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り災証明書は何に使う?使い道一覧と申請から活用までの手続き

り災証明書は何に使う?使い道一覧と申請から活用までの手続き
最終更新:2026年6月1日

「り災証明書をもらったけど、何に使うのかわからない」
「税務署に持っていったら、今はやることがないと言われた」
——こんな経験をした方は少なくありません。

り災証明書は、災害で受けた被害の程度を市区町村が公的に証明する書類です。

この1枚があることで、税金の減免や支援金の受給保険金の請求など、多くの支援制度を利用できるようになります。

この手続きガイドでは、り災証明書の使い道を網羅的に整理し、取得から活用までの具体的な手続きを解説します。

1. り災証明書とは?基本的な仕組み

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り災証明書は、災害対策基本法(第90条の2)に基づき、市区町村が住家の被害の程度を証明する書類です。

自然災害(地震・台風・水害など)の場合は市区町村の窓口で、火災の場合は消防署で発行されます。

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被害認定の6段階

市区町村の調査員が内閣府の基準に基づいて現地調査を行い、以下の6段階で被害の程度を認定します。

被害の程度損害割合主な状態
全壊50%以上住宅の基本的機能を喪失
大規模半壊40%以上50%未満大規模な補修で居住可能
中規模半壊30%以上40%未満相当規模の補修が必要
半壊20%以上30%未満補修すれば居住可能
準半壊10%以上20%未満一定の補修が必要
準半壊に至らない(一部損壊)10%未満軽微な被害

この判定結果によって、受けられる支援の内容や金額が大きく変わります。

り災証明書と被災証明書の違い

  • り災証明書
    「住家」の被害の程度を6段階で証明する。
    被災者支援制度の多くはこちらが必要。
  • 被災証明書
    住家以外(車、家財、店舗、倉庫など)の被害を受けた「事実」を証明する。
    被害の程度は証明しない。
被害状況は必ず写真で記録

り災証明書の申請前に、被害箇所をすべて写真で撮影しておきましょう。
「建物の全景」「被害を受けた各箇所の近景」「浸水の場合はメジャーを当てた水位」の3種類が必要です。
修理や片付けの前に撮影することが重要です。

2. り災証明書の使い道一覧

り災証明書は、以下のような場面で「被災した事実と被害の程度」を証明するために使います。

使い道提出先概要
雑損控除の確定申告税務署所得税の控除を受ける
災害減免法の適用税務署所得税の軽減・免除
住民税・固定資産税の減免市区町村地方税の減免申請
被災者生活再建支援金市区町村最大300万円の支給
災害義援金の受け取り市区町村義援金の配分申請
応急仮設住宅への入居市区町村仮設住宅の入居申込
災害復興住宅融資住宅金融支援機構低金利の住宅融資
火災保険・地震保険の請求保険会社保険金の請求手続き
勤務先の見舞金・助成金勤務先各種手当の申請
国民健康保険料の減免市区町村保険料の減免申請
介護保険料の減免市区町村保険料の減免申請
高速道路の無料措置NEXCO等被災地の通行料免除
公共料金の減免各事業者電気・ガス・水道の減免
通帳・身分証の再発行銀行等本人確認書類として使用
り災証明書は複数枚もらえる

り災証明書は1通だけではなく、必要な枚数を発行してもらえます。
提出先ごとに必要になるため、あらかじめ多めに申請しておくと便利です。
コピー(写し)でも可とされる場合もあるので、提出先に確認してください。

3. 被害程度別に受けられる支援

被害認定の結果によって、利用できる支援制度が異なります。

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4. 雑損控除で税金を取り戻す手続き

災害による損害を受けた場合、確定申告で「雑損控除」を申告することで、所得税を減らすことができます。

雑損控除の対象

以下のすべてに該当する損害が対象です。

  • 損害の原因
    災害(自然災害・火災)、盗難、横領のいずれか
  • 資産の所有者
    納税者本人、または生計を一にする配偶者・親族(総所得金額等58万円以下)
  • 資産の種類
    生活に必要な住宅・家財(事業用資産・棚卸資産・贅沢品は対象外)

控除額の計算方法

次の(1)と(2)のうち大きい方が雑損控除額になります。

  1. (損害金額 + 災害等関連支出 - 保険金等) - 総所得金額等 × 10%
  2. (災害関連支出 - 保険金等) - 5万円

用語の説明

  • 損害金額
    被害を受けた資産の時価をもとに計算した損害の額
  • 災害等関連支出
    災害で壊れた資産の取壊し費用、除去費用、原状回復費用など
  • 保険金等
    火災保険・地震保険などで受け取った保険金や損害賠償金

確定申告の手順

  1. 被害を受けた資産の損害金額を計算する
  2. 災害に関連して支出した費用の領収書を集める
  3. 保険金等で補てんされた金額を確認する
  4. 確定申告書に雑損控除の金額を記載する
  5. り災証明書(コピー可)と領収書を添付して提出する
翌年以後3年間の繰越が可能

損失額が大きく、その年の所得から控除しきれない場合は、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができます。
東日本大震災や令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害の場合は5年間に延長されます。

事業用資産の場合

事業用の建物や設備(店舗・事務所・機械など)が火災で損害を受けた場合、雑損控除ではなく事業所得の必要経費として損失を計上します。

この場合も、り災証明書は「火災による損害の発生事実」を証明する書類として保存が必要です。

5. 災害減免法で所得税を軽減する方法

雑損控除とは別に、「災害減免法」による所得税の軽減・免除を選択できます。

適用条件

以下のすべてを満たす場合に適用できます。

  • 災害により住宅または家財に損害を受けた
  • 損害金額(保険金等を差し引いた後)がその時価の2分の1以上
  • その年の所得金額の合計額が1,000万円以下

軽減される所得税の額

所得金額の合計額軽減・免除される所得税額
500万円以下所得税の全額が免除
500万円超〜750万円以下所得税額の2分の1
750万円超〜1,000万円以下所得税額の4分の1
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雑損控除と災害減免法の選択基準

項目雑損控除災害減免法
対象所得制限なし1,000万円以下
控除の仕組み所得から控除税額から免除
繰越3年間(5年間)繰越可繰越不可(その年のみ)
対象資産生活用資産全般住宅と家財のみ
有利なケース損害額が大きい場合所得が低く損害額が中程度の場合

確定申告の際に、両方で計算してみて有利な方を選択してください。

一度選択した後でも、修正申告や更正の請求で変更することが可能です。

6. 被災者生活再建支援金の申請手続き

自然災害により住宅が全壊するなど大きな被害を受けた世帯に対し、最大300万円の支援金が支給される制度です。

支給額

支援金は「基礎支援金」と「加算支援金」の合計額です。

区分基礎支援金加算支援金(建設・購入)加算支援金(補修)加算支援金(賃借)
全壊100万円200万円100万円50万円
大規模半壊50万円200万円100万円50万円
中規模半壊100万円50万円25万円
補足
  • 上記は複数世帯の場合。単数世帯は各金額の3/4
  • 半壊でやむを得ず住宅を解体した場合は「解体世帯」として全壊と同等の支援

申請に必要な書類

  • り災証明書
  • 住民票の写し(個人番号記載で省略可能な場合あり)
  • 預金通帳の写し
  • 解体世帯の場合: 解体証明書または滅失登記簿謄本
  • 加算支援金: 契約書等の写し(建設・購入・補修・賃借の契約)

申請先と期限

  • 申請先
    被災当時にお住まいの市区町村
  • 基礎支援金の申請期限
    災害発生日から13ヶ月以内
  • 加算支援金の申請期限
    災害発生日から37ヶ月以内
火災は対象外の場合がある

被災者生活再建支援金は、自然災害(地震・台風・豪雨など)が対象です。
火災単独の場合は原則として対象外ですが、大規模火災が「自然災害に準じる」と認められた場合は適用されることがあります。
火災の場合は、自治体独自の見舞金制度がないか確認してください。

7. り災証明書の申請方法

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自然災害の場合

項目内容
申請先被災した住宅のある市区町村の窓口
申請者被災した世帯の世帯主(同一世帯の親族も可)
必要書類本人確認書類、被害箇所の写真
費用無料
申請期限自治体により異なる(多くは被災後1〜3ヶ月)

火災の場合

項目内容
申請先管轄の消防署
申請者被災した建物の所有者または居住者
必要書類本人確認書類、印鑑(自治体による)
費用無料
申請期限自治体により異なる

被害写真の撮り方

申請の際に被害状況がわかる写真が必要です。

以下の3種類を修理や片付けの前に撮影してください。

  • 建物の全景
    4方向(東西南北)から建物全体を撮影
  • 被害箇所の近景
    被害を受けた各箇所を1〜2メートルの距離で撮影
  • 浸水の場合
    メジャーや定規を当てて浸水の高さがわかるように撮影
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8. 「何もないと言われた」ときの対処法

「り災証明書を持って税務署や市役所に行ったが、『今は手続きすることがない』と言われた」というケースがあります。

これは、り災証明書が「その場ですぐ使う書類」ではない場合が多いためです。

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り災証明書を使うタイミング

手続き使うタイミング
雑損控除翌年2〜3月の確定申告時
災害減免法翌年2〜3月の確定申告時
予定納税の減額申請予定納税の期限前
住民税の減免減免申請書の提出時
固定資産税の減免減免申請書の提出時
被災者生活再建支援金申請書の提出時(災害後随時)
保険金の請求保険会社への請求時

被災直後にすべきこと

り災証明書を取得したら、すぐに使わなくても以下のことをしてください。

  • り災証明書を大切に保管する(複数枚あると便利)
  • 被害状況の写真を残しておく
  • 修繕・片付け・取壊しにかかった費用の領収書を保管する
  • 保険金の受取額を記録しておく
  • 確定申告の時期(翌年2〜3月)に税務署へ行く予定を立てる
  • 自治体の被災者向け支援制度の一覧を確認する
事業主の場合は早めに税理士に相談

事業用資産(店舗・設備など)が被害を受けた場合、損失の計上方法や予定納税の減額申請など、早い段階で対応が必要な手続きがあります。
顧問税理士がいる場合は早めに相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 賃貸に住んでいてもり災証明書は発行される?

A. はい、賃貸でも発行されます。

り災証明書は「住家の被害の程度」を証明するものであり、持ち家か賃貸かは問いません。

賃貸住宅に住んでいて被害を受けた場合も、住んでいる世帯の世帯主が申請できます。

Q. り災証明書と被災証明書はどちらを申請すべき?

A. まずはり災証明書を申請してください。

「住家」に被害がある場合はり災証明書が必要です。

被災者生活再建支援金や税金の減免など、主な支援制度はり災証明書を求めます。

住家以外(車、家財道具、店舗など)の被害のみの場合は被災証明書を申請します。

両方に被害がある場合は、両方とも申請しておきましょう。

Q. 判定結果に不服がある場合はどうする?

A. 再調査(2次調査)を申請できます。

1次調査の結果に納得できない場合は、市区町村に再調査を依頼できます。

2次調査ではより詳細な調査(内部立入調査など)が行われます。

それでも不服がある場合は、審査請求などの手続きが可能な自治体もあります。

Q. 火災保険の請求にり災証明書は必須?

A. 必須ではありませんが、あると手続きがスムーズです。

火災保険・地震保険の請求では、保険会社が独自に損害査定を行います。

り災証明書の判定と保険の査定結果は必ずしも一致しません。

ただし、り災証明書を添付することで被害の事実証明として役立ち、手続きがスムーズになる場合があります。

Q. 申請期限を過ぎてしまった場合はどうなる?

A. 自治体に相談してください。

り災証明書の申請期限は自治体ごとに異なりますが、期限を過ぎると原則として申請できなくなります。

ただし、特段の事情がある場合は柔軟に対応してもらえることもあるため、まずは窓口に相談してみましょう。

なお、雑損控除は確定申告の期限(原則3月15日)までに申告すれば適用を受けられます。

まとめ

り災証明書は、災害後に受けられるさまざまな支援の「入口」となる重要な書類です。

取得した直後に使い道がないように感じても、確定申告時の雑損控除や、各種支援金の申請など、後から必要になる場面が多くあります。

り災証明書を活用するためのチェックリスト

  • 被害写真を修理前に撮影する
  • り災証明書を申請する(自然災害:市区町村 / 火災:消防署)
  • 修繕・片付けの費用の領収書を保管する
  • 保険金の請求手続きを進める
  • 住民税・固定資産税の減免を自治体に確認する
  • 該当する場合は被災者生活再建支援金を申請する
  • 確定申告で雑損控除または災害減免法を選択して申告する

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