の証明(IELTSなど)は不要です。
ただし申請フォームは英語で入力する必要があるため、基本的な英語の読み書きは必要です。
翻訳ツールを活用しながら進めることも可能ですが、氏名やパスポート番号などの固有情報は正確に入力してください。
まとめ
ワーキングホリデービザの申請は、国によって方法が大きく異なります。
- オーストラリア
定員なし・オンライン完結・比較的シンプルな手続き。
初めてのワーホリにおすすめ。 - カナダ
抽選制のため早めの登録が重要。
2回参加が可能になり、さらに魅力的に。 - イギリス(YMS)
最大2年間滞在可能で就労制限がほぼない。
費用は高いが自由度が最も高い。
どの国を選ぶにしても、ビザ申請と日本側の手続き(パスポート・海外転出届・保険など)を並行して進めるのがポイントです。
30歳の誕生日を迎える前に申請すれば31歳での入国も可能なので、年齢が気になる方は早めに行動しましょう。
しっかり準備を整えて、充実したワーキングホリデーを実現してください。