振込先を間違えた!組み戻しで返金する手続き・手数料・期間を解説
「振込先を間違えた…お金は戻ってくる?」
「組み戻しってどういう手続き?手数料はかかるの?」
「相手が返金してくれなかったらどうしよう…」
銀行振込で口座番号や金額を間違えてしまうと、焦りと不安でいっぱいになりますよね。
この手続きガイドでは、振込を間違えた(誤送金した)ときにまずやるべきこと、「組み戻し」の手続き方法、主要銀行別の問い合わせ先、相手が返金に応じない場合の対処法まで解説します。
1. 振込先を間違えたらまずやること
振込先や金額を間違えたことに気づいたら、すぐに振込元の銀行に連絡してください。
時間が経つほど相手がお金を引き出してしまうリスクが高まるため、スピードが最も重要です。
1-1. すぐに銀行に連絡する
以下の情報を手元に用意してから連絡しましょう。
- 振込日時
いつ振り込んだか - 振込金額
いくら振り込んだか - 振込先の情報
銀行名・支店名・口座番号・受取人名 - ATM利用明細票や振込の控え
手元にあれば用意(なくても手続きは可能)
銀行の営業時間外(夜間・土日祝)に気づいた場合は、翌営業日の朝一番で連絡してください。
ゆうちょ銀行など一部の銀行では、窓口取扱時間外の組戻し・訂正は受け付けていません。
1-2. 口座番号の間違いで該当口座が存在しない場合
口座番号を間違えて入力しても、その番号の口座が存在しなければ振込は成立しません。
この場合、振込金は自動的に返金されます。
ただし、振込手数料は返金されないのが一般的です。
1-3. 予約振込なら実行前にキャンセルできる可能性がある
ネットバンキングで振込日を指定した「予約振込」の場合、振込が実行される前であればキャンセルできることがあります。
たとえば三井住友銀行のSMBCダイレクトでは、振込指定日の前営業日4:00までならPC・スマートフォンから取り消しが可能です。
振込を間違えたことに早く気づいた場合は、まずネットバンキングの画面で予約状況を確認しましょう。
2. 組み戻しとは?手続きの仕組みと流れ
「組み戻し」とは、すでに完了した振込(誤送金)について、振込人の依頼により振込金を返金してもらう手続きです。
銀行間で連絡を取り合い、受取人の承諾を得たうえで返金が行われます。
2-1. 組み戻し手続きの流れ
組み戻しは以下の流れで進みます。
- 振込人が振込元の銀行に組み戻しを依頼する
- 振込元の銀行が振込先の銀行に組み戻し依頼を送る
- 振込先の銀行が受取人に連絡し、返金の承諾を確認する
- 受取人が承諾すれば、振込先の銀行から振込元の銀行へ資金が返される
- 振込人の口座に返金される
組み戻しは受取人が返金に同意しなければ成立しません。
銀行が受取人に強制的にお金を引き出すことはできないため、返金されないケースもあります。
その場合でも、組み戻し手数料は返金されません。
2-2. 組み戻しにかかる期間
組み戻しにかかる期間は、一般的に数日〜1か月程度です。
受取人とすぐに連絡がつけば数日で返金されることもありますが、連絡がつかない場合は1か月以上かかることもあります。
PayPay銀行では「最大1か月ほどかかる場合がある」と案内しています。
3. 組み戻しの手数料
組み戻しには所定の手数料がかかります。
主要銀行の組み戻し手数料は以下のとおりです。
| 銀行名 | 組み戻し手数料(税込) |
|---|---|
| みずほ銀行 | 880円 |
| 三菱UFJ銀行 | 880円 |
| 三井住友銀行 | 880円 |
| りそな銀行 | 880円 |
| ゆうちょ銀行 | 660円 |
| 楽天銀行 | 880円 |
| PayPay銀行 | 1,100円 |
- 返金が成立しなくても手数料は返金されません
- 元の振込手数料も返金されません
- 改めて正しい口座に振り込む場合、新たに振込手数料がかかります
4. 主要銀行別の組み戻し手続き方法
組み戻しの手続き方法は銀行によって異なります。
お使いの銀行を選択して確認してください。
5. 振込金額を間違えた場合の対応
振込先は正しいが金額を間違えた場合は、状況に応じて対応が異なります。
5-1. 多く振り込んだ場合
相手(受取人)に連絡して、差額の返金を依頼しましょう。
取引先や大家さんなど、連絡先がわかる相手であれば直接交渉するのが最も早い方法です。
相手と連絡が取れない場合や、返金に応じてもらえない場合は、銀行に組み戻しの依頼を検討します。
5-2. 少なく振り込んだ場合
不足分を追加で振り込むだけで対応できます。
取引先への支払いや家賃など期限がある場合は、相手に事情を伝えたうえで速やかに不足分を振り込みましょう。
6. 相手が返金に応じない場合の対処法
組み戻しを依頼しても、受取人と連絡がつかなかったり、返金を拒否されたりするケースがあります。
しかし、法律上は受取人にお金を返す義務があります。
6-1. 不当利得返還請求(民法第703条)
間違えて振り込まれたお金は、法律上「不当利得」に該当します。
不当利得とは、法律上の原因なく得られた利益のことで、受け取った人はそのお金を返す義務を負います(民法第703条)。
なお、不当利得返還請求権には消滅時効があり、誤振込に気づいた時から5年で時効を迎えます(民法第166条)。
返金を求める場合は、早めの行動が大切です。
6-2. 返金拒否には刑事罰の可能性もある
受取人が誤振込だと知りながらお金を使ったり、引き出したりした場合、以下の刑事責任を問われる可能性があります。
- 詐欺罪
銀行窓口で現金を引き出した場合(10年以下の懲役) - 窃盗罪
ATMで現金を引き出した場合(10年以下の懲役または50万円以下の罰金) - 電子計算機使用詐欺罪
誤振込されたお金を別の口座に振り込んだ場合(10年以下の懲役)
2022年には山口県阿武町で、誤って振り込まれた4,630万円を返金せずに使い込んだ男性が電子計算機使用詐欺罪で逮捕される事件がありました。
6-3. 具体的な対処の手順
組み戻しで返金されなかった場合は、以下の手順で対処を検討してください。
- 弁護士に相談する
不当利得返還請求の内容証明郵便の送付を依頼できます - 少額訴訟を利用する
60万円以下の金銭の請求であれば、簡易裁判所で少額訴訟を起こせます。
原則1回の審理で判決が出るため、通常の裁判より迅速です - 通常訴訟を提起する
60万円を超える場合や、少額訴訟では解決しない場合は通常訴訟を検討します
弁護士への相談は法テラス(日本司法支援センター)で無料の法律相談を受けられます。
収入が一定以下の方は、弁護士費用の立替制度も利用できます。
7. 振込の間違いを防ぐためのチェックポイント
振込の間違いは誰にでも起こりえます。
以下のポイントを意識して、ミスを未然に防ぎましょう。
- ATMの確認画面で受取人名を必ずチェックする
口座番号を入力すると受取人名が表示されます。
名前に見覚えがなければ入力を中止してください - ネットバンキングでは「お気に入り」や「登録口座」を活用する
毎回手入力するとミスのリスクが高まります。
よく振り込む口座は事前に登録しておきましょう - 振込前にダブルチェックする
口座番号・金額を2回確認してから実行ボタンを押す習慣をつけましょう - 大きな金額は少額で先にテスト送金する
初めて振り込む口座に大きな金額を送る場合は、まず少額(1円など)でテスト送金すると安心です
「ことら送金」(携帯電話番号やメールアドレスで送金できるサービス)は、組み戻しの仕組みがありません。
間違えた場合は、個人間で直接連絡を取って返金を依頼する必要があります。
ことら送金を使うときは、送金先を特に慎重に確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 振込の組み戻しはいつまでできますか?
A. 明確な期限はありませんが、早ければ早いほど返金される可能性が高くなります。
銀行に「いつまでに依頼しなければならない」という厳密な期限は設けられていませんが、時間が経つと相手がお金を引き出してしまう可能性があるため、気づいた時点ですぐに手続きするのが大切です。
Q. 土日・祝日に振込を間違えた場合はどうすればいいですか?
A. 翌営業日の朝一番で銀行に連絡してください。
多くの銀行では土日祝日の組み戻し手続きは受け付けていません。
ただし、三菱UFJ銀行のテレフォンバンキングは毎日9:00〜21:00で受付しているなど、一部の銀行では土日も対応しています。
まずはお使いの銀行のカスタマーセンターに電話してみましょう。
Q. 受取人に直接連絡しても大丈夫ですか?
A. 連絡先がわかる相手(取引先・大家さんなど)には直接連絡しても問題ありません。
楽天銀行も「受取人と直接連絡が取れる場合は、ご自身で相談した方が早期の返金につながる可能性がある」と案内しています。
ただし、知らない相手に対して個人的に連絡を取るのは避け、必ず銀行を通して手続きしてください。
Q. 振込先の口座が存在しなかった場合はどうなりますか?
A. 振込は成立せず、自動的にお金が戻ってきます。
口座番号の入力を間違えた結果、該当する口座が存在しない場合は、振込自体が不成立となります。
この場合は組み戻し手続きは不要で、自動的に振込人の口座に返金されます。
ただし、振込手数料は返金されないのが一般的です。
Q. ことら送金で間違えた場合はどうすればいいですか?
A. ことら送金では銀行を通じた組み戻しができません。
ことら送金は、携帯電話番号やメールアドレスで少額の送金ができる便利なサービスですが、組み戻しの仕組みがありません。
間違えた場合は、送金先の方と個人間で直接連絡を取り、返金を依頼する必要があります。
相手がわからない場合は、ことら送金を提供している銀行のカスタマーセンターに相談してみてください。
まとめ
振込先や金額を間違えたときは、一刻も早く振込元の銀行に連絡することが最も重要です。
「組み戻し」の手続きを依頼すれば、受取人の承諾が得られた場合に返金されます。
この手続きガイドのポイントを振り返りましょう。
- 振込を間違えたらすぐに銀行に連絡する
- 組み戻し手数料は660〜1,100円(銀行により異なる)
- 組み戻しには受取人の承諾が必要で、数日〜1か月程度かかる
- 返金されなくても組み戻し手数料は返ってこない
- 相手に返金義務がある(不当利得 / 民法第703条)
- 返金を拒否すると刑事罰の対象になる可能性がある
- 予防策として振込前の確認を徹底する
- ことら送金は組み戻し不可のため特に注意する
焦る気持ちはわかりますが、落ち着いて銀行に連絡すれば多くの場合は返金されます。
万が一返金されなかった場合は、法テラスなどの無料相談窓口を活用してください。