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6月から病院代が増加〜物価対応料とベースアップ評価料とは

6月から病院代が増加〜物価対応料とベースアップ評価料とは
最終更新:2026年6月25日

いつものかかりつけ医で診察を受けて会計をしたら、「あれ、いつもより少し高い?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

2026年6月の診療報酬改定で、多くの医療機関や薬局に「物価対応料」「ベースアップ評価料」という新しい料金が上乗せされました。

1回あたりは数円〜数十円ですが、定期的に通院している人にとっては、毎月ジワジワと積み重なる出費です。

この手続きガイドでは、なぜ窓口負担が増えたのか、いくら増えるのか、そして自分の負担を確認・軽減する方法を、患者の目線でわかりやすく解説します。

なぜ2026年6月から病院の窓口負担が増えたのか

病院や薬局の窓口で支払う医療費は、国が定める「診療報酬」というルールにもとづいて計算されています。

この診療報酬は2年に1度見直され、2024年からは6月に改定が施行されるようになりました。

2026年6月に施行された令和8年度の改定では、医療機関の本体部分の報酬が全体で3.09%引き上げられました(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」)。

注目すべきは、その引き上げ分の約8割が、物価高騰への対応と医療スタッフの賃上げに充てられている点です。

これまでは物価高への対応を初診料や再診料そのものに含める形が一般的でしたが、今回はそれとは別に、専用の加算が新しく作られました。

それが「物価対応料」と「ベースアップ評価料」です。

ポイント

「いつもと同じ診療なのに会計が高くなった」のは、医療機関が勝手に値上げをしたわけではありません。
国の制度改定によって、全国の医療機関に共通して新しい加算が導入されたためです。

「物価対応料」とは〜物価高に対応する新しい加算

物価対応料は、正式には「外来・在宅物価対応料」といい、2026年6月に新しく作られた加算です。

電気代や水道代、医療材料費といった、医療機関が診療を続けるためにかかるモノのコスト(物件費)の高騰に対応するためのものです。

原則すべての医療機関が対象

物価対応料の大きな特徴は、原則としてすべての保険医療機関が算定できる点です。

そのため、内科でも整形外科でも歯科でも、ほとんどの医療機関で窓口負担に上乗せされると考えてよいでしょう。

物価対応料の点数

医療費は「点数」で計算され、1点 = 10円です。

患者はこのうち、年齢や所得に応じて1割〜3割を窓口で負担します。

外来・在宅物価対応料の点数は、次のとおりです。

区分2026年6月〜2027年6月〜
初診時2点4点
再診時等2点4点
訪問診療時3点6点

3割負担の人なら、再診1回につき2点(20円)の3割で、約6円の上乗せです。

物価対応料だけなら約6円ですが、次に説明するベースアップ評価料と合わさると、再診1回で十数円程度まで膨らみ、体感できる差になっていきます。

2027年6月にさらに上がります

物価対応料は段階的に引き上げられる仕組みで、2027年6月からは点数が2倍になります。
つまり、今回の負担増は「序章」で、来年さらにもう一段の値上げが予定されている点に注意が必要です。

「ベースアップ評価料」とは〜医療スタッフの賃上げのための加算

ベースアップ評価料は、看護師や薬剤師、医療事務などの医療スタッフの賃上げ(ベースアップ)を進めるための加算です。

2024年に導入され、2026年6月の改定で点数が大幅に引き上げられました。

物価対応料との違い

物価対応料が「モノのコスト」への対応であるのに対し、ベースアップ評価料は「ヒト(人件費)のコスト」への対応である点が違いです。

また、原則すべての医療機関が対象となる物価対応料と異なり、ベースアップ評価料は、賃上げに取り組むことを届け出た医療機関だけが算定します。

そのため、通っている医療機関によって、上乗せされる場合とされない場合があります。

ベースアップ評価料の点数

外来で算定される「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」の点数は、次のように引き上げられました。

区分〜2026年5月2026年6月〜2027年6月〜
初診時6点17点34点
再診時等2点4点8点
訪問診療時(同一建物以外)28点79点158点

初診時で見ると6点から17点へと、3倍近くに引き上げられたことがわかります。

なお、2024年・2025年から続けて賃上げを実施してきた医療機関では、これよりさらに高い点数(初診時23点など)が算定されることもあります。

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領収書で見かけても損ではありません

ベースアップ評価料は、医療スタッフの待遇改善に使うことが算定の条件になっています。
領収書に記載されている場合、それは通っている医療機関が人材の確保・定着に取り組んでいる証でもあります。

実際に窓口負担はいくら増える?シミュレーション

ここまで見てきた加算に加えて、基本となる再診料も75点から76点へ1点引き上げられました(初診料は291点で据え置きです)。

これらを合計すると、3割負担の人の場合、窓口での支払いはおおよそ次のように増えます。

  • 再診のとき
    1回につき数円〜十数円程度の増加。
  • 初診のとき
    1回につき数十円程度の増加。

1回ごとの金額は小さく見えますが、高血圧や糖尿病などの慢性疾患で月に2回ほど通院している人なら、年間で数百円〜千円程度の負担増になるケースも考えられます。

年間の負担増を試算してみる

通院の頻度や自己負担割合を入れて、2026年6月の改定でどのくらい負担が増えるかの目安を確認できます。

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「全国一律で〇円増える」ではありません

上乗せされる金額は、通っている医療機関の施設基準や届出状況によって変わります。
同じ病気・同じ薬でも、医療機関が違えば負担額が変わる点に注意してください。

自分がかかる病院が算定しているか確認する方法

「自分の負担はいくら増えたのか」を正確に知るには、会計時に受け取る領収書と明細書を確認するのが確実です。

医療機関や薬局には、診療内容ごとの点数を記した「明細書」を発行する仕組みが原則として義務づけられています。

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領収書・明細書でチェックする項目

明細書の「初診・再診」や「医学管理等」などの欄に、次のような項目が記載されていないか確認してみましょう。

  • 外来・在宅物価対応料
    物価高に対応する新しい加算。
    記載があれば窓口負担に数円〜十数円が上乗せされています。
  • 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)
    医療スタッフの賃上げのための加算。
    届け出ている医療機関のみ記載されます。

前回の明細書と比べてみる

2026年5月以前の明細書が手元にあれば、6月以降のものと点数を比べてみると、増えた項目がはっきりわかります。

「いつもと会計が違う」と感じたら、その場で受付に明細書をもらって見比べてみるのが、いちばん確実な確認方法です。

薬局の窓口でも負担は増えています

調剤薬局でも、調剤版の物価対応料やベースアップ評価料に相当する加算が新設・拡充されています。
病院と薬局の両方で負担が増えるため、薬局の領収書・明細書も合わせて確認しておくとよいでしょう。

負担増を抑えるために知っておきたい制度・工夫

物価対応料やベースアップ評価料そのものは、患者の側で「外してください」と断れるものではありません。

ただし、医療費全体で見れば、負担をやわらげるために使える制度や工夫があります。

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医療費が高額になったときの制度

1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合は、高額療養費制度で払い戻しを受けられます。

入院や手術などで負担が大きくなったときに役立つ制度です。

失業や災害などで医療費の支払いが難しいときは、窓口負担そのものを減額・免除できる一部負担金減免制度もあります。

日ごろの通院で負担を抑える工夫

加算は受診のたびにかかるため、通院の回数や薬のもらい方を見直すことで、結果的に負担を抑えられることがあります。

  • 長期処方やリフィル処方箋を相談する
    症状が安定している場合、医師に相談して処方日数を延ばせば、通院回数そのものを減らせます。
  • ジェネリック医薬品を選ぶ
    同じ効き目で価格の安い後発医薬品に変えると、薬代を抑えられます。
  • 同じ症状で複数の医療機関にかからない
    重複受診を避けると、初診料や各種加算の二重払いを防げます。
  • 医療費控除を活用する
    1年間の医療費が一定額を超えたら、確定申告で所得税の還付を受けられる場合があります。
医療費助成の対象なら影響は小さめ

子ども医療費助成や自立支援医療、難病医療費助成、ひとり親家庭等医療費助成などの対象になっている場合は、窓口負担そのものが軽減されています。
そのため、今回の加算による影響も比較的小さく収まります。

よくある質問(FAQ)

Q. 物価対応料やベースアップ評価料は、断ることができますか?

A. 患者の側で断ることはできません。

これらは国の診療報酬のルールにもとづいて、要件を満たす受診に対して自動的に算定される加算です。

医療機関が独自に上乗せしている料金ではないため、「外してほしい」と申し出て減らせるものではありません。

Q. どの病院に行っても窓口負担は増えますか?

A. 物価対応料は原則すべての医療機関で、ベースアップ評価料は届け出た医療機関で増えます。

物価対応料はほぼすべての保険医療機関が算定するため、多くの医療機関で負担が増えます。

一方、ベースアップ評価料は賃上げに取り組むことを届け出た医療機関だけが算定するため、医療機関によって上乗せの有無や金額に差があります。

Q. 2027年6月にもまた負担が増えるのですか?

A. はい、さらに引き上げられる予定です。

物価対応料は2027年6月から点数が2倍に、ベースアップ評価料もさらに引き上げられる段階的な仕組みになっています。

今回の改定は最終形ではなく、来年にもう一段の負担増が予定されている点を知っておくとよいでしょう。

Q. 領収書のどこを見れば、加算されているかわかりますか?

A. 明細書の「外来・在宅物価対応料」「外来・在宅ベースアップ評価料」の記載を確認してください。

会計時に受け取る明細書に、これらの項目と点数が記載されていれば、その分が窓口負担に上乗せされています。

2026年5月以前の明細書と見比べると、増えた項目がよりはっきりわかります。

Q. 子どもや高齢者の医療費にも影響しますか?

A. 自己負担割合に応じて影響しますが、医療費助成があれば小さく収まります。

加算は自己負担割合に応じて窓口負担に反映されるため、1割負担の高齢者などは増加額も小さくなります。

子ども医療費助成などで窓口負担が軽減されている場合は、家計への影響はごくわずかです。

まとめ

2026年6月の診療報酬改定で、「いつもと同じ診療なのに会計が高い」と感じる場面が増えました。

その主な理由が、新設された物価対応料と、大幅に引き上げられたベースアップ評価料です。

  • 物価対応料
    物価高に対応する新しい加算。
    原則すべての医療機関が対象で、2027年6月には2倍になる。
  • ベースアップ評価料
    医療スタッフの賃上げのための加算。
    届け出た医療機関のみが算定する。
  • 窓口負担への影響
    3割負担で再診1回数円〜十数円、初診数十円程度。
    通院が多いと年間で数百円〜千円程度の負担増になることも。
  • 確認と対策
    領収書・明細書の項目で確認できる。
    高額療養費制度や通院回数の見直しなどで医療費全体を抑える工夫を。

1回あたりの金額は小さくても、毎月の通院では積み重なります。

まずは次回の受診で明細書を確認し、自分の負担がどう変わったかを把握することから始めてみましょう。

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