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故人の証券口座を調べる方法 - ほふり開示請求の手順と必要書類

故人の証券口座を調べる方法 - ほふり開示請求の手順と必要書類
最終更新:2026年5月8日

「亡くなった父が株をやっていたようだが、どこの証券会社か分からない」
「配当金の通知書が届いたけど、口座がどこにあるのか見当がつかない」
「ネット証券で取引していたらしく、手がかりがまったくない」
——相続手続きを進めるなかで、こうした壁にぶつかる方は少なくありません。

故人の証券口座を一括で調べるには、証券保管振替機構(ほふり)への「登録済加入者情報の開示請求」が最も確実な方法です。

この手続きガイドでは、ほふり開示請求の仕組み・必要書類・費用・手順をわかりやすく解説します。

ほふり(証券保管振替機構)の開示請求とは

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ほふり(証券保管振替機構)とは、日本国内の上場株式や投資信託などの振替(電子的な管理)を行う機関です。

国内のすべての証券会社・信託銀行は、顧客の口座情報をほふりに登録しています。

そのため、ほふりに「登録済加入者情報の開示請求」を行うと、故人(被相続人)がどの証券会社・信託銀行に口座を開設していたかを一括で確認できます。

開示請求で確認できる情報

  • 振替株式等の口座が開示時点で開設されている証券会社・信託銀行等の一覧
  • 担保の受入れ・差入れに関する情報

「開示時点」の情報が対象のため、過去に解約済みの口座は表示されません。

開示請求では確認できない情報

  • 保有銘柄名・取引履歴・保有残高
  • 非上場株式(ほふり取扱対象外のもの)の口座情報
  • 外国株式・国債・社債等の口座情報(※)
注意

ほふりで分かるのは「どの証券会社に口座があるか」までです。
保有銘柄や残高を知るには、開示結果をもとに各証券会社へ別途問い合わせが必要です。

※国内株式も保有している場合

同じ証券会社で国内上場株式等も保有していれば、その証券会社名は開示結果に表示されます。
表示された証券会社に問い合わせることで、外国株式や国債・社債の保有状況も確認できます。
ただし、外国株式や国債・社債のみを保有している証券会社は開示結果に表示されません。

誰が開示請求できるか

故人の証券口座を調べる場合、以下の方が請求できます。

  • 法定相続人
    複数いる場合はそのうち1名で請求可能
  • 法定相続人の法定代理人
    親権者、成年後見人等
  • 法定相続人の任意代理人
    司法書士、行政書士、弁護士等に委任する場合
  • 遺言執行者
    遺言書がある場合

まず確認 - ほふり開示請求の前にやるべきこと

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ほふり開示請求には費用も時間もかかります。

まずは以下の方法で、証券会社の心当たりがないか確認してみてください。

自宅で探すべき書類

  • 特定口座年間取引報告書(証券会社名が記載)
  • 配当金計算書・配当金領収書
  • 株主総会の議決権行使書
  • 証券会社からの各種通知書・ダイレクトメール
  • 確定申告書の控え(株式の損失繰越をしている場合に記載あり)
  • 証券会社のノベルティ(カレンダー、クリアファイル等)
  • 通帳の入出金履歴(配当金の入金・証券会社への出金記録)

心当たりがある証券会社への直接問い合わせ

上記の書類から証券会社が特定できた場合は、その証券会社に相続人として直接問い合わせができます。

口座の有無を確認するだけであれば無料の場合が多いため、ほふりに開示請求する前にまず確認しましょう。

ポイント

ほふりへの開示請求は「口座開設先の証券会社にお心当たりがある場合は、事前にご確認いただいたうえでご請求ください」と公式にも案内されています。
一度受け付けられた開示請求はキャンセルできません。

開示請求の流れ - 3ステップで完了

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ほふりへの開示請求は、すべて郵送で行います。

窓口での受付や電話での回答は行っていません。

  1. 必要書類を用意する
  2. 書類をほふりへ郵送する
  3. 開示結果を代金引換郵便で受け取る

書類に不備がない場合、ほふりが書類を受け付けてから開示結果の送付まで約1か月かかります。

混雑時はさらに日数がかかることもあるため、早めの準備をおすすめします。

必要書類一覧

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必要書類は、請求者の立場によって異なります。

ここでは、最も一般的な「相続人本人が請求するケース」を中心に解説します。

相続人本人が請求する場合(基本パターン)

#書類備考
1開示請求書ほふりHPから様式(PDF/Excel)をダウンロードして記入
2請求者(相続人)の本人確認書類以下のいずれか1点のコピー
3法定相続情報一覧図 or 戸籍等被相続人との関係を証明する書類のコピー
4被相続人の住所確認書類調べたい住所が記載された書類のコピー

本人確認書類として使えるもの(いずれか1点)

  • 運転免許証(表裏両面)
  • マイナンバーカード(表面のみ)
  • パスポート(顔写真+所持人欄)
  • 各種健康保険証または資格確認書
  • 住民票(マイナンバー記載なし・発行6か月以内)
  • 印鑑登録証明書(発行6か月以内)

法定相続情報一覧図について

法務局で発行された「法定相続情報一覧図」のコピーを提出すると、戸籍謄本の束を提出する必要がなくなるだけでなく、開示費用が1,100円安くなります(6,050円→4,950円)。

相続手続きで他にも戸籍が必要になる場面が多いため、法定相続情報一覧図は早めに取得しておくのがおすすめです。

法定相続情報一覧図がない場合の戸籍等

被相続人との続柄に応じて、以下の戸籍謄本等のコピーがすべて必要です。

  • 配偶者・子の場合
    相続人の現在の戸籍謄本(または抄本) + 被相続人の死亡日が記載された除籍謄本
  • 親の場合
    相続人の現在の戸籍謄本 + 被相続人の出生から死亡まで連続する戸籍
  • 兄弟姉妹の場合
    相続人の現在の戸籍謄本 + 被相続人の出生から死亡まで連続する戸籍 + 被相続人の親の死亡記載ある除籍謄本 + (被相続人に子がいる場合)子の死亡記載ある除籍謄本

被相続人の住所確認書類

お調べになりたい住所が記載された、以下のいずれかの書類のコピーを提出します。

  • 戸籍の附票
  • 被相続人の本人確認書類(運転免許証等)
  • 被相続人宛の株式関係書類(議決権行使書、配当金計算書等)
ポイント

住所確認書類は有効期限切れのものでも使用可能です。
故人宛に届いた配当金計算書や議決権行使書も住所確認書類として使えます。

代理人(司法書士等)が請求する場合の追加書類

相続人本人が請求する場合の書類に加え、以下が必要です。

  • 任意代理人の本人確認書類(コピー)
  • 委任状(ほふり指定様式推奨。相続人の実印を押印)
  • 法定相続人の印鑑登録証明書(発行6か月以内のコピー)

書類提出時の重要な注意点

  • すべてコピーで提出(原本提出不可)
  • 戸籍は全ページをコピー(一部ページのみは書類不備で受付不可)
  • マイナンバー・保険者番号は黒塗りしてから提出
  • 提出書類は返却されない
  • チェックリストを活用
    ほふりHPから「登録済加入者情報開示請求のチェックリスト」もダウンロードできます。書類漏れ防止に必ず確認しましょう

費用と期間

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開示費用

請求パターン費用(税込)
相続人が請求(法定相続情報一覧図あり)4,950円
相続人が請求(戸籍等で提出)6,050円
遺言執行者が請求6,050円
2件目以降の追加(住所・氏名の組合せごと)+1,100円
注意

調べた結果「該当なし(口座が見つからなかった)」の場合でも、費用は返金されません。

費用の支払方法

結果の郵送時に、郵便局の代金引換サービスで支払います。

開示結果が届いた際に、郵便局員に上記費用を現金で支払い、「登録済加入者情報通知書」を受け取ります。

送付先は、開示請求書に記載した「請求者の住所(本人確認書類上の住所)」です。

別の住所への送付はできないため、本人確認書類の住所が現住所と一致していることを事前に確認しましょう。

所要期間の目安

段階目安
書類の準備1〜2週間(戸籍等の取得期間による)
ほふりでの審査・開示約1か月
合計約1.5〜2か月

書類に不備がある場合は、さらに日数がかかります。

相続税の申告期限(死亡日の翌日から10か月以内)を考慮し、早めに手続きを進めましょう。

書類の郵送先と送り方

郵送先

〒103-0026
日本橋茅場町郵便局留
東京都中央区日本橋兜町7番1号 KABUTO ONE
株式会社証券保管振替機構
開示請求事務センター
重要

「日本橋茅場町郵便局留」と必ず記載してください。
局留の記載がないと、郵便物の到着が遅れます。

送付方法のポイント

  • 個人情報を含む書類のため、簡易書留レターパックプラスでの送付を推奨
  • 普通郵便でも受け付けされますが、万が一の紛失リスクがあります

開示結果を受け取ったら - 次のステップ

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「登録済加入者情報通知書」が届いたら、記載されている各証券会社に連絡して、以下の情報を確認しましょう。

  1. 保有銘柄と株数の確認
    各証券会社に「相続人として口座の残高を確認したい」と伝える
  2. 相続発生日(死亡日)時点の評価額を取得
    相続税の申告で必要となるため、死亡日の終値を確認
  3. 取得単価(被相続人が購入した価格)の確認
    将来売却する際の譲渡所得計算に必要
  4. 相続手続きの開始
    遺産分割協議を経て、名義変更または売却の手続きへ

費用を抑えるコツ

法定相続情報一覧図を活用する

法定相続情報一覧図を提出すると、開示費用が6,050円→4,950円に割引されます(1,100円お得)。

法定相続情報一覧図は法務局で無料で発行してもらえる書類で、銀行口座の相続手続きや不動産の相続登記でも使えるため、早めに取得しておくと他の手続きでも役立ちます。

ほふりに請求する前に直接確認

心当たりのある証券会社には事前に問い合わせましょう。

口座の有無の確認だけなら多くの証券会社で無料です。

すべての口座が判明すれば、ほふり開示請求そのものが不要になる場合もあります。

旧姓・旧住所の請求は必要最小限に

氏名と住所の組合せ1件ごとに費用が発生します。

婚姻前の旧姓や引越し前の旧住所でも調べる必要がある場合は、2件目以降+1,100円が加算されます。

本当に必要な組合せだけに絞って請求しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. ネット証券の口座も分かりますか?

A. はい、分かります。

楽天証券やSBI証券などのネット証券も、ほふりに加入者情報を登録しています。

書面での通知がないネット証券の口座を発見するために、ほふり開示請求は特に有効です。

Q. 非上場株式や外国株式も調べられますか?

A. いいえ、直接は調べられません。

ほふりで確認できるのは、金融商品取引所に上場されている国内株式・投資信託(ETF含む)・REIT等の口座情報です。

非上場株式(ほふり取扱対象外のもの)、外国株式、国債、社債等は対象外です。

ただし、同じ証券会社で国内上場株式等も保有していれば、その証券会社名は開示結果に表示されます。表示された証券会社に問い合わせれば、外国株式や国債・社債の保有も確認できます。一方、外国株式や国債・社債のみを保有している証券会社は結果に表示されないため注意が必要です。

Q. 該当がなかった場合も費用はかかりますか?

A. はい、かかります。

調べた結果「該当なし(口座が見つからなかった)」の場合でも、開示費用は発生し返金されません。

事前に自宅の書類を確認し、心当たりのある証券会社に問い合わせてから請求することをおすすめします。

Q. 相続人が複数いる場合、代表者1名が請求すれば良いですか?

A. はい、法定相続人のうち1名が請求すれば結果を確認できます。

他の相続人の同意書や委任状は不要です。

Q. 結果が届くまでに相続税の申告期限が来てしまいそうです

A. 税務署に事情を説明し、延長や概算申告を検討してください。

ほふりの開示結果が届くまでに約1か月かかるため、相続税の申告期限に間に合わない可能性がある場合は、税務署に相談しましょう。

やむを得ない事情がある場合は申告期限の延長が認められることがあります。

また、判明している財産で先に概算申告し、後日修正申告する方法もあります。

税理士に相談して最適な対応を検討してください。

Q. 開示請求書を印刷できない場合はどうすればいいですか?

A. 電話で様式の郵送を依頼できます。

証券保管振替機構の開示請求事務センター(03-5665-3642、平日10:00〜16:00)に電話すれば、開示請求書の様式を郵送してもらえます。

まとめ

故人の証券口座を一括で調べるには、ほふり(証券保管振替機構)への「登録済加入者情報の開示請求」が最も確実な方法です。

手続きのポイントをおさらいします。

  • まず自宅で取引報告書や配当金通知書を探す
  • 心当たりのある証券会社に直接問い合わせる
  • それでも不明な口座がありそうなら、ほふりに開示請求する
  • 法定相続情報一覧図を使うと費用が4,950円に割引される
  • 書類はすべてコピーで郵送(窓口受付なし)
  • 結果が届くまで約1か月かかるため、早めの手続きを

費用は4,950円〜6,050円、期間は準備を含めて約1.5〜2か月が目安です。

相続税の申告期限(10か月)を考えると、相続が発生したら早い段階で準備を始めることをおすすめします。

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