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住所変更登記が義務化!費用・必要書類・自分でやる方法を解説

住所変更登記が義務化!費用・必要書類・自分でやる方法を解説
最終更新:2026年3月25日

「引っ越したのに、不動産の登記はそのまま…」という方は要注意です。

2026年4月1日から、不動産の住所変更登記が義務化されました。

住民票を移しても、不動産の登記簿に記録されている所有者の住所は自動で変わりません。

変更日から2年以内に登記を申請しないと、5万円以下の過料(罰金に似た行政上の制裁)が科される可能性があります。

「手続きが面倒そう」「お金がかかりそう」と不安に感じるかもしれませんが、自分で申請すれば数千円で済みますし、「スマート変更登記」という無料の制度を利用すれば、以後の手続きは法務局が自動で行ってくれます。

この手続きガイドでは、住所変更登記の義務化の内容から、費用・必要書類・自分で申請する手順・スマート変更登記の使い方まで、わかりやすく解説します。

1. 住所変更登記とは?なぜ義務化されたのか

住所変更登記とは

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住所変更登記とは、不動産の登記簿に記録されている所有者の住所を、現在の住所に更新する手続きです。

不動産を購入したときに登記した住所から引っ越しをして住民票を移しても、登記簿上の住所は自動では更新されません。

登記簿上の住所と実際の住所が異なると、登記上は「別人」として扱われてしまいます。

たとえば、A市に登記されている所有者がB市に引っ越した場合、登記簿上の「A市の○○さん」と住民票上の「B市の○○さん」は、登記手続き上は同一人物とみなされません。

不動産の売却やローンの設定をする際には、前提として住所変更登記を済ませる必要があります。

なぜ義務化されるのか

これまで住所変更登記は任意の手続きでした。

そのため「面倒だから」「忘れていた」と放置する方が多く、登記簿から所有者を特定できない「所有者不明土地」が全国で増加してきました。

法務省によると、所有者不明土地の面積は九州の大きさに匹敵するともいわれています。

この問題は、公共事業や災害復旧の妨げになるだけでなく、放置された土地が近隣に悪影響を及ぼすなど、深刻な社会問題となっています。

所有者不明土地の発生原因のうち、約3分の1が住所変更登記の未了といわれています。

そこで令和3年(2021年)に不動産登記法が改正され、2024年4月の相続登記義務化に続いて、2026年4月から住所変更登記も義務化されることになりました。

2. 住所変更登記の義務化 — 知っておくべきポイント

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2-1. いつから?誰が対象?

住所変更登記の義務化は、2026年(令和8年)4月1日に施行されました。

対象となるのは、不動産の所有権の登記名義人(所有者として登記されている方)です。

以下のように住所や氏名に変更があった場合は、変更登記を申請する義務があります。

  • 引っ越しで住所が変わった
  • 結婚・離婚で氏名が変わった
  • 法人の本店所在地や名称が変わった

2-2. 変更日から2年以内に申請が必要

住所や氏名が変わった日から2年以内に、法務局へ変更登記を申請しなければなりません。

たとえば、2026年7月1日に引っ越した場合は、2028年6月30日までに登記を申請する必要があります。

2-3. 過去の住所変更も対象(遡及適用)

注意

義務化は、2026年4月1日より前に住所や氏名を変更した方にも適用されます。

「10年前に引っ越したけど登記はそのまま」という場合も義務の対象です。

この場合の期限は、施行日から2年以内の2028年(令和10年)3月31日までです。

過去に引っ越しをして不動産の登記を変更していない方は、早めに対応を検討しましょう。

2-4. 罰則 — 5万円以下の過料

正当な理由なく変更登記を申請しなかった場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

「過料」は行政上の義務違反に対する金銭的な制裁で、刑法上の「罰金」とは異なります。
前科がつくことはありません。

ポイント

ただし、義務に違反してもすぐに過料が科されるわけではありません。
法務省の通達によると、登記官は以下の手順を踏みます。

  1. 義務違反の事実を把握
  2. 相当の期間を定めて催告(変更登記を申請するよう通知)
  3. 催告に応じず、正当な理由もない場合に限り、裁判所へ過料通知

いきなり5万円を請求されるのではなく、まず催告があるため、通知を受け取ったら速やかに対応すれば問題ありません。

2-5. 「正当な理由」として認められるケース

以下のような事情がある場合は、変更登記を申請しなくても「正当な理由」があるとして、過料の対象になりません。

  • スマート変更登記の申出(検索用情報の申出)をしている場合
    法務局側の職権変更登記がまだ実施されていないだけのケース
  • 行政区画の変更
    市町村合併などの変更は、本人の責任ではない
  • 重病等の事情
    本人が入院中や療養中で手続きが困難な場合
  • DV被害で避難中
    住所を公開することで生命・身体に危害が及ぶおそれがある場合
  • 経済的に困窮している場合
    登記費用を負担する能力がない場合

なお、「義務化されたことを知らなかった」「手続きの方法がわからなかった」は正当な理由にはなりません。

3. 住所変更登記の費用

「登記」と聞くと高額なイメージがありますが、住所変更登記は比較的安く済みます。

3-1. 自分で申請する場合の費用

費目金額
登録免許税不動産1個につき1,000円
住民票の写し200〜300円/通
戸籍の附票(必要な場合)200〜300円/通
登記事項証明書(事前確認用)480〜600円/通

具体例

  • 一戸建て(土地1筆 + 建物1棟)
    登録免許税 2,000円 + 住民票 300円 = 約2,300円
  • マンション(敷地権3筆 + 建物1棟)
    登録免許税 4,000円 + 住民票 300円 = 約4,300円

自分で手続きすれば、数千円程度で済みます。

ヒント

住居表示の実施(地番から住居表示への切り替え)や行政区画の変更(市町村合併など)が原因で住所が変わった場合は、登録免許税が非課税になります(登録免許税法第5条第4号)。
市区町村の窓口で「住居表示実施証明書」や「行政区画変更証明書」を取得し、申請書に添付してください。

3-2. 司法書士に依頼する場合の費用

費目金額
司法書士報酬約1万〜2万円
登録免許税不動産1個につき1,000円
書類取得の実費数百円〜数千円

合計で約1.5万〜2.5万円が目安です。

以下のような場合は、司法書士への依頼を検討してもよいでしょう。

  • 住所の変遷が複雑で、住民票だけでは証明できない
  • 複数の不動産を所有していて手続きが煩雑
  • 不動産の売却やローンを控えていて急ぎ
  • 書類作成に不安がある

4. 住所変更登記の必要書類

住所変更登記に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
    法務局のホームページに掲載されている様式を使って作成します
  • 住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
    登記簿上の住所から現在の住所への変更が確認できるもの
  • 戸籍の附票(住民票で住所のつながりが証明できない場合)
    過去に何度も引っ越しをしていて住民票だけでは変遷が確認できない場合に必要
  • 収入印紙(登録免許税分)
    不動産1個につき1,000円分
  • 委任状(代理人が申請する場合のみ)
    家族などが代わりに申請する場合
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ヒント

住民票は、マイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機で取得できます。
戸籍の附票も本籍地の自治体によってはコンビニ交付に対応しています。

住所のつながりが証明できない場合

過去に何度も引っ越しを繰り返していると、住民票や戸籍の附票だけでは登記簿上の住所から現在の住所への変遷を証明できないことがあります。

住民票の除票や戸籍の除附票は、2019年まで保存期間が5年だったため、古いものは廃棄されている可能性があります。

このような場合は、以下の書類を補足として提出します。

  • 登記済権利証(登記識別情報通知)
    所有者だけが持っている書類
  • 固定資産税の納税通知書
    毎年届く通知書で、所有者であることを示す
  • 不在住証明書
    登記簿上の住所に同じ名前の住民がいないことを証明する書類
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どの書類をどのように組み合わせるかはケースバイケースのため、事前に管轄の法務局に相談することをおすすめします。

5. 住所変更登記を自分でやる方法(5ステップ)

住所変更登記は、司法書士に依頼しなくても自分で申請できます。

引っ越しが1回だけで住所の変遷がシンプルな場合は、特に難しい手続きではありません。

ステップ1. 登記記録を確認する

まず、現在の登記簿に記録されている住所を確認します。

確認方法は2つあります。

  1. 法務局の窓口で登記事項証明書を取得する(1通480〜600円)
  2. 登記情報提供サービス(オンラインで確認可能、1件330円)
    登記情報提供サービスからアクセスできます
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登記簿の「甲区」(所有権に関する事項)に記載されている所有者の住所が、現在の住所と異なっていれば、住所変更登記が必要です。

ステップ2. 必要書類を取得する

市区町村役場で、登記簿上の住所から現在の住所への変遷がわかる住民票の写しを取得します。

過去に複数回引っ越しをしている場合は、戸籍の附票(本籍地の市区町村で発行)も必要になることがあります。

注意

住民票を取得する際は、マイナンバーが記載されていないものを請求してください。
マイナンバーが記載された住民票は法務局で受理されません。

ステップ3. 登記申請書を作成する

法務局のホームページに申請書の記載例と様式が掲載されています。

これをダウンロードして、WordやPDF編集ソフトで作成するか、印刷して手書きで記入します。

申請書に記載する主な内容は以下のとおりです。

  • 登記の目的(「○番所有権登記名義人住所変更」)
  • 原因(「令和○年○月○日 住所移転」)
  • 変更後の事項(現在の住所)
  • 申請人(氏名・住所)
  • 不動産の表示(所在・地番・家屋番号など)

ステップ4. 法務局に申請する

作成した登記申請書に、登録免許税分の収入印紙を貼り付けて、管轄の法務局に提出します。

申請方法は3つあります。

  1. 窓口に持参
    管轄の法務局に直接持参します
  2. 郵送で申請
    管轄の法務局へ郵送します。 返送用の封筒(切手貼付)も同封してください
  3. オンラインで申請
    法務省が提供する「かんたん登記申請」から申請できます
注意

申請先は不動産の所在地を管轄する法務局です。
自分の住所地の法務局ではありません。
たとえば、東京のマンションを所有して北海道に引っ越した場合、申請先は東京の法務局です。

ステップ5. 登記完了証を受け取る

書類に不備がなければ、申請から約1〜2週間で手続きが完了し、「登記完了証」が発行されます。

窓口で受け取るか、申請時にレターパックプラスなどの返信用封筒を同封しておけば郵送で受け取ることもできます。

6. スマート変更登記なら手続き不要・無料

「引っ越すたびに法務局に申請するのは面倒…」という方には、スマート変更登記の利用をおすすめします。

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6-1. スマート変更登記とは

スマート変更登記とは、法務局が職権で住所変更登記を行ってくれるサービスです。

2026年4月1日から利用できるようになりました。

一度「検索用情報の申出」という手続きをしておけば、その後は引っ越しのたびに自分で変更登記を申請する必要がなくなります。

さらに、スマート変更登記による変更登記には登録免許税がかからず、無料です。

6-2. スマート変更登記の利用手順

  1. 検索用情報の申出をする
    法務局に、氏名・ふりがな・住所・生年月日・メールアドレスなどの情報を届け出ます。
    オンライン(かんたん登記申請)または書面で申出できます。
    この申出は2025年4月21日から受付が開始されています。
  2. 法務局が住基ネットで定期確認
    法務局が定期的に住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に照会して、住所や氏名に変更がないか確認します。
  3. 変更があればメールで確認
    住所に変更があった場合、法務局から登録したメールアドレスに「変更登記をしてよいか」の確認メールが届きます。
  4. 同意すると職権で変更登記
    「はい」と回答すると、法務局が職権で変更登記を行います。
ポイント

スマート変更登記の申出をしていれば、万が一変更登記が間に合わなくても、「正当な理由」として認められ、過料の対象になりません
不動産を所有している方は、早めに検索用情報の申出をしておくと安心です。

6-3. スマート変更登記の注意点

  • すぐには反映されない
    住基ネットへの照会は2年に1回程度のため、引っ越し直後に自動で変更されるわけではありません
  • 急ぎの場合は自分で申請を
    不動産の売却や住宅ローンの設定を控えている場合は、スマート変更登記を待たずに自分で申請しましょう
  • 海外在住者は利用できない
    住基ネットで確認できないため、海外居住の方は自分で変更登記を申請する必要があります

7. 相続登記の義務化との違い

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2024年4月に「相続登記の義務化」が先にスタートしており、混同しやすいため、違いを整理します。

項目住所変更登記の義務化相続登記の義務化
施行日2026年4月1日2024年4月1日
対象不動産所有者の住所・氏名変更相続による不動産の名義変更
期限変更日から2年以内相続を知った日から3年以内
罰則5万円以下の過料10万円以下の過料
目的所有者不明土地問題の解消同じ

どちらも、登記簿から不動産の所有者が特定できない「所有者不明土地」の問題を解消するための制度です。

なお、亡くなった所有者について、登記簿上の住所と死亡時の住所が異なっている場合でも、亡くなった方の住所変更登記は原則として不要です。

相続登記を申請する際に、住所の変遷がわかる住民票の除票などを添付すれば手続きできます。

8. 引っ越し時は住所変更登記も忘れずに

引っ越しの際にやるべき手続きは多岐にわたりますが、不動産を所有している方は住所変更登記もチェックリストに加えておきましょう

引っ越しに伴う主な手続き一覧は、以下の手続きガイドも参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 住所変更登記は自分でもできますか?

A. はい、自分で申請できます。

引っ越しが1回だけで、住民票だけで住所のつながりが証明できるケースであれば、特に専門知識がなくても手続き可能です。

法務局のホームページに申請書の記載例が掲載されていますし、不明な点は法務局の手続案内で相談できます。

手続案内は電話・窓口での対面・ウェブ会議の3つの方法で利用でき、完全予約制(1回20分以内)です。

各法務局への問い合わせ先は、法務局のホームページ「管轄のご案内」から確認できます。

Q. 申請先の法務局はどこですか?

A. 不動産の所在地を管轄する法務局です。

自分の住所地ではなく、不動産がある場所を管轄する法務局に申請します。

たとえば、大阪のマンションを所有して東京に住んでいる場合、申請先は大阪の法務局です。

郵送やオンラインでも申請できるため、遠方でも問題ありません。

管轄の法務局は、法務局のホームページ「管轄のご案内」で確認できます。

Q. 複数の不動産を一度に変更できますか?

A. 同じ法務局の管轄であれば、1枚の申請書でまとめて申請できます。

たとえば、同じ市内に土地と建物を持っている場合は、1つの申請書にまとめられます。

ただし、不動産の数だけ登録免許税(1個1,000円)はかかります。

管轄が異なる法務局の場合は、それぞれの法務局に別々に申請が必要です。

Q. マンションの場合、登録免許税はいくらですか?

A. 敷地権の数と建物を合わせた個数 × 1,000円です。

マンション(区分所有建物)の場合、土地は「敷地権」として複数筆にわたることがあります。

登記事項証明書で敷地権の個数を確認してください。

たとえば、敷地権が3筆 + 建物1棟の場合、登録免許税は4,000円になります。

Q. 住所のつながりが証明できない場合はどうすればよいですか?

A. 登記済権利証や固定資産税の納税通知書などで補足できます。

過去に何度も引っ越しをしていると、住民票の除票や戸籍の除附票が廃棄されていて、住所の変遷を完全に証明できないことがあります。

その場合は、登記済権利証(登記識別情報通知)、固定資産税の納税通知書、不在住証明書などの書類を組み合わせて提出します。

どの書類が必要かはケースによって異なるため、管轄の法務局か司法書士に事前に相談することをおすすめします。

Q. 家族が代理で申請できますか?

A. はい、委任状があれば代理申請できます。

所有者からの委任状があれば、家族に限らず誰でも代理人として住所変更登記を申請できます。

ただし、報酬を受けて代理申請できるのは司法書士と弁護士に限られます。

Q. 不動産を売却する予定がある場合、住所変更登記は必要ですか?

A. 売却の前提として、住所変更登記を済ませる必要があります。

登記簿上の住所と現在の住所が一致していないと、所有権移転登記(売却による名義変更)ができません。

不動産の売却を予定している方は、早めに住所変更登記を済ませておきましょう。

まとめ

2026年4月1日から、不動産の住所変更登記が義務化されました。

この手続きガイドのポイントを振り返ります。

  • 引っ越しで住所が変わったら、2年以内に住所変更登記を申請する必要がある
  • 正当な理由なく届出をしないと、5万円以下の過料が科される可能性がある
  • 2026年4月より前の住所変更も対象で、その場合の期限は2028年3月31日
  • 費用は登録免許税1,000円 × 不動産の個数+実費で、自分で申請すれば数千円程度
  • スマート変更登記を申し出れば、以後の住所変更は法務局が自動で登記してくれる(無料)

不動産を所有している方は、引っ越しの手続きリストに「住所変更登記」を忘れずに加えておきましょう。

手続きに不安がある方は、法務局の手続案内や司法書士への相談を活用してください。

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