郵便局の転送届の出し方 — e転居の手順・届かないときの対処法
「引っ越したのに、大事な郵便物が前の住所に届いてしまった…」という事態は、意外とよくあるトラブルです。
引っ越しの際、市区町村の役所に転出届・転入届を出しても、郵便局には自動的に情報が伝わりません。
郵便物を新しい住所に届けてもらうためには、別途、郵便局へ「転居届(転送届)」を出す必要があります。
この手続きガイドでは、郵便局の転居・転送サービスの仕組みから、e転居(オンライン申請)の具体的な手順、届かないときのトラブル対処法まで、わかりやすく解説します。
e転居ならスマホから最短5分で手続きが完了するので、引っ越し準備で忙しい方もぜひ早めに済ませておきましょう。
1. 郵便局の転居・転送サービスとは
郵便局の「転居・転送サービス」とは、転居届を提出することで、旧住所あての郵便物を1年間、新住所に無料で転送してくれる日本郵便のサービスです。
サービスの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 転送期間 | 届出日から1年間 |
| 費用 | 無料 |
| 転送対象 | 日本郵便の郵便物(手紙・はがき・ゆうパック・書留など) |
| 転送されないもの | 「転送不要」「転送不可」と記載された郵便物 |
| 届け出方法 | e転居(オンライン)・ポスト投函(郵送)・郵便局窓口 |
転送期間は「届出日」から1年
転送期間で注意したいのは、転送開始希望日からではなく、届出日から1年間という点です。
たとえば3月1日に届出をして「3月20日から転送開始」と希望した場合でも、転送サービスは翌年の3月1日で終了します。
民間の宅配業者は転送の対象外
転送サービスの対象は、日本郵便が取り扱う郵便物のみです。
ヤマト運輸や佐川急便などの民間宅配業者の荷物は転送されません。
ヤマト運輸にはかつて「宅急便転居転送サービス」がありましたが、2023年5月31日をもって新規申し込みの受付を終了しています。
現在は荷物ごとに個別で転送を依頼する必要があります(ヤマト運輸FAQ)。
佐川急便には、もともと引っ越しに伴う転居転送サービスは提供されていません。
通販サイトやフリマアプリの配送業者が民間宅配の場合、それぞれのサービスで住所変更が必要です。
2. 転送届の出し方は3つ — 手続き方法と必要なもの
転居届(転送届)の提出方法は、以下の3つです。
| 方法 | 特徴 | 必要なもの |
|---|---|---|
| e転居(オンライン) | 最短5分、24時間対応 | ゆうID、本人確認書類 |
| ポスト投函(郵送) | 切手不要で投函 | 転居届用紙、本人確認書類のコピー |
| 郵便局窓口 | その場で受理 | 本人確認書類、旧住所確認書類 |
2-1. e転居(オンライン申請) — 最短5分でスマホから完了
e転居は、日本郵便が提供するオンラインでの転居届サービスです。
スマホやパソコンから24時間いつでも手続きが可能で、郵便局に行く必要がありません。
2025年2月のリニューアルにより、郵便局アプリからも申請できるようになりました。
e転居の手続きの流れ
- e転居のWebサイト、または郵便局アプリを開く
- ゆうID(本人確認済) でログイン
- 旧住所・新住所・転居者氏名などの必要情報を入力
- 内容を確認して送信 → 完了
e転居に必要なもの
-
ゆうID(本人確認済)
ゆうIDは日本郵政グループの共通IDです。
ゆうIDの作成自体に本人確認は不要ですが、e転居の利用には本人確認済のゆうIDが必要です。
未確認の場合は、e転居の申し込み時にオンラインで本人確認(eKYC)を実施する流れになります。
ゆうIDの作成手順は「APPENDIX — ゆうIDの作成手順」をご確認ください。 -
本人確認書類(いずれか1点)
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 在留カード
e転居のポイント
- 転居先が同一住所であれば、1度の手続きで最大6人までまとめて申し込みできる
- 入力を途中保存できるので、中断しても最初からやり直す必要がない
- 提出後、e転居のページから受付状況を確認できる
2-2. ポスト投函(郵送)で提出する
郵便局の窓口に設置されている転居届の用紙に必要事項を記入し、ポストに投函する方法です。
手続きの流れ
- 最寄りの郵便局で転居届の用紙をもらう
- 必要事項を記入する(旧住所・新住所・転居者氏名・転送開始希望日など)
- 本人確認書類のコピーを添付する
- 付属の専用封筒に入れて、切手を貼らずにポストへ投函
ポスト投函に必要なもの
- 転居届の用紙(郵便局窓口で入手)
- 本人確認書類のコピー(いずれか1点)
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- 各種健康保険証の資格確認書
- 運転経歴証明書
- 在留カード
- 特別永住者証明書
2-3. 郵便局の窓口で提出する
郵便局の窓口に直接行って手続きする方法です。
全国どこの郵便局でも手続きできます。
手続きの流れ
- 最寄りの郵便局へ行く
- 窓口で転居届の用紙をもらい、その場で記入
- 本人確認書類と旧住所が確認できる書類を提示
- 窓口に提出 → 受付完了
窓口での提出に必要なもの
-
本人確認書類(いずれか1点)
マイナンバーカード、運転免許証、各種健康保険証の資格確認書など -
旧住所が確認できる書類(いずれか1点)
マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、住民票など
窓口では提出者に加えて、転居者のうち1名の本人確認も実施されます。
提出者自身が転居者である場合は、提出者の本人確認が転居者の確認も兼ねるため、1名分の本人確認書類(原本)を持参するだけで手続きできます。
提出者と転居者が異なる場合(家族の代理提出など)は、転居者の確認書類はコピーでもOKです。
3. いつまでに手続きすればいい? — 転送開始までの日数
転居届を提出してから実際に転送が始まるまで、3〜7営業日かかります。
引っ越し当日に慌てて手続きしても、すぐには転送が開始されないため、大事な郵便物を受け取れない期間が生じてしまいます。
手続きのタイミング目安
| タイミング | 推奨度 |
|---|---|
| 引っ越しの2週間前 | 余裕をもって安心 |
| 引っ越しの1週間前 | 遅くともこのタイミングで |
| 引っ越し当日 | 転送開始まで数日のタイムラグあり |
転送開始希望日の設定に注意
転居届には「転送開始希望日」を記入する欄がありますが、入居開始日以降の日付にしましょう。
入居日より前に転送が始まると、まだ前の居住者がいる住所や、入居者がいない住所に郵便物が転送されてしまい、紛失やトラブルにつながります。
4. 家族の一部だけ引っ越す場合の手続き
単身赴任や進学などで、家族のうち1名だけが引っ越すケースでも転送サービスは利用できます。
手続きのポイント
転居届の「転居者氏名」欄に、実際に転居する人の名前だけを記入します。
こうすることで、その人あての郵便物だけが新住所に転送されます。
転居者氏名欄に名前の記載がない家族の郵便物は、転送されずにそのまま旧住所に届き続けます。
本人以外が手続きする場合
e転居を使えば、本人以外でも手続きが可能です。
申請する人のゆうIDでログインし、「転居者の情報」欄に実際に転居する方の氏名や住所を入力すればOKです。
別姓の同居人がいる場合は要注意
シェアハウスや事実婚、同棲カップルなど別姓の人と暮らしている場合は、転居者氏名欄の記載に特に注意が必要です。
転送サービスは世帯単位ではなく人ごとに郵便物を転送する仕組みのため、転送を希望する人それぞれの氏名を漏れなく記載しましょう。
また、仕事や活動で屋号(事業所名・ペンネーム) や 旧姓を使用している場合も、個人名(新姓)だけでは転送されないことがあります。
転送したい郵便物に使われている名称を漏れなく記載することが大切です。
5. 転送届の延長方法 — 1年経過後も転送を続けるには
転送期間の1年が経過すると、旧住所あての郵便物は差出人に返還されてしまいます。
まだ住所変更が完了していないサービスがある場合は、転送期間を延長しましょう。
延長の手続き方法
延長するには、再度、転居届を提出するだけです。
新規で転居届を出したときと同じ手順で、e転居・ポスト投函・郵便局窓口のいずれの方法でもOKです。
延長のポイント
- 回数制限なし
必要な回数だけ何度でも延長できる - 新しい届出日から1年間の転送期間になる
- 期限が切れる前に手続きするのがベスト
切れてからだと、その間の郵便物が返還されてしまう
住所変更の手続きが終わっていないサービスがまだある場合は、早めに延長の届出をしておきましょう。
6. 転送届を出したのに届かないときの対処法
「転送届を出したのに、郵便物が届かない…」というトラブルには、いくつかの原因が考えられます。
6-1. 手続きの反映に時間がかかっている
転居届の提出から転送開始までは、3〜7営業日かかります。
提出直後の郵便物は、まだ旧住所に届いている可能性があります。
まずは少し待ってみましょう。
受付状況を確認する
e転居のページの「転居届受付状況の確認」から状況を確認できます。
- e転居で申し込んだ場合
ゆうIDでログインすると、マイページで申し込み内容の詳細を確認できる - 郵送・窓口で申し込んだ場合
転居届用紙の「お客さま控」右上に記載されている転居届受付番号(10桁)を入力して確認する
6-2. 「転送不要」「転送不可」の郵便物
封筒に「転送不要」や「転送不可」と記載された郵便物は、転送サービスの対象外です。
転送されず、差出人に返送されます。
クレジットカードの更新カードや金融機関からの通知など、本人確認を厳格に行う郵便物にこの記載があることが多いです。
この場合は、差出人(カード会社・金融機関など)に住所変更の届出を直接行いましょう。
6-3. 民間宅配業者の荷物
届かない荷物がヤマト運輸や佐川急便など民間宅配業者のものであれば、そもそも郵便局の転送サービスの対象外です。
民間宅配業者の転送事情については「民間の宅配業者は転送の対象外」をご確認ください。
通販サイトやフリマアプリで注文した商品は、各サービスの会員情報で住所変更を行いましょう。
6-4. 転居者氏名の記載漏れ
転居届の「転居者氏名」欄に名前が記載されていない人の郵便物は、転送の対象になりません。
旧住所に届き続けるか、「あて所なし」として差出人に返送されます。
家族全員分の転送が必要な場合は、全員の名前が記載されているか確認しましょう。
6-5. 事実確認のハガキへの対応
郵便局が転居の事実確認を行うケースがあります。
旧住所や新住所に確認のハガキが届くことがあるので、届いたら速やかに対応しましょう。
この確認が完了するまで転送が開始されない場合があります。
6-6. それでも届かない場合
上記のいずれにも該当しない場合は、郵便局側のミスの可能性もあります。
日本郵便のお客様サービス相談センターに問い合わせましょう。
- 電話
郵便・お荷物について 全日8:00〜21:00 - メール
Webサイトの専用フォームから
7. 転送届の解除・取り消し方法
転送を途中でやめたい場合
転送サービスには、「解除」「中止」の専用手続きは存在しません。
何もしなければ、届出日から1年後に転送が自動的に終了し、旧住所あての郵便物は差出人に返還されるようになります。
旧住所に戻る場合
転居先から旧住所に戻る場合は、改めて新住所→旧住所への転居届を提出してください。
これにより、新住所あての郵便物が旧住所に転送されるようになります。
8. よくある質問(Q&A)
Q. 役所の転居届(住民票の転出届・転入届)と郵便局の転送届は別物?
A. はい、まったくの別物です。
役所に転出届・転入届を出しても、郵便局には情報が伝わりません。
郵便物を新住所に届けてもらうためには、郵便局への転居届を別途提出する必要があります。
Q. ゆうパックや書留も転送される?
A. はい、日本郵便が取り扱う郵便物であれば、ゆうパックや書留も転送されます。
ただし、ゆうパックの場合は腐りやすいもの(冷蔵・冷凍品など)の転送には日数がかかるため注意が必要です。
Q. 海外への転送はできる?
A. いいえ、郵便局の転居・転送サービスは国内の転居のみが対象です。
海外に引っ越す場合は、差出人に直接新住所を伝えるなど、個別の対応が必要です。
Q. 転送届を出すとNHKに住所が伝わる?
A. 転居届に記載された情報が、郵便局から行政機関や企業等の第三者に直接提供されることはありません。
ただし、日本郵便からNHKの住所変更案内などが転居先に届くことがあります。
これはNHKに住所が伝わったのではなく、日本郵便が自社サービスとして各種案内を送付しているものです。
Q. 長期入院中の郵便物を病院に転送できる?
A. はい、入院先の病院の住所を新住所として転居届を出すことで、郵便物を病院に転送してもらえます。
単身赴任や進学と同様に、家族のうち入院する方だけの郵便物を転送する形で手続きが可能です。
Q. 親の郵便物を自分の住所に転送できる?
A. 原則として、郵便物を受け取る本人が実際に住んでいる住所への転送が前提です。
親が介護施設に入居した場合は、施設の住所を新住所として転居届を出すのが適切な方法です。
転送届と一緒に済ませたい引っ越し手続き
郵便局の転送届は引っ越し時の重要な手続きですが、ほかにもやるべきことはたくさんあります。
転送届を出すタイミングで、以下の手続きも漏れなく進めておきましょう。
まとめ
郵便局の転居届(転送届)は、引っ越し時に忘れてはいけない大切な手続きです。
ポイントをおさらいしましょう。
- 役所の転出届・転入届とは別の手続き — 郵便局には自動で情報が伝わらない
- e転居なら最短5分でスマホから申請できる
- 転送開始まで3〜7営業日かかるため、引っ越しの1〜2週間前には届出を済ませる
- 転送期間は届出日から1年間 — 転送開始希望日からではない点に注意
- ヤマト運輸・佐川急便など民間宅配業者は転送の対象外 — 各サービスで住所変更が必要
- 届かないときは「転送不要」郵便・氏名の記載漏れ・反映待ちなどを確認
- 1年後も転送が必要なら、再度転居届を出すだけで延長できる
転居届の手続き自体はとても簡単なので、引っ越しが決まったら早めに済ませておきましょう。
APPENDIX — ゆうIDの作成手順
e転居(オンライン申請)を利用するには、事前にゆうIDを作成しておく必要があります。
ゆうIDの作成自体は本人確認(eKYC)なしで完了します。
本人確認は、e転居の申し込み時に別途実施される流れです。
作成手順
- ゆうIDのページにアクセスし、「ゆうIDを作成する」をクリック
- 利用規約・情報の取り扱いについてを確認し、同意する
- メールアドレスを入力して送信
仮登録メールが届くので、メール内のURLにアクセスする - パスワードを設定する
- お客さま情報登録画面で氏名・電話番号・住所などを入力して登録完了
登録が完了すれば、入力したメールアドレスがゆうIDとして使えるようになります。
e転居の申し込み時に、ゆうIDでログインしたうえでオンライン本人確認(eKYC) を行うと「本人確認済」の状態になり、転居届の申請が可能になります。
