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育児時短就業給付金とは?時短勤務の給付金・計算方法・申請手順

育児時短就業給付金とは?時短勤務の給付金・計算方法・申請手順
最終更新:2026年4月25日

「育休から復帰して時短勤務にしたら、思った以上にお給料が減ってしまった…」と不安を感じていませんか?

2025年4月から、雇用保険に新しく育児時短就業給付金が加わりました。

2歳未満のお子さんを育てるために時短勤務をしている方を対象に、時短勤務中の賃金の約10%が支給される制度です。

ただし、会社から自動的に支給されるわけではなく、申請手続きが必要です。

「自分は対象になるの?」「いくらもらえるの?」「どう申請すればいいの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この手続きガイドでは、育児時短就業給付金の対象者の条件から給付額の計算方法申請手続きの流れまで、わかりやすく解説します。

1. 育児時短就業給付金とは?

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育児時短就業給付金は、2025年(令和7年)4月1日に新設された雇用保険の給付制度です。

2歳未満のお子さんを養育するために1週間あたりの所定労働時間を短縮して働いている方に対し、減少した収入の一部を補填することを目的としています。

育児休業等給付の中での位置づけ

育児に関する雇用保険の給付には、以下の4つがあります。

  • 出生時育児休業給付金
    出生後8週間以内の育児休業(産後パパ育休)に対する給付
  • 育児休業給付金
    育児休業期間中の給付(原則1歳まで、延長で最長2歳まで)
  • 出生後休業支援給付金
    2025年4月新設。育児休業の最初の一定期間の給付を上乗せ
  • 育児時短就業給付金(この手続きガイドで解説)
    育休復帰後の時短勤務中に支給される給付

つまり、育児休業中は「育児休業給付金」育休復帰後の時短勤務中は「育児時短就業給付金」というかたちで、子育て期間をトータルでサポートする仕組みになっています。

支給額のイメージ

育児時短就業給付金の支給額は、原則として次のように計算します。

ポイント

育児時短就業給付金の支給額 = 時短勤務中の各月の賃金額 × 10%
例: 時短後の月給が20万円の場合 → 月2万円が支給されます。

ただし、時短前の賃金とほとんど差がない場合は支給率が調整され、賃金が減っていない場合は支給されません。

詳しい計算方法は「3. 給付額の計算方法」で解説します。

2. 対象者の条件

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育児時短就業給付金をもらうには、「受給資格」と「各月の支給要件」の両方を満たす必要があります。

受給資格 — 2つの条件を両方満たすこと

条件1: 2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業していること

  • 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者が対象です。
  • 1週間あたりの所定労働時間を短縮していることが必要です。
「所定労働時間」の短縮が条件です

残業をやめただけでは、所定労働時間は変わりません。
たとえば「週40時間の所定労働時間で残業をカットして実質的に労働時間が減った」というケースは、所定労働時間の短縮に該当せず、対象外です。
時短勤務を利用するには、会社に申し出て所定労働時間そのものを変更してもらう必要があります。

条件2: 以下のいずれかに該当すること

  • パターンA
    育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き(育休終了日の翌日から14日以内に)同一の子について育児時短就業を開始したこと
  • パターンB
    育児時短就業の開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月以上あること

パターンAは育休から復帰してすぐ時短勤務を始めるケースで、最も一般的なパターンです。

パターンBは、育休を取得せずに時短勤務を始めた場合や、転職後に時短勤務を始めた場合などに該当します。

各月の支給要件 — 4つすべてを満たす月が支給対象

#要件
1月の初日から末日まで続けて雇用保険の被保険者であること
21週間あたりの所定労働時間を短縮して就業した期間があること
3月の初日から末日まで育児休業給付・介護休業給付を受給していないこと
4高年齢雇用継続給付の受給対象になっていないこと

月の途中で退職(離職)した場合は、その月は要件1を満たさないため支給対象になりません(ただし月末退職の場合は対象)。

どんな働き方が対象になる?

育児時短就業給付金は、育児・介護休業法に基づく時短措置だけでなく、幅広い働き方が対象です。

  • 正社員の時短勤務(1日6時間など)
  • 短時間正社員への転換
  • パートタイムへの転換・転職
  • フレックスタイム制
    清算期間の総労働時間を短縮した場合
  • 変形労働時間制
    対象期間の総労働時間を短縮した場合
  • 裁量労働制
    みなし労働時間を短縮した場合
  • シフト制
    実際の平均労働時間が短縮された場合
雇用保険の加入条件に注意

短縮後の1週間あたりの所定労働時間が20時間を下回る場合、原則として雇用保険の被保険者資格を失い、給付金の対象外になります。
ただし、子が小学校就学の始期に達するまでに週20時間以上の労働条件に復帰することが就業規則等で確認できる場合は、被保険者資格を維持できます。

3. 給付額の計算方法

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基本の計算式

育児時短就業給付金の支給額は、時短前の賃金(育児時短就業開始時賃金月額)と比べてどれだけ賃金が下がったかによって決まります。

賃金の減少度合い支給率
時短前の90%以下に減少10%
時短前の90%超〜100%未満0%超〜10%未満(段階的に調整)
時短前の100%以上(減少なし)0%(不支給)

多くの方は時短勤務で賃金が90%以下になるため、支給率10%が適用されます。

「育児時短就業開始時賃金月額」とは?

計算の基準になる「時短前の賃金」は、正式には育児時短就業開始時賃金月額と呼ばれ、次のように算定します。

  • 育休から引き続き時短を開始した場合
    育児休業給付で使用した「休業開始時賃金日額」× 30
  • それ以外の場合
    育児時短就業開始前の直近6か月間の賃金総額 ÷ 180 × 30
育休から復帰して時短を始める方は計算がシンプル

育休から続けて時短勤務を始めた方は、育休開始前の賃金(産休・育休に入る前のフルタイム給与)がベースになります。
すでに育児休業給付金を受け取っていた方は、そのときの「休業開始時賃金日額」がそのまま使われるため、新たに賃金証明書を提出する必要もありません。

上限額と下限額

項目金額(2026年7月31日まで)
育児時短就業開始時賃金月額の上限483,300円
育児時短就業開始時賃金月額の下限90,420円
支給限度額(賃金 + 支給額の上限)471,393円
最低限度額(これ以下は不支給)2,411円

※ 上記の金額は毎年8月1日に改定されます。

具体的な計算例

例1: 時短後の月給が20万円の場合

  • 時短前(育休前)の賃金月額: 30万円
  • 時短後の賃金: 20万円(賃金率 = 20万 ÷ 30万 × 100 = 66.7%)
  • 賃金率が90%以下 → 支給率10%
  • 支給額: 20万円 × 10% = 2万円/月

例2: 時短後の月給が28万円の場合(賃金の減少が少ないケース)

  • 時短前の賃金月額: 30万円
  • 時短後の賃金: 28万円(賃金率 = 28万 ÷ 30万 × 100 = 93.3%)
  • 賃金率が90%超 → 支給率は調整(約6.77%)
  • 支給額: 28万円 × 6.77% ≒ 18,956円/月

支給額を計算してみよう

以下のシミュレーターに時短前後の賃金を入力して、おおよその支給額を確認してみましょう。

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4. もらえないケース — 不支給になる3つのパターン

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育児時短就業給付金は、以下のケースでは支給されません。

パターン1: 賃金が減少していない場合

支給対象月の賃金が、育児時短就業開始時賃金月額の100%以上の場合は不支給です。

これは、時短前と比べて実質的に賃金が減っていないため、給付の必要がないと判断されるケースです。

昇給・ベースアップに注意

育休中にベースアップや昇給があり、時短勤務の賃金が育休前の賃金を上回ることがあります。
その場合、実感として「時短で働く時間が短くなったのに」と感じても、制度上は賃金減少がないため不支給となります。

パターン2: 賃金が支給限度額以上の場合

支給対象月の賃金が471,393円以上(2026年7月31日までの額)の場合は不支給です。

高額所得者は給付の対象外となる仕組みです。

パターン3: 支給額が最低限度額以下の場合

算定された支給額が2,411円以下の場合は不支給です。

時短前後の賃金の差がごくわずかな場合に該当します。

5. 申請手続きの流れ

育児時短就業給付金は、原則として会社(事業主)を経由してハローワークに申請します。

自分でハローワークに直接申請も可能です

希望すれば、本人がハローワークで直接手続きすることもできます。
ただし、育児時短就業開始時の賃金の届出(賃金証明書の提出)は事業主が行う必要があるため、完全に会社を通さずに申請することはできません

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申請の5ステップ

  1. 会社に時短勤務を申し出る
    育児・介護休業法に基づき、お子さんが2歳未満であることを伝えて時短勤務を申請します。
  2. 会社に育児時短就業給付金の申請を依頼する
    時短勤務の開始と合わせて、会社の人事・総務担当者に給付金の申請手続きを依頼します。
  3. 会社がハローワークに必要書類を提出する
    会社が受給資格確認と支給申請の書類をまとめ、事業所を管轄するハローワークに提出します(電子申請も可能)。
  4. ハローワークが審査・支給決定を行う
    ハローワークが書類の内容を確認し、要件を満たしていれば支給決定通知書が交付されます。
  5. 指定口座に振り込まれる
    支給決定から約1週間で、本人名義の金融機関口座に振り込まれます。
会社が手続きしてくれない場合

会社に何度依頼しても手続きが進まない場合は、ハローワークに直接相談してください。
本人の希望により、自分で受給資格確認と支給申請を行うことも可能です。

2回目以降の申請

初回の申請が完了すると、ハローワークから次回の支給申請書申請期間の指定通知書が届きます。

2回目以降は、指定された申請期間内に支給申請書を提出します。

  • 申請サイクル
    原則として2か月分をまとめて申請(本人の希望で1か月ごとも可)
  • 提出者
    原則として会社(本人申請も可)
  • 前回と所定労働時間に変更がなければ、週所定労働時間の確認書類は省略できます。

6. 必要書類一覧

初回申請時

書類提出者備考
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書事業主育休から引き続き時短を開始した場合は不要
育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書事業主(または本人)マイナンバーの記載が必要
母子健康手帳(出生届出済証明のページ、分娩予定日のページ)育休から引き続き時短を開始した場合は不要(写し可)
賃金台帳・出勤簿・タイムカード事業主時短前後の賃金と労働時間を確認できるもの
労働条件通知書・育児短時間勤務申出書事業主週所定労働時間の変更を確認できるもの
育休から続けて時短勤務を始める場合はラクになります

育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き同一の子について育児時短就業を開始した場合は、賃金証明書と母子健康手帳の提出が不要です。
これは、育児休業給付の申請時にすでに提出済みの情報を流用できるためです。

2回目以降の申請

書類提出者備考
育児時短就業給付金支給申請書事業主(または本人)ハローワークから交付されたもの
賃金台帳・出勤簿事業主支給対象月の賃金と労働時間を確認できるもの
労働条件通知書等事業主週所定労働時間に変更があった場合のみ

7. 申請期限と支給スケジュール

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申請期限

手続き期限
初回の支給申請(受給資格確認含む)最初の支給対象月の初日から4か月以内
2回目以降の支給申請次回支給対象月の初日から4か月以内(ハローワークの指定通知書に記載)

例: 時短勤務を7月10日に開始した場合 → 最初の支給対象月は7月 → 初回の申請期限は10月31日まで

支給スケジュールの目安

  1. 時短勤務を開始
  2. 最初の支給対象月の賃金が確定(翌月の給与支払い後)
  3. 会社が書類を整えてハローワークに提出
  4. ハローワークが審査(処理状況により数週間〜数か月)
  5. 支給決定通知書の交付
  6. 約1週間で口座に振込
支給までに時間がかかることがあります

制度が始まったばかりのため、ハローワークの処理に時間がかかるケースが報告されています。
申請から支給まで2〜3か月程度かかることもあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

支給対象期間が終了するケース

育児時短就業給付金は、以下のいずれかに該当した場合に支給対象期間が終了します。

  • お子さんが2歳に達する日の前日(2歳の誕生日の前々日)
  • 産前産後休業、育児休業または介護休業を開始した日の前日
  • 別の子を養育するために育児時短就業を開始した日の前月末日
  • お子さんの死亡等により養育しないこととなった日

8. 育児休業給付との違い・切り替え

育児休業給付金と育児時短就業給付金の比較

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項目育児休業給付金育児時短就業給付金
対象育児休業中時短勤務中
子の年齢原則1歳まで(延長で最長2歳)2歳未満
支給額休業開始時賃金の67%(180日まで)→50%時短勤務中の賃金の約10%
申請先ハローワーク(会社経由)ハローワーク(会社経由)
同時受給育児休業給付と同時受給は不可

育休から時短への切り替えの流れ

育児休業が終わり、時短勤務に復帰するタイミングで給付が切り替わります。

  1. 育児休業中 → 育児休業給付金を受給
  2. 育休終了 → 復帰(復帰日から14日以内に時短勤務を開始)
  3. 時短勤務中 → 育児時短就業給付金に切り替え

育休から引き続き時短勤務を始めた場合は、育休中に使っていた賃金日額がそのまま引き継がれるため、賃金証明書の提出も不要になり、スムーズに切り替えできます。

よくある質問(FAQ)

Q. パートやアルバイトでも対象になりますか?

A. 雇用保険に加入していれば対象になります。

パートやアルバイトであっても、雇用保険の被保険者(週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある方)であれば対象です。

また、育児のためにフルタイムからパートタイムに転換した場合も、所定労働時間の短縮として育児時短就業に該当します。

Q. 公務員は対象になりますか?

A. 対象外です。

育児時短就業給付金は雇用保険の制度であり、公務員は雇用保険に加入していないため対象外です。

公務員の方は、各共済組合や人事院の制度をご確認ください。

Q. 子供が2歳になったらどうなりますか?

A. 子が2歳に達する日の前日で支給対象期間が終了します。

「子が2歳に達する日」とは2歳の誕生日の前日のことです。

したがって、育児時短就業給付金は、お子さんの2歳の誕生日の前々日が最後の支給対象日となります。

Q. 夫婦で同時に受給できますか?

A. はい、夫婦それぞれが受給できます。

夫婦がそれぞれ要件を満たしていれば、同時に育児時短就業給付金を受給することができます。

同一の子について、パパもママもそれぞれ時短勤務をしている場合、各自の賃金をもとに別々に支給額が計算されます。

Q. 2025年4月以前から時短勤務をしている場合はどうなりますか?

A. 2025年4月以降の月から支給対象になる可能性があります。

2025年4月1日より前から時短勤務をしていた場合は、2025年4月を「育児時短就業開始日」として取り扱います。

この場合の賃金月額は、時短就業開始前の直近6か月間の賃金をもとに算定されます。

賃金が下がっていれば、4月分から受給できる可能性があります。

Q. 会社が申請してくれない場合はどうすればよいですか?

A. ハローワークに直接相談してください。

育児時短就業給付金の申請は、本人が希望すれば自分で直接ハローワークに手続きすることも可能です。

会社に何度依頼しても対応してもらえない場合は、お住まいの地域のハローワークまたは総合労働相談コーナーに相談しましょう。

Q. 育児時短就業給付金に税金はかかりますか?

A. 非課税です。

雇用保険の給付金は所得税・住民税の課税対象外です。

確定申告の際に収入として申告する必要はありません。

まとめ

育児時短就業給付金は、2025年4月に新設された育休復帰後の収入減をカバーする制度です。

改めてポイントを整理します。

  • 対象者
    2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている雇用保険被保険者
  • 支給額
    原則として時短勤務中の賃金の10%
  • 申請方法
    原則として会社を経由してハローワークに申請(自分で直接申請も可能)
  • 申請期限
    最初の支給対象月の初日から4か月以内
  • 支給期間
    お子さんが2歳になるまで
重要

育児時短就業給付金は会社が自動的に手続きしてくれるわけではありません
まだ申請していない方は、お勤め先の人事・総務担当者に「育児時短就業給付金の手続きをお願いしたい」と伝えることから始めましょう。
不明な点がある場合は、事業所を管轄するハローワークに問い合わせてください。

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