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敷金が返ってこない!退去費用の相場と原状回復トラブルの対処法

敷金が返ってこない!退去費用の相場と原状回復トラブルの対処法
最終更新:2026年4月27日

「退去費用が23万円と言われた…」
「敷金が1円も戻ってこない…」

賃貸物件から引っ越すとき、高額な退去費用を請求されて困惑する方は少なくありません。

実は、2020年の民法改正で「通常の使用による損耗や経年変化は借主の負担ではない」ことが法律で明文化されました。

さらに、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、貸主と借主の費用負担のルールが詳しく定められています。

この手続きガイドでは、退去費用の相場や原状回復の基本ルール、高すぎる請求への具体的な対処法(交渉・消費者センターへの相談・少額訴訟)まで、ステップごとにわかりやすく解説します。

1. 敷金と退去費用の基本ルール

まずは「そもそも敷金とは何か」「退去費用はどう決まるのか」という基本を押さえましょう。

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1-1. 敷金とは「預けているお金」

敷金とは、賃貸借契約にもとづいて借主が貸主に預ける保証金のことです。

2020年4月施行の改正民法(第622条の2)で、はじめて「敷金」が法律上定義されました。

敷金の法律上の定義(民法第622条の2)

賃料債務やその他の賃貸借に基づく債務を担保する目的で、借主が貸主に交付する金銭のこと。
賃貸借が終了し、かつ物件の返還を受けたときは、未払い賃料等を差し引いた残額を返還しなければならない。

つまり、敷金は退去後に返ってくるのが原則です。

「敷金は返ってこないのが普通」と思っている方もいるかもしれませんが、法律上は、未払い賃料や借主の過失による修繕費を差し引いた残額は、貸主に返還義務があります。

1-2. 原状回復とは「新品に戻すこと」ではない

退去時に耳にする「原状回復」という言葉。

「借りた当時の状態に戻すこと」だと思われがちですが、それは誤解です。

改正民法(第621条)では、原状回復義務について次のように定められています。

原状回復義務の範囲(民法第621条)

借主は、物件に生じた損傷を原状に復する義務を負う。
ただし、通常の使用及び収益によって生じた損耗(通常損耗)や経年変化は除く
また、借主の責めに帰することができない事由による損傷も対象外。

つまり、普通に暮らしていて生じた汚れや傷の修繕費を借主が負担する必要はありません

1-3. 退去費用の相場

退去費用の相場は、物件の広さ・居住年数・損耗の状態によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

間取り退去費用の相場
ワンルーム・1K2万〜5万円
1DK・1LDK3万〜8万円
2DK・2LDK4万〜10万円
3DK・3LDK以上6万〜15万円

上記はあくまで目安であり、居住年数が短い場合やペットを飼っていた場合、喫煙していた場合などは高額になることがあります。

注意

この相場を大幅に超える退去費用を請求された場合は、請求内容が適切かどうかを確認しましょう。
具体的な対処法は「5. 退去費用が高すぎると感じたときの対処法」で解説しています。

2. 原状回復ガイドラインのポイント - 貸主負担と借主負担の境界線

退去費用が適切かどうかを判断するうえで、最も重要な基準となるのが国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)です。

2-1. ガイドラインの位置づけ

このガイドラインは法律ではありませんが、裁判所も判断基準として参照する重要な指針です。

平成10年(1998年)に策定され、平成16年(2004年)に改訂、平成23年(2011年)に再改訂されています。

賃貸借契約はいわゆる「契約自由の原則」に基づきますが、契約書の条文があいまいな場合や問題がある場合は、このガイドラインを参考に話し合うことが推奨されています。

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2-2. 貸主(大家)が負担するもの

以下は通常損耗や経年変化に該当し、原則として貸主が負担するものです。

  • 壁紙(クロス)の変色・日焼け
    日照による自然な変色は経年変化
  • 家具の設置跡(床のへこみ・カーペットの跡)
    冷蔵庫やベッドの重みによるへこみは通常の使用
  • テレビ・冷蔵庫の背面の電気焼け(黒ずみ)
    電化製品の使用による自然な現象
  • 画びょう・ピンの穴
    ポスターやカレンダーの掲示は通常の使用の範囲
  • フローリングのワックスがけ
    物件の価値を高める行為は貸主負担
  • 網戸の張り替え
    経年劣化による破れは貸主負担
  • 鍵の交換(紛失以外)
    防犯上の理由による交換は貸主負担
  • エアコンの内部洗浄(通常使用)
    日常的な使用による汚れは経年変化

2-3. 借主が負担するもの

以下は借主の故意・過失や善管注意義務違反に該当し、借主が負担するものです。

善管注意義務とは、「一般的に求められる程度の注意を払って物件を使用・管理する義務」のことです。

簡単にいえば、普通に気をつけていれば防げたはずの汚れや傷は、借主の責任になるということです。

  • タバコのヤニ汚れ・におい
    喫煙による壁紙の黄ばみやにおいは善管注意義務違反
  • ペットによる傷・におい
    ペット可物件であっても、柱や壁への傷は借主負担
  • 引っ越し作業でつけた傷
    家具搬入・搬出時の不注意による傷
  • 釘穴・ネジ穴(下地ボードまで達するもの)
    画びょう程度は貸主負担だが、大きな穴は借主負担
  • 飲み物をこぼした後のシミ・カビ
    こぼした後に手入れをせず放置した場合
  • 結露を放置したことによるカビ
    日常的な手入れを怠った場合は善管注意義務違反
  • 鍵の紛失による交換
    借主の不注意による紛失

2-4. 判断に迷いやすいケース

項目判断理由
壁紙の軽い汚れ(手垢など)貸主負担通常の生活で生じる汚れ
台所の油汚れ(掃除不足)借主負担日常の手入れ不足は善管注意義務違反
日焼けによるフローリングの変色貸主負担日照による自然現象
家具を引きずった傷借主負担不注意による損傷
エアコンの水漏れ跡貸主負担設備の経年劣化(※報告義務あり)
地震で割れたガラス貸主負担借主の責めに帰せない事由

2-5. 東京都賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)

東京都では2004年に「東京都賃貸住宅紛争防止条例」(通称: 東京ルール)が施行されています。

この条例では、宅地建物取引業者(不動産会社)に対し、賃貸借契約を結ぶ前に退去時の原状回復や費用負担について書面で説明する義務を課しています。

契約前に十分な説明がなかった場合は、退去費用の交渉で有力な根拠になります。

東京都に住んでいる方は、東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」も確認してみてください。

3. 耐用年数と経過年数の考え方 - 長く住むほど負担は減る

借主に原状回復義務があるケースでも、修繕費の全額を負担する必要はありません

ガイドラインでは、設備や内装の「耐用年数」を基準に、経過年数に応じて借主の負担割合を減らす考え方を採用しています。

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3-1. 主な設備・内装の耐用年数

耐用年数該当する設備・内装
5年流し台
6年壁紙(クロス)、クッションフロア、畳床、エアコン、給湯器、ガスコンロ、温水洗浄便座
15年便器、洗面台、システムキッチン、給排水設備、照明器具
建物の耐用年数フローリング、ユニットバス、浴槽、玄関ドア、室内ドア、窓ガラス

※建物の耐用年数: 木造22年、軽量鉄骨造27年、重量鉄骨造34年、RC造(鉄筋コンクリート)47年

3-2. 耐用年数による負担割合の計算例

壁紙(クロス)の耐用年数は6年です。

6年で残存価値が1円になる計算なので、入居年数が長いほど借主の負担割合は下がります。

例: クロスの張替え費用が5万円の場合

居住年数借主の負担割合借主の負担額
1年約83%約41,500円
2年約67%約33,500円
3年約50%約25,000円
4年約33%約16,500円
5年約17%約8,500円
6年以上原則0%(※)原則0円(※)
6年以上住んでいたらクロス代はゼロ?

耐用年数6年を超えると残存価値は1円(≒0%)になりますが、善管注意義務は継続します。
故意の落書きや著しい汚損など、悪質なケースでは耐用年数経過後も一定の負担を求められることがあります。

3-3. フローリングの負担単位

フローリングは建物の耐用年数が適用されるため、長期間にわたって残存価値が残ります。

ただし、補修は原則として毀損部分に限定(1㎡単位)されます。

部分的な傷のために部屋全体のフローリングを張り替える費用を請求された場合は、ガイドラインの「最低限度の施工単位」の考え方を根拠に交渉できます。

4. クリーニング特約の落とし穴

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退去時に「ハウスクリーニング代」を請求されるケースは非常に多いですが、これには注意が必要です。

4-1. 原則は貸主負担

ガイドラインでは、普通に住んでいて生じる汚れのクリーニング費用は賃料に含まれる(=貸主負担)としています。

4-2. 「クリーニング特約」があると借主負担になる

ただし、賃貸借契約書にクリーニング特約(退去時のハウスクリーニング費用を借主が負担する旨の特約)がある場合は、借主負担となるのが一般的です。

ほとんどの賃貸借契約書にはこの特約が含まれています。

4-3. 特約が無効になるケース

クリーニング特約があっても、以下のような場合は無効と判断される可能性があります。

  • 金額が具体的に記載されていない
    「クリーニング代は借主負担」とだけ書かれ、金額が不明確な場合
  • 金額が不当に高い
    相場を大幅に超える金額の場合(例: ワンルームで5万円以上など)
  • 契約時に十分な説明がなかった
    特約の内容を理解できないまま契約させられた場合
ポイント

契約書を手元に用意して、クリーニング特約の有無と金額を確認しましょう。
特約がある場合でも、金額が相場より大幅に高ければ交渉の余地があります。

5. 退去費用が高すぎると感じたときの対処法

退去費用の請求額に納得がいかない場合、以下の5つのステップで段階的に対処していきましょう。

退去費用を放置するのは危険です

請求に納得がいかないからといって、退去費用を無視・放置してはいけません。
保証会社が立替払い(代位弁済)を行い、信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆるブラックリスト)リスクがあります。
今後のクレジットカード審査やローン審査に影響する恐れがあるため、「放置」ではなく「正当な手段で交渉」しましょう。

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5-1. まずは退去立会いと証拠を残す

退去時に最も重要なのは、退去立会いで部屋の状態を記録に残すことです。

退去立会いでやるべきこと

  1. 管理会社(または大家)と一緒に部屋の状態を確認する
  2. すべての部屋の写真・動画を撮影する(日付入りが望ましい)
  3. 傷や汚れの箇所を一つひとつ確認し、入居前からあったものは申し出る
  4. 見積書や精算書をその場でもらう(後日発行の場合は期限を確認)
  5. 「入居時の状態確認書」があれば持参する

精算書のチェックポイント

  • 各項目の単価と数量は妥当か
  • 通常損耗に該当する項目が含まれていないか
  • 耐用年数が考慮されているか(経過年数に応じた負担割合になっているか)
  • 施工単位は最小限か(壁紙1面の汚れで全室張替えになっていないか)

5-2. 管理会社・大家との交渉

精算書に納得がいかない場合は、まず管理会社や大家と直接交渉しましょう。

交渉で伝えるべき3つの法的根拠

  1. 民法第621条
    通常損耗・経年変化は借主の原状回復義務から除外されること
  2. 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
    貸主負担と借主負担の基準、耐用年数による負担割合の考え方
  3. 消費者契約法第10条
    消費者の利益を一方的に害する条項は無効になる可能性
交渉のコツ

感情的にならず、「精算書の内訳と根拠を確認させてください」と冷静に伝えるのがポイントです。
「ガイドラインではこの項目は貸主負担とされていますが、いかがでしょうか」と具体的に指摘しましょう。
SNSでは、法的根拠を示しただけで減額に応じてもらえたという声も多く見られます。

5-3. 消費生活センターへの相談

管理会社や大家との交渉がうまくいかない場合は、消費生活センターに相談しましょう。

消費者ホットライン「188」(いやや)

全国共通の電話番号188に電話すると、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口に自動でつながります。

相談員がトラブルの内容を聞き取り、解決のための助言を行ってくれます。

必要に応じて、管理会社や大家へのあっせん(仲介)も対応してもらえる場合があります。

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5-4. 内容証明郵便で敷金返還請求

交渉が平行線のまま進まない場合は、内容証明郵便で正式に敷金の返還を請求する方法があります。

内容証明郵便を送る効果

  • 法的な証拠として、いつ・何を請求したかが記録に残る
  • 相手方に「法的手段も辞さない」という意思を伝えられる
  • 少額訴訟に進む際の証拠書類になる

内容証明郵便には、返還を求める金額・根拠(民法621条・ガイドライン)・回答期限を明記します。

5-5. 少額訴訟で敷金返還を求める

内容証明を送っても解決しない場合、最終手段として少額訴訟を検討しましょう。

少額訴訟の前に、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談を利用するのもおすすめです。

電話番号は0570-078374(おなやみなし)で、収入・資産が一定以下の方は弁護士や司法書士への無料相談が受けられます。

少額訴訟とは

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払い請求について、原則1回の審理で解決を図る裁判手続きです。

弁護士に依頼せず、自分で手続きできるのが特徴です。

手続きの流れ

  1. 簡易裁判所に訴状を提出
    相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に、訴状と証拠書類を提出
  2. 審理(口頭弁論)
    1回の審理で、双方の主張と証拠を調べる
  3. 判決または和解
    判決が出るか、話し合いで和解が成立する

費用の目安

項目金額
収入印紙(訴額10万円以下)1,000円
収入印紙(訴額10〜20万円)2,000円
収入印紙(訴額20〜30万円)3,000円
収入印紙(訴額30〜40万円)4,000円
収入印紙(訴額40〜50万円)5,000円
収入印紙(訴額50〜60万円)6,000円
郵便切手約3,000〜5,000円

合計で1万円前後の費用で訴えを起こせます。

準備すべき証拠

  • 賃貸借契約書
  • 退去時の精算書・見積書
  • 入居時・退去時の写真(部屋の状態がわかるもの)
  • 管理会社とのやり取り記録(メール・書面)
  • 内容証明郵便の控え
  • 国交省ガイドラインの該当箇所のコピー
少額訴訟の注意点
  • 被告(相手方)が異議を申し立てると、通常訴訟に移行することがあります
  • 同じ簡易裁判所での利用は年10回まで
  • すべての証拠を最初の期日までに提出する必要があります
  • 判決で分割払いや支払猶予が命じられることもあります

6. 退去前にやっておくべきトラブル予防策

退去時のトラブルは、入居時の準備で大幅に防げます。

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6-1. 入居時に部屋の状態を記録する

入居したらすぐに、部屋のすべての場所を写真・動画で記録しましょう。

  • 壁、床、天井の傷・汚れ
  • 水回り(キッチン・浴室・トイレ)の状態
  • 設備(エアコン・給湯器・換気扇)の動作確認
  • 窓ガラスのヒビ、網戸の破れ

撮影日が証明できるよう、日付入りの写真か、写真の撮影日時データが残る形で保存してください。

管理会社から「入居時状態確認書」が配布される場合は、細かくチェックして返送しましょう。

6-2. 退去前の掃除で費用を抑える

退去前にしっかり掃除しておくことで、追加のクリーニング費用を抑えられます。

重点的に掃除すべき場所:

  • キッチンの油汚れ(コンロ周り・換気扇)
    放置すると善管注意義務違反と判断されやすい
  • 浴室のカビ
    日常的な手入れ不足と見なされる場合がある
  • トイレの水垢・黄ばみ
    こまめな掃除で防げる汚れ
  • 窓のサッシ・ベランダ
    砂ぼこりの蓄積は通常損耗だが、清掃しておくと印象がよい

6-3. 契約書の特約を退去前に確認する

退去の1〜2ヶ月前に、賃貸借契約書の特約事項を確認しておきましょう。

  • クリーニング特約の有無と金額
  • 敷金の償却(敷引き)に関する条項
  • 退去時の通知期限(通常は1〜2ヶ月前)
  • 原状回復に関する特別な取り決め

よくある質問(FAQ)

Q. 敷金は返ってこないのが普通ですか?

A. いいえ、敷金は退去後に返還されるのが原則です。

民法第622条の2で、貸主は賃貸借終了後に未払い賃料等を差し引いた残額を返還する義務があると定められています。

ただし、借主の過失による修繕費やクリーニング特約に基づく費用は差し引かれます。

Q. 退去費用が高すぎる場合、どこに相談すればいいですか?

A. まずは消費者ホットライン「188」に電話してください。

最寄りの消費生活センターにつながり、専門の相談員が助言してくれます。

相談は無料です。

管理会社との交渉が難航する場合は、あっせん(仲介)を依頼できるケースもあります。

Q. 6年以上住んでいたらクロスの修繕費はゼロですか?

A. ガイドラインの計算上は、負担割合が原則ゼロになります。

壁紙(クロス)の耐用年数は6年で、6年を超えると残存価値は1円(≒0%)です。

ただし、善管注意義務は居住中ずっと続きます。

故意の落書きや著しい汚損など、悪質な毀損があった場合は、耐用年数を過ぎていても一定の費用負担を求められることがあります。

Q. 退去立会いをしなかった場合はどうなりますか?

A. 立会いなしでも退去費用は請求される可能性があります。

立会いを行わなかった場合、管理会社が独自に部屋の状態を確認し、一方的に精算書を送ってくるケースがあります。

入居時からあった傷や汚れを、退去時の損傷として請求されるリスクが高まります。

退去立会いは必ず参加し、部屋の状態を双方で確認することをおすすめします。

Q. 敷金返還請求の時効は何年ですか?

A. 退去日(物件返還日)から5年です。

2020年施行の改正民法(第166条)に基づき、敷金返還請求権は権利を行使できるときから5年で時効にかかります。

「いつか返してもらおう」と放置していると時効になってしまうため、退去後1〜2ヶ月を過ぎても返金されない場合は早めに問い合わせましょう。

Q. 敷金ゼロの物件でも退去費用はかかりますか?

A. はい、敷金ゼロでも退去費用が請求されるケースはあります。

敷金ゼロ物件でも、借主の過失による修繕費やクリーニング特約に基づく費用は別途請求されます。

敷金がないぶん退去時に相殺ができないため、一括で支払いを求められることもあります。

「敷金ゼロ=退去費用ゼロ」ではない点に注意しましょう。

Q. 少額訴訟で負けることはありますか?

A. 証拠が不十分な場合や、借主に過失がある場合は敗訴の可能性があります。

少額訴訟で勝つためには、入居時の写真・契約書・精算書・ガイドラインの該当箇所などの証拠をしっかり準備することが重要です。

また、被告(貸主側)が異議を申し立てた場合は通常訴訟に移行するため、手続きが長引くリスクもあります。

まとめ

敷金や退去費用のトラブルは、賃貸暮らしで最も多い紛争の一つです。

しかし、民法や国交省ガイドラインを知っていれば、不当な請求に泣き寝入りする必要はありません

押さえておきたいポイント:

  • 敷金は退去後に返還されるのが原則(民法第622条の2)
  • 通常損耗・経年変化の修繕費は貸主負担(民法第621条)
  • 借主の負担額は耐用年数を考慮して減額される(クロスは6年で原則ゼロ)
  • 退去費用に納得できない場合は、段階的に対処する
    1. 精算書の内訳と根拠を確認
    2. 管理会社・大家と交渉(法的根拠を示す)
    3. 消費生活センターに相談(188)
    4. 内容証明郵便で正式に請求
    5. 少額訴訟(60万円以下、費用約1万円)
  • 入居時に部屋の状態を写真で記録しておくことが最大の予防策

請求書が届いたら、まずは落ち着いて内訳を確認してください。

「普通に住んでいただけ」なら、負担すべき金額は思ったより少ないかもしれません。

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