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消防団の入団手続きと条件 - 報酬・退職金・メリットも解説

消防団の入団手続きと条件 - 報酬・退職金・メリットも解説
最終更新:2026年5月28日

「消防団って実際にどんな活動をしているの?」
「報酬はもらえるの?仕事との両立はできる?」
「入団するにはどうすればいい?」
——地域の防災に関心がある方や、入団を勧められた方の中には、こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

消防団は18歳以上であれば誰でも入団でき、年額報酬や出動手当、退職報償金など金銭的なメリットもある組織です。

この手続きガイドでは、消防団の入団条件・手続きの流れから、活動内容、報酬体系、メリット・デメリット、退団方法まで網羅的に解説します。

消防団とは?消防署(消防士)との違い

消防団は、消防組織法に基づいて各市町村に設置される公的な消防機関です。

地域に暮らす一般市民が参加する組織で、団員は法的には非常勤の特別職地方公務員という位置づけになります。

ボランティアのような性質を持ちつつも、報酬が支給され、公務災害補償の対象にもなる点が特徴です。

消防士(消防署)との違い

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項目消防団消防署(消防士)
身分非常勤特別職の地方公務員常勤の地方公務員
本業会社員・自営業・学生・主婦など消防が本業
出動災害時に自宅や職場から駆けつける消防署に常駐して出動
採用入団届の提出(試験なし)採用試験に合格が必要
報酬年額報酬+出動手当月額給与

消防団員は普段は会社員や学生、自営業者として仕事や学業に励みながら、火災や災害が発生した場合に現場に駆けつけて活動を行います。

消防署の消防士と連携して消防活動にあたるため、災害時の地域防災において重要な役割を担っています。

消防団の現状

2025年10月1日現在、全国の消防団数は2,169団、消防団員数は約73万5,743人です(公益財団法人日本消防協会調べ)。

1950年代前半には200万人を超えていた団員数は年々減少しており、若い世代の担い手不足が課題となっています。

一方で、女性消防団員は全国で29,478人(2025年4月1日現在)と増加傾向にあり、消防団全体のうち8割超の消防団で女性団員が活躍しています。

入団の条件(資格)

消防団の入団資格は、市区町村ごとに条例で定められています。

一般的には、以下の条件を満たせば男女を問わず入団できます。

  • 年齢
    18歳以上(上限年齢は自治体により異なる。40歳定年や65歳定年など)
  • 居住地等の要件
    その市区町村に居住している、または勤務先・通学先がある
  • 健康状態
    消防活動に支障のない健康状態であること
ポイント

居住地だけでなく、勤務先や通学先がある市区町村の消防団にも入団できます。
ただし、勤務地での入団を認めるかどうかは各市区町村の条例によります。
入団前に確認しておきましょう。

学生の入団

大学生や専門学校生も入団可能です。

防災に関する知識や技術の習得、社会貢献の経験を求める学生の入団が増加しており、消防庁は「学生消防団活動認証制度」を設けています。

これは1年以上の活動実績がある学生に対し、市町村長が認証証明書を交付する制度で、就職活動の際にアピール材料として活用できます。

公務員の入団

国家公務員や地方公務員も消防団に入団できます。

「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」第10条により、任命権者は職務の遂行に著しい支障があるときを除き、兼職を認めなければならないとされています。

所属する団体の服務担当部署に問い合わせて許可を得れば、入団が可能です。

入団手続きの流れ

消防団への入団手続きは各市町村ごとに定められていますが、一般的な流れは次のとおりです。

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  1. 居住地(または勤務地・通学先)の市役所・町村役場・消防署に問い合わせる
  2. 入団を希望する消防団(分団)の紹介を受ける
  3. 面接や活動内容の説明を受ける
  4. 入団届を提出する
  5. 入団承認後、活動に必要な被服・装備が貸与される
ポイント

入団にあたって筆記試験や体力試験は基本的にありません。
問い合わせから入団まで、通常は1〜2週間程度で完了します。

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消防団の活動内容

消防団の活動は大きく災害時の活動平常時の活動に分けられます。

災害時の活動

  • 消火活動
    火災現場での消火や延焼防止
  • 救助・避難誘導
    住民の避難誘導、倒壊家屋からの救助
  • 水防活動
    大雨時の土のう積み、河川の警戒
  • 情報収集
    現場の状況確認と報告

平常時の活動

  • 消防訓練
    消火訓練、応急手当訓練など
  • 機材点検
    消防ポンプや機材の点検・整備
  • 救命講習
    AEDの使い方や心肺蘇生法の指導
  • 防火パトロール・広報
    火災予防運動期間中の巡回、夜間の見回り
  • 地域行事での警備
    お祭りやイベントでの警戒活動

活動の頻度は消防団によって大きく異なります。

月1〜2回の定例活動のみの団もあれば、年間を通じてかなりの回数の訓練を行う団もあります。

入団前に活動頻度を確認しておくことが大切です。

報酬・手当・金銭的メリット

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消防団員は特別職の地方公務員であるため、活動に対して報酬が支給されます。

年額報酬

市区町村の条例に基づき、年ごとに支給されます。

総務省消防庁が定めた標準額は、「団員」階級で年額36,500円です。

役職が上がるほど金額は高くなり、自治体によっては標準額を上回る金額を設定しているところもあります。

出動報酬

災害活動や訓練に出動した際に支給されます。

出動の種類標準額
災害(火災・地震等)への出動8,000円/日
訓練・警戒・点検等各市町村が設定(目安4,000円/日)
金額について

災害時の出動報酬8,000円/日は消防庁が定めた標準額です。
災害以外の出動報酬は各市町村が個別に設定しており、4,000円/日は非課税上限の目安です。

報酬の課税関係

報酬の種類非課税の上限
年額報酬年5万円まで非課税
出動報酬(災害)8,000円/日まで非課税
出動報酬(災害以外)4,000円/日まで非課税
出動に伴う交通費全額非課税
重要

報酬は団員個人に直接支給されることが原則です。
消防団や分団の運営経費に充てるため、団員に支給された報酬の全部または一部を組織に支払うよう求めることは、消防庁通知で「趣旨を逸脱する」とされています。
もし報酬が個人に渡っていない場合は、市区町村の消防担当部署に相談してください。

退職報償金

5年以上勤務して退職した消防団員には、階級と勤続年数に応じた退職報償金が支給されます。

以下は「団員」階級の退職報償金です(令和7年4月1日以降に退職した場合)。

勤続年数退職報償金
5年以上〜10年未満200,000円
10年以上〜15年未満264,000円
15年以上〜20年未満334,000円
20年以上〜25年未満409,000円
25年以上〜30年未満519,000円
30年以上〜35年未満689,000円
35年以上789,000円

役職が上がるほど金額も高くなります。

公務災害補償

消防団活動中にケガをした場合や死亡した場合は、公務災害補償制度で補償を受けることができます。

療養補償・休業補償・傷病補償年金・障害補償・介護補償・遺族補償・葬祭補償の7つの制度が設けられています。

自治体独自の優遇措置

自治体によっては、以下のような独自の優遇措置を設けている場合があります。

  • 消防団員向けの割安な公営住宅(家賃補助)
  • 公共施設の利用割引
  • 福利厚生サービスの提供

入団を検討する際は、お住まいの自治体の優遇措置も確認してみましょう。

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消防団に入るメリット・デメリット

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メリット

  • 防災スキルが身につく
    消火訓練や救命講習を通じて、日常生活でも役立つ防災・応急処置の知識と技術を習得できます。
  • 地域の人脈が広がる
    幅広い年代・職種の人と交流でき、地元のつながりが深まります。
  • 学生は就活でアピールできる
    「学生消防団活動認証制度」を活用し、社会貢献の経験として就職活動で活用できます。
  • 企業はCSR活動としてPR可能
    消防団活動に協力的な事業所は「消防団協力事業所」に認定され、社会貢献として対外的にPRできます。
  • 退職報償金がもらえる
    5年以上の活動で、勤続年数に応じた退職報償金を受け取れます。
  • 報酬・手当が支給される
    年額報酬に加え、出動のたびに手当が支給されます。

デメリット・注意点

  • 時間的な負担がある
    訓練や行事への参加が求められ、仕事やプライベートの時間が削られます。
    活動頻度は団によって異なるため、入団前に必ず確認しましょう。
  • 操法大会の練習が負担になることがある
    消防操法大会に向けた練習が数ヶ月間にわたるケースがあり、大きな時間的負担になることがあります。
    近年は操法大会の見直しを進める自治体も増えています。
  • 退団しづらい地域もある
    特に地方では人手不足により「辞めたいのに辞められない」という声も聞かれます。
    法的には退団届を出せば辞めることができますが、後任探しを求められるケースもあります。
  • 報酬が個人に渡らないケースが残っている
    個人支給が原則ですが、一部の団では慣習的に報酬を組織でプールしている場合があります。
    消防庁は是正を求めています。
注意

消防団の活動内容や雰囲気は地域によって大きく異なります。
入団前に活動頻度や具体的な活動内容を問い合わせ、可能であれば見学や体験に参加してから判断することをおすすめします。

機能別団員・機能別分団制度

「消防団活動に興味はあるけれど、すべての活動に参加するのは難しい」という方のために、機能別団員機能別分団という制度があります。

機能別団員とは

全ての活動に参加する「基本団員」とは異なり、特定の役割・活動にのみ参加する消防団員です。

自分のライフスタイルに合わせた活動が可能なため、仕事や家庭の事情でフルコミットが難しい方でも参加しやすい仕組みです。

活動例

  • 地域住民向けの応急処置やAEDの使い方の指導
  • 消防の諸行事やイベントでのPR活動
  • 大規模災害時のみの支援活動
  • OB団員としての経験を活かした訓練サポート

機能別団員の数は年々増加しており、導入する市町村も拡大しています。

入団を検討する際は、お住まいの自治体に機能別団員制度があるかどうかも確認してみてください。

退団の手続き

消防団を退団する場合の手続きについて解説します。

退団届の提出

退団する場合は、所属する消防団に退団届(退団届出書)を提出します。

法的には消防団員は任意で参加しているため、退団届を提出すれば退団できます。

退職報償金の受給

5年以上勤務した団員は、退団時に退職報償金を受け取ることができます。

金額は「報酬・手当・金銭的メリット」のセクションで紹介した表のとおり、階級と勤続年数に応じて決まります。

引っ越し時の取り扱い

引っ越しにより居住地が変わる場合は、現在の消防団に退団届を提出します。

転居先で改めて消防団に入団する場合は、新しい市区町村で入団手続きを行います。

なお、退職報償金の計算において、複数の市町村での勤務年数は通算できるため、転居前の期間も退職報償金に反映されます。

ただし、前の市町村で既に退職報償金を受給済みの場合は、その基礎となった期間は合算されません。

よくある質問(FAQ)

Q. 仕事をしながら活動できますか?

A. はい、消防団員の大半は本業を持ちながら活動しています。

消防団員の約7割は会社員として企業で働いています。

訓練や行事は主に夜間や休日に行われることが多く、仕事との両立が前提の組織です。

災害時の出動については、勤務先の理解が必要ですが、「消防団協力事業所」に認定されている企業では、出動時に特別休暇として扱われる場合もあります。

Q. 女性でも入団できますか?

A. はい、性別を問わず入団できます。

全国で29,478人の女性消防団員が活躍しており(2025年4月1日現在)、消防団全体の8割の団に女性団員がいます。

防火広報活動や救命講習の指導、避難所運営サポートなど、幅広い場面で女性ならではの視点が活かされています。

Q. 報酬に税金はかかりますか?

A. 年額報酬は年5万円まで非課税、出動報酬は1日あたり4,000〜8,000円まで非課税です。

非課税の上限を超えた部分は給与所得として課税対象になります。

確定申告が必要かどうかは、消防団以外の収入状況によって異なるため、税務署や自治体の担当窓口に確認してください。

Q. 途中で辞めることはできますか?

A. はい、退団届を提出すれば辞めることができます。

消防団への参加は任意であり、法的に退団を拒否されることはありません。

ただし、人手不足の地域では引き留められるケースもあります。

退団の意思が固い場合は、分団長ではなく市区町村の消防担当部署に直接相談するのも一つの方法です。

Q. 消防士と消防団員は何が違いますか?

A. 消防士は消防署に常駐する常勤の専門職、消防団員は本業を持ちながら非常勤で活動する地域住民です。

消防士は採用試験を経て専門的な訓練を受けたプロフェッショナルです。

一方、消防団員は入団に試験はなく、地域の防災を担うボランティア的な性格を持ちますが、法的には特別職地方公務員として報酬や補償が保障されています。

災害時には消防士と消防団員が連携して活動にあたります。

まとめ

消防団への入団を検討するうえで、押さえておきたいポイントを整理します。

  • 入団条件:
    18歳以上で、その市区町村に居住(または勤務・通学)していれば性別・職業を問わず入団可能
  • 手続き:
    市役所・町村役場・消防署に問い合わせて入団届を提出するだけ。試験はなし
  • 報酬:
    年額報酬(標準36,500円)+出動手当(災害時8,000円/日)。5年以上で退職報償金も
  • 活動:
    災害時の消火・救助と、平常時の訓練・点検・防火パトロールなど
  • 負担の程度:
    団によって大きく異なるため、入団前に必ず確認する

全ての活動への参加が難しい場合は、特定の活動にのみ参加する「機能別団員」という選択肢もあります。

まずはお住まいの市区町村の窓口に問い合わせて、地元の消防団の活動内容や雰囲気を確認してみてください。

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