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車を運転中に事故が!交通事故後の流れ・手続きとやることを徹底解説

車を運転中に事故が!交通事故後の流れ・手続きとやることを徹底解説
最終更新:2026年5月20日

車を運転していて交通事故を起こしてしまった、または事故に巻き込まれてしまった――そんな状況は突然訪れます。

どんなに安全運転を心がけていても、誰にでも起こりうることです。

事故直後は誰でもパニックになるものです。

「何から手をつければいいのか」
「どこに連絡すればいいのか」
「警察や保険会社にどう伝えればいいのか」
と混乱するのは当然のことです。

しかし、落ち着いて正しい手順を踏めば、スムーズに事故処理を進めることができます。

この手続きガイドでは、車の運転中に交通事故が発生した瞬間から示談成立まで、事故後の流れと必要な手続きを時系列ですべて解説します。

初めての事故でも、この手続きガイドを見れば適切に対応できるようになります。

1. 交通事故が起きたらまずやる3つのこと【最優先】

事故が起きたら、まずは以下の3つを優先して行いましょう。

どれも法律で義務づけられている、または後の手続きで必須となる重要な対応です。

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1-1. 負傷者の救護と二次災害の防止

最優先すべきは、人命の安全確保です。

まずケガ人の有無を確認してください

自分自身、同乗者、相手の運転者や同乗者、さらに歩行者など、周囲にケガをした人がいないか確認します。

ケガ人がいる場合は、すぐに救護してください

意識がない、出血している、激しい痛みを訴えているなど、重傷と思われる場合は、すぐに119番通報して救急車を呼びます。

軽いケガでも、安全な場所に移動させ、可能な範囲で応急処置を行います。

ただし、無理に動かすと症状を悪化させる可能性があるため、意識がない場合や首や腰を痛めている可能性がある場合は、むやみに動かさずに救急車を待ちましょう。

二次災害を防ぐための対応も重要です

事故車両が道路上に停止していると、後続車が追突する危険があります。

可能であれば、車を安全な場所(路肩や駐車場)に移動させましょう。

移動が難しい場合や、車両が動かせない場合は、以下の対応をしてください。

  • ハザードランプを点灯させる
  • 発煙筒または三角表示板を車の後方に設置する(高速道路では特に重要)
  • 後続車に事故を知らせる

事故現場でやることチェックリスト

  • ケガ人の有無を確認
  • ケガ人がいれば救護・119番通報
  • 車を安全な場所に移動(可能な場合)
  • ハザードランプを点灯
  • 発煙筒または三角表示板を設置
  • 後続車への注意喚起

道路交通法では、交通事故を起こした運転者に「負傷者の救護義務」が課せられています。

これを怠ると、「救護義務違反」として厳しく罰せられますので、必ず対応してください。

1-2. 警察に連絡する(110番)

安全確保ができたら、次に警察に連絡します。これは道路交通法第72条で義務づけられています。

どんなに軽微な事故でも、必ず警察に連絡してください

「ちょっとこすっただけだから」
「相手と話し合って解決できそうだから」
という理由で警察に連絡しないのは、法律違反です。

警察への報告義務違反(道路交通法第72条)の罰則は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なお、負傷者の救護義務を怠った場合(いわゆる「ひき逃げ」)は、さらに重い「10年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。

また、警察に届け出ないと「交通事故証明書」が発行されません。

この証明書がないと、保険会社に保険金を請求することができなくなります。

交通事故証明書とは?

交通事故証明書は、事故が発生した事実を公的に証明する書類です。

保険金の請求や示談交渉で必要になるため、必ず取得しておきましょう。

交通事故証明書の取得方法

交通事故証明書は、自動車安全運転センターから取得します。

  • 窓口申請
    最寄りの自動車安全運転センター事務所で申請(即日〜数日で交付)
  • 郵送申請
    ゆうちょ銀行・郵便局の窓口で申請用紙に記入し、手数料を振り込む
  • インターネット申請
    自動車安全運転センターのWebサイトから申込み可能
  • スマートフォンアプリ
    「運転経歴に係る証明書申請アプリ」からも申請可能

交通事故証明書の手数料

1通あたり1,000円(2025年10月改定)です。

なお、警察に届出をしてから、自動車安全運転センターにデータが届くまでに数日〜2週間程度かかります。

届出直後に申請しても発行できない場合があるので、事故から1〜2週間後に申請するのがスムーズです。

警察に伝えるべき内容

  • 事故が発生した日時
  • 事故が発生した場所(住所や目印)
  • 死傷者の人数と負傷の程度
  • 損壊した物(車両、ガードレール、電柱など)とその程度
  • 事故後に行った措置(救護、安全確保など)

警察が到着すると、事故の状況を確認する「実況見分」が行われます。

これについては後ほど詳しく説明します。

注意

警察に連絡せずに当事者同士で示談してしまうと、後で相手が「そんな約束はしていない」と言い出したり、後から症状が出て治療費を請求されたりしても、証明する手段がなくなります。
必ず警察を呼びましょう。

1-3. 相手の情報を確認・記録する

警察に連絡したら、落ち着いて相手の情報を確認し、事故現場の状況を記録します。

これらの情報は、後の保険手続きや示談交渉で重要になります。

相手から聞くべき情報

  • 氏名、住所、電話番号
  • 勤務先の名称と連絡先(業務中の事故の場合)
  • 加入している保険会社名と証券番号
  • 車のナンバープレート

スマートフォンで撮影すべきもの

  • 相手の運転免許証(表面と裏面)
  • 相手の車検証
  • 相手の車のナンバープレート
  • 相手の保険証券(提示してもらえる場合)

これらの情報は、写真に撮っておくのが確実です。

警察は個人情報保護の観点から、相手の詳細な連絡先を教えてくれないことがあります。

自分で直接確認して記録しておきましょう。

事故現場の記録も忘れずに

  • 事故車両の全体像(複数の角度から)
  • 車両の損傷部分(アップで詳しく)
  • 道路の状況(信号、一時停止標識、道幅、見通しなど)
  • タイヤ痕やガラス片の散らばり具合
  • 天候や路面の状態

これらの写真は、過失割合を判断する際の重要な証拠となります。

できるだけ多くの角度から撮影しておきましょう。

ドライブレコーダーの映像を確保

ドライブレコーダーを設置している場合は、事故の映像が記録されているはずです。

上書きされないよう、SDカードを取り出すか、録画ファイルを別の場所に保存しておきましょう。

目撃者がいれば連絡先を聞いておく

事故を目撃した人がいれば、お願いして連絡先(氏名と電話番号)を教えてもらいましょう。

後で証言が必要になったときに連絡できるようにしておくと安心です。

記録すべき情報チェックリスト

  • 相手の氏名・住所・電話番号
  • 相手の運転免許証(写真)
  • 相手の車検証(写真)
  • 相手の保険会社名・証券番号
  • 車両全体の写真(複数角度)
  • 損傷部分の写真(詳細に)
  • 道路状況の写真
  • ドライブレコーダー映像の保存
  • 目撃者の連絡先(いれば)

これらの情報があれば、後の手続きがスムーズに進みます。

事故直後は動揺していて記録を忘れがちですが、可能な限り記録を残すようにしましょう。

2. 警察の現場検証(実況見分)に協力する

警察が到着すると、事故の状況を確認する「実況見分」が行われます。

これは後の手続きで非常に重要なプロセスです。

2-1. 実況見分とは

実況見分は、警察官が事故の状況を記録する手続きです

当事者の立ち会いのもと、事故がどのように起きたのかを再現し、その内容を「実況見分調書」という書類にまとめます。

この調書は、後の示談交渉や裁判で過失割合を判断する際の重要な証拠となります。

実況見分の流れ

  1. 警察官が事故現場を確認
  2. 当事者それぞれから事故状況を聞き取り
  3. 事故の再現(どこからどのように車が動いたか)
  4. 現場の写真撮影や測定
  5. 実況見分調書の作成

軽微な物損事故の場合は、簡易な「物件事故報告書」で済ませることもあります。

2-2. 実況見分で注意すること

実況見分では、以下の点に注意してください。

覚えていることをありのまま正確に話す

事故の状況について、自分が覚えていることをできるだけ正確に説明しましょう。

「どこから車が出てきたか」
「どのくらいのスピードだったか」
「どの時点でブレーキを踏んだか」
など、具体的に答えます。

曖昧な記憶は無理に答えない

覚えていないことを無理に答える必要はありません。

「覚えていない」「はっきりしない」と正直に伝えることも大切です。

相手に遠慮して事実を曲げない

「相手に悪いから」「穏便に済ませたいから」という理由で、事実と違うことを言ってはいけません。

後で大きなトラブルになる可能性があります。

調書の内容を必ず確認する

警察官が作成した実況見分調書の内容を、署名・押印する前に必ず確認してください。

もし記載内容に間違いがあれば、その場で訂正を求めましょう。

一度署名してしまうと、後から内容を変更することは非常に困難です。

焦らず、納得してから署名する

警察官に急かされても、内容をしっかり確認してから署名してください。

分からないことがあれば質問しましょう。

2-3. 物損事故と人身事故の違い

交通事故は、「物損事故」と「人身事故」に分類されます。

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この違いを理解しておくことが重要です。

物損事故

車両やガードレールなど、物に対する損害のみが発生した事故です。

  • 行政処分(免許の違反点数付加):
    なし
  • 刑事罰:
    なし
  • 民事責任:
    物的損害の賠償のみ
  • 慰謝料請求:
    できない

人身事故

人がケガをしたり死亡したりした事故です。

  • 行政処分(免許の違反点数付加):
    あり(減点、免許停止・取消しの可能性)
  • 刑事罰:
    あり(自動車運転処罰法により懲役刑や罰金刑の可能性)
  • 民事責任:
    物的損害と人的損害の賠償
  • 慰謝料請求:
    できる

どちらで届け出るか?

事故直後は興奮状態で痛みを感じにくいため、ケガに気づかず「物損事故」として届け出てしまうことがあります。

しかし、後から痛みが出てきた場合、人身事故に切り替えることができます。

後から人身事故に切り替える方法

  1. 病院で診察を受ける
  2. 医師に診断書を書いてもらう
  3. 診断書を持って警察署に行く
  4. 人身事故への切り替えを申請する

人身事故への切り替えには法律上の期限はありませんが、事故から時間が経ちすぎると因果関係の証明が困難になります。

実務上は事故から10日以内に手続きすることを推奨します。

1ヶ月程度であれば切り替えが認められるケースもありますが、3ヶ月以上経過すると事実上困難になるため、痛みを感じたらすぐに病院を受診してください。

人身事故にするメリット

  • 治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などを請求できる
  • 実況見分調書が作成される(物損事故では簡易な報告書のみ)
  • 相手の過失が明確になる

人身事故にするデメリット(加害者側)

  • 免許の点数が減点される
  • 刑事罰を受ける可能性がある

被害者の立場であれば、少しでもケガや痛みがある場合は、人身事故として届け出ることをお勧めします。

3. 保険会社に連絡する

事故が起きたら、自分が加入している保険会社にも連絡する必要があります。

3-1. 連絡するタイミング

できるだけ早く、遅くとも事故当日中に連絡しましょう

警察への連絡や実況見分が終わり、少し落ち着いてから連絡すれば大丈夫です。

遅くとも事故発生から24時間以内には連絡するようにしてください。

保険会社は24時間365日、事故受付窓口を設けていることが多いので、深夜や休日でも連絡できます。

連絡方法

  • 保険証券に記載されている事故受付専用ダイヤルに電話
  • 保険会社の公式サイトやアプリから事故報告
  • 契約している代理店に連絡

最近は、スマートフォンのアプリで事故報告ができる保険会社も増えています。

アプリなら写真もその場でアップロードできるので便利です。

なぜ早く連絡すべきなのか?

  • 保険会社が早期に事故対応を開始できる
  • 相手方への連絡や交渉を代行してもらえる
  • アドバイスを受けながら手続きを進められる
  • 連絡が遅れると保険金が支払われない場合がある

3-2. 保険会社に伝えること

保険会社に連絡する際は、以下の情報を伝えます。事前にメモしておくとスムーズです。

基本情報

  • 契約者の氏名と保険証券番号
  • 事故が発生した日時
  • 事故が発生した場所(住所)
  • 事故の状況(簡潔に説明)

事故の詳細

  • 相手の氏名、住所、電話番号
  • 相手の車のナンバープレート
  • 相手の保険会社名と証券番号(分かれば)
  • ケガ人の有無と程度
  • 車両の損傷状況

その他

  • 警察に届け出たかどうか
  • 実況見分が行われたかどうか
  • ドライブレコーダーの映像があるか
  • 目撃者がいるか

これらの情報を正確に伝えることで、保険会社が適切に対応してくれます。

3-3. 保険会社がしてくれること

保険会社に連絡すると、以下のようなサポートを受けられます。

事故対応のアドバイス

  • これから何をすべきか
  • 病院に行くべきかどうか
  • 相手とどう接すればよいか

相手方との交渉

  • 対人賠償保険、対物賠償保険を使う場合、保険会社が相手方と交渉してくれます
  • 過失割合の判断
  • 賠償額の算定と支払い

修理工場の手配

  • 車両保険に加入している場合、修理工場を紹介してもらえます
  • レッカー手配も対応してくれることがあります

病院への連絡

  • 人身傷害保険に加入している場合、病院に直接支払いの手続きを取ってくれることがあります

示談代行サービス

  • 多くの自動車保険には「示談代行サービス」が付いています
  • 保険会社の担当者が、相手方や相手の保険会社と交渉を代行してくれます

ただし、もらい事故(自分の過失が0%の場合)では、示談代行サービスを利用できません。

これは、保険会社が示談交渉を代行できるのは、保険会社が「賠償金を支払う側」として法律上の利害関係者になる場合に限られるためです。

もらい事故では、保険会社は相手方に賠償金を支払う義務がないため、利害関係者となりません。

この状況で示談交渉を代行すると、弁護士資格がないのに報酬(保険料)を得て法律事務(示談交渉)を行ったとみなされ、弁護士法第72条に抵触する可能性があります。

この場合は、弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼することを検討しましょう。

4. 病院で診察を受ける

事故後は、必ず病院で診察を受けましょう。

たとえ目立った外傷がなくても、受診することをお勧めします。

4-1. すぐに病院に行くべきケース

以下のような症状がある場合は、すぐに病院に行ってください。

  • 痛みがある(首、腰、頭、手足など)
  • 出血している
  • 頭を打った
  • 吐き気やめまいがある
  • 体が動かしにくい

軽症でも必ず受診する理由

事故直後は興奮状態で、アドレナリンが出ているため、痛みを感じにくくなっています。

数時間後、あるいは翌日になってから、首や腰の痛み(いわゆる「むちうち」)が出てくることがよくあります。

また、頭を打った場合、脳に損傷がある可能性もあります。

外から見ても分からないことがあるため、念のため医師の診察を受けることが大切です。

診断書がないと人身事故にできない

人身事故として警察に届け出る場合、医師の診断書が必要です。

物損事故として処理されてしまうと、治療費や慰謝料を十分に請求できなくなる可能性があります。

治療費請求の根拠になる

病院で診察を受けたという記録があれば、後で保険会社に治療費を請求する際の根拠となります。

4-2. 何科を受診する?

症状によって受診すべき診療科が異なります。

症状別の診療科

  • 首や腰の痛み、むちうち:
    整形外科
  • 頭痛、吐き気、意識障害:
    脳神経外科
  • 外傷、切り傷、打撲:
    外科
  • 全身の痛み、どこを受診すべきか分からない:
    まずは整形外科

迷ったら、まず整形外科を受診して、医師に相談してください。

必要があれば他の科を紹介してもらえます。

4-3. 診察時の注意点

病院で診察を受ける際は、以下の点に注意してください。

交通事故であることを必ず伝える

受付や医師に、「交通事故でケガをした」ということを最初に伝えましょう。

交通事故の場合、健康保険ではなく自賠責保険や任意保険で治療費をまかなうため、病院側も手続きが異なります。

詳しい事故の状況を説明する

  • いつ事故に遭ったか(日時)
  • どのような事故だったか
  • どこが痛いか
  • 事故直後から痛かったか、後から痛くなったか

保険会社の連絡先を伝える

既に保険会社に連絡済みであれば、担当者の名前と連絡先を病院に伝えます。

保険会社が直接病院に支払いをしてくれる場合があります。

診断書を取得する

人身事故に切り替える場合、診断書が必要です。

医師に「診断書をお願いします」と伝えてください。

診断書には「全治◯週間」という記載があります。

この期間が長いほど、慰謝料の額も大きくなる傾向があります。

診断書の費用は、後で保険会社に請求できます。

4-4. 通院について

医師の指示に従って通院しましょう

「痛みが引いてきたから」「忙しいから」といって、途中で通院をやめてしまうと、「もう治った」と判断されてしまいます。

治療費や慰謝料の金額は、通院日数や治療期間によって決まります。

途中でやめると、本来受け取れるはずの補償が減ってしまう可能性があります。

通院記録をつける

  • いつ病院に行ったか
  • どんな治療を受けたか
  • 医師に何を言われたか

これらを記録しておくと、後で保険会社とやり取りする際に役立ちます。

症状が残る場合は後遺障害認定を

治療を続けても症状が残ってしまった場合、「後遺障害」として認定を受けることができます。

後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるため、補償額が大きく増えます。

医師に相談し、必要な手続きを進めましょう。

5. 車の修理・処理をする

事故で車両が損傷した場合、修理または買い替えの手続きが必要です。

5-1. 修理工場を選ぶ

車の修理は、以下のいずれかの方法で行います。

選択肢

  • 保険会社が紹介する修理工場
  • 車を購入したディーラー
  • 自分で選んだ修理工場

どこに頼むべきか?

保険会社が紹介する工場は、保険会社と提携しているため、手続きがスムーズです。

修理期間中の代車も用意してもらいやすいでしょう。

一方、普段から付き合いのあるディーラーや整備工場があれば、そちらに依頼するのも良いでしょう。

見積もりを取る

修理工場が決まったら、まず見積もりを取ります。

可能であれば、複数の工場で見積もりを取って比較すると良いでしょう。

見積書を保険会社に提出し、修理内容と金額を確認してもらいます。

保険会社が了承すれば、修理を開始できます。

5-2. 全損の場合

全損とは

  • 修理費が車両の時価額を上回る場合
  • 物理的に修理が不可能な場合

事故の損傷が大きく、「全損」と判断されることがあります。

全損時の保険金

車両保険に加入している場合、車両の時価額が保険金として支払われます。

ただし、購入価格ではなく、事故時点での「時価額」が基準となるため、新車で購入した車でも、数年経っていれば価値は下がります。

全損後の選択

  • 保険金で新しい車を購入する
  • 自費で修理して乗り続ける
  • 車を廃車にする

廃車を選択する場合は、永久抹消登録の手続きが必要です。

5-3. 代車の手配

修理期間中、車がないと困る場合は、代車を手配します。

代車の費用

  • 車両保険に「代車費用特約」が付いている場合、保険会社が負担
  • 特約がない場合は、自費でレンタカーを借りる必要があります

代車の手配方法

  • 修理工場が代車を用意してくれる場合が多い
  • 保険会社に相談すると、レンタカー会社を紹介してもらえることもある

代車費用特約に加入していない場合でも、相手方の過失が大きければ、相手の保険会社に代車費用を請求できる場合があります。

保険会社に相談してみましょう。

6. 示談交渉を進める:交通事故後の流れと賠償金の決め方

事故の損害が確定したら、示談交渉が始まります。

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交通事故後にやるべきことの最終段階として、この段階で最終的な賠償金額が確定します。

6-1. 示談とは?

示談とは

交通事故の損害賠償について、当事者同士(または保険会社同士)が話し合い、合意することです。

示談が成立すると、「示談書」を交わし、その内容に基づいて賠償金が支払われます。

示談の流れ

  1. 損害額の算定
  2. 過失割合の決定
  3. 賠償金額の提示
  4. 交渉
  5. 合意・示談書の作成
  6. 賠償金の支払い

6-2. 過失割合とは?

過失割合とは

事故の責任が、それぞれの当事者にどれくらいあるかを示す割合です。

例えば、「自分:相手 = 30:70」という場合、自分の過失が30%、相手の過失が70%という意味です。

過失割合の決め方

  • 警察の実況見分の結果
  • ドライブレコーダーの映像
  • 目撃者の証言
  • 過去の判例

保険会社同士が、これらの情報をもとに過失割合を決定します。

過失割合が重要な理由

過失割合によって、実際に受け取れる賠償金額が大きく変わります。

例えば、損害額が100万円で、自分の過失が30%の場合、受け取れるのは70万円です。

納得できない場合

過失割合に納得がいかない場合は、保険会社に異議を申し立てることができます。

また、弁護士に相談して、適正な過失割合を主張してもらうことも可能です。

6-3. 損害賠償の内訳

交通事故の損害賠償には、以下のような項目があります。

物損

  • 車両の修理費または時価額(全損の場合)
  • 代車費用
  • レッカー費用
  • その他(積載物の損害など)

人身

  • 治療費(診察代、入院費、手術費など)
  • 通院交通費
  • 休業損害(仕事を休んだ分の収入補償)
  • 入通院慰謝料(痛みや精神的苦痛に対する補償)
  • 後遺障害慰謝料(後遺症が残った場合)
  • 逸失利益(後遺症で働けなくなった場合の将来の収入補償)

慰謝料の3つの算定基準

慰謝料には3つの算定基準があり、どの基準で計算するかによって金額が大きく異なります。

  • 自賠責基準
    法律で定められた最低限の補償基準。金額は最も低い。
  • 任意保険基準
    各保険会社が独自に定めた基準。自賠責基準よりやや高いが、裁判基準には及ばない。
  • 裁判基準(弁護士基準)
    過去の裁判例に基づく基準。金額は最も高い。弁護士に依頼した場合に適用される。

保険会社から示談金を提示された場合、それは「自賠責基準」か「任意保険基準」で計算されていることがほとんどです。

弁護士に依頼すると「裁判基準」で請求してもらえるため、受け取れる金額が2〜3倍に増えることもあります。

6-4. 示談交渉のポイント

焦らない

示談が成立すると、後から「やっぱりもっと請求したい」ということはできません。

焦らず、納得できる内容かどうかをしっかり確認してから、示談書にサインしましょう。

保険会社に任せる

自分に過失がある場合は、保険会社の示談代行サービスを利用しましょう。

自分で交渉しようとすると、感情的になったり、不利な条件で合意してしまったりすることがあります。

もらい事故の場合は弁護士を

自分の過失が0%の「もらい事故」の場合、保険会社は示談交渉を代行できません。

相手の保険会社と自分で交渉するのは大変なので、弁護士費用特約を使って弁護士に依頼することをお勧めします。

示談書は慎重に

示談書にサインする前に、以下を必ず確認してください。

  • 賠償金額は適切か
  • 過失割合に納得しているか
  • 全ての損害項目が含まれているか
  • 支払い期限は明記されているか

少しでも疑問があれば、サインする前に保険会社や弁護士に相談しましょう。

7. ケース別の対応

事故の状況によって、対応が異なる場合があります。代表的なケースを見ていきましょう。

7-1. 駐車場での事故

駐車場は「私有地」

駐車場は私有地とみなされるため、警察は実況見分をしないことがあります。

ただし、それでも警察への届出は必要です。

届け出ないと、保険金が支払われない可能性があります。

ドアパンチ

隣の車のドアが自分の車にぶつかった場合を「ドアパンチ」と言います。

相手が分かれば、その場で連絡先を交換し、保険会社に連絡します。

相手が分からない場合(当て逃げ)は、警察に届け出て、自分の車両保険で修理します。

駐車場内の接触事故

駐車場内での車同士の接触事故も、公道での事故と同様に対応します。

  • 警察に連絡
  • 相手と情報交換
  • 保険会社に連絡

7-2. 当て逃げ・ひき逃げ

当て逃げ

相手が現場から逃げてしまった場合を「当て逃げ」と言います。

まずは警察に届け出ましょう。

防犯カメラやドライブレコーダーの映像があれば、犯人を特定できる可能性があります。

犯人が見つかれば、相手の保険で修理できます。

見つからない場合は、自分の車両保険を使います。

ひき逃げ

人身事故で相手が逃げた場合を「ひき逃げ」と言います。

こちらも警察に届け出て、捜査してもらいます。

犯人が見つからない場合は、政府保障事業に請求することができます。

政府保障事業とは

政府保障事業は、ひき逃げや無保険車との事故で、自賠責保険からの補償が受けられない被害者を救済するための国の制度です。

  • 請求できる内容:
    • 治療費、慰謝料、休業損害などの人身損害
    • 物損(車両の修理費など)は対象外です
  • 請求手続き:
    損害保険会社(組合)の窓口で行えます。詳しくは、国土交通省のウェブサイトや、各損保会社にお問い合わせください。

7-3. もらい事故(過失0の場合)

もらい事故とは

信号待ち中に後ろから追突された、センターラインオーバーで正面衝突されたなど、自分にまったく過失がない事故を「もらい事故」と言います。

保険会社は交渉できない

もらい事故の場合、自分の保険会社は示談交渉を代行できません。

相手の保険会社と自分で交渉する必要がありますが、保険会社は専門知識があり、低い賠償額を提示してくることがあります。

弁護士に依頼する

弁護士費用特約に加入していれば、弁護士に依頼しましょう。

弁護士が介入すると、裁判基準での賠償額を請求でき、受け取れる金額が大きく増えることが多いです。

7-4. 無保険車との事故

相手が任意保険に入っていない場合

相手が任意保険に加入していない場合、賠償金の回収が困難になることがあります。

自賠責保険だけでは補償額が少なく、十分な賠償を受けられない可能性があります。

自分の保険を使う

  • 人身傷害保険:自分のケガの治療費を補償
  • 車両保険:自分の車の修理費を補償

まずは自分の保険を使って、損害を回収しましょう。

その後、保険会社が相手に求償(代わりに請求)してくれます。

7-5. 自転車や歩行者との事故

自転車や歩行者が相手の場合

自転車や歩行者との事故では、車やバイクの運転者の方が過失が大きいと判断されることが多いです。

対応

  1. ケガの有無を確認し、必要なら救急車を呼ぶ
  2. 警察に連絡
  3. 相手の連絡先を確認
  4. 保険会社に連絡

たとえ相手が急に飛び出してきた場合でも、車側の責任を問われることがあります。

自転車保険や歩行者傷害特約に加入している場合は、そちらも確認しましょう。

7-6. 通勤中の事故(労災)

通勤中の事故は「通勤災害」に該当する

自宅と職場の間を合理的な経路・方法で通勤中に交通事故に遭った場合、「通勤災害」として労災保険が適用される可能性があります。

通勤災害の場合にやるべきこと

  1. 事故直後の対応(警察連絡・保険会社連絡)は通常の事故と同じ
  2. 会社に事故の報告をする
  3. 病院で「労災であること」を伝える
  4. 会社を通じて労災保険の申請手続きを行う

自賠責保険と労災保険の関係

相手がいる事故の場合、自賠責保険と労災保険の両方から補償を受けることはできません(二重取りの禁止)。

一般的には、まず相手方の自賠責保険を使い、自賠責の限度額を超える部分について労災保険を利用するケースが多いです。

ただし、相手が無保険の場合や、過失割合で自分の過失が大きい場合は、労災保険を先に使う方が有利なこともあります。

会社の総務部門や労働基準監督署に相談しましょう。

会社への報告について

通勤中の事故は労災になるため、会社への報告が必要です。

プライベートの事故についても、就業規則で報告義務を定めている会社が多いため、確認しておきましょう。

ケガで出勤できない場合や、車の修理で通勤手段が変わる場合なども、早めに報告しておくとスムーズです。

8. よくあるトラブルと対処法

事故後に起こりやすいトラブルと、その対処法を紹介します。

8-1. 相手が保険を使わないと言ってきた

事例

「保険を使うと等級が下がるから、自費で払うよ」と相手が言ってきたが、実際には支払ってくれない。

対処法

事故が起きたら、必ず保険会社に連絡しましょう。

相手が何と言おうと、保険会社を通して対応するのが安全です。

口約束で済ませてしまうと、後でトラブルになりやすいです。

8-2. 相手が連絡に応じない

事例

事故後、相手が電話に出ない、連絡先を変えてしまった。

対処法

保険会社に連絡し、相手の保険会社に連絡を取ってもらいましょう。

相手が連絡に応じない場合でも、保険会社同士で話を進めることができます。

8-3. 過失割合に納得できない

事例

保険会社が提示した過失割合が、自分の認識と違う。

対処法

  • ドライブレコーダーの映像を提出する
  • 目撃者の証言を集める
  • 弁護士に相談する

証拠があれば、過失割合を見直してもらえる可能性があります。

8-4. 治療費を打ち切られそう

事例

まだ痛みがあるのに、保険会社から「そろそろ治療を終了してください」と言われた。

対処法

医師に相談し、まだ治療が必要であることを診断書に書いてもらいましょう。

保険会社に診断書を提出し、治療の継続を認めてもらいます。

それでも認められない場合は、弁護士に相談しましょう。

8-5. 賠償金額が低すぎる

事例

保険会社から提示された賠償金額が、思っていたより少ない。

対処法

保険会社が提示する金額は、「自賠責基準」または「任意保険基準」で計算されています。

弁護士に依頼すると、「裁判基準」で計算してもらえるため、金額が大きく増えることがあります。

弁護士費用特約があれば、費用を気にせず相談できます。

9. よくある質問(FAQ)

Q. 保険金を受け取ったら確定申告は必要ですか?

A. 原則として不要です。

交通事故で受け取る保険金(対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険など)は、損害の補填を目的としたものであり、所得税法上は非課税です。

確定申告の必要はありません。

ただし、休業損害として受け取った金額が実際の収入を大幅に超える場合など、例外的なケースでは税務署に確認することをお勧めします。

Q. プライベートの事故を会社に報告すべきですか?

A. 就業規則を確認してください。

法律上、プライベートの事故を会社に報告する義務はありません。

しかし、多くの会社では就業規則で「交通事故を起こした場合は速やかに報告すること」と定めています。

以下の場合は特に報告が必要です。

  • 通勤中の事故(労災に該当するため)
  • ケガで出勤できない場合
  • 免許停止・取消しになり、業務に支障が出る場合

報告の際は、事故の概要(日時・場所・相手・ケガの有無)を簡潔に伝え、補償については保険会社に対応してもらっている旨を説明すれば十分です。

Q. 事故を起こしてしまった場合、相手に謝罪すべきですか?

A. 誠意ある対応は大切ですが、賠償に関する発言は避けてください。

事故現場では「大丈夫ですか」「申し訳ありません」と声をかけることは自然な対応であり、問題ありません。

ただし、「治療費は全額払います」「全部私の責任です」といった発言は、後の示談交渉で不利になる可能性があるため避けましょう。

示談前に謝罪に行きたい場合は、事前に保険会社の担当者に相談してください。

Q. 交通事故証明書はいつ届きますか?

A. 申請方法によって異なりますが、通常1〜2週間程度です。

  • 窓口申請
    事務所に在庫がある場合は即日交付。ない場合は後日郵送(1〜2週間)。
  • 郵送申請(ゆうちょ振込)
    申請から10日〜2週間程度で届きます。
  • インターネット申請
    申請から1〜2週間程度で届きます。

なお、警察から自動車安全運転センターにデータが届くまで数日〜2週間かかるため、事故直後に申請しても発行できないことがあります。

事故から2週間程度経ってから申請するのが確実です。

10. 事故を起こさない・巻き込まれないために

最後に、交通事故を防ぐためのポイントをお伝えします。

10-1. 安全運転の基本

スピードを控える

制限速度を守ることは基本ですが、雨の日や夜間はさらに速度を落としましょう。

車間距離を十分に取る

前の車との距離を十分に取ることで、急ブレーキにも対応できます。

疲れているときは運転しない

眠気や疲労は、判断力を鈍らせます。長距離運転の際は、こまめに休憩を取りましょう。

スマホは絶対に触らない

運転中のスマホ操作は、非常に危険です。通話も含めて、運転中は触らないようにしましょう。

10-2. ドライブレコーダーの活用

ドライブレコーダーを設置する

事故が起きたとき、ドライブレコーダーの映像は強力な証拠になります。

過失割合の判定や、相手の嘘を防ぐためにも、ドライブレコーダーの設置をお勧めします。

前後カメラがおすすめ

追突事故に備えて、後方も録画できるタイプがおすすめです。

10-3. 保険の見直し

保険の内容を確認

自分が加入している保険の内容を、定期的に見直しましょう。

特に以下の特約は重要です:

  • 人身傷害保険
  • 車両保険
  • 弁護士費用特約
  • 代車費用特約

弁護士費用特約は必須

もらい事故に遇ったとき、弁護士費用特約があれば、費用を気にせず弁護士に依頼できます。

月々数百円の特約ですが、いざというときに大きな助けになります。

弁護士費用特約の主なメリット
  • 保険等級に影響しない
    特約を使っても、翌年の保険等級は下がりません。
    つまり、保険料が上がる心配がありません。
  • 利用範囲が広い
    契約者本人だけでなく、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子、契約車両の同乗者なども利用できる場合があります(保険会社により異なります)。
  • 費用倒れの心配がない
    弁護士費用が賠償額を上回ってしまう「費用倒れ」のリスクなく、気軽に弁護士に相談・依頼できます。

10-4. 事故に備えた準備

緊急連絡先をメモしておく

  • 保険会社の事故受付ダイヤル
  • 家族の連絡先
  • かかりつけの病院

これらをスマホに登録しておくか、車内にメモを置いておきましょう。

事故対応マニュアルを車に常備

この手続きガイドを印刷して、車のダッシュボードに入れておくと、いざというときに役立ちます。

10-5. 2026年の交通ルール変更に注意

2026年は交通ルールが大きく変わる年です。

以下の変更点を知っておくことで、事故のリスクを減らせます。

生活道路の法定速度が30km/hに(2026年9月施行)

センターラインがない道幅5.5m以下の道路(生活道路)の法定速度が、60km/hから30km/hに引き下げられます。

歩行者・自転車の死亡事故の約半数が自宅から500m以内で発生しているため、生活道路での速度を抑えることが重要です。

自転車に「青切符」制度が開始(2026年4月施行)

自転車の交通違反にも反則金(5,000〜12,000円程度)が科せられるようになりました。

信号無視や一時停止違反などが対象で、16歳以上が取り締まりの対象です。

自転車との事故を防ぐため、ドライバー側も自転車の動きに注意しましょう。

自転車を追い越す際の間隔ルール新設(2026年5月施行)

車が自転車の右側を通過する際、十分な間隔を取ることが義務化されました。

十分な間隔が取れない場合は、徐行するか、安全に通過できるまで待つ必要があります。

まとめ

交通事故は、誰にでも起こりうるものです。

万が一、事故に遭ってしまったとしても、落ち着いて対応すれば大丈夫です。

事故直後にすべきこと

  1. ケガ人を救護する
  2. 警察に連絡する
  3. 相手と情報交換する

その後の手続き

  • 保険会社に連絡
  • 病院で診察
  • 車の修理手配
  • 示談交渉

これらの手順を踏めば、適切に事故処理を進められます。

困ったときは専門家に相談を

過失割合や賠償金額で納得できないことがあれば、弁護士に相談しましょう。

弁護士費用特約があれば、費用を気にせず相談できます。

お住いの地域の交通事故相談窓口

各都道府県には、交通事故の相談窓口があります。無料で相談できる窓口も多いので、困ったときは利用してみてください。

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この手続きガイドが、あなたの不安を少しでも和らげる助けになれば幸いです。

安全運転を心がけ、事故のない毎日をお過ごしください。

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