駐車場だけ変えたら届出は?保管場所変更届と車庫証明変更の違い
賃貸駐車場(月極駐車場など)を別の駐車場に借り換えた、自宅駐車場から賃貸駐車場に変えたなど、住所は変わらないのに駐車場だけ変わった場合、届出は必要なのでしょうか?
結論から言うと、保管場所が変わった場合は、変更した日から15日以内に届出が必要です。
届出をしないと、10万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
この手続きガイドでは、「保管場所変更届」の必要書類・手続き手順・費用・届出期限について、初めての方にもわかりやすく解説します。
保管場所変更届とは?車庫証明との違い
「駐車場を変えたら車庫証明が必要?」と疑問に思う方も多いですが、自分の住んでいる住所や車の名義に変更がない場合は「車庫証明」ではなく「保管場所変更届」という別の手続きになります。
保管場所変更届とは
保管場所変更届は、車の駐車場(保管場所)の位置だけが変わった場合に、警察署に届け出る手続きです。
正式には「自動車保管場所届出(変更届)」と呼ばれます。
車庫法(自動車の保管場所の確保等に関する法律)に基づき、保管場所を変更した日から15日以内に届出が義務付けられています。
車庫証明との違い
「車庫証明」と「保管場所変更届」は混同されがちですが、以下のように異なります。
| 項目 | 保管場所変更届 | 車庫証明(保管場所証明) |
|---|---|---|
| いつ必要? | 駐車場だけ変わった場合 | 住所変更・名義変更・新規登録の場合 |
| 届出先 | 警察署 | 警察署 |
| 費用 | 原則無料 | 約2,100〜2,400円 |
| 車検証の変更 | 不要 | 必要 |
| 処理日数 | 即日 | 3〜7日程度 |
車庫証明の取り方、必要書類の詳細については、「 車庫証明の取り方を解説!必要書類の書き方・費用・自分で取る方法 」で解説しています。
保管場所変更届が必要なケース・不要なケース
どのような場合に届出が必要なのか、具体的なケースを確認しましょう。
届出が必要なケース
普通自動車の場合
以下のいずれかに該当する場合、保管場所変更届が必要です。
- 賃貸駐車場(月極駐車場など)を別の駐車場に借り換えた
- 自宅駐車場から賃貸駐車場に変えた、またはその逆
軽自動車の場合
軽自動車は普通自動車と異なり、そもそも「車庫証明」の取得義務がありません。
その代わりに、一部の地域(届出対象地域)では「保管場所届出」が必要です。
軽自動車の場合、新規取得時も保管場所の変更時も同じ「保管場所届出」で手続きします。
届出対象地域にお住まいの場合、以下のケースで届出が必要になります。
保管場所を変更した場合
- 賃貸駐車場を別の駐車場に借り換えた
- 自宅駐車場から賃貸駐車場に変えた、またはその逆
普通自動車と同様に、同じ敷地内での区画移動程度であれば届出は不要です。
その他、届出が必要な場合
- 届出対象地域に転居した
- 新車・中古車を新たに保有した
届出が不要なケース
以下の場合は、基本的に届出は不要です。
- 同じ敷地内の隣の区画に移動した程度の変更(自宅敷地内・賃貸駐車場内ともに)
- 軽自動車で届出対象外地域に住んでいる場合
- 住所変更を伴う場合(この場合は車庫証明が必要)
軽自動車の届出対象地域を調べる
軽自動車の保管場所届出が必要かどうかは、お住まいの地域によって異なります。
都市部では基本的に届出が必要ですが、町村部などでは不要な地域もあります。
届出に必要な書類
保管場所変更届に必要な書類は以下のとおりです。
必要書類一覧
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 自動車保管場所届出書 | 警察署窓口またはウェブサイトからダウンロード |
| 保管場所の所在図・配置図 | 自宅と保管場所の位置関係、駐車場の寸法を記載 |
| 保管場所の使用権原を疎明する書類 | 自認書または保管場所使用承諾証明書 |
書類の詳細
1. 自動車保管場所届出書
届出の基本となる書類です。
車庫証明の申請時に使用する「自動車保管場所証明申請書」とは別の書類ですので、間違えないようにしましょう。
ただし、記入内容はほぼ同じで、車両情報(車名、型式、車台番号、大きさ)と保管場所の情報を記載します。
押印は不要です。
- ① 新規・変更
車庫を変更した場合は「変更」に〇印を付けます。(軽自動車を新規に登録する場合は「新規」) - ② 自動車の区分
普通自動車の場合は「登録」に〇印を付けます。(軽自動車の場合は「軽」) - ③ 車名
メーカー名(トヨタ、ホンダなど)を記入します。 - ④ 型式
車検証の「型式」欄に記載されている通りに記入します。(例: DBA-XXX, 6AA-YYYY) - ⑤ 車台番号
車検証の「車台番号」欄に記載されている通りに記入します。(例: XXX-1234567) - ⑥ 自動車の大きさ
車検証に記載の長さをセンチメートル単位で右詰めで記入します。 - ⑦ 自動車の使用の本拠の位置
自動車の使用者の住所(個人の場合は自宅、法人の場合は営業所など)を記入します。 - ⑧ 自動車の保管場所の位置
駐車場・車庫の所在地を住居表示で記載します(住居表示がない場合は、地番もしくは直近の番地を記載)- ⑨ 変更前
変更の場合は変更前の駐車場・車庫の所在地を記載します
- ⑨ 変更前
- ⑩ 警察署長殿
申請先の警察署名を記入します。 - ⑪ 届出者
警察署窓口に書類を提出する方ではなく、自動車の使用者となっている方の住所・氏名等を記載します。- 個人の場合
住民票または印鑑証明書の住所と氏名を記載します。 - 法人の場合
登記簿又は印鑑証明書に記載されている所在地・法人名を記載します。
- 個人の場合
- ⑫ 使用権原:
車庫の所有者に応じて選択します。- 自己所有:
自分の土地や建物の場合。
「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」が必要です。 - 他人所有:
賃貸駐車場などの場合。
「保管場所使用承諾証明書」が必要です。 - 共有:
複数人で共有している土地や建物の場合。
申請者自身の「自認書」と、他の共有者全員の「保管場所使用承諾証明書」が必要です。
- 自己所有:
- ⑬: 新規/代替
- 初めて使う車庫で、まだ届出を行っていない場合 -> 「新規」
- 今まで使っていた車庫で、既に届出を行っている場合(軽自動車の新規登録など) -> 「代替」
- ⑭: 車両番号
- 「新規」を選択した場合記載の必要はありません
2. 保管場所の所在図・配置図
車庫証明の申請時と同じ書類の、車庫の場所を明確にするための地図です。
2種類の図面を1枚の用紙に記載します。
- ① 所在図
- 自宅と駐車場の位置関係がわかるように、Googleマップなどの地図を印刷して貼り付けることも可能です。
- 自宅と駐車場を直線で結び、その距離を記入します。
- 周辺の目標となる建物や道路を記入します。
- ② 配置図
- 駐車場内での具体的な停車位置がわかるように記入します。
- 車庫の寸法(縦・横・高さ)をメートル単位で記入します。
- 駐車場に接する道路の幅員を記入します。
- ③ 車両番号
ナンバープレートの番号を記入してください - ④ 車体番号
自動車保管場所届出書の車体番号と同じ - ⑤ 車名
自動車保管場所届出書の車名と同じ
3. 保管場所の使用権原を疎明する書類
こちらも車庫証明の申請時と同じ書類です。
保管場所をどのような権利で使用しているかを証明するもので、以下のどちらかを提出します。
-
保管場所使用権原疎明書面(自認書)
保管場所が自分の所有地の場合に使用します。 -
保管場所使用承諾証明書
保管場所が賃貸駐車場の場合に使用します。
管理会社や大家さんに発行してもらいます。
保管場所使用権原疎明書面(自認書)
車庫が自己所有である場合に提出する書類です。
- ① 証明申請/届出
普通車の場合は「証明申請」に、軽自動車の場合は「届出」にチェックを入れます。 - ② 土地/建物
駐車場の形態に応じて、「土地」「建物」または両方にチェックを入れます。
保管場所使用承諾証明書
賃貸の駐車場などを利用する場合に、その所有者や管理者に発行してもらう書類です。
- ① 保管場所の位置
車庫の住所を記入します。 - ② 使用者の住所・氏名
申請者の住所と氏名を記入します。 - ③ 契約者
駐車場を契約している人の情報を記入します。使用者と同じ場合は「上記に同じ」で構いません。 - ④ 使用者と契約者の関係
異なる場合に、該当するものに丸をつけます。 - ⑤ 使用期間
駐車場の契約期間を記入します。契約期間は、申請日から1ヶ月以上の期間が必要です。- たとえ実際の契約(例:自動更新の月極駐車場など)に明確な「終わり」が定められていない場合でも、具体的な日付を記入するのが一般的です。
- 最も確実な方法は、保管場所の管理者(大家さん、管理会社、親族など)に依頼し、使用開始日から「1年間」または「2年間」といった、ある程度の期間を設定して記入してもらうことです。
- ⑥ 保管場所の所有者又は管理委託者
駐車場のオーナーや管理会社の署名・捺印をもらいます。
賃貸借契約書のコピーを「保管場所使用承諾証明書」の代わりとして使用できる場合があります。
ただし、契約内容に使用者の氏名、保管場所の位置、契約期間などが明記されている必要があります。
保管場所の要件
届出が受理されるためには、保管場所が以下の要件を満たしている必要があります。
- 駐車場、車庫、空き地など道路以外の場所であること
- 使用の本拠の位置(自宅)から直線距離2km以内であること
- 自動車が通行できる道路から支障なく出入りでき、自動車全体を収容できること
- 保管場所として使用できる権原を有していること
届出者の住所と使用の本拠の位置が異なる場合(単身赴任先など)は、使用の本拠の位置を確認できる書類(公共料金の領収書など)の提出を求められることがあります。
詳しくは届出先の警察署にご確認ください。
書類の入手方法
必要書類は以下の方法で入手できます。
- 各都道府県警察のウェブサイトからダウンロード
- 警察署の交通課窓口で直接入手
届出の手続き手順
保管場所変更届の手続きは、以下の流れで進めます。
手続きの流れ
-
必要書類を準備する
前述の書類を準備します。
賃貸駐車場の場合は、管理会社から保管場所使用承諾証明書を取得してください。 -
警察署に届出書を提出する
変更後の保管場所を管轄する警察署に届出書を提出します。 -
届出完了
書類に不備がなければ即日受理されます。
届出先
届出は、変更後の保管場所を管轄する警察署の交通課窓口で行います。
自宅を管轄する警察署ではなく、駐車場を管轄する警察署である点に注意してください。
受付時間
- 平日8:30〜16:30頃(都道府県により異なります)
- 土日祝日、年末年始は受付していません
月末や年度末は混雑するため、時間に余裕をもって手続きしましょう。
オンライン届出
一部の都道府県では、「警察行政手続オンライン化システム」でオンライン届出が可能です。
届出にかかる費用
保管場所変更届にかかる費用は以下のとおりです。
費用の目安
2025年(令和7年)4月1日から保管場所標章(ステッカー)が廃止され、届出の手続きが簡素化されました。
これに伴い、届出の手数料は原則無料となっている都道府県が多くなっています。
- 保管場所標章(車に貼るシール)の交付がなくなった
- 標章交付手数料(500〜550円程度)が不要になった
- 東京都(警視庁)では届出手数料は無料
ただし、手数料の運用は都道府県ごとに異なるため、詳しくは届出先の警察署にご確認ください。
なお、すでに車に貼ってあるステッカーは、剥がしても貼ったままでも問題ありません。
届出期限と届出しない場合の罰則
届出には期限があり、届出をしないと罰則の対象となる可能性があります。
届出期限
保管場所を変更した日から15日以内に届出が必要です。
これは車庫法第7条で定められた義務です。
届出しないとどうなる?
届出をしない場合、以下の罰則が科される可能性があります。
| 違反内容 | 罰則 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 届出をしなかった場合 | 10万円以下の罰金 | 第17条第3項第1号 |
| 虚偽の届出をした場合 | 10万円以下の罰金 | 第17条第3項第1号 |
| 虚偽の書面で保管場所証明を受けた場合(いわゆる車庫飛ばし) | 20万円以下の罰金 | 第17条第2項第1号 |
根拠法令は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」です。
15日を過ぎてしまった場合
期限を過ぎてしまった場合でも、できるだけ早く届出をしてください。
実際に罰金を科されるケースは稀ですが、届出をしないまま放置すると「車庫飛ばし」(虚偽の書面で保管場所証明を受ける行為)とみなされる可能性があります。
車庫飛ばしは悪質な違反として扱われ、20万円以下の罰金が科される場合があります(第17条第2項第1号)。
軽自動車の保管場所届出
軽自動車の場合、普通自動車とは少し手続きが異なります。
詳細は「軽自動車の届出対象地域を調べる」のセクションをご確認ください。
ポイントまとめ
- 軽自動車は「車庫証明(保管場所証明)」ではなく「保管場所届出」
- 届出対象地域にお住まいの場合のみ届出が必要
- 届出先は普通自動車と同様に、変更後の保管場所を管轄する警察署
- 届出書類に不備がなければ即日受理
- 必要書類は普通自動車の保管場所変更届と同じ
Q&A よくある質問
Q. 駐車場だけ変えた場合、車庫証明は取り直す必要がありますか?
A. 住所や名義に変更がなければ「車庫証明」は不要です。
代わりに「保管場所変更届」を警察署に届け出ます。
車庫証明が必要なのは、住所変更・名義変更・新規登録の場合です。
Q. 届出の期限は?過ぎたらどうなりますか?
A. 変更した日から15日以内に届出が必要です。
期限を過ぎると10万円以下の罰金の対象となりますが、過ぎてしまった場合でも速やかに届出すれば問題になることは稀です。
期限を過ぎていても、できるだけ早く届出をしてください。
Q. 同じ駐車場の隣の区画に変わった場合も届出は必要ですか?
A. 同一敷地内の区画移動程度であれば、基本的に届出は不要です。
ただし、判断に迷う場合は管轄の警察署に確認することをおすすめします。
Q. 届出をしないまま放置するとどうなりますか?
A. 「車庫飛ばし」(虚偽の保管場所申請)とみなされる可能性があります。
車庫飛ばしは20万円以下の罰金の対象で、悪質な場合は刑事罰の対象となることもあります。
Q. オンラインで届出できますか?
A. 一部の都道府県では「警察行政手続オンライン化システム」でオンライン届出が可能です。
対応状況は地域によって異なりますので、管轄の警察署にご確認ください。
Q. 届出に手数料はかかりますか?
A. 都道府県によって異なりますが、無料〜数百円程度です。
東京都(警視庁)では手数料は無料です。
また、2025年4月から保管場所標章(ステッカー)が廃止されたため、標章交付手数料(500〜550円程度)も不要になりました。
まとめ
駐車場だけ変えた場合の届出について、ポイントをまとめます。
- 駐車場(保管場所)だけ変えた場合は「保管場所変更届」を警察署に届出
- 届出期限は変更した日から15日以内
- 届出しないと10万円以下の罰金の可能性
- 届出に必要な書類は、届出書・所在図配置図・使用権原書類の3種類
- 費用は無料〜数百円程度(都道府県により異なる)
- 2025年4月からステッカー廃止で手続きが簡素化
- 軽自動車は地域によって届出の要否が異なる
届出は窓口で即日完了する簡単な手続きです。
駐車場を変更したら、忘れないうちに届出を済ませましょう。
車庫証明の詳しい取り方については、「 車庫証明の取り方を解説!必要書類の書き方・費用・自分で取る方法 」をご覧ください。
また、引っ越しに伴う車の手続き全般については、「 引っ越し後の車の手続き完全ガイド〜ナンバー変更から車庫証明まで 」で解説しています。