生活保護中の借金返済は違反?クレカ滞納と担当者交代の対処法
「前の担当者は『返していい』と言ったのに、新しい担当者は『返すな』と言う」
「クレジットカードの支払いは、借金とは違うのでは?」
「返済をやめたら、裁判を起こされるのでは?」
生活保護を受けながら借金やクレジットカードの滞納を抱えていると、こうした不安が次々に湧いてきます。
実は、保護費を借金の返済に充てることを明文で禁止した条文は存在しません。
だからこそ、担当者によって言うことが変わります。
この手続きガイドでは、条文と厚生労働省の通知をもとに「本当のところどうなのか」を示し、担当者と対等に話すための材料をお渡しします。
生活保護中の借金返済は「禁止」ではないが「認められない」
最初に結論をお伝えします。
- 保護費からの借金返済を明文で禁止した条文は、生活保護法に存在しない
「生活保護法で禁止されています」という説明は、厳密には正確ではありません。 - しかし、制度の建前として認められていない
厚生労働省の通知が「既往の債務には触れず」という原則を明示しています。 - 明文がないからこそ、担当者によって判断が分かれる
これは読者の落ち度ではなく、制度そのものが抱える構造的な問題です。
ネット上には「生活保護法で借金返済は禁止されている」という説明が数多くありますが、これは不正確です。
禁止規定があるわけではなく、制度の趣旨・通知・解釈によって運用されています。
この違いを理解しておくと、担当者との話し合いの質が変わります。
「明文の禁止規定はない」とはどういうことか
生活保護法には、保護費の使い道を直接制限する条文がありません。
「パチンコに使ってはいけない」「借金の返済に充ててはいけない」といった規定は、どこにも書かれていないのです。
実際、生活保護法の全条文(第1条〜第86条)を通して読んでも、「使途」「返済」「借金」「債務」といった言葉は一度も出てきません。
使い方に触れている条文は、後述する第60条の「支出の節約を図り」だけです。
この点は、債務整理を扱う弁護士も同じ見解を示しています。
弁護士法人心「生活保護を受給されている方の債務整理について」は、次のように説明しています。
給付を受けた生活保護費の使途についての具体的な法規制は定められていませんので、生活保護費を借金返済に充てること自体が不可能というわけではありません。
つまり、「返済したら即座に法律違反」という単純な話ではありません。
それでも認められない3つの根拠
では、なぜ多くの福祉事務所が「返すな」と指導するのでしょうか。
根拠は法律の条文そのものではなく、制度の趣旨と厚生労働省の通知にあります。
根拠1〜生活扶助は「衣食その他日常生活の需要」のためのもの
生活保護法第12条は、生活扶助の範囲を次のように定めています。
生活扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。 一 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの 二 移送
借金の返済は「衣食その他日常生活の需要」には含まれない、と解されています。
保護費は、そもそも借金の返済分を織り込まずに計算されているのです。
根拠2〜厚生労働省の通知「既往の債務には触れず」
最も明快な根拠が、厚生労働省の生活保護問答集(平成21年3月31日付 厚生労働省社会・援護局保護課長 事務連絡)にあります。
問8-97は、こう述べています。
本法による保護は原則として既往の債務には触れずという建前を採っているので、借金の動機が急場をしのぐためのものであってもこれを認めることはできない。
この問8-97は、交通事故の罰金を雇主が立て替えた事例を扱ったものです。
しかしその答えの中で、制度全体の建前がはっきり示されています。
同じ答えの中では「本法の取扱い上借金の返済は認めない」ことが、当然の前提として語られています。
つまり厚生労働省は、個別の事例に答えるついでに、制度の基本姿勢を明文化しているのです。
「既往の債務には触れず」とは、生活保護は過去の借金をなかったことにもしないし、肩代わりもしないという意味です。
同じ問答集の問8-95も、借金の返済分を収入から差し引くことを認めていません。
過去の債務に対する弁済金を収入から控除することは認められない。その理由は、もしそのような措置を認めるならば、保護を受ける以前における個々人によって異なる程度に営まれてきた生活までも、本法によって保障することとなり、保護を要する状態に立ち至ったときから将来に向ってその最低限度の生活の維持を保障せんとする本法の目的から著しく逸脱することになるからである。
根拠3〜生活上の義務(法60条)
生活保護法第60条は、受給者の義務を定めています。
被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。
実務では、この「支出の節約」を根拠に返済をやめるよう指導されることがあります。
ただし、この条文は借金返済を名指しで禁止しているわけではありません。
あくまで間接的な根拠にとどまります。
だから担当者によって指導が分かれる
ここまでの整理をまとめます。
| よくある説明 | 実際のところ |
|---|---|
| 生活保護法が借金返済を禁止している | 明文の禁止規定はない |
| 返済したら即・不正受給になる | 申告の有無などによって扱いが変わる |
| どの福祉事務所でも判断は同じ | 解釈の余地があるため判断は分かれる |
明文の規定がないということは、解釈の余地があるということです。
解釈の余地があれば、担当者の経験や考え方によって判断がばらつきます。
実際、インターネット上の相談サイトには「福祉に借金があることは申告済み。尚且つケースワーカーに返済を認めてもらっている」という書き込みも見られます。
一方で「返すな」と強く指導される人もいます。
担当者によって言うことが違うのは、あなたが何か間違ったからではありません。
制度そのものに解釈の幅があることが原因です。
だからこそ「根拠を尋ねる」ことに意味があります。
クレジットカードの支払いは「借金」ではないのか
「クレジットカードの支払いは借金とは違うから返していい」
前の担当者にこう言われた方もいるでしょう。
この理解は、完全な間違いとは言い切れません。
厚生労働省が示した整理
厚生労働省は2022年3月の全国厚生労働関係部局長会議資料「第1 生活保護制度の適正な実施等について」で、クレジットカードの扱いについて次の方針を示しました。
クレジットカードや割賦払いの利用について、家計改善に係る助言指導を行う際の方針を明確化。 (例えば、日常的な買い物や携帯電話の割賦払い等の利用は社会通念上容認されるべきであるが、保有の容認されない物品の購入費用やキャッシングの利用は収入認定の対象となること。)
注目すべきは、厚生労働省自身が日常的な買い物や携帯電話の割賦払いは「社会通念上容認されるべき」と述べている点です。
クレジットカードを使うこと自体が禁止されているわけではないのです。
一方で、キャッシングは実質的に現金を借りる行為なので、収入認定の対象とされています。
この方針は予定どおり実施され、生活保護問答集(別冊問答集)の「問12-4」として令和4年4月から適用されています。
問12-4は、日常的な買い物のクレジットカード一括払いや、携帯電話・生活に必要な家電等の割賦払いについて、社会通念上、生活費のやり繰りの範囲内であるとして、原則として助言・指導を行う必要はないとしています。
ただし、その利用が頻回または高額になって家計を圧迫し、自立を阻害する場合には、家計改善支援事業の対象にするなどの助言を行うべきものとされています。
「クレジットカードを使うと保護が切られる」というのは誤りです。
厚生労働省はむしろ、日常的な利用について逐次その状況を把握する必要はないという方針を示しています。
ただし個別の判断は福祉事務所が行うため、お住まいの窓口での取扱いを確認してください。
しかし「滞納した過去の残債」は話が別
ここが最も重要な分かれ目です。
- 今月の買い物をクレジットカードの一括払いで支払う
現在の生活費の支払い手段にすぎません。
厚生労働省の方針でも「社会通念上容認されるべき」とされています。 - 保護を受ける前に作った借金やクレジットカードの残債を返す
これは「既往の債務」の弁済にあたります。
問答集の問8-97が「既往の債務には触れず」としている対象そのものです。
つまり、前の担当者も新しい担当者も、それぞれ部分的に正しかったということになります。
- 前の担当者は「クレジットカードの利用=借金ではない」という点に着目した
- 新しい担当者は「滞納した残債の返済=既往の債務の弁済」という点に着目した
議論がかみ合っていなかっただけなのです。
使い方別の扱い一覧
| 使い方 | 扱い |
|---|---|
| 日常的な買い物の一括払い | 社会通念上、生活費のやり繰りの範囲内(問12-4) |
| 携帯電話や生活に必要な家電等の割賦払い | 社会通念上、生活費のやり繰りの範囲内(問12-4) |
| 頻回・高額な利用で家計を圧迫する場合 | 家計改善支援事業の対象にするなどの助言の対象(問12-4) |
| 保有が認められない物品の購入 | 収入認定の対象 |
| キャッシング | 収入認定の対象(実質的な借入) |
| リボ払い | 手数料がかさむため、支出の節約(法60条)の観点から助言を受けることがあります |
| 滞納した過去の残債の返済 | 既往の債務の弁済。認められない |
「クレジットカードを使っていいか」と「滞納した残債を返していいか」は、まったく別の問題です。
担当者と話すときは、この2つを分けて質問すると議論が整理されます。
実際に「クレカ利用=借入」と判断された例もある
厚生労働省の問12-4は日常的な利用を容認していますが、実務では逆の判断が出た例もあります。
高知市の行政不服審査会の答申(令和4年度高行審答申第1号)は、クレジットカードによる物品購入の立替金について次のように述べました。
当該立替金については借入金として収入認定の対象となり、法第61条による申告義務が生じるものと解する。
この事案では、申告をしていなかったことが法78条の「不正な手段」にあたるとされ、約360万円の徴収金納付命令が是認されています。
一方で、同じ答申は電気料金・ガス料金(合計273,582円)については「世帯共通的な費用で構成される最低生活費第2類に属する出費」であり「不正な借入金とは言い切れない」として、収入認定の対象から除外しました。
他方、携帯電話料金は月15,000円程度、最高41,460円と高額であったため、収入認定の対象とされています。
この事案が示すのは「クレカを使ったから即アウト」ではなく、「申告せずに高額・頻回の利用を続けたことが問題になった」ということです。
問12-4も、頻回または高額の利用で家計を圧迫する場合は助言の対象としています。
迷ったら使う前に申告する。これが最も安全な道です。
保護費から返済していたことが発覚したらどうなるか
「今まで返済してしまった。処分されるのでは」と不安になる方も多いはずです。
結論から言うと、申告していたかどうかが最大の分かれ目です。
法63条による費用返還と、法78条による徴収は別物
保護費の返還を求められる根拠には、性質の異なる2つの条文があります。
- 生活保護法第63条(費用返還義務)
資力があるのに保護を受けた場合の返還です。
上乗せのペナルティはありません。 - 生活保護法第78条(不正受給の徴収金)
「不実の申請その他不正な手段」で保護を受けた場合の徴収です。
最大4割の上乗せがあります。
法78条の条文を見てみましょう。
不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
ここで注目してほしいのが「不実の申請その他不正な手段により」という要件です。
前の担当者に借金の存在を申告し、了解を得たうえで返済していたのであれば、「不正な手段」にはあたりにくいと考えられます。
隠していた場合とは、明確に扱いが異なります。
そもそも申告義務の根拠は生活保護法第61条です。
被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。
前掲の高知市の答申は、法78条の「不実の申請その他不正な手段」の意味について、次のように述べています。
積極的に虚構の事実を申告することはもちろん、消極的に申告義務がある事実を認識しながらその申告をしないことも含むものと解するのが相当である。
裏を返せば、申告していたのであれば「不正な手段」の要件を満たしにくいということです。
法78条の徴収金は国税徴収の例により徴収できるため(法78条4項・法77条の2第2項)、破産法253条1項1号の「租税等の請求権」にあたります。
免責許可の決定が出ても、この徴収金の支払義務は残ります。
だからこそ「78条を打たれる前に申告する」ことに、大きな意味があります。
実際、前掲の高知市の答申は、自己破産の免責決定を受けた審査請求人に対する約360万円の徴収金納付命令を是認したうえで、次のように述べています。
破産法第253条第1項第1号の規定により国税徴収の例により、徴収することのできる法第78条による徴収金については、免責許可の決定による免責の効果は及ばないとされている。
つまり、自己破産をしても法78条の徴収金からは逃れられません。
すでに返済してしまった分があるなら、隠さずに申告するのが最大の防御です。
「前の担当者に了解を得ていた」という事実は、あなたを守る材料になります。
いつ・誰に・何を伝えたのかを、思い出せる限り書き出しておきましょう。
担当者(ケースワーカー)が変わって指導が変わったときの対処法
担当者の交代は珍しいことではありません。
人事異動のたびに引き継ぎが行われますが、指導方針まで完全に引き継がれるとは限らないのが実情です。
ここからは、指導が変わって困ったときにどう動けばいいかを順に説明します。
まず知っておくべきこと〜指導には法律上の限界がある
多くの受給者が「担当者に逆らったら保護を切られる」と恐れています。
しかし、生活保護法第27条は、ケースワーカーの指導に明確な歯止めをかけています。
保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。 2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。 3 第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。
条文が言っていることは、次の3点です。
- 被保護者の自由を尊重しなければならない
受給者の生活は、受給者自身のものです。 - 必要の最少限度に止めなければならない
過剰な干渉は法律違反にあたります。 - 意に反して強制すると解釈してはならない
「言うことを聞かないと保護を切る」という脅しは、この条文の趣旨に反します。
法27条2項と3項は、あなたの側にある条文です。
高圧的な指導を受けたときは、この条文の存在を思い出してください。
担当者も、この条文に従う義務があります。
手順1〜記録を取る
まず、事実を記録に残すことから始めます。
口頭でのやり取りは「言った」「言わない」の水掛け論になりがちです。
記録しておくべき項目は次のとおりです。
- 日時
何年何月何日の何時ごろか。 - 担当者名
前任者・後任者の氏名を正確に。 - 指導の内容
「返していい」「返すな」など、言われた言葉をできるだけそのまま書き留めます。 - その場にいた人
同席者がいれば記録しておきます。
前任者から受けた指導も、思い出せる範囲で書き出しておきましょう。
「いつから、誰の指導で、いくら返済してきたか」がわかる形にしておくと、後の話し合いがスムーズになります。
手順2〜根拠を尋ねる
次に、新しい担当者に指導の根拠を尋ねます。
ここで大切なのは、対立ではなく確認の姿勢です。
言い方の例を挙げます。
「前の担当の◯◯さんには、クレジットカードの支払いは返していいと言われて、了解のうえで返済してきました。今回『返すな』というご指導ですが、これはどの条文や通知に基づくものでしょうか。今後どうすればいいか判断したいので教えてください。」
このように聞く意味は3つあります。
- 担当者に組織としての判断を意識させる
根拠を問われれば、担当者も上司に確認せざるを得なくなります。 - あなたが制度を理解していると伝わる
雑な対応をされにくくなります。 - 前任者の指導があった事実を記録に残せる
これは後の手続きで重要な意味を持ちます。
「既往の債務には触れずという建前があると聞きましたが、その理解で合っていますか」と尋ねるのも有効です。
問答集の問8-97を踏まえた質問であることが伝わります。
手順3〜口頭指導か文書指示かを確認する
生活保護の指導指示には段階があります。
いきなり保護を廃止されることはありません。
厚生労働省の生活保護法施行事務監査の実施についてでは、指導指示違反による廃止について次のチェック項目が挙げられています。
ウ 指導指示違反に対する弁明の機会を設けているか。また、その日時や通知の手続は適切か。 エ 指導指示に従わない場合において、保護を廃止する前に、保護の停止等について組織的に検討しているか。
「廃止の前に停止等を組織的に検討しているか」が監査項目になっている点が重要です。
つまり、いきなり廃止することは制度上想定されていません。
実務上の流れは、おおむね次のとおりです。
- 口頭による指導
日常のやり取りの中で行われます。
この段階では、まだ不利益処分に直結しません。 - 文書による指導指示
書面が交付されます。
ここが重大な分岐点です。 - ケース診断会議などの組織的な検討
担当者個人ではなく、組織として判断します。 - 弁明の機会の付与
生活保護法第62条4項が定める法律上の権利です。 - 保護の変更・停止・廃止
最終段階です。
法62条4項は、次のように定めています。
保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。
文書による指導指示が交付されたら、それは重大なサインです。
放置せず、すぐに法テラスや弁護士、支援団体に相談してください。
弁明の機会は法律上の権利です。必ず活用してください。
手順4〜査察指導員や係長に相談する
担当者個人と話しても平行線のときは、その上司にあたる査察指導員(スーパーバイザー)や係長に相談します。
これは「密告」ではありません。
生活保護問答集の前文自体が、組織的な判断を求めているからです。
保護の決定実施に当たり、問題や疑義が生じた場合は、ケースワーカーの独断で処理することがあってはならない。ケース診断会議や査察指導員等との協議により、十分納得のいくまで検討し、その中から一つの結論が導かれなくてはならない。
同じ前文には、こうも書かれています。
生活保護法は、すべての国民に対し無差別平等に最低限度の生活を保障するものであり、保護の決定実施に当たっては、公平・公正な取扱いに努める必要がある。
担当者が変わるたびに指導が変わることは、この「公平・公正」「統一性」の要請に反します。
組織としての見解を示してもらうよう求めるのは、正当な要求です。
手順5〜処分が出たら審査請求
保護の変更・停止・廃止などの処分が出された場合は、審査請求ができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 請求先 | 都道府県知事 |
| 期限 | 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内 |
| 裁決までの期間 | 諮問をする場合は70日以内、それ以外は50日以内 |
| 費用 | 無料 |
期限の根拠は行政不服審査法18条1項です。
総務省「行政不服審査法の概要」で制度の全体像を確認できます。
裁決までの期間は生活保護法第65条1項が定めています。
一 行政不服審査法第四十三条第一項の規定による諮問をする場合 七十日 二 前号に掲げる場合以外の場合 五十日
「指導」そのものは処分ではないため、審査請求の対象になりません。
審査請求ができるのは、保護の変更・停止・廃止といった処分が出てからです。
指導の段階では、記録を残しながら査察指導員への相談を進めるのが現実的な対応になります。
返済をやめたら裁判や差し押さえをされるのか
「返済をやめたら訴えられるのでは」という不安は、当然のものです。
インターネット上では「生活保護なら無敵」「堂々と踏み倒せる」といった書き込みも見かけます。
しかし、これは危険な誤りを含んでいます。
正確なところを順に整理します。
訴訟は起こされることがある
まず前提として、債権者には裁判を起こす権利があります。
あなたが生活保護を受給していても、その権利は止められません。
- 訴訟を提起されることはある
少額であっても、債権者の方針によっては提起されます。 - 判決も出る
出廷しなければ、相手の主張どおりの判決(欠席判決)が出ます。 - 時効の完成が猶予され、判決が確定すれば更新される
訴えを起こされた時点で時効の完成が止まり(民法147条1項)、判決が確定すると時効はそこから振り出しに戻ります(同条2項)。
しかも確定判決で確定した権利の時効期間は10年になります(民法169条1項)。
「あと少しで時効だった」という期待は崩れます。
「生活保護だから無敵」という説明は誤りです。
訴訟は起こされ、判決も出ます。
正しくは「保護費そのものは差押えから守られている」であって、「何も起こらない」ではありません。
保護費そのものは差押禁止(法58条)
生活保護法第58条は、明確に差押えを禁止しています。
被保護者は、既に給与を受けた保護金品及び進学・就職準備給付金又はこれらを受ける権利を差し押さえられることがない。
保護費そのものと、保護費を受け取る権利は差押えの対象になりません。
ここは法律で明文化されており、争いのないところです。
ところが口座に入ると「預金債権」になる
ここが、最も誤解されているポイントです。
保護費が銀行口座に振り込まれると、法律上は預金債権という別の財産に姿を変えます。
そのため、形式的には差押えの対象になりうる、という問題が生じます。
この点について最高裁判所は平成10年2月10日(第三小法廷判決)、差押禁止債権が口座に振り込まれて生じた預金債権は、原則として差押禁止債権としての属性を承継しないとの判断を示しています。
つまり「保護費だから差押禁止」という理屈は、口座に入った瞬間に自動では通らなくなるのです。
実際に「保護費は差押禁止のはずなのに口座を差し押さえられた」というトラブルは起きています。
「保護費は差押禁止だから口座も安全」とは言い切れません。
口座を差し押さえられる可能性は現実にあります。
ただし、次に説明する申立てによって取り消せる場合があります。
差し押さえられたら〜差押禁止債権の範囲変更の申立て
口座を差し押さえられてしまった場合の救済手段が、民事執行法第153条の申立てです。
執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。
条文にあるとおり「申立てにより」行われます。
つまり、放っておいても自動的には戻りません。
実際に差押えが取り消された例もあります。
消費者法ニュースが紹介する事例では、東京地方裁判所立川支部が平成24年7月11日に差押えを取り消す決定を出しています。
判決は、預金通帳の入金記録の記載から、生活保護費と各種年金及び公的手当以外には収入がないと認定し、当該預金債権はそのほとんどが差押を禁止されている上記生活保護費および年金等の受給権を原資とするものである旨、認定した。そして、本件差押により申立人が生活費に困窮する状態になっていることから差押を取り消すべきとした
引用元は「判決」と書いていますが、事件番号(平成24年(ヲ)第26号)と事件名から、正確には「決定」です。
差押えを受けたら、すぐに弁護士や法テラスに相談してください。
申立てには期限があり、動きが遅れると資金が債権者に渡ってしまいます。
保護費だけが入金されている口座であれば、取り消される可能性は十分にあります。
保護費の振込口座は、他のお金と混ぜないほうが安全です。
保護費だけが入っている口座なら「原資は保護費である」と証明しやすくなります。
給与や他の収入とは口座を分けておくことをおすすめします。
訴状や支払督促が届いたら放置しない
裁判所から書類が届いたら、絶対に放置しないでください。
- 訴状が届いた場合
答弁書を提出し、期日に対応します。
無視すると欠席判決が出ます。 - 支払督促が届いた場合
2週間以内に督促異議を申し立てられます。
放置すると仮執行宣言が付き、強制執行が可能になります。
すでに長期間返済していない借金であれば、時効を主張できる可能性もあります。
時効の援用については、こちらの手続きガイドで解説しています。
時効期間が過ぎていても、自動的に借金が消えるわけではありません。
「時効を援用する」という意思表示が必要です。
また、返済を続けていた場合は時効が更新されているため、援用できないことがあります。
根本的な出口〜自己破産という選択肢
ここまで読んで、「結局どうすればいいのか」と感じている方も多いでしょう。
返済してはいけない。しかし借金は消えない。放置すれば訴えられる。
この板挟みを根本的に解決する方法が、自己破産です。
なぜ生活保護と自己破産は相性がいいのか
自己破産で免責が認められると、借金の返済義務そのものが消滅します。
返済義務がなくなれば、「保護費から返済していいのか」という問題自体が消えてなくなります。
- 保護費の目的外使用という論点が消える
返すべき借金がなくなるからです。 - 担当者によって指導が変わる問題も消える
そもそも指導の対象がなくなります。 - 訴訟や差押えの不安からも解放される
債権者は請求できなくなります。 - 自己破産後も生活保護は受け続けられる
自己破産を理由に保護が廃止されることはありません。
ただし、消えるのは債権者に対する返済義務です。
前述のとおり、生活保護法第78条による徴収金は自己破産をしても免責されません。
福祉事務所への返還義務と、債権者への返済義務は別物として考えてください。
前掲の弁護士法人心も、次のように説明しています。
自己破産手続きの場合には、免責決定を受けた後の返済は予定されていないため、上記のような問題は生じません。したがって、自己破産後も問題なく生活保護を受給することができます。
自己破産の手続きの全体像については、こちらの手続きガイドで詳しく解説しています。
費用が心配なら法テラス
「破産したくても、そのお金がない」
これは当然の悩みですが、生活保護受給者にとっては最も解決しやすい問題でもあります。
法テラス(日本司法支援センター)の立替制度が使えるからです。
法テラスの公式サイトは、次のように明記しています。
生活保護を受給している場合でも、法テラスの立替制度はご利用いただけます。生活保護を受給中の間は、返済は猶予されます。また、事件が全て終了した後も生活保護を受給されている場合は、返済の免除の申請ができます。
整理すると、次のようになります。
| 段階 | 扱い |
|---|---|
| 弁護士費用 | 法テラスが立て替える |
| 生活保護を受給している間 | 返済は猶予される |
| 事件終了後も受給中の場合 | 返済の免除を申請できる |
さらに、生活保護受給者だけの特別な扱いもあります。
また、生活保護を受給している方を除き、自己破産事件の予納金は立替えの対象とはなりません。
裏を返せば、生活保護受給者は自己破産の予納金も立替えの対象になるということです。
通常は立替対象外の予納金まで、受給者であればカバーされます。
利用条件は次の3つです。
- 収入や資産が一定基準以下であること
生活保護受給中であれば、この条件は満たします。 - 勝訴の見込みがないとはいえないこと
自己破産では通常問題になりません。 - 民事法律扶助の趣旨に適すること
審査期間の目安は、公式サイトによると「通常申込みから決定まで2週間程度」とされています。
費用の免除は自動ではありません。申請が必要です。
事件が終了した時点で生活保護を受給していることが条件になります。
手続きが終わったら、忘れずに免除の申請をしてください。
法テラスの利用方法については、こちらの手続きガイドで解説しています。
ギャンブルや浪費が原因でも破産できるのか
「借金の理由がギャンブルだから、破産できないのでは」と諦めている方もいます。
たしかに破産法第252条1項4号は、次の事由を免責不許可事由として挙げています。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
ただし、これは「絶対に免責されない」という意味ではありません。
同条2項には、免責不許可事由があっても裁判所の裁量で免責を認められる規定(裁量免責)が置かれています。
実務上は、反省の姿勢や生活再建の見込みなどを踏まえて免責が認められるケースが多くあります。
借金の理由が何であれ、自分で判断して諦めないでください。
免責されるかどうかを判断するのは裁判所であり、あなたではありません。
まずは法テラスで弁護士に相談してみましょう。
債務整理はどれを選ぶ〜なぜ任意整理や個人再生は選びにくいのか
債務整理には自己破産のほかに、任意整理や個人再生といった方法もあります。
しかし、生活保護受給中の方には基本的に向きません。
理由はシンプルです。
- 任意整理
利息をカットしたうえで、元本を分割で返済し続ける方法です。
返済原資は保護費しかないため、「既往の債務の弁済」という問題がそのまま残ります。 - 個人再生
借金を大幅に減額したうえで、残りを原則3年で返済する方法です。
こちらも返済が前提であり、同じ問題が生じます。
前掲の弁護士法人心も、次のように結論づけています。
したがって、返済を前提とする個人再生や任意整理による借金問題の解決は基本的にできないと考えられます。
つまり、返済を続ける方法はすべて同じ壁にぶつかるわけです。
だからこそ、生活保護受給中の債務整理は自己破産が基本線になります。
任意整理の仕組みについては、こちらの手続きガイドで解説しています。
過払い金が見つかった場合
長年返済を続けてきた借金では、過払い金が発生していることがあります。
この場合の扱いについて、生活保護問答集の問8-32が具体例を示しています。
多重債務を抱える被保護者が複数の債務を弁護士に依頼して一括して整理する場合には、債務整理の結果得られた残額を次第8の3の(2)のエの(イ)の臨時的収入として収入認定することになる。また、債務整理のための弁護士費用については、必要経費として控除して差し支えない
ポイントは次の2点です。
- 手元に残った過払い金は臨時的収入として収入認定される
その分、保護費が調整されます。 - 弁護士費用は必要経費として控除できる
費用の分は差し引いて計算されます。
さらに重要なのが、過払い金を原資とした他社への返済は認められているという点です。
問8-32が示す事例では、和解金100万円から他社への返済に充てた55万円は収入認定の対象から差し引かれています。
したがって、この事例では、和解金100万円からA社及びB社の債務の弁済に充てた30万円と25万円を差し引いた残額45万円から8千円を引いた額が収入となり、さらに弁護士費用15万円を必要経費として控除した29万2千円を収入認定することになる。
つまり「保護費から返す」のは認められませんが、「過払い金から返す」のは債務整理の一部として制度上想定されているということです。
返済の原資が保護費なのか、過払い金なのかで扱いはまったく違います。
担当者に説明するときは、この違いをはっきり伝えてください。
「どうせ収入認定されるから」と諦めず、債務整理は進めてください。
生活保護の申請時に借金があるとき
これから生活保護を申請する方に向けて、押さえておくべき点を整理します。
借金があっても生活保護は申請できる
「借金があると生活保護を受けられない」というのは誤解です。
生活保護法第4条は、保護の要件を次のように定めています。
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
要件とされているのは「資産」の活用です。
借金は資産ではなく負債ですから、この要件とは関係がありません。
むしろ借金を抱えて生活が立ち行かなくなっている状態こそ、生活保護が想定している場面です。
借金があることは、生活保護の申請を諦める理由になりません。
申請時に借金を隠す必要もありません。
正直に申告したうえで、自己破産などの解決策を一緒に考えてもらいましょう。
生活保護の申請手続き全般については、こちらの手続きガイドで解説しています。
受給中に新たに借りると収入認定される
生活保護を受けながら、新たにお金を借りることは禁止されていません。
ただし実務では、保護開始時に渡される「保護のしおり」に「保護受給中は、原則として、新たな借金は認められない」と書かれ、署名を求められるのが一般的です。
法律上の禁止規定はなくても、この署名が後から「借入れを申告すべきと認識していた証拠」として使われた例があります。
そして、借りたお金は収入として認定されるのが原則です。
高知市の行政不服審査会の答申は、次のように述べています。
借入れによって被保護者の最低限度の生活を維持するために活用可能な資産は増加するのであるから,生活保護受給中に被保護者が借入れをした場合,これを原則として収入
収入認定されるということは、その分だけ翌月以降の保護費が減るということです。
つまり、借りても手元のお金は増えません。
借入れを申告しないまま保護費を受け取ると、不正受給を問われるおそれがあります。
生活が苦しくて借りたくなったときは、まず担当者に相談してください。
一時扶助や社会福祉協議会の貸付など、別の制度が使える場合があります。
自分の借金の全体像を把握する
「どこにいくら借りているか正確にわからない」という方も少なくありません。
その場合は、信用情報機関に開示請求をすると、借入の状況を一覧で確認できます。
開示請求の方法については、こちらの手続きガイドで解説しています。
状況別〜あなたが今すべきこと
ご自身の状況に近いものを選んでください。
相談できる窓口
一人で抱え込まないでください。
無料で相談できる窓口があります。
- 法テラス(日本司法支援センター)
無料法律相談と弁護士費用の立替が使えます。
生活保護受給中なら、費用の免除申請も可能です。 - 福祉事務所の査察指導員・係長
担当者と話が進まないときの相談先です。
組織としての判断を求めることができます。 - 都道府県の審査請求窓口
保護の変更・停止・廃止の処分に不服があるときに使います。 - 法テラス・サポートダイヤル
どこに相談すればいいかわからないときの入口になります。
お住まいの地域の福祉事務所は、こちらから探せます。
生活保護から抜け出して働き始める段階の手続きについては、こちらの手続きガイドで解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 前の担当者に「返していい」と言われて返していました。処分されますか?
A. 前任者の了解を得ていた事実は、あなたを守る材料になります。
生活保護法第78条の徴収金は「不実の申請その他不正な手段により保護を受け」た場合が対象です。
借金の存在を申告し、担当者の了解のうえで返済していたのであれば、「不正な手段」にはあたりにくいと考えられます。
ただし、返還を求められる可能性がないとは言い切れません。
いつ・誰に・何を伝えたのかを記録に残したうえで、正直に経緯を説明してください。
Q. 残り5万円で完済間近です。それでも返済をやめるべきですか?
A. 金額の大小で扱いは変わりません。
厚生労働省の問答集が示す「既往の債務には触れず」という建前は、残債が5万円でも500万円でも同じように適用されます。
「もう少しで終わるのに」という気持ちは自然なものですが、少額だから認められるという規定はありません。
一方で、少額であれば自己破産で一気に解決できる可能性も高くなります。
担当者に根拠を確認したうえで、法テラスに相談してみてください。
Q. 親や兄弟に代わりに返済してもらうのはダメですか?
A. 誰が実際に支払うのかによって扱いが変わります。
親族が債権者に直接支払う場合と、親族からお金を受け取ってあなたが返済する場合は、扱いが異なります。
後者は、受け取ったお金が収入として認定される可能性があります。
その結果、保護費が減額されることもあります。
自己判断せず、必ず事前に担当者に相談してください。
Q. 借金があることを隠して生活保護を申請してしまいました。
A. そもそも隠す必要はありませんでした。
生活保護法第4条が求めているのは「資産」の活用であり、借金は負債です。
借金があることは、申請を断る理由になりません。
隠していたことが後で判明するより、自分から申告するほうが望ましい対応です。
不安が大きい場合は、先に法テラスで弁護士に相談してから申告するとよいでしょう。
Q. 生活保護を抜けてから返済するのはいいのですか?
A. 保護が廃止されれば、保護費の使途という問題自体がなくなります。
就労して保護から抜ければ、収入は自分のお金ですから、返済しても制度上の問題は生じません。
ただし、借金を抱えたまま就労すると、生活の再建が難しくなることもあります。
自己破産で借金を整理してから自立を目指すほうが、結果的に早く安定する場合が多くあります。
どちらがよいかは状況によるため、弁護士に相談して判断してください。
Q. クレジットカードは解約しなければいけませんか?
A. 解約が法律上義務づけられているわけではありません。
厚生労働省は2022年3月の部局長会議資料で、日常的な買い物や携帯電話の割賦払いについて「社会通念上容認されるべき」との方針を示しています。
この方針は生活保護問答集の問12-4として令和4年4月から適用されており、日常的な利用について逐次その状況を把握する必要はないとされています。
一方で、キャッシングの利用は収入認定の対象とされています。
なお、自己破産をすると信用情報に記録が残り、カードは利用できなくなります。
リボ払いは手数料がかさむため、支出の節約を求める生活保護法第60条の観点から助言を受けることがあります。
Q. 担当者に「自己破産しろ」と言われました。従わないといけませんか?
A. 指導を強制することはできません。
生活保護法第27条3項は「被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない」と定めています。
同条2項も「被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない」としています。
自己破産をするかどうかは、最終的にはあなたが決めることです。
ただし、自己破産が現実的な解決策であることも事実です。
強制はできませんが、担当者の提案自体は的外れではないという点も、あわせて考えてみてください。
まとめ
生活保護中の借金返済について、押さえておくべき点を整理します。
- 明文の禁止規定はない
「生活保護法で禁止されている」という説明は正確ではありません。
保護費の使途を制限する条文は存在しません。 - しかし「既往の債務には触れず」が制度の建前
厚生労働省の生活保護問答集(問8-97)が示す原則です。
結論として、保護費からの返済は認められません。 - 担当者によって指導が分かれるのは構造的な問題
解釈の余地があるためであり、あなたの落ち度ではありません。 - クレジットカードの利用と滞納残債の返済は別問題
日常的な買い物は容認されるべきとされる一方、過去の残債の返済は既往の債務の弁済にあたります。 - 指導には法律上の限界がある
生活保護法第27条は「自由の尊重」「必要最小限度」「強制解釈の禁止」を定めています。
この条文はあなたの側にあります。 - 「生活保護だから無敵」は誤り
訴訟は起こされ、判決も出ます。
保護費そのものは差押禁止ですが、口座に入れば預金債権として差し押さえられることもあります。
その場合は民事執行法第153条の申立てで取り消せる可能性があります。 - 根本的な出口は自己破産
免責されれば、債権者への返済義務は消えます。
ただし生活保護法第78条による徴収金は免責されないため、返済がバレる前に申告することに大きな意味があります。
法テラスを使えば費用の心配もほぼ解消できます。
最後に、行動の指針を3つだけ挙げます。
- 隠さない
申告していたかどうかが、後の扱いを大きく左右します。 - 記録する
日時・担当者名・言われた内容を残しておきましょう。 - 根拠を尋ねる
「どの条文や通知に基づくご指導でしょうか」と確認するだけで、対応は変わります。
担当者によって言うことが変わる状況は、あなたを不安にさせるものです。
しかしそれは制度の構造から生まれるものであり、あなたが悪いわけではありません。
根拠を知り、記録を残し、必要なら専門家の力を借りてください。
借金の問題には、必ず出口があります。
