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シロアリ駆除費用は火災保険で出る?相場と雑損控除も解説

シロアリ駆除費用は火災保険で出る?相場と雑損控除も解説
最終更新:2026年6月6日

梅雨から初夏にかけては、羽アリが家のまわりを飛び始めるシーズンです。

「実家の床下でシロアリが見つかり、駆除に30万円と言われた」
「火災保険や地震保険でまかなえないの?」
「補助金や控除で、少しでも安くならない?」
——そんな不安を抱える方は少なくありません。

結論から言うと、シロアリ被害は火災保険・地震保険では原則として補償されません。

ただし、確定申告の「雑損控除」など、費用負担を軽くできる制度はあります。

この手続きガイドでは、シロアリ駆除費用の相場、保険が使えない理由と例外、雑損控除や補助金の活用、そして高額請求を避ける業者選びまで、まとめて解説します。

1. シロアリ駆除費用の相場はいくら?

シロアリ駆除の費用は、施工する床面積(坪数)に「坪単価」をかけて計算するのが基本です。

坪単価の目安は、一般的に 1坪あたり4,000〜10,000円程度 とされています。

公益社団法人日本しろあり対策協会が定める「防除施工標準仕様書」が施工の基準となっており、おおむね1坪あたり8,000円前後を目安とする情報が多くみられます。

坪数別の費用目安

実際の家の広さでみると、おおよそ次のような金額になります。

施工面積費用の目安(坪単価8,000円で計算)
20坪約16万円
30坪約24万円
40坪約32万円

このほかに、基本技術料(2〜3万円程度)が加わることもあります。

「30万円」は必ずしも高すぎるわけではない

シロアリ駆除に30万円と聞くと高額に感じますが、家の広さや被害の範囲によっては妥当な金額のこともあります。

床下に入りにくい構造だったり、被害が柱や土台まで広がっていたりすると、作業の手間が増えて費用が上がります。

また、駆除後の再発を防ぐ予防処理や、5年程度の保証が含まれている場合もあります。

注意

見積書に「シロアリ駆除一式 ◯◯円」とだけ書かれている場合は要注意です。
施工面積・薬剤の種類・保証期間がわからず、金額が妥当か判断できません。
作業ごとの内訳を出してもらいましょう。

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費用をシミュレーションしてみよう

ご自宅の床面積と工法を入力すると、おおよその費用感を確認できます。

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2. シロアリ被害は火災保険・地震保険で補償される?

費用が高額になるため、「火災保険で出ないか」と考える方は多いですが、結論は次のとおりです。

シロアリ被害は、火災保険・地震保険ともに 原則として補償の対象外 です。

火災保険の対象外になる理由

火災保険は、火災・台風・水害など、突発的な事故や災害によって建物や家財に損害が出た場合に補償する保険です。

一方、シロアリ被害は時間をかけて進行する害虫被害・経年劣化とみなされやすく、「予見できた損害」として補償対象から外れるのが一般的です。

地震保険・共済も同じ

地震保険は、地震・噴火・津波による損害に備える保険です。

シロアリが原因で土台が傷んでも、地震が原因ではないため対象になりません。

JA共済の建物更生共済(むてき)などの共済も、シロアリ被害は「建物の管理に起因するもの」として、原則対象外とされています。

重要

害虫(シロアリ・ネズミなど)による建物や家財の被害は、一般的な火災保険・地震保険・共済では補償されないのが原則です。
契約内容によって扱いが異なる場合があるため、自分の保険・共済が対象になるかは加入先に確認しましょう。

3. 例外的に火災保険が使えるケース

シロアリ被害でも、災害が直接の原因になっている場合は、火災保険が使える可能性があります。

災害が原因のシロアリ被害

たとえば、次のようなケースです。

  • 台風で屋根が壊れて雨漏りし、その湿気で木材が腐ってシロアリが発生した
    屋根の修理が火災保険の対象になることがあります。
  • 豪雨・水害で床下が浸水し、湿気からシロアリ被害につながった
    浸水による損害部分が補償対象になることがあります。

ただし、補償されるのは あくまで「災害による損害部分」 であり、シロアリ駆除そのものの費用までは対象にならないことが多い点に注意が必要です。

災害が原因であることの証明が必要

火災保険を使うには、「シロアリ被害が災害によって生じた」ことを証明する必要があります。

自治体が発行する「り災証明書」が必要になる場合もあります。

実際の保険金請求の手続きや、り災証明書の取得方法は、次の手続きガイドが参考になります。

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4. シロアリ駆除費用を確定申告の「雑損控除」で取り戻す

火災保険が使えなくても、確定申告の 「雑損控除」 を使えば、シロアリ駆除費用の一部を所得から差し引いて税負担を軽くできる場合があります。

シロアリ被害は雑損控除の対象になる

国税庁のタックスアンサー(No.1110)では、雑損控除の対象となる損害の原因のひとつに 「害虫などの生物による異常な災害」 が挙げられています。

シロアリ被害はこれに当てはまるため、駆除や修繕にかかった費用が雑損控除の対象になり得ます。

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対象になる費用・ならない費用

すべての費用が対象になるわけではありません。

  • 対象になる費用
    被害が発生した後の、シロアリの駆除費用や被害箇所の修繕費用。
  • 対象にならない費用
    被害が出ていない段階での予防工事の費用。
予防費用は対象外

シロアリの「予防」のための費用は、雑損控除の対象になりません。
あくまで、すでに発生したシロアリ被害への駆除・修繕が対象です。
駆除と予防をまとめて契約した場合は、内訳を分けてもらいましょう。

控除額の計算方法

雑損控除の金額は、次の(1)と(2)のうち 多い方 になります。

  1. (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
  2. (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

シロアリ駆除費用は、主に「災害関連支出」として扱われます。

申告できる人の条件

雑損控除を申告できるのは、損害を受けた資産の所有者で、次のいずれかに当てはまる人です。

  • 納税者本人
    自宅を所有し、自分で駆除費用を負担した場合。
  • 納税者と生計を一にする親族
    総所得金額等が一定額(令和7年分から58万円)以下の配偶者や親族。
注意

賃貸住宅の入居者がシロアリ駆除費用を負担しても、建物の所有者ではないため雑損控除の対象にはなりません。
賃貸での発生時は、まず大家さんや管理会社に連絡しましょう。

災害減免法との選択もできる

その年の所得金額の合計が1,000万円以下の場合は、雑損控除とは別に「災害減免法」による所得税の軽減・免除を選ぶこともできます。

どちらか有利な方を選択できるため、税務署や確定申告書等作成コーナーで両方を試算するとよいでしょう。

申告の手続きと必要書類

雑損控除を受けるには、確定申告が必要です。

  • 確定申告書
    雑損控除に関する事項を記載します。
  • 領収書
    シロアリ駆除・修繕にかかった費用の領収書(添付または提示)。
  • 被害がわかる資料
    業者の調査報告書や被害箇所の写真があると、被害状況の説明に役立ちます。

なお、損失額が大きくてその年の所得から控除しきれない場合は、翌年以後 3年間 にわたって繰り越して控除できます。

5. シロアリ駆除に補助金は使える?

「自治体の補助金で安くならないか」と考える方も多いですが、現実は厳しめです。

シロアリ駆除専用の補助金はほぼない

シロアリ駆除・予防そのものを対象にした補助金は、ごく一部の自治体を除いて、ほとんど存在しないのが実情です。

一般家庭のシロアリ駆除は「通常の住宅メンテナンス」とみなされ、公的な補助の対象になりにくいためです。

耐震改修・リフォーム補助が使える可能性

ただし、シロアリ被害で傷んだ土台の補修が、耐震改修やリフォームの一環と認められる場合には、住宅リフォーム関連の補助金・減税が使える可能性があります。

該当しそうな場合は、次の手続きガイドで対象工事や申請の流れを確認してください。

お住まいの自治体の制度を調べる

シロアリ駆除や害虫駆除に関する助成が、お住まいの自治体にあるかどうかを調べてみましょう。

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6. 高額請求・悪質業者を避ける業者選びのポイント

シロアリ駆除は、不安をあおって高額契約を迫る悪質な業者も一部に存在します。

次のポイントを押さえて、納得できる業者を選びましょう。

  • 2〜3社で相見積もりを取る
    1社だけで決めず、複数の見積もりを比較すると相場感がつかめます。
  • 見積書の内訳を確認する
    施工面積・薬剤の種類・工法・保証期間・作業ごとの金額が明記されているか確認します。
  • 写真付きの調査報告書をもらう
    どこにどんな被害があるかを写真で示してもらうと、施工の必要性を家族で共有できます。
  • 公益社団法人日本しろあり対策協会の登録業者か確認する
    協会の標準仕様書に沿った施工をする業者かどうかの目安になります。
  • その場での即決を迫る業者に注意する
    「今日契約すれば割引」などと急かす業者は、いったん持ち帰って検討しましょう。
無料点検にも冷静に

無料の床下点検をきっかけに、不要な工事まで勧められるケースもあります。
点検結果は鵜呑みにせず、必要に応じて別の業者にも見てもらうと安心です。

7. シロアリ被害のサインと予防・点検

被害を早く見つけ、予防しておくことが、結果的に費用を抑えることにつながります。

シロアリ被害のサイン

次のような兆候があれば、シロアリの可能性があります。

  • 羽アリが大量に発生する
    春から初夏にかけて、家の中や周囲で羽アリを見かける。
  • 蟻道(ぎどう)がある
    基礎や床下に、土でできた細いトンネル状の道がある。
  • 床がきしむ・柱が空洞のような音がする
    木材の内部が食い荒らされているサイン。
  • 湿気が多い場所がある
    浴室まわりや床下など、湿気のたまりやすい場所は被害が出やすい。
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羽アリの見分け方

シロアリの羽アリと、黒っぽいクロアリの羽アリは別物です。

シロアリの羽アリは、胴体にくびれがなく寸胴で、4枚の羽がほぼ同じ大きさです。

種類によって発生時期が異なり、ヤマトシロアリは4〜5月ごろ、被害が大きいイエシロアリは6月以降に羽アリを飛ばします。

予防処理は5年が目安

シロアリの予防処理(薬剤の効果)は、おおむね5年が目安とされています。

新築時や前回の施工から5年が経過したら、点検や再処理を検討するとよいでしょう。

被害が出てから駆除するより、予防のほうが費用を抑えられるケースが多くあります。

8. シロアリ被害を見つけたときの対応の流れ

実際にシロアリや羽アリを見つけたときは、次の順番で落ち着いて対応しましょう。

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  1. 被害状況を確認する
    羽アリや蟻道を見つけても、むやみに崩したり殺虫剤を撒いたりせず、状況を写真に残します。
  2. 複数の業者に点検を依頼する
    1社だけでなく、2〜3社に床下点検を依頼します。
  3. 見積もりを比較する
    内訳・工法・保証を比較し、納得できる業者を選びます。
  4. 契約・施工する
    作業内容と保証内容を書面で確認してから契約します。
  5. 災害が原因なら保険を確認する
    台風・水害などが原因と考えられる場合は、り災証明書の取得や保険金請求を検討します。
  6. 確定申告で雑損控除を検討する
    駆除・修繕費用の領収書を保管し、確定申告で雑損控除が使えるか確認します。

よくある質問(FAQ)

Q. シロアリ駆除費用は火災保険で出ますか?

A. 原則として補償の対象外です。

シロアリ被害は経年劣化・害虫被害とみなされ、火災保険・地震保険ともに原則として補償されません。

ただし、台風や水害など災害が直接の原因と証明できる場合は、災害による損害部分が補償される可能性があります。

Q. 賃貸住宅でシロアリが出たら駆除費用は誰が負担しますか?

A. まずは大家さんや管理会社に連絡してください。

建物の維持管理は基本的に貸主の責任になることが多く、入居者が独断で駆除するとトラブルになる場合があります。

また、入居者が費用を負担しても、建物の所有者ではないため雑損控除の対象にはなりません。

Q. シロアリ予防の費用も雑損控除の対象になりますか?

A. 予防費用は対象外です。

雑損控除の対象になるのは、すでに発生したシロアリ被害への駆除・修繕費用です。

被害が出ていない段階の予防工事は対象になりません。

駆除と予防をまとめて契約した場合は、内訳を分けてもらいましょう。

Q. シロアリ駆除は何年に一度すればよいですか?

A. 予防処理の効果は5年程度が目安です。

薬剤の効果が薄れるため、前回の施工から5年が経過したら点検や再処理を検討するとよいでしょう。

被害が見つかった場合は、年数にかかわらず早めの対応が必要です。

Q. 見積もりが業者によって倍くらい違うのはなぜですか?

A. 工法・薬剤・施工範囲・保証内容が異なるためです。

同じ広さでも、バリア工法かベイト工法か、被害箇所の補修を含むか、保証年数はどうかによって金額は変わります。

安さだけで選ばず、内訳と保証を比較して判断しましょう。

まとめ

シロアリ被害の費用負担について、ポイントを整理します。

  • 費用相場
    坪単価4,000〜10,000円程度が目安。30坪で約24万円前後で、被害が大きいと30万円を超えることもあります。
  • 火災保険・地震保険
    原則として補償対象外。
    台風・水害など災害が直接原因のケースのみ例外的に使える可能性があります。
  • 雑損控除
    シロアリ被害は「害虫による異常な災害」として、駆除・修繕費用が確定申告の雑損控除の対象になり得ます(予防費用は対象外)。
  • 補助金
    シロアリ駆除専用の補助金はほぼなし。
    耐震改修・リフォーム補助が使える可能性は限定的です。
  • 業者選び
    相見積もり・見積書の内訳確認・写真付き調査報告書で、高額請求を避けましょう。

シロアリ被害は放置すると建物の耐久性に関わります。

羽アリを見かけたり床下の異変に気づいたりしたら、早めに点検を受け、保険や税控除も含めて費用負担の軽減策を検討してください。

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