ジュニアNISAはどうする?18歳後・贈与税・こどもNISAまで
「ジュニアNISAに入れてきたお金、制度が終わったけどどうなるの?」
「18歳になったらどうする?」
「ロールオーバーって何?」
「贈与税はかかる?」
こうした疑問をお持ちではないでしょうか。
ジュニアNISAは2023年12月に新規投資が終了しましたが、すでに保有している資産は18歳まで非課税で運用を続けられます。
この手続ガイドでは、これらの疑問に答えながら最適な出口戦略の選び方を解説します。
さらに、2027年に開始予定の新制度「こどもNISA」についても紹介します。
ジュニアNISA廃止後の現状を整理
ジュニアNISAとは?制度の基本をおさらい
ジュニアNISAは、0〜17歳の未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 0歳〜17歳 |
| 年間投資上限 | 80万円 |
| 非課税投資総額 | 最大400万円(80万円×5年) |
| 非課税期間 | 投資した年から5年間 |
| 対象商品 | 上場株式・投資信託等 |
2016年から始まったジュニアNISAですが、2023年12月末をもって新規投資は終了しました。
2024年以降のジュニアNISAはどうなっている?
制度は終了しましたが、すでに投資した資産については引き続き運用が可能です。
| 項目 | 2024年以降の状況 |
|---|---|
| 新規買付 | 終了(できない) |
| 既存資産の保有 | 18歳まで非課税で保有可能 |
| 払出制限 | 撤廃(ただし口座閉鎖が条件) |
| 売却 | いつでも可能(非課税) |
| 売却手数料 | 無料(主要証券会社) |
補足:
売却手数料が無料でも、投資信託には「信託財産留保額」がかかる商品があります。
信託財産留保額とは、解約時に基準価額から差し引かれるコスト(0.1〜0.3%程度)のことで、売却手数料とは別のものです。
保有商品の目論見書でご確認ください。
現在は払出制限がなくなりました(2024年以降)。
ただし、一部の資産だけを払い出すことはできず、払い出す場合はジュニアNISA口座をすべて閉鎖する必要があります。
「継続管理勘定」へのロールオーバーとは
「ロールオーバー」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ジュニアNISAの場合、継続管理勘定への自動移管を指します。
継続管理勘定の仕組み
継続管理勘定とは、ジュニアNISAの非課税期間(5年)が終了した後も、18歳になるまで非課税で資産を保有できる勘定のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手続き | 不要(自動で移管される) |
| 移管上限額 | なし(80万円を超えていても全額移管可能) |
| 新規購入 | できない |
| 売却 | いつでも可能(非課税) |
| 配当金・分配金 | 非課税で受け取れる |
ロールオーバーの手続きは一切不要です。
非課税期間(5年)が終了すると、自動的に継続管理勘定へ移管されます。
いつまで非課税で保有できる?
継続管理勘定での非課税保有期間は、1月1日時点で18歳になる年の前年12月末までです。
具体例:
- 2007年4月生まれ
→ 2026年1月1日時点で18歳
→ 2025年12月末まで非課税 - 2008年4月生まれ
→ 2027年1月1日時点で18歳
→ 2026年12月末まで非課税 - 2010年4月生まれ
→ 2029年1月1日時点で18歳
→ 2028年12月末まで非課税
よくある誤解を解消
ジュニアNISAのロールオーバーについては、誤解が多いので整理しておきましょう。
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| ❌ 成人NISAにロールオーバーできる | ✅ できない(継続管理勘定への移管のみ) |
| ❌ ロールオーバーには手続きが必要 | ✅ 不要(自動で移管される) |
| ❌ 80万円を超えると移管できない | ✅ 全額移管可能(上限なし) |
| ❌ 18歳になったら即課税される | ✅ 18歳になる年の前年12月末まで非課税 |
18歳になったらジュニアNISAはどうなる?
子どもが18歳になったとき、ジュニアNISAの資産はどうなるのでしょうか。
成人NISA口座の自動開設
1月1日時点で18歳になる年に、成人NISA口座(新NISA口座)が自動で開設されます。
開設のための手続きは不要です。
例:
2007年1月3日〜2008年1月2日生まれの方
→ 2026年1月1日に成人NISAが自動開設
例外: 18歳になる前にジュニアNISA口座を廃止した場合や、海外転出届を出している場合などは、成人NISA口座は自動開設されません。
ジュニアNISA資産の行方
18歳になると、継続管理勘定で保有していた資産は課税口座(特定口座または一般口座)へ自動的に払い出しされます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 移管先 | 課税口座(特定口座/一般口座) |
| 手続き | 不要(自動で払い出し) |
| 取得価額 | 払い出し時点の時価に付け替え |
取得価額の付け替えとは?
課税口座に移管される際、取得価額(買った時の値段)は、非課税期間終了年の最終営業日の終値に変更されます。
つまり、ジュニアNISAで運用していた期間の含み益には課税されません。
ただし、課税口座に移管された後にさらに値上がりした分(移管時の時価を超えた利益)については、売却時に課税対象となります。
【重要】新NISAへの直接移行はできない
ここが最も重要なポイントです。
ジュニアNISAから新NISA(成人NISA)への直接ロールオーバーはできません。
ジュニアNISAの資産を引き続き非課税で運用したい場合は、以下の手順が必要です。
- ジュニアNISA口座で売却する(非課税)
- 売却代金を新NISA口座に移す
- 新NISA口座で改めて買い直す
売却と買い直しの間に、市場の値動きリスクがあります。
タイミングによっては、売却時より高い価格で買い直すことになる可能性があります。
ジュニアNISAの出口戦略 - 3つの選択肢
ジュニアNISAの資産をどうするか、主に3つの選択肢があります。
選択肢1: 18歳まで非課税で保有し、成人後に新NISAで買い直す
こんな方におすすめ:
- 当面、資金を使う予定がない
- 長期で資産形成を続けたい
- 非課税期間を最大限活用したい
メリット:
- 18歳まで非課税で運用できる
- 成人後は新NISAの年間360万円の枠を活用できる
デメリット:
- 一時的に課税口座を経由する
- 売却→買い直しの間に市場変動リスクがある
- 売却額が年間投資枠(360万円)を超える場合、単年度では全額を新NISAに移せない
手順:
- 18歳になる年の前年12月末まで非課税で保有
- 18歳になると自動的に課税口座へ払い出し
- 払い出された資産を売却
- 売却代金で新NISA口座で買い直し
新NISAの年間投資枠は360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)です。
ジュニアNISAの売却額がこれを超える場合は、複数年にわたって買い直すことになります。
選択肢2: 必要な時期に売却して現金化する
こんな方におすすめ:
- 大学入学資金として使いたい
- 留学費用に充てたい
- 相場が高いうちに利益確定したい
メリット:
- 必要なタイミングで資金を確保できる
- 売却手数料は無料(主要証券会社)
デメリット:
- 売却後は非課税の恩恵を受けられない
- 売却タイミングの判断が必要
売却タイミングの考え方:
18歳ギリギリまで待つ必要はありません。
資金が必要な時期(大学入学など)の半年〜1年前から相場を見ながら、分割して売却することも選択肢です。
相場の暴落リスクを考慮すると、資金が必要になる直前まで全額保有し続けるのはリスクがあります。
選択肢3: 口座を閉鎖して全額払い出す
こんな方におすすめ:
- 今すぐ資金が必要
- 運用を続ける意思がない
- 他の用途に資金を充てたい
メリット:
- 現在は非課税で払い出し可能(2024年以降)
- 口座閉鎖しても、過去の利益に課税されない
デメリット:
- 一部だけの払い出しは不可(全額閉鎖が条件)
- 書面での手続きが必要
手続き方法:
証券会社によって手続きが異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
- 証券会社のウェブサイトから廃止届出書をダウンロード
- 必要事項を記入
- 書面を郵送
- 口座閉鎖後、資金が払い出される
年齢別おすすめの出口戦略
子どもの年齢と資金の使途に応じて、最適な戦略を選びましょう。
| 子どもの現在年齢 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 0〜11歳 | 18歳まで非課税保有を継続 2027年以降はこどもNISAも併用検討 |
| 12〜15歳 | 18歳まで保有継続 高校進学時に一部売却も選択肢 |
| 16〜17歳 | 大学資金の必要時期を確認 必要なら早めに売却開始 |
| まもなく18歳 | 成人NISA開設に備えて運用方針を検討 買い直しの準備 |
ジュニアNISAと贈与税の関係
「ジュニアNISAのお金は贈与税がかかるの?」という心配をされる方は多いです。
結論から言うと、ジュニアNISAだけなら贈与税はかかりません。
贈与税の基礎控除は年間110万円
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。
つまり、1年間に受け取った贈与の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
ジュニアNISAの年間投資上限は80万円でした。
80万円 < 110万円
つまり、ジュニアNISAへの拠出だけであれば、基礎控除の範囲内なので贈与税は発生しません。
運用益で110万円を超えても贈与税はかからない
贈与税は贈与を受けた時点(口座への入金時)で課税されます。
つまり、入金時に80万円だったものが運用で値上がりして110万円を超えたとしても、それは子ども自身の資産が増えただけであり、新たな贈与ではありません。
したがって、運用益がいくら出ても贈与税の対象にはなりません。
他の贈与と合算して110万円を超えると課税
ただし、注意が必要なのは他の贈与との合算です。
ジュニアNISAへの80万円に加えて、以下のような贈与があると、合計110万円を超える可能性があります。
- お年玉やお小遣い
- 教育費の援助
- 祖父母からの贈与
- 生命保険の贈与
合計が110万円を超えた場合、超えた部分に対して贈与税がかかります。
名義預金リスクへの注意
「名義預金」とは、子ども名義の口座に親がお金を入れているが、実質的には親のお金として扱われるケースです。
相続税の税務調査で「名義預金」と認定されると、子どもの資産ではなく親の資産として相続税の対象になることがあります。
相続税の対象になると...
親が亡くなった際にジュニアNISAの資産が「親の遺産」として相続財産に加算されます。
相続税には基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)がありますが、他の遺産と合わせてこれを超える場合は追加の税負担が発生します。
名義預金と見なされないためのポイント
- 贈与契約書を作成する
- 子ども自身が口座の存在を認識している
- 通帳や印鑑を子どもが管理している(または管理できる年齢になったら渡す)
- 子どものためにお金を使っている実績がある
ジュニアNISAは制度として認められた子ども名義の投資口座なので、通常は名義預金とは見なされにくいですが、念のため贈与の記録を残しておくと安心です。
子どもから親への資金移動は贈与に該当
逆に、ジュニアNISAで増えたお金を親の口座に移すと、子どもから親への贈与と見なされる可能性があります。
子ども名義の資産は、あくまで子ども自身のものとして管理してください。
2027年開始「こどもNISA」とジュニアNISAの違い
2027年1月から、新たに「こどもNISA」(正式名称: 未成年者特定累積投資勘定)が開始される予定です。
ジュニアNISAに代わる未成年向けの非課税制度として注目されています。
こどもNISA制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時期 | 2027年1月(予定) |
| 対象年齢 | 0歳〜17歳 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 非課税期間 | 17歳まで(実質無期限) |
| 対象商品 | つみたて投資枠対象の投資信託のみ |
| 引き出し | 12歳以降(子の同意が条件) |
| 18歳到達時 | 成人NISAへ自動移行 |
ジュニアNISAとの比較表
| 項目 | こどもNISA(2027年〜) | ジュニアNISA(終了) |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 60万円 | 80万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 400万円 |
| 非課税期間 | 17歳まで(無期限) | 5年間 |
| 対象商品 | 投資信託のみ | 株式・投資信託等 |
| 引き出し | 12歳以降可能 | 原則18歳まで不可 |
| 18歳到達時 | 成人NISAへ自動移行 | 課税口座へ払い出し |
こどもNISAの改善点
-
引き出し制限の緩和
ジュニアNISAは18歳まで原則払い出し不可でしたが、こどもNISAは12歳以降で子の同意があれば払い出し可能です。
中学・高校の教育費として使いやすくなります。 -
成人NISAへの自動移行
ジュニアNISAでは18歳到達時に課税口座へ払い出しでしたが、こどもNISAでは成人NISAへ自動移行できます。
売却→買い直しの手間がなくなります。
こどもNISAの注意点
-
年間投資枠が減少
80万円→60万円に減少しています。 -
投資対象が限定
個別株式への投資はできず、つみたて投資枠対象の投資信託のみとなります。
ジュニアNISA保有者への影響
すでにジュニアNISAを持っている方への影響は以下の通りです。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| ジュニアNISAの資産 | そのまま18歳まで非課税で保有可能(変更なし) |
| こどもNISAとの併用 | 併用できる可能性あり(制度の詳細確定後に金融機関の案内で確認) |
| 下の子への活用 | 2027年以降、こどもNISAを新規開設可能 |
兄弟間の格差について
「上の子はジュニアNISAで80万円×数年分を投資できたけど、下の子は制度終了後に生まれた」という場合もあるでしょう。
こどもNISAが始まれば、下の子にも非課税で投資できる機会が生まれます。
ただし、年間投資枠が異なるため、完全に同じ条件にはなりません。
家庭内でのバランスを考えながら、それぞれの子どもに合った資産形成を検討してください。
よくある質問(Q&A)
Q: ロールオーバーの手続きは必要ですか?
A: 基本的に不要です。
非課税期間(5年)が終了すると、自動的に継続管理勘定に移管されます。
証券会社から通知が届きますが、お客様側での手続きは必要ありません。
Q: 18歳になったら新NISAに移せますか?
A: 直接移行(ロールオーバー)はできません。
ジュニアNISA(継続管理勘定)の資産を新NISAに移したい場合は、一度売却してから新NISA口座で買い直す必要があります。
Q: 贈与税はかかりますか?
A: ジュニアNISAの80万円だけなら、かかりません。
贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、ジュニアNISAへの拠出(年間80万円)だけであれば非課税です。
ただし、他の贈与と合算して110万円を超える場合は課税対象となります。
Q: いつ売却するのがベストですか?
A: 使う予定時期や相場状況によります。
18歳ギリギリまで待つ必要はありません。
資金が必要な時期(大学入学など)の半年〜1年前から、相場を見ながら分割して売却することも選択肢です。
Q: 配当金・分配金はどうなりますか?
A: 受取方法によって異なります。
| 受取方法 | 取り扱い |
|---|---|
| 受取型 | 非課税で預り金に入金 |
| 再投資型 | 課税口座(課税ジュニアNISA口座)で再投資 |
成人口座になった後は、分配金は成人口座の預り金に入金されます。
再投資型の場合、成人NISA口座での再投資はできず、特定口座または一般口座での再投資となります。
Q: こどもNISAはいつから始まりますか?
A: 2027年1月開始予定です。
令和8年度税制改正大綱で方針が示されており、2027年1月からの開始が予定されています。
詳細な制度設計は今後発表される見込みです。
Q: ジュニアNISAとこどもNISAは両方使えますか?
A: はい、両方使えます。
すでにジュニアNISAを持っている場合でも、2027年以降にこどもNISAを新規開設することは可能です。
それぞれ別枠の非課税投資として活用できます。
まとめ
ジュニアNISA保有者がやるべきこと
まずは慌てないでください。
ジュニアNISAは制度が終了しましたが、18歳まで非課税で保有可能です。
すぐに何かしなければならないわけではありません。
確認すべき3つのポイント:
- 子どもの年齢と18歳になる時期
- 資金の使う予定(大学費用など)
- 出口戦略の選択(保有継続/売却/口座閉鎖)
出口戦略のまとめ
| 選択肢 | おすすめのケース |
|---|---|
| 18歳まで保有→新NISAで買い直し | 長期運用を続けたい方 |
| 必要な時期に売却 | 大学資金など使う予定がある方 |
| 口座閉鎖して全額払い出し | 今すぐ資金が必要な方 |
今後の選択肢
- ジュニアNISA保有者
18歳まで非課税で保有 → 成人後に新NISAで買い直し - 下の子がいる場合
2027年以降、こどもNISAを活用 - こどもNISAの検討
12歳以降の引き出し可能、成人NISAへ自動移行という改善点あり
APPENDIX: 証券会社別のジュニアNISAの対応
証券会社によって、手続きの詳細や案内方法が異なります。
ここでは主要証券会社の対応を紹介します。
楽天証券の場合
楽天証券の対応は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 継続管理勘定への移管 | 自動(手続き不要) |
| 成人NISA口座の開設 | 18歳になる年に自動開設 |
| ジュニアNISA口座廃止 | ウェブサイトから廃止届出書をダウンロード |
SBI証券の場合
SBI証券も基本的な流れは楽天証券と同様です。
18歳になると成人NISA口座が自動開設され、ジュニアNISA資産は課税口座に払い出されます。
詳細はSBI証券のジュニアNISAページでご確認ください。
マネックス証券の場合
マネックス証券も楽天証券・SBI証券と同様に、18歳になる年に成人NISA口座が自動開設されます。
主なポイント:
- ジュニアNISA口座のNISA残高(非課税残高)は、18歳になる年の前年12月30日夜間に証券総合取引口座のNISA残高に振り替えられる
- ジュニアNISA口座の特定口座は1月1日付で廃止
- 特定口座を開設していない場合は、18歳になる年の前年12月10日までに開設書類を提出する必要がある(遅れると一般口座への移管)
詳細はマネックス証券のジュニアNISAページでご確認ください。
手続きの確認は各証券会社へ
証券会社によって細かい手続きやスケジュールが異なる場合があります。
不明な点がある場合は、お使いの証券会社に直接お問い合わせください。
