入社手続きの必要書類チェックリスト — 新卒・中途別に解説
「入社直前になって必要な書類が揃ってない!」となる前に、まずは何が必要かを把握しておきましょう。
入社手続きでは、会社から指定された複数の書類を提出期限までに準備しなければなりません。
書類によっては取得に数日かかるものもあり、思った以上に準備に時間がかかることがあります。
この手続きガイドでは、入社手続きで必要な書類を新卒・中途採用(転職)別のチェックリスト形式でまとめました。
各書類の取得方法や、郵送する場合のマナーも合わせて解説します。
1. 入社手続きに必要な書類 — チェックリスト
必要な書類は大きく3つに分けられます。
- 全員が提出する書類
- 転職者(中途採用)が追加で必要な書類
- 会社によって必要になる書類
会社から送られてくる「入社手続きに関する案内」を確認し、以下のチェックリストと照らし合わせながら準備を進めましょう。
1-1. ほぼ全員が提出する書類
- マイナンバー
社会保険・税務手続きのために必要。
マイナンバーカードの提示、または通知カードのコピーなどで提出する。 - 扶養控除等申告書
所得税の計算に使用。
会社から書式を渡される。
扶養家族がいない人も提出が必要。 - 給与振込先の届書
給与の振込口座登録に使用。
会社から書式を渡される。
通帳やキャッシュカードのコピーが必要な場合も。 - 基礎年金番号通知書 または 年金手帳
厚生年金の加入手続きに使用。
手元に保管されているものを持参する。
マイナンバーを提供する場合は不要。
1-2. 転職(中途採用)の方が追加で必要な書類
- 雇用保険被保険者証
雇用保険の加入手続きに使用。
前の職場の退職時に受け取る。
紛失した場合はハローワークで再発行できる。 - 源泉徴収票
年末調整のための税務手続きに使用。
同じ年に退職・入社した場合のみ必要。
前の職場の退職時に受け取る。
年度をまたいで転職した場合(例: 12月末に退職し翌1月に入社など)は、前職の源泉徴収票の提出は原則として不要です。
初めて就職する新卒の方は、雇用保険被保険者証も源泉徴収票も必要ありません。
1-3. 会社によって求められる書類
下記の書類は、会社の方針や採用区分によって求められる場合があります。
会社からの案内をよく確認してください。
- 住民票記載事項証明書
現住所の確認に使用。
市区町村の窓口で取得できる(数百円)。コンビニ交付に対応している自治体もある。 - 健康診断書
健康状態の確認に使用。
内科などの医療機関で受診する。
会社が検診機関を指定する場合もある。 - 身元保証書
連帯責任を取る保証人の確認に使用。
会社から書式を渡され、保証人に署名・押印してもらう。 - 卒業証明書 / 卒業見込証明書
学歴の確認に使用。
卒業(または在学中)の学校の事務局で取得する。 - 入社誓約書
機密保持・規則遵守などの誓約に使用。
会社から書式を渡され、署名・押印して提出する。 - 健康保険被扶養者異動届
扶養家族の社会保険手続きに使用。
扶養家族がいる人のみ。
会社から書式を渡される。 - 免許・資格の証明書類
業務に必要な資格の確認に使用。
運転免許証、各種資格証などのコピーを提出する。 - 従業員調書
人事管理のための基本情報として使用。
会社から書式を渡される。
履歴書で代替する企業もある。
同じ名前の書類でも、会社が独自の書式を指定している場合があります。
書類を自分で用意する前に、必ず会社の案内を確認し、指定フォーマットがあればそちらを使用してください。
原本・コピーの区別や提出形式(紙・電子)も案内に記載されていることが多いです。
1-4. 入社書類の提出期限の目安
一般的には、入社日当日〜入社後2週間以内を提出期限としている企業がほとんどです。
ただし、入社前に郵送や電子提出を求められる場合もあるため、会社からの案内を早めに確認しましょう。
期限に間に合わない書類がある場合は、わかった時点で速やかに担当者へ連絡してください。
2. 各書類の取得方法と注意点
2-1. マイナンバー
入社手続きでは、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)の加入や、給与に関する税務申告のためにマイナンバーの提出が必要です。
提出方法:
- マイナンバーカードを持っている場合は、カードを直接提示して確認してもらう方法が一般的
- カードがない場合は、通知カードのコピーや、マイナンバーが記載された「住民票の写し」を用意する
マイナンバーは会社の指示に従い、指定された方法・書類でのみ提出してください。
メールで送る場合はパスワード付きPDFにするなど、取り扱いについて会社から案内があれば必ず従いましょう。
郵送する場合は、他の書類と同様に簡易書留など追跡できる方法を使うと安心です。
2-2. 基礎年金番号通知書・年金手帳
2022年4月以降、年金手帳の新規発行は廃止されています。
現在、年金番号は「基礎年金番号通知書」で確認するのが一般的です。
- すでに年金手帳を持っている場合は、引き続き使用できます
- 通知書・手帳ともに紛失した場合は、年金事務所で再交付が可能です
- マイナンバーを提供する場合は、基礎年金番号の提出は不要です
2-3. 雇用保険被保険者証(転職者のみ)
退職時に、前の職場から受け取る書類の一つです。
- 渡されていない場合は、前の職場の総務・人事担当へ問い合わせてください
- 紛失・手元にない場合は、ハローワーク(公共職業安定所)で再発行できます
- 再発行の手続きは無料です。
窓口で申請すれば即日交付されることが多く、郵送申請の場合は1〜2週間程度かかります
2-4. 源泉徴収票(同年内転職者のみ)
退職した年と同じ年に新しい会社に入社した場合、年末調整のために前職の源泉徴収票を提出します。
- 退職時に前の職場から受け取ります
- 受け取れていない場合は前の会社に発行を依頼できます(法律で交付が義務付けられています)
- 年をまたいで転職した場合(翌年以降の入社)は提出不要です
2-5. 住民票記載事項証明書
「住民票の写し」とは別の書類で、住所・氏名・生年月日など必要な項目のみを証明するものです。
会社指定の用紙に自分で記入し、市区町村の窓口で証明印を押してもらう形式が一般的です。
会社指定の用紙がない場合は、窓口で発行される証明書を提出します。
近年は住民票そのものの提出より、記載事項証明書の提出を求める企業が増えています。
-
取得場所:
- 居住地の市区町村の窓口
- 会社指定の用紙がない場合に限り、コンビニの証明書交付機でも取得できる(マイナンバーカードが必要。ただし対応していない自治体もあるため、事前にお住まいの自治体公式サイトで確認してください)
-
費用:
200〜500円程度(市区町村によって異なる) -
「世帯全員記載」は不要なことがほとんど:
「住民票を世帯全員記載で提出するように」と指定されていないかぎり、個人(本人のみ)の記載で取得すれば十分です。
3. 書類の提出方法
提出方法は主に3種類あります。
会社の指定に従って選択してください。
3-1. 入社日に直接手渡し
最もよく使われる方法です。
担当者と直接確認し合えるため、書類の不足があっても当日対応できます。
入社当日は手続きが多く慌ただしいため、事前に書類をすべて揃えてまとめておきましょう。
3-2. 郵送で提出する
入社前に提出を求められた場合や、入社日以前に手続きを進めたい場合に利用します。
郵送時のマナー
- 封筒は角形2号(A4が入るもの)を使い、書類を折らずに入れる
- 封筒の表面に赤字で「書類在中」または「入社書類在中」と記載する
- 送付状(添え状)を1枚同封すると丁寧な印象になる
- 個人情報を含む書類が多いため、簡易書留など追跡できる方法で送ると安心
- 提出期限から逆算して、余裕をもって発送する
簡易書留で送ると、配達状況の追跡ができ、届いたことの記録(受領確認)が残ります。
万が一届いていないというトラブルが起きた場合にも、配達済みであることを証明できます。
料金は通常の郵便料金+350円です。
3-3. メールやオンラインで提出する
書類をPDFや画像データにして送付する方法です。
電子化・DX化が進む企業を中心に増えています。
署名・押印が必要な書類や、原本提出が求められる書類は、後日改めて郵送・持参を求められることがあります。
4. 郵送する場合の送付状(添え状)の書き方
送付状は必須ではありませんが、同封すると丁寧な印象を与えます。
特に転職の場合、社会人としてのマナーとして添えるのがおすすめです。
送付状に含める内容
- 送付日(右上)
- 宛先(会社名、部署名、担当者名)
- 自分の名前・住所・連絡先
- 表題(「入社手続き書類のご提出について」など)
- 書類をお送りする旨の本文(簡潔に)
- 「記」として同封書類の一覧(書類名と枚数)
- 末尾の挨拶
送付状の書き方ポイント
- PCで作成してもOK — 手書きでなくてかまいません
- 長々と書く必要はなく、1枚に収まる簡潔な内容にする
- 書類点数が多い場合は「別紙のとおり」と書いて別ページに一覧を付けてもよい
送付状の記入例
2026年4月1日
株式会社〇〇
人事部 〇〇様
住所: 東京都○○区○○1-2-3
氏名: 山田 太郎
電話: 090-XXXX-XXXX
入社手続き書類のご提出について
拝啓
このたびは内定のご通知をいただきまして、誠にありがとうございます。
ご依頼いただきました入社手続きに必要な書類を下記のとおりお送りいたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
敬具
記
1. 基礎年金番号通知書(写し) 1枚
2. 給与振込先届書 1枚
3. 扶養控除等申告書 1枚
4. 住民票記載事項証明書 1枚
5. 身元保証書 1枚
以上
記入時のポイント
- 送付日は右上、宛先は左上に記載するのが一般的なビジネス文書の形式
- 宛先の担当者名がわからない場合は「採用ご担当者様」と記載してもよい
- 「記」の後の書類一覧は、会社からの案内に記載されている書類名にあわせて記入する
- 写しを提出する書類は「(写し)」や「(コピー)」と明記する
5. よくある質問
Q. 住民票は「世帯全員記載」が必要ですか?
A. 指定がない限り、本人のみの記載で問題ありません。
会社から指定がない場合は、本人のみの記載で取得してください。
もし「世帯全員記載で」と指定された場合は、その前に担当者へ「本人のみの記載ではいけませんか?」と一度確認してみましょう。
それでも必要と言われた場合は、指示に従って世帯全員記載のものを提出してください。
Q. 年金手帳を持っていないのですが、どうすればいいですか?
A. 年金手帳は2022年4月以降、新規発行が廃止されています。
現在発行されるのは「基礎年金番号通知書」です。
年金番号がわからない場合は、年金事務所で通知書の再交付を申請してください。
また、マイナンバーを会社に提供すれば、基礎年金番号の提出は不要になる場合があります。
Q. 雇用保険被保険者証をもらっていません
A. 前の会社に連絡して受け取るよう依頼してください。
会社は退職者に対して、この書類を交付する義務があります。
前の会社から受け取れない場合や紛失した場合は、お住まいの地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)で再発行の手続きができます。
Q. 書類の提出が期限に間に合わない場合はどうすればよいですか?
A. できるだけ早く、会社の担当者へ連絡してください。
無断で提出が遅れると、社会保険や給与の手続きに影響が出る場合があります。
いつ頃提出できそうかを具体的に伝えると、柔軟に対応してもらいやすくなります。
揃った書類だけでも先に提出できるか相談してみましょう。
Q. 添え状は手書きでないといけませんか?
A. いいえ、PCで作成したものでかまいません。
企業から特別な指定がない限り(「必ず手書きで」など)、パソコンで作成した読みやすい書面が一般的です。
Q. 引越し前で、住民票の住所と実際に住んでいる住所が違います
A. 入社時点で実際に住んでいる住所を記入するのが一般的です。
入社後に住民票の住所変更が完了したら、会社の担当部署(総務・人事)に新しい住所を届け出るようにしましょう。
住民票の住所変更は、引越し後14日以内に転入届を提出することが求められています。
まとめ: 入社手続きの書類準備チェックリスト
最後に、書類準備の流れをまとめます。
- 会社からの案内で「提出書類一覧」を確認する
- マイナンバーカードまたは通知カードが手元にあるか確認する
- 基礎年金番号通知書(または年金手帳)の保管場所を確認する
- 転職者: 前の職場から雇用保険被保険者証・源泉徴収票を受け取る
- 新卒・転職共通: 必要に応じて住民票記載事項証明書を取得する
- 新卒: 卒業証明書が必要な場合は学校事務局へ依頼する
- 身元保証書が必要な場合は早めに保証人に依頼する
- 健康診断書が必要な場合は受診先と日程を手配する
- 郵送の場合は添え状を用意し、封筒に「書類在中」と記載する
- 提出期限を確認し、余裕をもって提出する
書類の取得には時間がかかるものもあります。
入社日が決まったら早めに準備を始めることが、スムーズな入社への近道です。
