手続きプランナー

蛍光灯の製造中止はいつ?LED交換の手順・費用・補助金を解説

蛍光灯の製造中止はいつ?LED交換の手順・費用・補助金を解説
最終更新:2026年5月19日

「蛍光灯がなくなるって聞いたけど、いつまでに交換すればいいの?」
「工事が必要なの?費用はどれくらい?」
「賃貸だけど、自分で交換していいの?」

2027年末までに、すべての一般照明用蛍光灯の製造・輸出入が禁止されます。

この手続きガイドでは、蛍光灯の製造中止スケジュールから、自宅の蛍光灯の種類の見分け方、LED照明への安全な交換手順、費用の目安、使える補助金・助成制度、賃貸物件での対応まで、わかりやすく解説します。

1. 蛍光灯2027年問題とは?製造中止のスケジュール

2023年10〜11月の「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議(COP5)」において、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入を段階的に廃止することが決定されました。

蛍光灯には水銀が含まれており、人の健康や環境へのリスクを低減するための国際的な規制です。

日本でも2024年12月に「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令」が改正され、一般照明用蛍光ランプすべてが「特定水銀使用製品」に指定されました。

1-1. 種類別の製造・輸出入禁止スケジュール

蛍光ランプの種類禁止時期
電球形蛍光ランプ(30W以下)2026年1月1日〜
電球形蛍光ランプ(30W超)2027年1月1日〜
コンパクト形蛍光ランプ2027年1月1日〜
直管形蛍光ランプ(ハロりん酸塩蛍光体)2027年1月1日〜
直管形蛍光ランプ(三波長形蛍光体)2028年1月1日〜
環形(丸型)蛍光ランプ(ハロりん酸塩蛍光体)2027年1月1日〜
環形(丸型)蛍光ランプ(三波長形蛍光体)2028年1月1日〜

1-2. 「使う」「買う」は禁止されない

重要

禁止されるのは「製造」と「輸出入」だけです。
今お使いの蛍光灯をそのまま使い続けることや、店頭に並んでいる蛍光灯を購入することは、規制後も問題ありません。

ただし、製造が終了すると、将来的に蛍光灯の入手が困難になります。

今すぐ交換する必要はありませんが、蛍光灯が切れたタイミングなどで計画的にLED照明への切り替えを進めましょう。

メディアを読み込み中...

2. 自宅の蛍光灯の種類を確認しよう

LED交換の方法は、蛍光灯の種類によって異なります。

まずは自宅で使われている蛍光灯がどのタイプかを確認しましょう。

2-1. 蛍光灯の形状による分類

  • 電球形蛍光ランプ
    電球と同じ口金(ソケット)に取り付けるタイプ。見た目は電球に近い形状です。
  • 環形(丸型)蛍光ランプ
    リビングや寝室のシーリングライトに多い、輪の形をしたタイプ。
    品番は「FCL」で始まるものが一般的です。
  • 直管形蛍光ランプ
    キッチンやオフィスで多い、長い棒状のタイプ。
    品番は「FL」「FLR」「FHF」で始まります。
  • コンパクト形蛍光ランプ
    ダウンライトなどに使われる、小型で折り曲げた形状のタイプ。
    品番は「FDL」「FHT」などで始まります。

2-2. 直管形蛍光ランプの点灯方式の見分け方

メディアを読み込み中...

直管形蛍光ランプは、点灯方式によってLED交換の方法が大きく変わります。

点灯方式品番の特徴見分け方
グロースタータ形FL、FCLで始まる小さな円筒形の「グロー球(点灯管)」が付いている
ラピッドスタート形FLRで始まるグロー球がない。ランプの両端に接触帯がある
インバーター形FHFで始まるグロー球がない。器具本体に「インバーター」の表示がある
ポイント

最も簡単な見分け方は、照明器具にグロー球(小さな円筒形の部品)が付いているかどうかです。
付いていればグロースタータ形、付いていなければラピッドスタート形かインバーター形です。

メディアを読み込み中...

3. 蛍光灯からLEDへの交換方法 - 種類別ガイド

蛍光灯の種類ごとに、LED照明への切り替え方法を解説します。

3-1. 電球形蛍光ランプ → 電球形LEDランプ(工事不要)

最も簡単な交換方法です。

手順

  1. 現在の電球形蛍光ランプの口金サイズ(E26やE17など)を確認する
  2. 同じ口金サイズの電球形LEDランプを購入する
  3. 古い蛍光ランプを外し、新しいLEDランプを取り付ける

費用の目安

500〜2,000円程度(LEDランプ1個あたり)

電気工事は不要で、誰でも自分で交換できます。

3-2. 環形(丸型)蛍光ランプ → LEDシーリングライト(工事不要の場合が多い)

リビングや寝室のシーリングライトは、器具ごとLED一体型に交換するのがおすすめです。

手順

  1. 天井の引掛シーリング(丸型や角型の接続部品)の形状を確認する
  2. 対応するLEDシーリングライトを購入する
  3. 古い照明器具を取り外し、新しいLEDシーリングライトを取り付ける

費用の目安

5,000〜20,000円程度(LEDシーリングライト本体の価格)

天井に引掛シーリングが付いていれば、自分で交換可能です。

引掛シーリングがなく、天井に直付けされている照明器具の場合は、電気工事が必要になります。

3-3. コンパクト形蛍光ランプ → LED一体型ダウンライト(工事必要)

ダウンライトに多く使われているコンパクト形蛍光ランプは、LED一体型ダウンライトへの器具交換が基本的な対応方法です。

手順

  1. 現在のダウンライトの埋込穴のサイズを確認する(φ75mm、φ100mm、φ125mmなど)
  2. 同じ埋込穴サイズに対応するLED一体型ダウンライトを購入する
  3. 電気工事士に依頼して器具を交換する

費用の目安

5,000〜15,000円程度(LEDダウンライト本体+工事費)

コンパクト形蛍光ランプは専用のソケットを使用しており、ランプだけをLEDに差し替えることはできません。

器具ごとLED一体型に交換する必要があり、電気工事士による施工が必要です。

3-4. 直管形蛍光ランプのLED化 - 3つの方法

直管形蛍光ランプのLED化には、安全性と費用の異なる3つの方法があります。

方法A: 照明器具ごとLED専用器具に交換(最も安全)

照明器具本体ごと、LED専用の新しい器具に交換する方法です。

  • 安全性
    ★★★(最も安全)
  • 工事
    必要(電気工事士による施工)
  • 費用目安
    器具代+工事費で1〜3万円/台
  • メリット
    火災リスクなし、LED本来の省エネ効果を発揮、長寿命

方法B: バイパス工事でLEDランプに切り替え

既存の照明器具はそのままに、内部の安定器を通さないよう配線を変更(バイパス工事)して、直管LEDランプを取り付ける方法です。

  • 安全性
    ★★☆(器具が古い場合は方法Aを推奨)
  • 工事
    必要(電気工事士による施工)
  • 費用目安
    工事費3,000〜10,000円/台 + LEDランプ代
  • メリット
    器具交換より安価、安定器の電力消費を削減

方法C: 工事不要タイプのLEDランプに差し替え(リスクあり)

既存の安定器をそのまま利用して、LEDランプに差し替える方法です。

  • 安全性
    ★☆☆(注意が必要)
  • 工事
    不要(グロースタータ形のみ対応)
  • 費用目安
    LEDランプ代のみ(1,000〜3,000円/本)
  • 注意点
    安定器の劣化による火災リスク、省エネ効果が低下
重要

工事不要タイプは、グロースタータ形の照明器具にのみ対応しています。
ラピッドスタート形やインバーター形の照明器具には使用できません。
また、使用開始から10年以上経過した照明器具での使用は、安定器の劣化により火災リスクがあるため避けてください。

3-5. 直管形蛍光ランプ - どの方法を選ぶべき?

判断基準おすすめの方法
照明器具が10年以上使用している方法A(器具ごと交換)
器具は比較的新しいが、安定器の電力消費を減らしたい方法B(バイパス工事)
グロースタータ形で、器具が10年未満方法C(工事不要)も選択肢に入る
安全性を最優先にしたい方法A(器具ごと交換)

経済産業省「蛍光灯からLED照明への切り替えはお済みですか?」では、不安な場合はお近くの電気店や電気工事店に相談することを推奨しています。

メディアを読み込み中...

4. 工事不要LEDの注意点 - 火災リスクを知っておこう

「工事不要」と聞くと手軽で安全に思えますが、実はリスクが潜んでいます。

4-1. 安定器の劣化による火災リスク

工事不要タイプのLEDランプは、既存の照明器具の「安定器」をそのまま利用して点灯する仕組みです。

安定器は電流を調整する部品ですが、一般的な照明器具の寿命は約10年が目安とされています。

日本照明工業会によると、照明器具を設置してから10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としています。

10年を超えた古い安定器にLEDランプを取り付けて使い続けると、以下のリスクがあります。

  • 異常な発熱・発煙
  • 最悪の場合、発火・火災事故
  • 点灯不良や器具の故障

4-2. 省エネ効果が低下する

工事不要タイプでは、LEDランプ自体の消費電力は少なくても、古い安定器が余分な電力を消費し続けます。

LED本来の省エネ効果を引き出すには、安定器をバイパスするか、器具ごと交換する必要があります。

4-3. 安定器の取り外し工事は電気工事士の資格が必須

安定器の配線を変更する「バイパス工事」は、電気工事士の国家資格を持つ人しか行ってはいけないと法律で定められています。

DIYで安定器を取り外すことは、法律違反であるだけでなく、感電や火災の危険があります。

絶対に自分で配線を触らないでください。

5. LED交換の費用と補助金・助成制度

5-1. 交換にかかる費用の目安

交換パターン費用目安(1台あたり)工事
電球形 → LEDランプ500〜2,000円不要
丸型シーリングライト → LED一体型5,000〜20,000円不要(引掛シーリングあり)
コンパクト形 → LED一体型ダウンライト5,000〜15,000円必要
直管形 → LED専用器具に交換10,000〜30,000円必要
直管形 → バイパス工事3,000〜10,000円+ランプ代必要
直管形 → 工事不要LEDランプ1,000〜3,000円不要(リスクあり)

5-2. 自治体の補助金・助成金を活用する

LED照明への切り替えには、自治体の補助金や助成制度を活用できる場合があります。

代表的な制度の例

  • 東京ゼロエミポイント(東京都)
    省エネ家電(エアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具)への買い替えで助成金が適用され、登録販売店での購入時に値引きを受けられます。実施期限は2027年3月まで。
  • 自治体独自の省エネ補助金
    多くの自治体がLED照明の導入費用を助成しています。補助率や上限額は自治体によって異なります(例: 対象経費の8割・上限10万円など)。

補助金の探し方

データを読み込み中...

6. 賃貸物件の場合はどうする?

賃貸物件に住んでいる場合、照明のLED化は誰が費用を負担するのか、確認すべきポイントを整理します。

6-1. 照明器具の交換 — 原則は大家(貸主)の負担

照明器具が「建物の設備」として設置されている場合、器具の交換や修繕は原則として大家(貸主)の負担です。

蛍光灯の製造が終了し、照明器具としての機能を維持できなくなる場合は、大家に修繕(LED器具への交換)を依頼する正当な理由があります。

6-2. 蛍光灯の球切れ交換 — 借主の負担

「電球、蛍光灯、ヒューズ等の取り替え」は、消耗品として一般的に借主(入居者)の負担とされています。

6-3. まずは管理会社・大家に相談

  • 蛍光灯の製造終了に伴い、LED器具への交換を希望する旨を伝える
  • 契約書の「修繕義務」「小修繕」の条項を確認する
  • 大家にLED化の法的義務はないため、協議が必要になる場合もある
  • 自分でLED化工事をする場合は、必ず事前に許可を取る
ポイント

退去時の原状回復の観点から、勝手に照明器具を交換すると退去時にトラブルになる可能性があります。
必ず事前に管理会社または大家に相談しましょう。

7. 使用済み蛍光灯の正しい捨て方

蛍光灯には水銀が含まれているため、適切な方法で廃棄する必要があります。

7-1. 一般家庭の場合

お住まいの自治体の回収ルールに従って分別・排出してください。

多くの自治体では、以下のいずれかの方法で回収しています。

  • 有害ごみ・危険ごみとして分別回収
  • 拠点回収(公共施設や家電量販店などの回収ボックス)
  • 粗大ごみとして回収(照明器具ごと処分する場合)

廃棄時の注意点

  • 割れないように新聞紙や購入時のケースで包む
  • 割れてしまった場合は、破片を密閉容器に入れて排出
  • 通常の「燃えないごみ」に混ぜて出さない
データを読み込み中...

8. よくある質問(FAQ)

Q. 今使っている蛍光灯は2027年以降も使い続けられる?

A. はい、使い続けることができます。

禁止されるのは「製造」と「輸出入」だけです。

今お使いの蛍光灯が正常に点灯している限り、そのまま使用を続けて問題ありません。

ただし、蛍光灯が切れた際に同じものが手に入らなくなる可能性があるため、計画的にLED照明への切り替えを検討しましょう。

Q. 蛍光灯を買いだめしておくべき?

A. 基本的にはおすすめしません。

在庫品の購入は禁止されませんが、蛍光灯を使い続けるよりもLED照明に切り替えるほうが、電気代の節約や安全面で長期的にメリットがあります。

日本照明工業会の試算によると、蛍光灯シーリングライトをLEDシーリングライトに交換した場合、年間約2,000円の電気代節約効果があるとされています。

Q. LED化の工事は誰に頼めばいい?

A. お近くの電気店、電気工事店、または家電量販店に相談してください。

直管形蛍光灯のバイパス工事や器具の交換工事は、電気工事士の資格を持つ人が行う必要があります。

家電量販店では、照明器具の購入と同時に取付工事を依頼できる場合が多いです。

Q. 工事不要のLED蛍光灯は本当に危険?

A. 器具が10年以上経過している場合はリスクがあります。

工事不要タイプ自体が直ちに危険というわけではありませんが、古い安定器を通して電気を流し続けることで、発熱・発煙・発火のリスクが高まります。

照明器具の使用年数を確認し、10年を超えている場合は器具ごとの交換を検討してください。

Q. マンションの共用部の蛍光灯はどうなる?

A. 管理組合が対応します。

マンションの共用部(廊下・エントランス・駐車場など)の照明は、管理組合の管理対象です。

蛍光灯の製造終了を踏まえ、管理組合で計画的にLED化を進めることになります。

管理費や修繕積立金から費用が捻出されるのが一般的です。

Q. 非常灯や誘導灯の蛍光灯も交換が必要?

A. 非常用照明器具や誘導灯は今回の規制対象外です。

「一般照明用」の蛍光ランプが対象であり、非常用照明器具、誘導灯器具、医療用照明器具、乗り物用照明器具などの「特殊な照明用」に使用される蛍光ランプは規制の対象になりません。

9. まとめ

蛍光灯の製造中止は、2027年末に向けて段階的に進みます。

  • すぐに交換する必要はない
    今使っている蛍光灯はそのまま使い続けられます。
    蛍光灯が切れたタイミングで計画的にLED化を進めましょう。
  • 蛍光灯の種類によって交換方法が違う
    電球形はLEDランプに差し替えるだけ、丸型はシーリングライトごと交換、直管形は工事が必要な場合があります。
  • 工事不要LEDには火災リスクがある
    10年以上の古い照明器具では使用を避け、器具ごとの交換を検討しましょう。
    安定器の取り外しは電気工事士の資格が必須です。
  • 補助金を活用して費用を抑える
    自治体の省エネ補助金やポイント制度を活用すれば、LED化の費用負担を軽減できます。
  • 賃貸は大家に相談
    照明器具が建物設備の場合、交換費用は原則として大家の負担です。
    勝手に交換せず、まず管理会社や大家に相談しましょう。
  • 使用済み蛍光灯は自治体のルールで廃棄
    水銀を含むため、通常のごみと分けて正しく処分してください。

関連する手続きガイド

関連タグ

ローカルヒストリア - 街の数だけ、歴史がある。