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事故で自動車保険が等級ダウン!保険料はいくら上がる?

事故で自動車保険が等級ダウン!保険料はいくら上がる?
最終更新:2026年6月26日

車をぶつけてしまった、当て逃げされた、車上荒らしにあった——。

そんなとき、頭をよぎるのが「保険を使うと、来年から保険料はいくら上がるんだろう?」という不安ではないでしょうか。

「3等級ダウンって、結局いくら損するの?」
「使うべき?それとも自費で直したほうが得?」
——事故のあと、こうした疑問で迷う方はとても多いです。

この手続きガイドでは、自動車保険の等級ダウンの仕組みから、保険料がいくら上がるのかのシミュレーション保険を使うべきかの判断下がった等級が元に戻るまでの流れ、事故後の見直し・乗り換え手続きまでをまとめて解説します。

1. 自動車保険の等級制度(ノンフリート等級)とは

事故後の保険料を理解するには、まず「等級制度」の仕組みを押さえる必要があります。

個人が加入する自動車保険(任意保険)の保険料は、「ノンフリート等級制度」という仕組みで割引・割増されます。

1-1. 等級は1〜20等級!無事故なら毎年1つ上がる

ノンフリート等級は1等級から20等級まであり、数字が大きいほど割引率が高く(=保険料が安く)なります。

仕組みの基本は次のとおりです。

  • 新規加入は6等級からスタート
    初めて自動車保険に入るときは、原則6等級(6S等級)から始まります。
  • 無事故なら毎年1等級ずつアップ
    1年間、保険を使う事故がなければ、翌年は等級が1つ上がります。
  • 最高は20等級
    20等級まで上がると、割引率は最大になります。
  • 事故で保険を使うと等級が下がる
    保険金を受け取ると、翌年の等級が原則3つ(または1つ)下がります。
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つまり、コツコツ無事故で積み上げた等級が、1回の事故で一気に下がってしまうのが、保険料アップの正体です。

1-2. 等級ごとの割引・割増率の目安

等級が下がると、なぜ保険料が上がるのか。

それは、等級ごとに「割増引率(割引・割増の率)」が決まっているからです。

下の表は、損害保険協会が公開している割増引率の一例です。

等級割増引率の例
1等級+108%(割増)
2等級+63%(割増)
3等級+38%(割増)
4等級+7%(割増)
5等級−2%
6等級−13%
7等級無事故 −27% / 事故有 −14%
10等級無事故 −46% / 事故有 −19%
15等級無事故 −53% / 事故有 −28%
20等級無事故 −63% / 事故有 −51%

(出典: 日本損害保険協会「そんがい保険Q&A 問23」。実際の割増引率は保険会社によって異なります)

たとえば20等級(無事故)なら保険料が63%割引なのに対し、3等級まで下がると逆に38%の割増になります。

同じ補償内容でも、等級によって支払う保険料が大きく変わることがわかります。

7等級以上は「無事故」と「事故有」で割引率が違う

表のとおり、7等級以上には「無事故」と「事故有」の2つの割引率があります。
事故で保険を使うと、同じ等級でも割引率の低い「事故有」が適用されるため、等級の数字以上に保険料が高くなります。
この「事故有」が適用される期間が、後述する「事故有係数適用期間」です。

1-3. 自賠責保険と任意保険の違い

「等級ダウンで保険料が上がる」という話は、すべて任意保険のものです。

自動車の保険には、性格の異なる2種類があります。

  • 自賠責保険(強制保険)
    すべての車・バイクに加入が義務づけられている保険です。
    補償は被害者救済のための対人賠償のみで、等級制度はありません。
    事故を起こしても、自賠責保険料が等級で上下することはありません。
  • 任意保険
    対物賠償・車両保険・自分のケガの補償などを任意で備える保険です。
    ノンフリート等級制度があるのはこの任意保険で、等級ダウンや事故有係数の話はすべて任意保険のものです。

この手続きガイドで「保険料が上がる」と説明しているのは、すべて任意保険についての内容です。

2. 事故で等級が下がる仕組み〜3つの事故区分

事故で保険を使うと等級が下がりますが、下がり方は事故の種類によって変わります。

事故は「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」の3つに分類されます。

事故そのものの対応(警察への連絡や相手とのやり取り)については、こちらの手続きガイドも参考にしてください。

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2-1. 3等級ダウン事故(もっとも多いケース)

1回の事故で等級が3つ下がる、もっとも一般的な区分です。

次のような場合に保険を使うと、3等級ダウン事故になります。

  • 相手をケガさせて対人賠償保険を使った
  • 相手の車や物を壊して対物賠償保険を使った
  • 自分の車をぶつける・当て逃げされるなどして車両保険を使った

1等級ダウン事故・ノーカウント事故に当てはまらないものは、すべて3等級ダウン事故になります。

2-2. 1等級ダウン事故(車両保険の一部)

自分の不注意とは言いにくい車両の損害については、下がり幅が1等級にとどまります。

次のような場合に車両保険を使うと、1等級ダウン事故になります。

  • 車の盗難・車上荒らしにあった
  • 台風・洪水・高潮で車が損害を受けた
  • いたずら・落書き・窓ガラスの破損・飛び石にあった

2-3. ノーカウント事故(等級は下がらない)

一定の補償だけを使った場合は、「事故がなかったもの」として扱われ、等級は下がりません。

それどころか、翌年は無事故と同じように1等級アップします。

次のような場合がノーカウント事故です。

  • 人身傷害保険・搭乗者傷害保険のみを使った(自分や同乗者のケガ)
  • 弁護士費用特約のみを使った
  • ファミリーバイク特約・個人賠償責任特約のみを使った

自分や同乗者のケガの補償は、等級に影響しないケースが多いと覚えておきましょう。

2-4. 保険金を請求しなければ等級は下がらない

意外と誤解が多いのが、「事故を起こしただけで等級が下がる」という思い込みです。

等級が下がるのは、あくまで保険金を請求して受け取ったときです。

注意

事故を起こしても、保険を使わず自費で対応すれば、等級は下がりません。
「相手が修理しない」「軽くこすっただけ」といった場合は、保険を使うかどうかを決める前に、修理費と保険料アップ分を比べて判断することが大切です。
判断材料がそろうまで、保険会社に「保険を使う」と即答しないようにしましょう。

3. 事故有係数適用期間とは?保険料が高い状態が続く理由

事故後の保険料を考えるうえで、もっとも見落とされがちなのが「事故有係数適用期間」です。

これを知らないと、「等級が戻れば保険料も元どおり」と誤解してしまいます。

3-1. 等級ダウンと事故有係数は別物

事故で保険を使うと、次の2つが同時に起こります。

  • 等級が下がる
    3等級ダウン事故なら3つ、1等級ダウン事故なら1つ下がります。
  • 事故有係数適用期間が加算される
    下がった等級とは別に、「事故有」の割引率を適用する期間がカウントされます。

この2つがセットで効くため、保険料は「等級が下がった分」と「割引率が事故有になった分」の二重で上がります。

3-2. 3等級ダウンで3年、1等級ダウンで1年

事故有係数適用期間は、事故の種類に応じて次のように加算されます。

  • 3等級ダウン事故
    1件につき3年加算されます。
  • 1等級ダウン事故
    1件につき1年加算されます。
  • 上限は6年、下限は0年
    0年のときは「無事故」の割引率、1〜6年のときは「事故有」の割引率が適用されます。

無事故で1年経過するごとに、適用期間は1年ずつ減っていきます。

注意

事故有係数適用期間中にもう一度事故を起こすと、適用期間がさらに加算されて延びます(最長6年)。
その間は割引率の低い状態が続くため、短期間に2回事故を起こすと保険料の負担が大きく膨らみます。

3-3. 「等級が戻る」と「保険料が元に戻る」は別

3等級ダウン事故を起こすと、等級そのものは無事故を3年続ければ元の数字に戻ります。

しかし、事故有係数適用期間も3年あるため、その間は同じ等級でも「事故有」の割引率が適用され続けます。

つまり、保険料が事故前の水準に戻るのは、等級が戻り、かつ事故有係数適用期間が0年になったあとです。

3等級ダウン事故の場合、保険料が高い状態はおおむね3〜4年続くと考えておきましょう。

4. 等級ダウンで保険料はいくら上がる?損失額シミュレーション

では、等級ダウンで実際にいくら損をするのでしょうか。

損失額は、「事故を起こさなかった場合の保険料」と「事故を起こした場合の保険料」の差として表れます。

4-1. 損失額の考え方

たとえば、3等級ダウン事故を起こすと、翌年から3〜4年にわたって保険料が高くなります。

仮に年間の保険料アップ額が2〜3万円だとすると、3年間で6〜9万円ほどの追加負担になる計算です。

この「数年分の保険料アップの合計」が、等級ダウンによる本当の損失額です。

修理費が安いのに保険を使ってしまうと、受け取る保険金より損失額のほうが大きくなることもあります。

4-2. 保険を使うべきか?損得シミュレーション

「受け取れる保険金」と「保険料アップの総額」を比べると、保険を使うべきかどうかの目安が見えてきます。

下のシミュレーターに、修理費(受け取れる保険金)と保険料の年間アップ額の目安を入力して、損得を確認してみましょう。

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数字がプラスなら保険を使うほうが有利、マイナスなら自費で直すほうが有利、という大まかな判断ができます。

なお、実際の保険料アップ額は等級が回復するにつれて年々小さくなるため、総額はこの計算よりやや少なめになる傾向があります。

また、車両保険に免責金額(自己負担額)が設定されている場合は、その分を差し引いた額が受け取れる保険金になる点にも注意してください。

5. 保険を使うべきか?使わない方が得なケース

軽い事故では、「保険を使わないほうが結果的に得」になることが少なくありません。

判断のポイントを整理します。

5-1. 判断の基本は「保険金 vs 保険料アップ総額」

判断の軸はシンプルです。

  • 受け取れる保険金 > 保険料アップ総額 なら、保険を使う
  • 受け取れる保険金 < 保険料アップ総額 なら、自費で対応する

修理費が高額(対人・対物の賠償など)なら、迷わず保険を使うべきです。

一方、数万円程度の小さな修理では、保険料アップ総額のほうが高くつくことがあります。

5-2. 保険会社に「使った場合の差額」を試算してもらう

保険料の年間アップ額は、等級・年齢・保険会社によって変わるため、自分で正確に計算するのは困難です。

そこで有効なのが、保険会社や代理店に「保険を使った場合と使わなかった場合の、今後数年分の保険料の差額」を試算してもらうことです。

請求前に差額を確認するのがおすすめ

事故の連絡をした段階では、まだ保険を使うと確定したわけではありません。
「使った場合の3年間の差額を教えてください」と伝え、差額と修理費を比べてから請求するかを決めましょう。
等級据置特約(保険を使っても翌年の等級を下げずに据え置ける特約。付帯の有無は契約により異なります)など、契約によっては影響を抑えられる場合もあるため、あわせて確認すると安心です。

5-3. 少額の修理は自費の方が得なこともある

一般に、修理費が数万円程度の少額な場合は、自費で直したほうが総額を抑えられるケースが多くなります。

特に車両保険には免責金額(自己負担額)が設定されていることが多く、少額の修理では受け取れる保険金がさらに小さくなります。

注意

保険を使うかどうかの最終判断は、必ず保険金の見込み額と保険料の差額を確認してから行いましょう。
「とりあえず請求」してしまうと、あとから「使わなければよかった」となっても取り消せない場合があります。

6. 下がった等級・事故有係数が元に戻るまで

一度下がった等級は、無事故を続けることで少しずつ回復します。

ここでは、3等級ダウン事故を例に、保険料が元に戻るまでの流れを見ていきます。

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6-1. 無事故なら1年に1等級ずつ回復する

等級は、無事故(保険を使わない年)を1年過ごすごとに1つずつ上がります。

3等級ダウンした場合は、3年間無事故を続ければ、元の等級の数字に戻ります。

6-2. 事故有係数も1年ずつ減って0年に戻る

等級と並行して、事故有係数適用期間も無事故で1年ごとに1年ずつ減っていきます。

3等級ダウン事故(適用期間3年)の場合、無事故を3年続けると4年目には適用期間が0年になり、「無事故」の割引率に戻ります。

たとえば、事故前が15等級だった場合の回復イメージは次のとおりです。

経過等級事故有係数適用期間割引率
事故前15等級0年無事故
事故の翌年12等級3年事故有
2年目13等級2年事故有
3年目14等級1年事故有
4年目15等級0年無事故(元どおり)

(各社の制度に基づく一般的なイメージです。実際の等級・割引率は契約により異なります)

このように、保険料が完全に元へ戻るには、3等級ダウン事故でおよそ4年かかります。

7. 事故後の保険見直し・他社への乗り換え手続き

「等級が下がったなら、いっそ他社に乗り換えて安くできないか」と考える方もいます。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

7-1. 等級は他社へ引き継がれる(乗り換えてもリセットされない)

自動車保険の等級は、保険会社をまたいで管理されています。

そのため、他社へ乗り換えても、下がった等級と事故有係数はそのまま引き継がれます。

注意

「事故で等級が下がったから、別の会社で新規6等級として入り直す」ことは原則できません。
1〜5等級(デメリット等級)の場合、解約後13か月間はその等級が引き継がれるルールがあり、乗り換えや解約で等級をリセットすることはできません。
事故歴を隠して新規契約することは告知義務違反となり、保険金が支払われないおそれがあります。

ただし、等級は引き継いだうえで、保険会社ごとの保険料やサービスを比較して乗り換えることには意味があります。

同じ等級でも、会社によって保険料は変わるためです。

7-2. 当面車に乗らないなら「中断証明書」

しばらく車に乗らない(廃車・譲渡・長期入院・海外赴任など)場合は、「中断証明書」を発行しておくと等級を維持できます。

  • 発行すると最大10年間、等級を維持できる
    中断後に再び契約するとき、中断時点の等級から再開できます。
  • 他社で発行した中断証明書でも引き継げる
    再契約先は、発行元と別の保険会社でも構いません。
  • デメリット等級の人は中断のメリットが小さい
    等級が低い場合は、無理に維持する必要はありません。

7-3. 乗り換えのタイミングと手順

等級を引き継いで乗り換える場合は、タイミングが重要です。

  1. 現在の契約の満期日を確認する
  2. 満期日の翌日から原則7〜8日以内に、新しい保険会社で契約する
  3. 新契約時に、現在の等級・事故有係数適用期間・事故件数を正しく申告する
  4. 新旧の保険会社が前契約の内容を確認し、等級が引き継がれる

この猶予期間を過ぎて間が空くと、等級を引き継げなくなり、維持するには前述の中断証明書が必要になります。

そのため、満期前に見積もりをそろえておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 事故を起こしても、保険を使わなければ等級は下がりませんか?

A. はい、保険金を請求しなければ等級は下がりません。

等級が下がるのは、保険金を受け取ったときです。

事故を起こしても、自費で対応して保険を使わなければ、翌年の等級は通常どおり1つ上がります。

Q. 等級が下がったら、他社に乗り換えてリセットできますか?

A. できません。

等級と事故有係数は保険会社をまたいで管理され、乗り換えても引き継がれます。

特に1〜5等級のデメリット等級は、解約後13か月間引き継がれるため、入り直してリセットすることはできません。

Q. 1年に2回事故を起こすと等級はどうなりますか?

A. 事故の回数分だけ重ねて下がります。

3等級ダウン事故を2回起こせば、翌年は6等級下がり、事故有係数適用期間も加算されます(上限6年)。

短期間に複数回事故を起こすと、保険料の負担が大きく膨らみます。

Q. 20等級で事故を起こしても保険料は上がりますか?

A. 上がります。

20等級でも、3等級ダウン事故なら翌年は17等級になり、さらに「事故有」の割引率が適用されます。

高い等級でも、事故で保険を使えば保険料は上がる点に注意してください。

Q. 自賠責保険の保険料も、事故を起こすと上がりますか?

A. 上がりません。

等級制度があるのは任意保険だけです。

自賠責保険(強制保険)の保険料は、事故歴や等級とは関係なく決まります。

まとめ:事故後にすべき行動リスト

自動車保険の等級ダウンは、「等級が下がる」だけでなく「事故有係数で割引率も下がる」ため、保険料が高い状態が数年続きます。

事故のあとは、感情で即決せず、損得を確認してから保険を使うかを判断しましょう。

  • 事故対応(警察への連絡・相手とのやり取り)をまず済ませる
  • 事故が3等級ダウン・1等級ダウン・ノーカウントのどれかを確認する
  • 受け取れる保険金(修理費)の見込み額を把握する
  • 保険会社に「使った場合の数年分の保険料の差額」を試算してもらう
  • 保険金と保険料アップ総額を比べ、使うか自費かを判断する
  • 等級が下がった場合も、乗り換えでリセットはできないと理解しておく
  • 当面車に乗らないなら中断証明書の発行を検討する

正しい知識があれば、「使わなければよかった」という後悔を防げます。

迷ったときは、この手続きガイドのチェックリストを見返して、落ち着いて判断してください。

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