メルカリの確定申告はいくらから?不用品・転売ケース別に解説
「メルカリで不用品を売ったけど、確定申告って必要なの?」
「売上が20万円を超えたら申告しないとダメ?」
「扶養から外れたりしない?」
——フリマアプリの利用者が増えるにつれ、税金に関する不安の声が広がっています。
結論からいうと、家にある不用品を売っただけなら確定申告は原則不要です。
ただし、転売(せどり)で利益を得ている場合や、高額品を売却した場合は申告が必要になることがあります。
この手続きガイドでは、メルカリやラクマなどのフリマアプリで得た収入について、確定申告が必要なケース・不要なケースをわかりやすく整理し、申告が必要な場合の具体的なやり方まで解説します。
メルカリの売上に税金はかかる?確定申告は必要?結論を先にまとめると
メルカリでの売上に税金がかかるか(確定申告が必要か)は、何を売ったかといくら利益が出たかで決まります。
以下の3パターンで判断できます。
- パターン1: 生活用の不用品を売った
→ 原則確定申告は不要(非課税) - パターン2: 転売・せどりで利益を得た
→ 利益の金額によって確定申告が必要 - パターン3: 1点30万円を超える高額品を売った
→ 譲渡所得として確定申告が必要になる場合がある
ここでいう「利益」とは、売上金額そのものではなく、売上から仕入れ値・送料・手数料などの経費を差し引いた金額(所得)のことです。
「売上が20万円を超えた」だけでは判断できません。
確定申告が「不要」なケース — 税金がかからない売り方
生活用の不用品を売った場合
着なくなった服、読み終わった本、使わなくなった家電など、生活の中で使っていたものを売った利益は非課税です。
これは所得税法で「生活用動産の譲渡による所得」として定められており、いくら売っても所得税はかかりません。
国税庁のタックスアンサー(No.1906)でも、以下のように明記されています。
「生活の用に供している資産(古着や家財など)の売却による所得は非課税(この所得については確定申告が不要)」
——国税庁 No.1906「給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」(令和7年4月1日現在法令等)
つまり、以下のようなケースでは確定申告は不要です。
- クローゼットの整理で出た古着をまとめて売った
- 子どもが使わなくなったおもちゃや教材を出品した
- 引越しで不要になった家具・家電を処分した
- 読み終わった漫画やゲームソフトを売った
「年間の売上合計が20万円を超えた」「50万円分売った」としても、それが生活用の不用品であれば確定申告は必要ありません。
不用品の売却益は、そもそも所得にカウントされないためです。
転売だが所得が20万円以下の会社員
転売やせどりで利益を得ていても、会社員(給与所得者)で、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。
ここで重要なのは、20万円という基準は「売上」ではなく「所得(利益)」だということです。
所得の計算方法
所得 = 売上金額 − 仕入れ値 − 経費(送料・梱包材・手数料など)
例: メルカリでの年間売上が30万円、仕入れ値が15万円、送料・手数料が5万円の場合
→ 所得 = 30万円 − 15万円 − 5万円 = 10万円(20万円以下なので確定申告不要)
確定申告が「必要」になるケース
ケース1: 転売・せどりで所得20万円超(会社員)
会社員が副業として転売やせどりを行い、年間の所得(利益)が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。
この場合の所得は「雑所得」に区分されます。
- 年間売上50万円、仕入れ値20万円、経費5万円 → 所得25万円 → 確定申告が必要
- 年間売上100万円、仕入れ値70万円、経費15万円 → 所得15万円 → 確定申告は不要
所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要であっても、住民税の申告は別途必要です。
詳しくは住民税の申告のセクションをご確認ください。
ケース2: 1点30万円超の高額品を売って利益が出た
不用品であっても、貴金属・宝石・ブランドバッグ・美術品など1点30万円を超える高額品を売って利益が出た場合は、「譲渡所得」として課税対象になる可能性があります。
譲渡所得には年間50万円の特別控除があるため、高額品の売却益の合計が50万円以下であれば実質的に税金はかかりません。
例:
- ブランドバッグを45万円で売却(購入時80万円) → 損失なので非課税
- 貴金属を60万円で売却(購入時20万円) → 利益40万円 → 特別控除50万円以内なので非課税
- 複数の高額品で合計利益80万円 → 特別控除50万円を差し引いた30万円が課税対象
ケース3: 専業主婦・学生で所得48万円超
専業主婦や学生など、給与収入がない方がメルカリの転売で得た所得が基礎控除額の58万円を超える場合は確定申告が必要です。
2025年(令和7年)の税制改正により、基礎控除額は従来の48万円から58万円に引き上げられました(令和7年分の所得税から適用)。
不用品の売却益は非課税所得のため、この58万円には含まれません。
あくまで転売やせどりなど営利目的の販売で得た利益が対象です。
「不用品」と「転売」の境界線 — よくある疑問
「不用品の売却」と「転売(せどり)」の区別は、実は明確な金額基準があるわけではありません。
税務上は、以下の要素を総合的に判断します。
- 購入の目的
自分が使うために買ったものか、売るために仕入れたものか - 販売の継続性
たまたま不要になって売ったのか、反復・継続的に販売しているか - 利益の有無
購入価格より高く売って利益を得ているか
よくある質問と判断の目安
| ケース | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 着なくなった服を売った | 不用品(非課税) | 生活用動産の処分 |
| 読み終わった本・漫画をまとめて売った | 不用品(非課税) | 生活用動産の処分 |
| 推し活で集めたグッズを「推し変」で処分 | 不用品(非課税) | 自分の趣味で使用していたもの |
| トレーディングカードのコレクションを売った | 不用品(非課税) | 趣味で集めたものの処分 |
| 安く仕入れた商品を高く売ることを繰り返す | 転売(課税対象) | 営利目的の反復継続的な販売 |
| ハンドメイド作品を継続的に販売 | 事業/雑所得(課税対象) | 営利目的の反復継続的な活動 |
「もともと自分が使う目的で買ったが、不要になったから売る」のであれば、たとえ購入価格より高く売れたとしても不用品として非課税になるケースがほとんどです。
一方、「安く買って高く売る」ことを目的に仕入れている場合は、転売として課税対象になります。
メルカリの所得と扶養の関係 — 130万円の壁に影響する?
パート勤務の方や学生が気にする「扶養の壁」(123万円・130万円)への影響は、何を売ったかによって変わります。
2025年の税制改正で基礎控除と給与所得控除の最低保障額がそれぞれ引き上げられ、所得税の非課税ライン(いわゆる「103万円の壁」)は123万円に変更されました。
社会保険の扶養(130万円の壁)は従来どおりです。
不用品の売却 → 扶養に影響なし
不用品の売却で得た収入は非課税所得のため、税金の扶養(123万円)にも社会保険の扶養(130万円)にもカウントされません。
メルカリで不用品を50万円分売ったとしても、扶養から外れることはありません。
転売・せどりの利益 → 扶養に影響する可能性あり
転売やせどりで得た利益(所得)は雑所得に該当するため、他の所得と合算して扶養の判定に使われます。
具体例:
- パート年収100万円 + メルカリ転売の所得40万円 = 合計140万円 → 社会保険の扶養(130万円)を超える可能性
- 学生のバイト年収100万円 + メルカリ転売の所得30万円 = 合計130万円 → 税金の扶養(123万円)を超える可能性
扶養の判定基準は、税金の扶養(所得税)と社会保険の扶養で異なります。
詳しい条件や手続きは、以下の手続きガイドをご覧ください。
住民税に注意! 所得税の申告が不要でも届出が必要なケース
会社員で給与以外の所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。
これは見落としやすいポイントです。
所得税の「20万円以下は申告不要」ルールは、あくまで所得税に限った話です。
住民税には同様の免除ルールがないため、1円でも所得があれば住民税の申告義務が発生します。
住民税の申告方法
- お住まいの市区町村役場(税務課)に「住民税申告書」を提出
- 申告期限は毎年3月15日まで(確定申告と同じ)
- 所得の内訳と経費を記入して提出
なお、所得税の確定申告をした場合は、住民税の申告は不要です(税務署から市区町村にデータが連携されるため)。
確定申告が必要な場合のやり方
確定申告が必要と判断した場合の具体的な手順を解説します。
ステップ1: 必要書類を準備する
確定申告に必要な書類は以下のとおりです。
- メルカリの取引履歴(売上一覧)
- 仕入れにかかった費用の記録(レシート・クレジットカード明細)
- 経費の記録(送料・梱包材・手数料など)
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- マイナンバーカードまたは通知カード
メルカリアプリの「取引履歴」や「売上金の入金履歴」をスクリーンショットやCSVで保存しておくと便利です。
レシートがない場合でも、取引履歴が売上の証拠になります。
ステップ2: 所得と経費を計算する
メルカリでの所得を正確に計算します。
経費に含められるもの
- 商品の仕入れ値(購入金額)
- メルカリの販売手数料(売上の10%)
- 送料(出品者負担の場合)
- 梱包材(段ボール・緩衝材・テープなど)
- 仕入れのための交通費
- 撮影用の備品
ステップ3: 確定申告書を作成・提出する
確定申告書の作成方法は主に3つあります。
-
e-Tax(電子申告)
国税庁の確定申告書等作成コーナーからオンラインで作成・提出できます。 -
会計ソフトを利用する
freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使えば、取引データを入力するだけで申告書が自動作成されます。 -
税務署に直接提出
手書きの申告書を最寄りの税務署に持参または郵送で提出します。
申告期間と提出先
- 申告期間: 毎年2月16日〜3月15日
- 提出先: 住所地を管轄する税務署
所得の区分と記入場所
| 所得の種類 | 確定申告書の記入欄 | 該当するケース |
|---|---|---|
| 雑所得 | 第二表「雑所得(その他)」 | 転売・せどりの利益(副業レベル) |
| 事業所得 | 第一表「事業所得」+ 収支内訳書 | 転売を本業レベルで行っている場合 |
| 譲渡所得 | 第三表「譲渡所得」 | 30万円超の高額品の売却益 |
よくある質問(FAQ)
Q. メルカリの売上が年間200万円あります。確定申告は必要ですか?
A. 売上ではなく「利益(所得)」で判断します。
売上200万円でも、仕入れ値と経費を差し引いた所得が20万円以下(会社員の場合)であれば、所得税の確定申告は不要です。
逆に、売上が少なくても利益が20万円を超えていれば申告が必要です。
Q. 購入時のレシートがありません。経費はどう証明すればよいですか?
A. クレジットカード明細やネット購入履歴で代用できます。
レシートが残っていなくても、以下の資料が経費の証拠になります。
- クレジットカードの利用明細
- Amazon・楽天などのネット購入履歴
- 銀行口座の振込記録
- メルカリの取引履歴(購入側)
Q. 副業が会社にバレないか心配です。対策はありますか?
A. 確定申告時に住民税を「自分で納付(普通徴収)」に変更できます。
確定申告書の第二表にある「住民税に関する事項」欄で「自分で納付」を選択すると、副業分の住民税が会社の給与から天引きされなくなり、会社に副業の所得を知られにくくなります。
ただし、自治体によっては普通徴収に対応していない場合もあるため、事前に確認しましょう。
Q. 確定申告をしなかったらバレますか?ペナルティは?
A. バレる可能性は十分にあり、ペナルティも重くなります。
メルカリの売上データは、税務署がプラットフォーム事業者に照会をかけることで把握できます。
申告しなかった場合のペナルティは以下のとおりです。
- 無申告加算税: 納付すべき税額の15〜20%
- 延滞税: 納付期限からの経過日数に応じて年2.4〜8.7%(2025年)
- 重加算税(悪質な場合): 最大40%
Q. 年金受給者です。メルカリの収入で確定申告は必要ですか?
A. 不用品の売却なら不要、転売で年金以外の所得が20万円を超える場合は必要です。
公的年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得(メルカリの転売益など)の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。
まとめ
メルカリやフリマアプリでの確定申告の要否は、以下のポイントで判断できます。
- 生活用の不用品を売っただけ → 確定申告は不要(いくら売っても非課税)
- 転売・せどりの所得(利益)が20万円超 → 確定申告が必要(会社員の場合)
- 1点30万円超の高額品で利益が出た → 譲渡所得として課税対象の可能性
- 専業主婦・学生で所得58万円超 → 確定申告が必要
- 所得20万円以下でも住民税の申告は必要
「自分のケースは不用品?転売?」と迷ったら、もともと自分が使う目的で買ったかどうかを基準に考えましょう。
判断に不安がある場合は、最寄りの税務署に電話で相談できます(無料)。
確定申告の時期(2〜3月)には各地域で無料相談会も開催されるので、活用してみてください。
