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賃貸トラブルを防ぐ!契約時の確認事項と入居時チェックリスト

賃貸トラブルを防ぐ!契約時の確認事項と入居時チェックリスト
最終更新:2026年5月18日

「契約書のどこを見ればいいの?」
「入居したけど、最初からあった傷なのに退去時に請求されたらどうしよう…」
「設備が壊れたけど、自分で直すの?」
——初めての賃貸暮らしでは、こうした不安を抱える方が少なくありません。

実は、退去時のトラブルの多くは「契約前〜入居時の行動」で防げます。

この手続きガイドでは、賃貸契約前に確認すべきポイント、入居当日のチェックリスト、入居中に起きがちなトラブルの対処法までを網羅的に解説します。

賃貸契約前に確認すべき5つの重要ポイント

賃貸借契約書にサインする前に、以下の5つは必ず確認しましょう。

「あとから知った」では取り返しがつかないケースもあります。

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1. 禁止事項

物件ごとに禁止されている行為が異なります。

  • ペットの飼育(種類・頭数制限がある場合も)
  • 楽器の演奏(時間帯制限か全面禁止か)
  • 同居人の追加・ルームシェア
  • 石油ストーブなど火気の使用
  • ベランダでの喫煙
注意

禁止事項に違反すると「契約解除」となる可能性があります。
口頭での説明だけでなく、契約書の文面で確認しましょう。

2. 修繕負担の範囲

設備が壊れたときの費用負担は、契約書に明記されています。

  • 貸主(大家)負担が原則のもの
    エアコン、給湯器、水道の蛇口、備え付け照明、インターホンなど
  • 借主負担になりやすいもの
    電球・蛍光灯の交換、排水口のつまり(借主の使い方が原因の場合)、鍵の紛失

契約書の「設備一覧」と「修繕負担区分」の記載を確認してください。

3. 特約条項

特約とは、通常のルールとは異なる条件を定めた追加条項です。

よくある特約の例:

  • 退去時のハウスクリーニング代は借主負担(相場: 1K〜1DKで3〜5万円)
  • 鍵交換費用は借主負担
  • 退去時の畳表替え・襖張替えは借主負担
  • エアコンクリーニング代は借主負担
重要

特約に同意してサインすると、国土交通省のガイドラインよりも借主に不利な条件であっても原則有効です。
特約の内容を理解し、納得したうえで契約しましょう。

4. 解約予告期間

退去する場合、事前に管理会社や大家へ「解約予告」が必要です。

一般的な予告期間は1〜2ヶ月前ですが、契約書によって異なります。

契約書の「解約」に関する条項を確認し、必要な予告期間を把握しておきましょう。

詳しくは「解約予告期間の落とし穴」で解説します。

5. 更新料と更新条件

一般的な賃貸借契約(普通借家契約)では2年ごとの更新が多く、更新時に費用がかかることがあります。

  • 更新料の相場: 家賃1ヶ月分(地域によって異なる)
  • 更新事務手数料が別途かかる場合もある
  • 更新時に賃料の見直し(値上げ)が行われるケースがある
ポイント

更新料の有無や金額は契約書に明記されています。
「更新料なし」の物件もあるので、契約前に確認しましょう。

原状回復のルールを知っておこう

退去時に最もトラブルになるのが「原状回復費用」の請求です。

しかし、原状回復の基本ルールを入居前に知っておけば、不当な請求を防げます。

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原状回復とは

原状回復とは「借りた当時の状態に戻す」ことではありません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を以下のように定義しています。

重要

原状回復とは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える使用による損耗・毀損を復旧することです。
通常の使用による損耗や経年劣化の修繕費用は、賃料に含まれるものとされています。

貸主負担と借主負担の区分

区分具体例負担者
通常損耗・経年劣化日焼けによる壁紙の変色、家具設置による床のへこみ、画鋲の穴貸主
故意・過失による損耗タバコのヤニ汚れ、ペットによる傷、飲み物をこぼしたシミの放置借主
管理不備による拡大結露を放置してカビが広がった、水漏れを報告せず被害拡大借主

経過年数による負担割合

借主負担が発生する場合でも、設備の経過年数に応じて負担額は減少します。

例えば壁紙(クロス)の耐用年数は6年とされ、入居6年以上経過した場合、借主が故意に傷つけても残存価値はほぼゼロとして計算されます。

敷金返還のルール

敷金とは、家賃の滞納や部屋の損傷に備えて借主が貸主に預けるお金です。

2020年4月施行の改正民法(第622条の2)により、敷金の返還ルールが法律に明文化されました。

  • 賃貸借が終了し、物件を返還したとき、貸主は敷金を返還する義務がある
  • 敷金から差し引けるのは、借主の故意・過失による損耗の修繕費用のみ
  • 通常損耗・経年劣化分は敷金から差し引けない
  • 返還時期の目安は退去後1〜2ヶ月程度(契約書で確認)

特約がある場合の注意

ガイドライン自体に法的拘束力はありませんが、2020年4月施行の改正民法(第621条)により「通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化」については借主に原状回復義務がないことが法律に明文化されています。

つまり、ガイドラインの基本的な考え方は法律の裏付けを持っています。

それでも、契約書の特約でガイドラインと異なる取り決めがある場合は、特約の内容が優先されることがあります。

ただし、借主にあまりにも不利な特約は無効になることもあるため、納得できない場合は契約前に交渉するか、契約自体を見送ることも選択肢です。

入居前〜入居当日の室内チェックリスト

入居時に部屋の状態を記録しておくことは、退去時のトラブル防止に最も効果的な手段です。

「入居時からあった傷」を証明できなければ、退去時に自分がつけた傷として原状回復費用を請求されることがあります。

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チェックすべき項目

以下の箇所を一つずつ確認し、傷や汚れがあれば写真で記録しましょう。

  • 壁・天井のクロス(傷、汚れ、剥がれ、ピンの穴)
  • 床材(フローリングの傷、畳の焼け、タイルの割れ)
  • 窓ガラス・サッシ(ひび、汚れ、開閉の不具合)
  • ドア・建具(傷、開閉のスムーズさ、鍵の動作)
  • キッチン(シンクの傷、コンロ周りの汚れ、排水の流れ)
  • 浴室(カビ、排水の流れ、鏡の汚れ、コーキングの状態)
  • トイレ(便器の傷、水漏れの有無)
  • 収納・押入れ(棚板の傷、カビ、におい)
  • ベランダ・バルコニー(ひび割れ、排水溝の詰まり)
  • 設備の動作確認(エアコン、給湯器、換気扇、インターホン)

写真の撮り方のコツ

写真は「証拠」として有効にするために、以下のポイントを意識してください。

  • 日付が分かるようにする
    スマートフォンの写真には自動で日時が記録されます(Exifデータ)
  • 全体と接写の両方を撮る
    部屋のどこの傷か特定できるよう、全体写真で位置を示し、接写で傷の状態を記録します
  • 照明をつけた状態で撮る
    暗い写真では傷や汚れが確認できません
  • すべての部屋・箇所で撮る
    被害がない場所も撮影しておくと「入居時にきれいだった」証拠になります
ポイント

国土交通省のガイドラインには入退去時のチェックシートのひな形が掲載されています。
管理会社から配布されない場合は、ガイドラインのPDFからダウンロードして活用できます。

チェック結果の報告

撮影した写真やチェックシートは、入居後なるべく早く(理想は入居当日〜1週間以内)管理会社に提出しましょう。

  • メールやアプリで写真を送付する
  • 管理会社指定のチェックシートがあれば記入して返送する
  • 送付した日時の記録を残しておく(メールの送信履歴など)

報告が遅れると「入居後についた傷」と判断されるリスクがあります。

入居中のトラブル対処法

入居中に起きがちなトラブルと、正しい対処法を解説します。

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鍵を紛失した場合

鍵を失くした場合は、以下の順番で対応しましょう。

  1. 管理会社(または大家)に連絡する
  2. 管理会社の指示に従い、鍵の開錠・交換を手配する
  3. 警察に遺失届を提出する

費用の目安

項目相場
鍵の開錠(業者呼び出し)8,000〜15,000円
鍵の交換(シリンダー交換)10,000〜25,000円
ディンプルキーの交換15,000〜35,000円
注意

鍵の紛失は原則として借主負担です。
勝手に鍵業者を呼んで交換すると、管理会社とトラブルになることがあります。
必ず管理会社に先に連絡してください。

設備が故障した場合

エアコンや給湯器などの備え付け設備が故障した場合の対応です。

貸主負担で修理されるもの(契約書の「設備」に該当)

  • エアコン(備え付けの場合)
  • 給湯器
  • ガスコンロ(備え付けの場合)
  • インターホン
  • 水道の蛇口・配管

対処の流れ

  1. 管理会社に故障の状況を連絡する(写真や動画があるとスムーズ)
  2. 管理会社が修理業者を手配する
  3. 修理の立ち会い日を調整する
注意

故障に気づいたのに放置して被害が拡大した場合は、借主の責任を問われることがあります。
たとえば水漏れを放置して階下の部屋に被害が出た場合、損害賠償を請求される可能性もあります。
不具合に気づいたら、早めに管理会社へ連絡しましょう。

騒音・近隣トラブル

隣人の騒音や生活マナーの問題で困った場合の対処法です。

  1. 管理会社に相談する
    直接交渉はトラブルが悪化する原因になります
  2. 記録を残す
    騒音が発生する時間帯・頻度・内容をメモしておく
  3. 改善しない場合
    管理会社に改善状況を確認し、対応を求める

管理会社が対応してくれない場合は、自治体の相談窓口や法テラスに相談することもできます。

解約予告期間の落とし穴

「引っ越しが決まったから、すぐ退去したい」と思っても、予告期間の縛りがあります。

よくあるケース

  • 予告期間が「退去の2ヶ月前まで」の場合
    → 今日通知しても、2ヶ月分の家賃は支払い義務が発生する
  • 月末解約のみ認められている場合
    → 月途中の退去でも、月末までの家賃を支払う必要がある

定期借家契約の場合

通常の賃貸借契約(普通借家契約)とは異なり、定期借家契約では以下の注意点があります。

  • 契約期間の途中解約が認められないケースがある
  • 期間満了時に再契約できない(更新がない)
  • 中途解約に違約金が設定されていることがある

契約が「普通借家」か「定期借家」かは、契約書の冒頭や重要事項説明書に明記されています。

トラブルが起きた場合の相談先

自力で解決が難しい場合は、以下の窓口に相談できます。

  • 管理会社・大家
    まずは契約の当事者間で話し合う
  • 消費生活センター(消費者ホットライン)
    電話番号: 188(いやや)
    賃貸トラブルの相談件数が多く、対応に慣れている
  • 法テラス
    収入要件を満たせば弁護士への無料相談が可能
  • 国民生活センター
    賃貸トラブルの事例や対処法をWebサイトで公開
  • 各都道府県の不動産相談窓口
    宅建業法に基づくトラブルは各都道府県の窓口が対応
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よくある質問(FAQ)

Q. 入居時の写真は何日以内に撮ればいいですか?

A. 入居当日〜1週間以内に撮影するのが理想です。

明確な法的期限はありませんが、入居から日数が経つほど「入居後についた傷」と判断されるリスクが高まります。

荷物を搬入する前に撮影するのがベストです。

Q. 契約書の特約に納得できない場合、交渉はできますか?

A. はい、契約前であれば交渉は可能です。

重要事項説明の段階で疑問や不満がある場合は、不動産会社を通じて大家に交渉を申し入れることができます。

ただし、交渉が成立するかは大家の判断次第です。

納得できない条件がある場合は、契約を見送ることも選択肢の一つです。

Q. 退去時に身に覚えのない傷を請求された場合はどうすればいいですか?

A. まずは入居時の記録(写真やチェックシート)を提示してください。

記録がない場合でも、国土交通省のガイドラインを根拠に「通常損耗ではないか」と主張することができます。

話し合いで解決しない場合は、消費生活センター(188)への相談や、少額訴訟(60万円以下の金銭請求に対応)の利用を検討しましょう。

Q. 管理会社が設備の修理に対応してくれない場合はどうすればいいですか?

A. 書面(メールやFAX)で修理依頼の記録を残し、対応期限を明示しましょう。

口頭での依頼だけでは「連絡を受けていない」と言われることがあります。

それでも対応がない場合は、消費生活センターや自治体の住宅相談窓口に相談してください。

まとめ

賃貸住宅のトラブルは「退去時に発覚する」ことが多いですが、実は「契約前〜入居時の準備」で大部分を防ぐことができます。

  • 契約前 — 禁止事項・修繕負担・特約・解約予告期間・更新条件を確認する
  • 入居時 — 室内の傷や汚れを写真で記録し、管理会社に報告する
  • 入居中 — 設備故障や鍵紛失はまず管理会社に連絡。放置は厳禁

トラブルを未然に防ぐために、この手続きガイドのチェックリストを活用してください。

退去時の原状回復費用で困った場合は、以下の手続きガイドも参考にしてください。

引っ越し手続き全体の流れを確認したい方はこちらもご覧ください。

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