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空き家の実家の火災保険が高い!理由と安くする方法

空き家の実家の火災保険が高い!理由と安くする方法
最終更新:2026年6月15日

「年3万円のはずが、更新時に3倍の年9万円ですと言われてショック」

親が老人ホームや施設に入り、誰も住まなくなった実家。

火災保険の更新案内が届いて、保険料の高さに驚いた方は少なくありません。

なぜ空き家になると火災保険料が一気に上がるのでしょうか。

この手続きガイドでは、保険料が高くなる仕組みから、安く抑える方法、空き家の保険を見直す手続きの流れ、そして「やってはいけないこと」までをわかりやすく解説します。

1. なぜ空き家になると火災保険料が高くなるのか

これまで問題なく払えていた火災保険料が、空き家になった途端に2〜3倍に跳ね上がる。

これにはいくつかの理由があります。

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1-1. 空き家は「一般物件」に切り替わる

火災保険では、建物の使い方によって物件の種類を分けています。

  • 住宅物件
    人が住むために使っている建物。
    保険料は割安です。
  • 一般物件
    店舗・事務所・倉庫など、住居以外の用途で使う建物。
    住宅物件より保険料が割高になります。

人が住まなくなり、今後も住む予定や人に貸す予定がない空き家は、原則としてこの「一般物件」として扱われます。

つまり、親が施設に入って誰も住まなくなった実家は、更新のタイミングで「住宅物件」から「一般物件」へ切り替わり、保険料が上がるというわけです。

1-2. 空き家は災害や事故のリスクが高い

一般物件の保険料が高いのは、空き家ならではのリスクが大きいためです。

  • 放火・不審火に狙われやすい
    人の出入りがなく管理が行き届かない空き家は、不法侵入や放火の標的になりやすいとされています。
  • 被害の発見が遅れる
    台風や大雪で建物が壊れても、誰もいないため気づくのが遅れ、被害が広がりやすくなります。
  • 解体費・撤去費が高くつく
    火災が起きると、解体費が通常の2〜3倍になることもあります。
    燃え残った家財などの撤去に費用がかかるためです。
  • 近隣への損害賠償リスク
    放火や倒壊で隣家に延焼・損害を与えると、所有者が高額な賠償責任を負う可能性があります。

これらのリスクを保険料に反映するため、空き家の火災保険は割高になります。

1-3. 一般物件は地震保険に加入できない

見落とされがちですが、一般物件として契約すると、地震保険に加入できません。

地震保険に加入できるのは、住宅物件と併用住宅(店舗兼住宅など)に限られます。

地震が原因の火災や倒壊は火災保険では補償されないため、空き家になると地震への備えが手薄になる点にも注意が必要です。

注意

空き家を一般物件として契約すると地震保険に入れません。
地震による火災・倒壊は火災保険の対象外のため、地震リスクが心配な地域では特に影響が大きくなります。

1-4. 火災保険そのものも値上がりしている

さらに、近年は火災保険そのものが値上がり傾向にあります。

損害保険料率算出機構は2023年6月、火災保険料の目安となる「参考純率」を全国平均で13.0%引き上げると発表しました。

これは過去最大級の引き上げ幅で、これを受けて各保険会社が2024年10月に保険料を改定しました。

自然災害の激甚化で保険金の支払いが増えていることが背景にあります。

空き家への切り替えによる割増と、この全体的な値上げが重なることで、「年3万円が年9万円」のような大幅な値上がりが起こりやすくなっているのです。

2. どこからが「空き家」?住宅物件と一般物件の判断基準

「誰も住んでいない=すぐに一般物件」とは限りません。

建物の使い方や状態によっては、空き家でも住宅物件として契約できる場合があります。

判断のポイントを整理しておきましょう。

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2-1. 住宅物件として契約できるケース

以下のような場合は、住宅物件として扱われる可能性があります。

  • 住居としてのみ使っている建物
    生活の本拠として使われている家。
  • 別荘など、季節的に住居として使い、家財が常に備えられている建物
    たまにしか使わなくても、家具・家電などが置かれ、住める状態が保たれているケース。
  • 転勤などで一時的に空き家になっている建物
    住居としての使用が前提で、一時的に不在になっているケース。

親が施設に入っていても、家財が残されていて、将来的に戻る・親族が使うなど住居としての性格が残っている場合は、住宅物件として継続できないか確認する価値があります。

2-2. 一般物件になるケース

一方、次のような場合は一般物件として扱われます。

  • 住宅として使う予定がなく、居住者を募集していない建物
    典型的な空き家。
  • 店舗・事務所・倉庫などに使っている建物
    住居以外の用途で使用しているケース。

物件の種類は保険会社が「主たる用途」で判断します。

迷う場合は自己判断せず、必ず保険会社のカスタマーセンターに確認しましょう。

2-3. 親が施設に入った実家はどちらになる?

親が老人ホームや施設に入り、戻る見込みがなく、人に貸す・売る予定で空き家になっている実家は、多くの場合「一般物件」に切り替わります。

ただし、判断は建物の状態や保険会社の基準によって変わります。

「家財が残っているか」「将来住む可能性があるか」などで扱いが変わることもあるため、現在の保険会社にどう扱われるかを確認することが第一歩です。

まずは現在の保険会社に確認を

住宅物件のままで契約を続けられるのか、一般物件への切り替えが必要なのかは、保険会社によって判断が分かれます。
代理店ではなく、契約している保険会社のカスタマーセンターに直接確認するのが確実です。

3. 「申告しなければ安いまま」は危険 - やってはいけない2つのこと

「空き家だと言わなければ、保険料は安いままでいられるのでは?」

「高いなら、いっそ解約してしまおうか」

そう考える方もいますが、どちらも大きなリスクをともないます。

3-1. 空き家になったことを申告しないと、保険金が下りない恐れ

火災保険では、建物の使い方が変わったときに保険会社へ通知(告知)する義務があります。

保険会社は住民票をチェックしているわけではないため、空き家になったことを申告しなくても、そのまま保険料を払い続けられてしまいます。

しかし、空き家であることを申告していないと、いざ火災が起きたときに保険金が支払われない可能性があります。

「保険料を払い続けていたのに、肝心なときに補償されない」という最悪の事態になりかねません。

注意

空き家になったことを保険会社に申告しないまま住宅物件の契約を続けるのは、告知義務違反にあたる恐れがあります。
保険金が支払われないリスクがあるため、必ず保険会社に状況を伝えましょう。

3-2. 代理店の「今のままで大丈夫」を鵜呑みにしない

注意したいのが、保険代理店に「空き家でも今の火災保険のままで大丈夫」と言われても、実際は空き家が補償対象外だった、というケースがある点です。

不安な場合は、代理店だけでなく、契約している保険会社のカスタマーセンターに直接確認しましょう。

3-3. 高いからと解約して無保険にするのも危険

保険料の高さに、解約して無保険にしてしまう人もいます。

しかし、これも非常に危険です。

空き家は放火・倒壊・近隣への延焼といったリスクが高く、万が一のときの解体費や賠償額は数百万円規模になることもあります。

無保険のまま被害が起きれば、その費用をすべて自己負担することになります。

「無駄に思えても、火災のときに保険に入っていて助かった」という声は多く、安易な解約は避けるべきです。

4. 空き家の火災保険料を安く抑える方法

空き家の火災保険料は割高になりがちですが、工夫次第で負担を抑えることは可能です。

代表的な方法を紹介します。

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4-1. 補償内容を実情に合わせて見直す

最も基本的なのが、空き家の実情に合わない補償を外すことです。

  • 家財がなければ「建物のみ」の契約にする
    人が住んでおらず家具・家電がない空き家なら、家財補償は不要なことが多いです。
  • 水災リスクが低ければ水災補償を外す
    高台にあり、近くに川や海がない場合は、水災補償を外して保険料を下げられます。
  • 賠償責任補償の重複を避ける
    すでに自動車保険などで個人賠償責任補償に入っている場合は、補償が重複していないか確認しましょう。

ただし、落雷や破裂・爆発(ガス契約を継続している場合)は空き家でも危険性があるため、補償に含めておくことが推奨されます。

なお、ガスを解約していれば破裂・爆発のリスクは下がりますが、補償をどうするかは保険会社に確認して判断しましょう。

補償を下げすぎない

保険料を抑えたいあまり補償を削りすぎると、いざというときに必要な保険金が受け取れません。
空き家で起こりやすい火災・解体費・賠償リスクへの備えは残しておきましょう。

4-2. 建物の保険金額を見直す

建物の保険金額(補償額)を下げれば保険料も下がります。

ただし、注意点もあります。

「燃えても再建築せず、解体費だけ出ればよい」と考えて保険金額を大きく下げても、保険料はそれほど下がらないケースがあります。

たとえば評価額を数百万円下げても、保険料は年に数千円程度しか下がらないこともあります。

保険金額を下げる場合は、いくら下げると保険料がどのくらい変わるかを見積もりで確認しましょう。

4-3. 複数の保険会社で見積もりを比較する

火災保険は、保険会社によって引き受けの可否や保険料、割引率が異なります。

複数社から見積もりを取り、補償内容と保険料のバランスを比較しましょう。

同じ補償内容であれば各社の保険料に大きな差は出にくいものの、長期契約の可否や割引率で差がつくことがあります。

また、複数年(長期)で契約すると割引が適用され、年あたりの保険料を抑えられます。

4-4. 住宅物件として契約できないか確認する

「2. どこからが『空き家』?」でも触れたとおり、別荘扱いや一時的な不在など、条件に合えば住宅物件として契約できる場合があります。

住宅物件で契約できれば、一般物件よりも保険料を抑えられ、地震保険にも加入できます。

自分の実家が住宅物件として扱える余地がないか、保険会社に相談してみましょう。

4-5. 空き家専用保険や少額短期保険も選択肢

大手損害保険会社では、空き家を対象とする火災保険の取り扱いが少ないのが実情です。

そうしたなかで、空き家専用の保険商品や、空き家を扱う少額短期保険を選択肢に入れる方法もあります。

たとえば、NPO法人と保険会社が提携して提供している空き家専用保険など、空き家所有者向けの商品も登場しています。

損害賠償責任への備えに特化したものもあるため、一般の火災保険と組み合わせて検討するとよいでしょう。

大手の保険会社で引き受けを断られても、一般物件を扱う中小の損害保険会社や少額短期保険、代理店経由の専用商品なら加入できる場合があります。

「どこも入れない」とあきらめる前に、空き家を扱う保険を探してみましょう。

4-6. 共済は原則として空き家を扱わない点に注意

県民共済やJA共済などの共済は、空き家(一般物件)を原則として取り扱っていません。

これまで共済に加入していた場合、空き家になると継続できず、別の保険を探す必要が出てくることがあります。

「空き家扱いになるので共済はもう入れない」というケースは実際に起きているため、早めに代わりの保険を検討しておきましょう。

5. 空き家の火災保険を見直す手続きの流れ

実際に空き家の火災保険を見直すときの流れを、順を追って確認しましょう。

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  1. 空き家の用途・状態を確認する
    常時人が住んでいないのか、別荘的に使うのか、家財は残っているのかなど、現在の使い方と状態を整理します。
  2. 今かけている火災保険の内容を確認する
    すでに加入している火災保険があれば、補償内容・保険金額・満期日を確認します。
  3. 保険会社へ空き家になったことを申告する
    契約中の保険会社に、空き家になった(なる)ことを伝え、今の契約のままで補償されるかを確認します。
  4. 住宅物件で継続・一般物件へ切り替え・新規加入を判断する
    住宅物件として継続できるのか、一般物件への切り替えが必要なのか、別の保険に入り直すのかを判断します。
  5. 複数社で見積もりを取り、比較して契約する
    一般物件への切り替えや新規加入が必要な場合は、複数社の見積もりを比較し、補償と保険料のバランスがよいものを選びます。

手続きのポイントを、チェックリストでも整理しておきます。

  • 実家の使い方・状態(家財の有無・将来の予定)を整理した
  • 現在の火災保険の補償内容・満期日を確認した
  • 保険会社に空き家になることを申告した
  • 住宅物件で継続できるか確認した
  • 必要な補償と外せる補償を整理した
  • 複数社の見積もりを比較した

6. 保険を見直すタイミングと、維持が難しいときの選択肢

火災保険の見直しは、タイミングを逃さないことが大切です。

6-1. 見直すべきタイミング

次のような場面が、保険を見直す好機です。

  • 親が施設や病院に入り、実家が空き家になったとき
    住宅物件から一般物件への切り替えが必要になる可能性があるため、早めに保険会社へ申告します。
  • 実家を相続したとき
    契約者の名義変更とあわせて、空き家としての扱いを確認します。
  • 更新案内が届いたとき
    保険料が大幅に上がっていたら、補償内容の見直しや他社比較のチャンスです。

6-2. 保険料の負担が重いなら、売却・解体も視野に

保険料が高く、固定資産税や管理の手間も含めて維持が難しいと感じる場合は、空き家そのものをどうするかを考える時期かもしれません。

空き家は持っているだけで、固定資産税・火災保険・草木の管理・修繕などの費用がかかり続けます。

売却や解体には費用や手続きがともないますが、長く維持し続けるより負担が軽くなることもあります。

実家の売却・解体・管理の手続きについては、以下の手続きガイドで詳しく解説しています。

6-3. 被害が出たときは火災保険の保険金を請求する

火災や台風などで空き家が被害を受けたときは、火災保険の保険金を請求します。

請求には期限や必要書類があり、被害状況の写真などが役立ちます。

保険金請求の具体的な流れは、以下の手続きガイドを参考にしてください。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 空き家でも、今の火災保険のままにしておけば大丈夫ですか?

A. そのままでは補償されない可能性があるため、保険会社への確認が必要です。

多くの火災保険は住宅物件向けで、空き家(一般物件)は対象外となることがあります。

空き家になったことを保険会社に申告し、今の契約で補償されるか、切り替えが必要かを確認してください。

Q. 空き家であることを保険会社に言わないとどうなりますか?

A. いざというときに保険金が支払われない恐れがあります。

建物の使い方が変わったときは保険会社へ告知する義務があります。

申告しないまま住宅物件の契約を続けると、告知義務違反として、火災が起きても保険金が下りない可能性があります。

保険料を払い続けても無駄になりかねないため、必ず申告しましょう。

Q. 売却が決まっている空き家でも、火災保険は必要ですか?

A. 引き渡しまでの間も、加入しておくのが安心です。

売却が決まっていても、引き渡しが完了するまでは所有者に管理責任があります。

その間に火災や倒壊で近隣に損害を与えれば、賠償責任を負う可能性があります。

短期間でも加入できる保険を検討し、売却後に未経過分の保険料を返金してもらう方法もあります。

Q. 空き家の火災保険料の相場はどのくらいですか?

A. 建物の構造・築年数・補償内容で大きく変わり、一概には言えません。

木造で築年数が古いほど保険料は高くなる傾向があります。

実例では、住宅物件で年3万円台だった保険が、空き家(一般物件)への切り替えで年9万円前後になったケースもあります。

正確な金額は、複数社で見積もりを取って確認しましょう。

Q. 空き家だと火災保険に入れない・断られることはありますか?

A. 大手では断られることもありますが、加入できる保険はあります。

空き家(一般物件)はリスクが高いため、大手の損害保険会社では引き受けを制限していることがあります。

また、県民共済やJA共済などの共済も、原則として空き家を取り扱っていません。

ただし、一般物件を扱う中小の損害保険会社や少額短期保険、空き家専用保険など、加入できる選択肢はあります。

「どこも入れない」とあきらめず、空き家を扱う保険を探してみましょう。

Q. 地震保険にも入りたいのですが、空き家でも入れますか?

A. 一般物件として契約する場合は、地震保険に加入できません。

地震保険に加入できるのは、住宅物件と併用住宅に限られます。

別荘扱いなどで住宅物件として契約できれば地震保険にも入れるため、住宅物件として扱えないか保険会社に相談してみましょう。

まとめ

空き家になった実家の火災保険料が高くなるのは、住宅物件から「一般物件」へ切り替わり、放火・倒壊・解体費・賠償といったリスクが保険料に反映されるためです。

火災保険全体の値上がりも重なり、保険料が2〜3倍になることもあります。

大切なのは、次の3点です。

  • 空き家になったことを必ず保険会社に申告する
    告知しないと、いざというときに保険金が下りない恐れがあります。
  • 高いからと安易に解約して無保険にしない
    放火・倒壊・延焼賠償のリスクは大きく、無保険は危険です。
  • 補償の見直しと複数社比較で、保険料を抑える
    不要な補償を外し、住宅物件での契約や空き家専用保険も含めて検討しましょう。

保険料の負担が重く、維持そのものが難しい場合は、売却や解体といった出口も視野に入れて、家族で早めに話し合っておくことをおすすめします。

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